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元スレ八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「その3だよ」
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とりあえずはお互い飲み物を買い、コート脇のベンチへと座る。
え? 奉仕部へは行かなくて良いのかって? ばっかお前、戸塚とどっちが優先だと思うよ。戸塚だろ? おう。戸塚だ。
俺はMAXコーヒー、戸塚はアクエリを飲み、一息つく。
……そういや、こうして戸塚と二人っきりになんのは久々だな。
い、いや、別に二人っきりって所に他意は無いよ?
戸塚「こうして二人で話すの、本当に久しぶりだね」
八幡「え? あ、あぁ」
同じ事を考えていたのか、戸塚のその台詞に少々ビックリする。
俺、ホントにサトラレなんじゃねぇだろうな……でもそれだとボッチなのにも納得できるから嫌だ。
八幡「しっかし、こんな時間まで自主練とは偉いn…」
戸塚「八幡」ズイッ
と、そこで戸塚の顔が急接近。
俺、心拍数上昇。ち、近いよ戸塚きゅぅん!
戸塚「八幡。実は僕、ちょっとだけ怒ってるんだ」
八幡「へ?」
そう言われてみれば、確かに戸塚の顔は幾分ムッとしているようにも見える。
あぁでも、怒ってる戸塚も可愛いな…ってそうじゃない。
八幡「……と、言うと?」
戸塚「プロデューサーになった事、最初黙ってたでしょ」
八幡「うっ……」
やっぱりそれか。
薄々感づいてはいた。というか、それくらいしか心当たりが無かった。
八幡「いやでも、それはこの間の総武高校でのライブの時に説明しただろ?」
あの時、体育館を借りられなかった場合に備えて、俺は戸塚にも交渉していた。戸塚はテニス部員だから、最悪コートを借りられればと思ってな。
そんで戸塚も二つ返事でOKしてくれた。あの時一応ザックリ説明はしたんだが……
戸塚「僕が言いたいのは、それから何も音沙汰が無かった事だよ」
そう言う戸塚は、ムッとしてはいるが、どこか寂しそうにも見えた。
戸塚「何かあれば、話くらい聞くよ?」
八幡「いや、戸塚に迷惑かけるわけにも…」
戸塚「迷惑だなんて思わない!」
突然のその大きな声に、思わず驚く。
自分でも分かるくらいに、目を見開いていた。
まさか、戸塚が声を張り上げるとは……
戸塚「……ねぇ八幡」
戸塚は俺をジッと見つめ、真剣な表情で告げる。
戸塚「僕だって頼られたいよ……友達なんだから」
八幡「ッ!」
友、達……。
その言葉を聞いて、思わずあの二人を思い出す。
どこまでも純粋な、ぼっちでぼっちじゃない少女に。
どこまでも真っ直ぐで、素直になり切れない少女。
俺の事を、友達と呼んでくれた彼女たち。
八幡「……そっか。俺、またやっちまう所だったな」
戸塚「八幡……?」
八幡「戸塚」
俺は改めて戸塚へと向き直り、真っ直ぐに言ってやる。
八幡「“友達”として、相談したい事がある。……聞いてくれるか?」
戸塚「……うんっ、もちろん!」
*
それから今回のあらましを、簡単に戸塚に説明した。
なんだか、こうして誰かに相談事をするのってあまり経験無いし、なんか緊張すんな。
……いや、あまりっつーかほとんど無いか。
戸塚「すごいよ八幡! あの765プロの人たちと共演するなんて!」
そして戸塚はと言うと、素直に俺たちの事を祝福してくれていた。
まぁ確かにテレビ出演なんて、本当ならすげーめでたい事なんだろうな。
しかし事態が事態なだけに喜んでばかりもいられない。
八幡「まぁ、先輩の胸を借りるつもりでやれば良いんだろうけどな。そう簡単にもいかないみたいだ」
そもそも約一名借りる胸すら無い人が……おっと、これ以上は言わん方がいいな。一部の人に殺される。
というか、普通に凛に怒られそうだ。
戸塚「その、渋谷さんが元気無いんだよね……?」
八幡「ああ。たぶん、変に思い詰めてんだろうな。私じゃ勝てないとかどうとか」
戸塚「……それだけ、八幡をがっかりさせたくないんじゃないかな」
少しだけ哀しそうに笑い、そう言う戸塚。
俺をがっかりさせたくない、ねぇ。
確かにその発想な無かったが、どうなんだろうな。
八幡「……けど、だったら尚更、気に病む必要なんてねぇな。自分の好きなようにやりゃいいのによ」
戸塚「八幡……」
俺はあいつの意志を尊重したいんであって、俺の意志を汲み取ってほしいわけじゃない。
それでも、あいつはそれを認めないんだろうがな。
八幡「なぁ、戸塚。俺はどうすれば良いと思う」
何度も自問自答を繰り返した。
だがそれでも、空回りして、何が正しいのか分からない。
八幡「俺に、何か出来る事はあるか?」
俺のやり方じゃ、あいつらを助けられない。
戸塚「……」
俺の問いに対し、戸塚は目を瞑って少しの間考えていた。
やがて目を開き、俺の方へと向き直る。
その顔は、笑顔だった。
戸塚「僕は素人だし、アイドルの事もよく分からないけど……一つだけ分かるよ」
八幡「っ! ホントか?」
戸塚「うん。八幡にしか出来なくて、八幡だから出来る事」
俺にしか出来なくて、俺だから出来る事……?
……ダメだ。さっぱり分からん。
戸塚「んーとでも、ちょっと八幡には難しい事かもね」
八幡「俺にしか出来ないのに、俺には難しいのか?」
俺の困惑した顔が面白かったのか、戸塚はクスッと笑うと、手を胸に当てこう言った。
戸塚「それはね。ーー信じること」
八幡「信じる、こと?」
戸塚「うん」
微笑みながら、戸塚は俺の目を真っ直ぐに見つめている。
戸塚「それだけ? って思うかもしれないけど、でも、それが何より大事だと思うんだ」
八幡「……」
戸塚「きっと八幡が渋谷さんを信じてあげるだけで、それだけで、渋谷さんは勇気を貰えると思う」
「僕が、きっとそうだから」と、そう言って戸塚はまた、小さく笑った。
信じること、か。
そう言われると、確かにそれは俺にしか出来なくて、俺には難しいことのように思える。
別に今まで凛の事を信じていなかったわけではない。
しかしどこかで、上手くいかなかった時の事を考えていたのも、また事実。
俺だから、出来ること……
戸塚「……信じるのって、実は簡単じゃないよね」
呟くように言う戸塚。
戸塚がそう言うのは、ある意味ではとても意外に思えた。
だが、俺だからこそ同意出来る。信じるのは、簡単じゃない。
信じるとは、裏切られてもいいということ。
だから、信じるという行為は、覚悟と同義なのだ。
八幡「ま、俺は100回は裏切られてきたけどな。既に慣れたまである」
戸塚「そ、それはさすがに言い過ぎじゃないかな」
おお、戸塚が引き笑いしている。
けど数えたわけじゃないが、それくらいはいってる気がするのが悲しい。
100回裏切られれば、101回目だってきっと裏切られる。
そう信じて、疑わなかった。
……疑わなかったんだけどなぁ。
八幡「まさか、101回目で表を出すとは思わなかったな」
戸塚「表?」
八幡「何でも無い。ただのコインの話だ」
俺がそう言って立ち上がると、戸塚も慌てて腰を上げる。
八幡「……俺も、102回目に挑戦してみる事にするよ」
戸塚「……クスッ」
見ると、戸塚が可笑しそうに笑っている。
え、なに。俺の台詞ちょっと臭かった? 結構自信あったんだが……
戸塚「103回目だよ」
八幡「え?」
言うや否や、戸塚は駆け出し、俺から少し離れた位置で振り返る。
戸塚「僕が、102回目だからね」
そう言った戸塚は眩しいくらいの笑顔で。
戸塚「……友達って言ってくれて、嬉しかったよ」
夕日に照らされたその姿は、キラキラと輝いていた。
……ったく、ホントに惚れちまうぞ。
それは、こっちの台詞だっつうの。
八幡「……ありがとな。戸塚」
追いかけるように、俺も少し早足で戸塚の元へと向かう。
その後二人で下校している所を雪ノ下と由比ヶ浜に目撃されるのだが……
……まぁ、別にやましい事なんてしてないんだからいいよな。
ただの、友達との下校途中だ。
*
時刻は夜9時を回った所。
自分の部屋のベッドに座り、俺はケータイから電話をかける。
八幡「……あ、もしもし。ちひろさんですか? 夜遅くにすいません」
テレビには、件の歌番組が丁度放送を終えエンディングを迎えた様子が映っている。
手元には、来週の企画書。
八幡「ええ。実はですね、お願いしたい事がありましてーー」
そうだ。俺には、味方がいる。
俺なんかを信じてくれる、味方が。
だから俺は、俺に出来る事をやる。
出来るだけの事をやってーー
後は、アイツらを信じるだけだ。
今日はここまで! アイドルが一人も出て来なかったー!
まぁ戸塚は天使だから良いよね。
次回、CDデビュー編完結!!
まぁ戸塚は天使だから良いよね。
次回、CDデビュー編完結!!
乙乙
八幡は友達って言葉がまともに使えるようになったのか
101回目がきのこで102回目が戸塚で……アレ?
八幡は友達って言葉がまともに使えるようになったのか
101回目がきのこで102回目が戸塚で……アレ?
乙!
続きが気になりすぎてやヴぁい
やっぱり戸塚はかわいいなぁ
続きが気になりすぎてやヴぁい
やっぱり戸塚はかわいいなぁ
乙!
やっぱり戸塚は天使じゃないか(歓喜)
こっちの八幡はホントいい方向に向かっていってるなあ…原作はまだまだ迷走しそうだけど(9巻のあらすじを眺めながら)
やっぱり戸塚は天使じゃないか(歓喜)
こっちの八幡はホントいい方向に向かっていってるなあ…原作はまだまだ迷走しそうだけど(9巻のあらすじを眺めながら)
>八幡「何でも無い。ただのコインの話だ」これが
「何でも無い。ただのモバコインの話だ」に見えた俺って(震え声)
貴音、やよい、千早の組み合わせで違和感云々で騒いでるけど
別にこの3人ユニットって訳じゃないからおかしくないでしょ
物語の展開抜きに考えても
単にスケジュールの都合上この番組にデレるのがこの3人だったって所では?
「何でも無い。ただのモバコインの話だ」に見えた俺って(震え声)
貴音、やよい、千早の組み合わせで違和感云々で騒いでるけど
別にこの3人ユニットって訳じゃないからおかしくないでしょ
物語の展開抜きに考えても
単にスケジュールの都合上この番組にデレるのがこの3人だったって所では?
八幡大丈夫、収録の日にサインのチャンスはあるよ!
まあ、その時は凛の好感度もさらに上がってるだろうから……
まあ、その時は凛の好感度もさらに上がってるだろうから……
>>880
いや、課金層は社会人だから……
いや、課金層は社会人だから……
>>887
ageんな
ageんな
物欲センサーはカプコンの技術だろ
これはちひろさんの仕業に違いない
これはちひろさんの仕業に違いない
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