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    元スレ兄「彼女できない」妹「そうだね」

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    201 :

    おつ
    ぐうかわ

    202 :

    《トラウマ》

    私は昔から男が嫌いだ。

    馬鹿ばっかりだしエッチなことばかり考えてる。

    女も女でめんどくさい奴は多いと思うけど、男のあの下心丸出し喋り方とか、表情なんてのは目も当てられないない。

    本当に男なんて……嫌いだ。

    「あ」

    「あ」

    203 = 202 :

    …この人は妹ちゃんのお兄さん。

    「こんにちはお兄さん」

    「おう」

    「今日も安定の1人ですか?」

    「安定の1人ってなに?新しい悪口かなにか?」

    「そんなぁ…褒め言葉ですよ」

    この人は何を考えているのかわからない男だ。

    「てかお前も1人じゃねぇか。やーいビッチ…あ、間違えたボッチ」

    「……怒りますよ?」

    「ごめなさい」

    「……」

    204 = 202 :

    セクハラ紛いのことは平気で口にしたりして、馬鹿そうに見えるのだが、この人は…今まで会ってきた男の人とは少し違う気がする。

    私はこのルックスと…まぁそれなりに整った顔をしているので、よく男共からゲスい目で見られるのだが………

    「ふぁ……眠い」

    この人は本当にわからない。

    「…昨日夜更かしでもしてたんですか?」

    「まぁちょっとな……妹と桃鉄してたらいつの間にか朝になってた」

    「あぁ…それで。妹ちゃん、今日の授業全部爆睡してるんですよね」

    「あぁ…まぁ仕方ないだろうな。俺もさっきの授業寝てたし」

    205 = 202 :

    「…どうせエッチな夢でも見てたんじゃないですかぁ?」

    「君の胸に挟まれる夢を見た」

    「死んでください」

    「ありがとうございます」

    「あ、妹友~……と、なぜに兄貴」

    「あ、妹ちゃん。この人無理矢理私にエッチなことしようとするの…助けて」

    「オイ貴様」

    206 = 202 :

    「…あんたは会う女の子にいちいちセクハラせにゃおえんのか!」

    「あ、俺顧問に呼ばれてんだった。じゃあなお二人さん」

    「あ……逃げやがった」

    「あはは」

    「すまんね~うちの馬鹿が」

    「まぁ半分は本当に冤罪だから」

    「だろうねぇ…」

    「あら、わかってたの?」

    「そりゃ妹だからね私は。それぐらいわかるよ」

    「へぇ……信頼してるんだね、お兄さんのこと」

    「は?そんなんじゃねぇし」

    「羨ましいなぁ」

    「いやいや、あんなポンコツのどこがいんだよ」

    207 = 202 :

    「…そうじゃなくて」

    「…なによ?」

    「私にも…信頼できる人がそばにいればな……って」

    「………」

    「…あ、ごめん。なんか変なこと言ったね私。忘れてー」

    「私じゃ不満かしら?」

    「……え?」

    「私がそばにいるでしょうが……不満?」

    「……ううん、不満じゃない」

    「なら別にいいでしょ。私のこと、信頼してくれていいわよ?これでも結構いい奴だから私」

    「……ぷ」

    「あははは!」

    「……なによ?」

    「いやぁ……すごい自信だねぇ。あんたのそういう所……私好きだわ」

    「うっさいな…ほら、もうそろそろ授業始まるから、行くよ?」

    「こ~のツンデレめぇ!」

    「うぜぇさわんな!」

    信頼してるよ妹ちゃん。

    あなたはあの日以来、初めて私が信用できた人だ。

    男も女も……私はあの時から誰も信用しなくなってしまったのに、なのに不思議と信じることができた。

    不思議な子。

    でもね…私、今だに男だけは信じることができない。

    たとえ……それがあなたが何よりも信頼してるお兄さんであっても…………。

    209 = 202 :

    「…で、続けるけど」

    「その切り替えの早さは本田並みだ。お前もACミランに入れるぞ」

    「妹友……なんか悩みがあると思うんだよね」

    「妹が俺のボケに反応しない件について安価取りたくなってきた」

    「兄貴の目から見て、妹友ってどんな印象?」

    「え?ビッチ?」

    「………」ギロ

    「ってのは嘘でして、まぁそうだなぁ………あの子俺のこと、嫌いなのかな?」

    「……え?」

    「いや、嫌いとは少し違うかもしれない。ただ、なんというか俺のことを観察してる感じだな」

    「…自意識過剰でしょ」

    「いや、違う。むしろ逆」

    「逆?」

    210 = 202 :

    「あの子は俺のことを疑ってるんだよ。お前一体なに考えてんだよコラ…って感じで」

    「それって……」

    「簡単に言えば、俺に不信感を抱いてる」

    「……あんた一体妹友になにしたのよ」ギロ

    「冤罪だ」

    「じゃあなんで兄貴は妹友に不信感持たれてるわけ?」

    「そこまでは知らねぇよ。ただ、これは俺だけじゃないかもしれない」

    「どういうことよ?」

    「その言葉通りだって。あの子が不信感を抱いているのは俺以外にもいるかもしれないって言ってんだよ。読解力身につけろ国語54点」

    「なぜ私のテストの点数を知っている」

    「母さんが今朝嬉しそうに話してた」

    「………」

    211 = 202 :

    「もしかしたら……いや、これはまだいっか」

    「ねぇ……」

    「なに?」

    「ここまで踏み込んでもいっても迷惑じゃないかな?」

    「?」

    「たぶん…だけどさ、妹友は何か大きなことを抱えてると思うの」

    「……」

    「だから私…なんとかしてあげたい。だけど……まだ出会ってから数カ月しか経ってない私が、そこまで出しゃばっていいのか……不安で」

    「ふーん」

    「妹友とは……まだ短い間柄だけどさ、親友だと思ってるんだ」

    「3へぇ」

    「だから何かしてあげたくて力になりたいの!……でも、怖くて…………」

    212 = 202 :

    「……ちょっと来いや姉ちゃん。いい事教えてやるぜぇ、げはははは」

    「姉ちゃんじゃねぇし……なによ一体ーーっ!」

    ポン

    「……」ナデナデ

    「……兄貴?」

    「お前がそうしたいと思ってるならそうしてやればいい。自分の気持ちに嘘をついて行動したって後悔するだけだ。……それが間違ってようが、失敗だろうが、自分の心を信じて行動すれば、それはいつかきっと報われる。だからお前はお前のやりたいようにやれよ、妹」

    「……ソースは?」

    「2ch」

    「…兄貴には敵わないな」

    「あれ?なんかデシャブ」

    「……ねぇ兄貴」

    「ん?」

    「もうちょい……あと1時間だけでいいから頭撫でて」

    「腕が疲れるわボケ」ナデナデ

    「……よし、頑張るぞ私」

    「頑張ってるのは俺の腕なんですけど」

    214 = 202 :

    今は祖母のところにお世話になっている→私は祖母に引き取られた

    215 = 202 :

    しかし、中2の時に彼氏が出来た。

    彼はとても優しくて、いつも笑顔でニコニコしていた。

    女子の中でも凄い人気だった。

    最初はそんな彼のことさえも疑心な目で見ていたのだが、彼と接しているうちに段々と惹かれていき、昔の傷もちょっとずつ癒され、私は彼に告白した。

    彼は私と付き合うことになった。

    そして彼から…求められるようなことがしばしばあった。

    しかし私は父のことを思い出してしまい、どうしても怖くて、毎度断っていた。

    それでも彼は優しく私に接してくれていたのだがー。

    216 = 202 :

    ある時、女友達の1人が話しかけてきた。

    今日暇?…暇なら相談したいことがあるから放課後付き合ってほしいと。

    特に用事もなかった私は彼女に付き合うことに決めた。

    そして、放課後ー。

    「第2生活指導室?」

    友達「うん、そう。今は使われてない教室なんだ」

    「へぇ…でも、なにか声が聞こえない?」

    友達「クス……開けてごらん」

    「?」ガラ

    扉を開けて目に入ってきたものは……

    「彼氏………くん?」

    私の彼氏と、他のクラスの女が体を重ねている姿だった。

    217 = 202 :

    彼氏「……おいおい勘弁してくれよ友達」

    友達「ごめーん、ちょっと最近こいつが調子乗ってるのがウザくてさ……ほら、入れよ」ゲシ

    「いたっ!?」

    私は友達に蹴られて教室に無理矢理ぶち込まれた。

    友達「さ……いいよ入ってきて」

    友達の掛け声で数人の男達が入ってきた。

    中にはクラスメイトも混ざってる。

    友達「よかったね妹友…あんたエロい身体してっから男子共に凄く人気よ?こんなにもあんたの身体欲しさに集まってくれたわ」

    意味…が、わからない。

    彼氏が他の子と身体を重ねていることも。

    この男達のことも。

    友達のいっていることも。

    …ただ、わかるのは。

    「…全部……嘘だったんだね」

    私はとっさにズボンの中に隠し持ってた防犯ベルを鳴らした。

    218 = 202 :

    昔のこともあったなのでもしものために持っておいたのだ。

    防犯ベルの音で教師達が集まってきて、彼等は全員教師に取り押さえられた。

    私以外のほとんどが退学になり、私もなぜか停学処分を受けた。

    そして学校に戻ってきた私に待ち受けていたのはイジメだった。

    どんどんイジメがエスカレートしていき、おばあちゃんに相談し、私は転校することになった。

    ただ、もう転校した時は私も受験生だったし、なによりわたしは人間不信になっていた。

    何より男の人と目が合っただけで震えが止まらなくなるほどの男性恐怖症になってしまっていた。

    そんな私に友達なんてできるはずがなく、一人ぼっちの1年間を過ごし、現在の高校に入学した。

    最初は女子校に行こうかと思ったが、私立は学費が高く、これ以上祖母に迷惑はかけられなかったので、近くにある県立高校を受験することになった。

    それが今の高校。

    220 = 202 :

    幸い、中学3年の1年間で少しずつ男性恐怖症は治っていき、今は会話ぐらいはできるようになった。

    まだ触れたり触れられたりするのは無理なのだがー。

    そしてこんな重っ苦しい話をーー。

    「何か悩みがあるんだろ?話せ」

    「………」

    話せるわけないじゃんか、このやろう……。

    221 = 202 :

    今日はここまでです。
    ちょっと重い話になってしまってすみません。

    224 :

    《トラウマ4》

    「…唐突すぎない?」

    「否定しない。やはりあるのか悩みが、甘いな」

    「いやぁ…まぁたとえホントに私が悩みを抱えていたとしてもさ…」

    「?」

    「ノリが軽すぎるだろ」

    「え、いや…まぁこっちのほうが和むかなぁと……」

    「………」

    「………なんかごめん」

    225 = 224 :

    この子は一体いつからこんなにアホの子になったのであろうか。

    いや、まぁこういう変な所も好きではあるんだけど……

    「まぁさ、確かに妹ちゃん言う通り悩みはあるよ?」

    「うん」

    「でも、それを私は誰かに言ったりすることはない」

    「うん」

    「だからこれ以上このことについて聞いてきたりしないで」

    「わかった…あのさ、妹友」

    「…なに?」

    「辛い時や、悲しい時は私を頼れよ。別に話さなくてもいいからさ、1人で支えきれない時はいつでも私のところにおいで。小さい胸だけど貸してやるぞ」

    「………」

    「……なんか言えし」

    226 = 224 :

    違う。

    言いたくても言えないんだよ。

    ありがとう…って、言いたいのに……なぜか言葉が出てこない。

    「……じゃ、先教室戻ってるから。」

    「………」

    私は結局何も言えなかった。

    あー…バカだな私。

    でも……でもさ、嬉しいけど……怖いんだよ同じぐらい。

    信じてた人に裏切られる苦しみを嫌ってほど味わってきた。

    「あんたに……裏切られるのが一番怖いんだよ……くそ」

    227 = 224 :

    《トラウマ5》

    あれから私と妹ちゃんはどこかぎこちなくなってしまった。

    いや、妹ちゃんは普通に接してくれているのに、私が距離を置いてしまったからだ。

    おかげであれから一週間経ち、今では私と妹ちゃんは一緒に帰ったりすることもなくなってしまった。

    「なにやってんだろ……私」

    妹ちゃんは最近クラスの子とよく話すようになった。

    どうやらあの独特の性格がウケたようで、近ごろじゃある意味クラスの中心人物となりつつある。

    228 = 224 :

    子A「ねぇ!今日みんなでカラオケ行こうよ」

    「お前音痴だからなぁ」

    子A「ちょwwてめぇwww」

    「事実じゃんか、まぁいいけども」

    子B「あ、じゃあせっかくだし男子も誘う?」

    子C「あ、いいねそれ!」

    「んじゃせっかくだしクラスの奴全員呼べば?」

    子A「なになに?なんか面白そうな話してんじゃん?」

    子A「今日の放課後さぁーー」

    妹ちゃんに友達が増えてよかったと思う。

    なのに……何故かイライラするのは何故だろう。

    229 = 224 :

    何故か→これ間違いです。

    230 = 224 :

    「ねぇ妹友」

    「………なに?」

    「あんたもさ……来ない?クラス会」

    「………」

    最近妹の誘いを全て断っていた。

    2人で遊ぼうと言われた時も、こうして皆と遊ぶ時も、全てだ。

    それでもまだこうして誘いに来てくれる彼女は本当に優しいのだろう。

    でもこの時私は苛々していてー。

    「行かない」

    231 = 224 :

    「……そっか」

    「てかさ、そういうの迷惑だからやめて」

    「……え?」

    やめろ。

    「同情でもしてんの?クラスに馴染めない私に。随分と偉くなったね?」

    「……そんなんじゃない。変な憶測しないでよ」

    これ以上続けたら、戻れなくなる。もう喋るな。

    「バカにしないで。私は1人でいいからアンタはさっさと向こうで群れてなさいよ。お山の大将…似合ってんじゃない?」

    「なによそれ……アンタのほうこそ私のことバカにしてんじゃん」

    もうダメ。

    お願い、やめてよ。

    「さっさと消えろって言ってんのよ…アンタは所詮私とは違う……お前なんか友達でもなんでもない!……どっかいけ!」

    「………そう」

    ……そんな顔しないで。

    そんな辛そうな顔……あぁ、これ。

    私のせいなんだよね。

    232 = 224 :

    クラスメイトB「どしたの妹ー?」

    「ん、なんでもないよ。妹友、今日は用事があるみたいでダメだったわ」

    クラスメイトA「…なんか大声出してなかった?」

    「私声でかいからね……それより他のまだ声かけてない奴はいないの?」

    クラスメイトA「あー…それならーー」

    こんな時まで……こんなこと酷いこと言った私のこと……庇おうとするんだね、アンタは。

    「………妹友」

    小声で妹が私を呼ぶ。

    「なに?」

    「……………ごめんね」

    そう言った妹の横顔は本当に切なそうで、目には涙が浮かんでいた。

    「あ…………」

    あー……初めての友達を……いや、親友を。

    失った瞬間だった。

    233 = 224 :

    《トラウマ6》

    フラフラとした足取りで夜道を1人歩く。

    チャラA「あれ?彼女1人?」

    チャラB「どもーっす」

    「えぇ……まあ」

    なにかもうどうでもよくなってきた。

    こいつらもどうせ私の身体が目的で近付いてきたんだろう。

    目がキモい。

    チャラB「これから俺達とちょっと遊ばねぇ?」

    いつも通り適当にあしらって……。

    234 = 224 :

    「別に……いいですよ」

    チャラA「イイねイイね最っ高だねぇ!!」

    チャラB「じゃあこっちおいでよ……たくさん楽しませてやっからさぁ!……イヒヒヒェ!」

    「………」

    もしかしたらこれがキッカケで男性恐怖症が治ったり……なんて。

    「ごめんね………妹ちゃん」

    チャラA「なんか言ったか?」

    「別に……とっとと連れてって……私もう……疲れたの」

    チャラA「……俺達が癒してやるから安心しろよ、なぁ?」

    チャラB「もちろん……楽しみにしてろよ……いや、むしろ俺達のほうが楽しみなんだけどさ」

    「………」

    妹ちゃん……私ね、嫉妬したの。

    235 = 224 :

    あなたがクラスの子と仲良くしてるのを見て、苛々した。

    あなたは私の友達なのに……って。

    クラスメイトの人達のことも、私の友達を取らないでよ……って、歪んでるね私。

    いつからこんな臆病になってしまったんだろう。

    臆病なのに、それを隠そうとして強がって、わざと男慣れしてそうな格好して……ホントは怖いのに。

    そしてあなたの気持ちも裏切った。

    236 = 224 :

    『辛い時や、悲しい時は私を頼れよ。別に話さなくてもいいからさ、1人で支えきれない時はいつでも私のところにおいで。小さい胸だけど貸してやるぞ』

    嬉しかったんだよあの言葉。

    涙が出そうだったもの。

    それぐらい嬉しかったのに、なのに臆病な私はあなたを避けるようになった。

    あなたをこのまま信じていくと、いつかあなたに裏切られた時、私はもう立ち直れないって思ったんだ。

    ごめんね妹ちゃん……あなたは私のこと、信じてくれてたのに、私……全然あなたのこと信じきれてなかったんだね。

    信じてると思った。

    この子のこと、信じたいと思ったのに。

    私から裏切ったんだ。

    237 = 224 :

    チャラA「この公園……あんまり人来ないからスポットなんだぜ?」

    チャラB「へへ…おっとビデオの準備しねぇとな」

    だからこれは……報い。

    妹ちゃんを傷つけてしまった報い。

    ただの自己満だけどね……でも私……

    「もう……どうすればいいのかわからないの」

    チャラA「なんだこいつ、急に泣き出したぞ?」

    チャラB「今更嫌になったとかありえねぇからな」

    238 = 224 :

    怖いよやっぱり。

    怖い怖い怖い怖い怖い怖い。

    チャラA「おい暴れんな!……取り押さえろ!」

    チャラB「大人しくしろや!」バシッ

    「ーっ!」

    痛い。

    でも、妹ちゃんはあの時、もっと痛かったはずだ。

    『妹友………ごめんね』

    「ごめん……ごめんね妹ちゃん……ごめんなさい、ごめんなさい。」

    泣かせてごめんなさい。

    あなたの心を傷つけてしまってごめんなさい。

    臆病で……ごめんなさい。

    239 = 224 :

    チャラA「やっと大人しくなったか……ほら、ビデオ回せ」

    チャラB「へいよ……さってと、それじゃ続きといきますか」

    男達は私の服に手をかけて脱がしていく。

    ブレザーは剥がされ、シャツは無理やり引っ張られ破れてしまった。

    私……今度こそ犯されるんだ。

    防犯ブザーも持ってないし、もう逃げられないよね。

    チャラB「ホントに良いおっぱいしてんな……じゃあ次は下半身といこうかね」

    ごめんね妹ちゃん……楽しかったよ、あなたと友達になれて。

    チャラA「スカートは履かせたままのほうが需要あんだろ……だからパンツからーー」

    あれ?

    男達の手が止まった。

    いや、ビデオを持っていた男が倒れてる。

    ポーン……ポーン

    ボール?

    サッカーボール?

    なに?

    じゃあ誰かがあのボールをあの男に当てたって言うの?

    チャラA「誰だてめぇ!?」

    一体誰がーー。

    「わりぃ、足が滑った」

    240 = 224 :

    一旦ここまでです。

    今日中に《トラウマ》編は終わらせる予定です。

    241 :

    王道こそ至高なり
    乙乙

    242 :

    面白い。兄がイケメンすぎるww

    243 :

    お兄さんかっけぇっす

    244 :

    妹がイケメン過ぎて惚れそう

    246 = 224 :

    《トラウマ7》

    あれは……

    「よう、妹友….だっけ?随分とエロい格好してんな」

    「……お兄さん……」

    どうして彼がー。

    チャラB「いってぇ……くそ鼻血が!なにしやがんだ!!」

    「あん?だから手が……あ、違うわ。足が滑ったっていったじゃん」

    チャラB「ふざけてんのかてめぇ!!」

    チャラA「ぶっ殺されてぇのか!!」

    「お兄……さん……逃げて」

    「はは…威勢がいいねアンタ達……咬ませ犬臭がプンプンするぜぇ?」

    チャラ男AB「ぶっ殺す!!」

    この人はなに挑発しているの!?

    「……知らねぇなら教えてやるよ」

    チャラA「死ねやオラァァァ!!」

    殴られる!!

    私は怖くて目を瞑った。

    ズン!!

    247 = 224 :

    という鈍い音が聞こえた。

    チャラA「かっ!?………あ、が、が……」バタ

    チャラB「おい!チャラ男A!?」

    恐る恐る目を開けると、男の1人が倒れていた。

    え?

    お兄さんが……やったの?

    チャラB「一発で……気絶って……嘘だろ?……な、なんなんだお前?」

    「……可愛い妹がいる兄ってのはな、大体強いんだよ喧嘩。もうちょい妹物のラノベ読んで勉強してきな三下」

    チャラB「わけわかんねぇこと言ってんじゃねぇぞぉぉ!!」

    「なっ!?」

    あれはナイフー!?

    248 = 224 :

    あ、危ないお兄さんが、こ、殺されるかもしれない!!

    「お、お兄さん!」

    「心配ねぇって」

    「!」

    なんでこの人……こんな涼しい顔してられるの?

    「こういうの……もう慣れてるんだよね」

    チャラB「死ねやおらぁぁああ!!」ブンッ

    「……」ヒョイ

    チャラB「くそが!当たれ!当たれやぁ!!」ブン ブン

    「おっと危ねえ」ヒョイ

    「……うそ」

    全部避けてる。

    この人一体どんな運動神経……いや、運動神経の問題じゃないか。

    この人こんな時まで笑ってるなんて……どんだけ喧嘩慣れしてんのよ。

    「じゃ……そろそろ終わるか」

    チャラB「こ、この!……くそがぁあああ!!」

    お兄さんの拳が男の顎を捉え、男はぶっ飛んだ。

    249 = 224 :

    「……すご」

    「ふぅ……久しぶりだなこういうの」

    この人……喧嘩のこととかよくわかんないけど……でも、この人が化物並みに強いってことは私にもわかる。

    「で……お前なにしてんの?」

    「……あなたには、関係ないでしょ」

    「……」

    お兄さんは無言で私に近付いてくる。

    「それより…あなたこそなんでこんなところにいるんですか?ストーカー?」

    「……」

    私は何故かこんな憎まれ口を叩いてしまっていた。

    助けてくれたお礼を言わなきゃいけないのに。

    「はは…別に助けてくれなくてもよかったのに……私は別にこいつらに犯されたってーー」

    ファサ

    ……………え?

    これは……お兄さんのブレザー?

    「寒そうだ……着てろ」

    250 = 224 :

    「な、なにをあなたはーー」

    「ごめんな?」

    …………は?

    「来るの遅くなっちまった。怖かったよな?もう大丈夫だよ」

    「な……に……言って」

    「もう大丈夫だから……大丈夫だから……だからもう……そんな泣くなよ」

    「え?……あれ?……なんで涙が……」

    「今まで辛かったろ……もう安心しろ」

    そう言ってお兄さんは私の頭を撫でた。

    あれ?

    なんで私……この人に触れられてるのに大丈夫なんだろう?

    この人だって男なのに。

    でも……優しい手。

    あぁこの笑顔……妹ちゃんの笑顔とそっくりだーーー。


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