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元スレ苗木「江ノ島さんを更生させてみた」
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夜・江ノ島の部屋
コンコン
『盾子ちゃん、ちょっといい?』
江ノ島「どうぞー。鍵開いてるよー」
戦刃「お邪魔するね」
江ノ島「お姉ちゃんどうしたの?」
戦刃「あのね……」
戦刃(わたしは……他の誰よりも、盾子ちゃんのために……)
江ノ島「ん?」
戦刃「盾子ちゃんに、お話ししたいことがあるんだ」
戦刃(だから……)
江ノ島「何よ?」
戦刃「今日の放課後のことなんだけどね――――」
戦刃(ごめんね、十神くん)
苗木『以前の江ノ島さんの人格を壊したのは僕だ』
苗木『ならせめて今の江ノ島さんには幸せになってほしいと思った』
苗木『けど、今の江ノ島さんの恋心を偽造したのも僕だった』
苗木『僕が江ノ島さんに好かれるなんて、普通に考えればあり得ないだろう?』
苗木『結局、僕は江ノ島さんを狂わせているんだよ』
苗木『ははは、あはははは……』
――――
――
苗木「ふあ……」
苗木「んー、なんか嫌な夢を見た気がするな……」
苗木「まあいいか。いつも通り、前向きに行こう」
苗木「いつも通り……いつも通り……」
苗木「って、もう授業始まる時間ぎりぎりじゃないか!?」
1月30日
江ノ島「苗木なに遅刻してんのよー。夜更かしでもした?」
苗木「えーっと、そういうわけじゃないんだけど……なかなか寝付けなくてね」
江ノ島「なになに? あの熱い夜のこと思い出しちゃった?」ニヤニヤ
舞園「な、なんですか熱い夜って!?」ガタッ
苗木「何もなかったからね!? 一緒のベッドで寝ただけだよ!」
セレス「一緒のベッド……ですって……!?」
苗木「はっ!? い、今のは言葉の綾っていうか――――」
霧切「浮気するなんて酷いわ苗木くん! 私のことは遊びだったの!?」
苗木「えええ!?」
苗木「た、助けてよ江ノ島さん!」
江ノ島「うぷぷぷ~」
戦刃「盾子ちゃん楽しそうだね」
江ノ島「ああ、絶望的に楽しいぜ!」
苗木(うわあ、絶望的だ……あっ、江ノ島さんの口癖移っちゃった)
1月31日
化学実験室
ボンッ
霧切「……」
霧切「この薬品、消費期限が切れているわ」
江ノ島「いやいやあり得ねーって。ベタすぎるって。どう失敗すれば化学実験で爆発すんだよ!」
霧切「滑りをよくしようとグリセリンを使ってみただけよ。もう一度やってみるわ」
江ノ島「ねえそれニトログリセリンじゃない? ねえ? どこから持ってきたのよ、ねえ!?」
ボンッ
苗木「なんか今、高校の実験で聞こえるはずのない音が聞こえなかった?」
戦刃「今の音はニトログリセリンだね」
苗木「音だけでわかるものなの!?」
戦刃「戦場で物資が足りないとき、自分で手榴弾とか作る必要があるから」
苗木(忘れがちだけど、戦刃さんってすごい軍人なんだよなあ……)
苗木「じゃあ化学実験みたいなのは得意なんだ?」
戦刃「うんっ! お姉さんに任せなさい!」エッヘン!
苗木「あはは、戦刃さんとペアになれてよかったよ」
戦刃「ほんと? えへへっ」///
戦刃「よし次いこー!」
苗木「うん!」
ボンッ
苗木「」
戦刃「あれ!? 滑りをよくしようとグリセリン使っただけなのに!?」
2月1日
土曜日
苗木妹「おっ邪魔しまーす!」
江ノ島「妹ちゃんいらっしゃーい!」
戦刃「ようこそー!」
舞園「初詣以来ですね!」
苗木「……ここ僕の部屋なんだけど」
苗木妹「へえー、お兄ちゃんこんな広い部屋に住んでるんだ! さすが希望ヶ峰だね!」
苗木「あのさ、僕は入校パス発行した覚えないんだけど……だいたい予想はつくけどさ……」
江ノ島「はいはーい! あたしが発行しておきましたー!」
苗木「やっぱり……」
苗木妹「だってお兄ちゃん、もう3学期だっていうのに1回も呼んでくれないんだもん」
苗木「はぁ……希望ヶ峰の中、案内しようか?」
苗木妹「うんっ!」
夜・食堂
苗木妹「うぅ~ん、希望ヶ峰の食堂おいしいー!」
苗木「……」
苗木妹「こんなの毎日食べられるんだ。お兄ちゃんの幸せ者っ!」コノコノー
苗木「……ねえ、いつ帰るの?」
苗木妹「え? 明日は日曜日だから泊まるけど?」
苗木「えっ」
苗木妹「せっかく来たんだもーん」
苗木「ええええ!? ぼ、僕は明日のパス発行しないからな!?」
苗木妹「実はもう舞園さんに発行してもらってたり」テヘッ
苗木「」
苗木妹「久しぶりにお兄ちゃんと一緒に寝ようかなーって。えへっ」///
舞園「ダメですよ。妹ちゃんは私のお部屋です」
苗木妹「ちぇー。でも舞園さんのお部屋も楽しそう! 夜更かししちゃいましょう!」
舞園「もう、少しだけですよ?」フフ
苗木(なんでいつの間にかどんどん超高校級のみんなと仲良くなってんの!?)
2月2日
ワイワイ
桑田「あれが苗木の妹か……アリだな……!」
山田「拙者、この学園に来てから3次元への理解が深まった気がしますぞ! ふぅ……」
苗木「ははは……妹に手を出したら怒るから」ボソッ
桑田・山田「「ゴメンナサイ」」
江ノ島「じゃあ苗木が手ぇ出しちゃったら?」ニヤニヤ
苗木妹「……!」ピクッ
苗木「なに言ってんの!?」
苗木妹「お、お兄ちゃん私のことそんな目で見てたの!?」///
苗木「なわけないだろ!」
江ノ島「あー苗木いじんの楽しい」
苗木「もう……」
苗木妹「……」ジー
苗木「なんだよ?」
苗木妹「もうちょっと背が高ければなあ……」
苗木「」
江ノ島「妹ちゃんの方が高いもんねー」
苗木「なんで女の子みんな僕より背が高いんだよ……絶望的だ……」
苗木妹「冗談だよー、恋に身長とか関係ないってばっ!」
江ノ島(惚れてる本人が言うと説得力あるよねー)
江ノ島(あたしもだけど)
江ノ島(あたしもだけどさ!)///
苗木妹「……ねえ、お兄ちゃん」
苗木「ん?」
苗木妹「江ノ島さんたちと、仲良くね」ニコ
苗木「へ? うん……」
苗木妹「そろそろあたし帰るねー」
苗木「送ってくよ」
苗木妹「いいっていいって。じゃね!」
苗木「あっ、おい! ……行っちゃった」
苗木妹(じゃあね……お兄ちゃん……)
2月3日
江ノ島「鬼は外ー!」ヒュッ
葉隠「……なんで俺が鬼なんだ?」ペチンペチン
セレス「やられ役のような髪型……でしょうか」
葉隠「人の体のことをからかうなんて酷いべ! どう考えてもオーガが鬼に相応しいべ!」
朝日奈「さくらちゃんのことバカにしてんの!? 葉隠サイッテー! やっちゃって戦刃ちゃん!」
戦刃「え、えっと……鬼は外……?」ビュンッ!
葉隠「ちょ!? いた、やめて手加減して!?」ビシッ バシッ!
江ノ島「でもって、福は内だよー」
苗木「……何この手?」
江ノ島「『幸運』の苗木くんにー、食べさせてあげようと思って! はい、あーんっ!」アーン
苗木「ああ、そういうことね。あー……」
苗木「……」
苗木「ねえ、その……」
江ノ島「ん?」ニコニコ
苗木「豆みたいに小さいものだと……あの……どうしても指まで口に……」///
江ノ島「うぷぷぷ、僕は苗木くんに指を舐められたって気にしないから大丈夫だよ」
苗木「僕が気にするんだよ!」
江ノ島「ごちゃごちゃ言ってないで私様に食べさせられなッ!」グイッ
苗木「もがっ!!? んー、んー!?」
江ノ島(あ、やばいこれけっこう……その……恥ずかしくなってきたんですけどおおお!?)///
苗木「ぷはっ!」
朝日奈「な、苗木の変態っ!」///
苗木「なんで!?」
2月4日
放課後
江ノ島「ねえ、苗木」
苗木「なに?」
江ノ島「明日の放課後って空いてる?」
苗木「明日? うん、空いてるよ。それがどうかした?」
江ノ島「ほら、明日って苗木の誕生日じゃん」
苗木「えっ、なんで江ノ島さんが知ってるの!?」
江ノ島「ふふーん! とある妹ちゃんからの情報よ!」
苗木「ああ……」
江ノ島「で、明日はみんなで軽く苗木の誕生日を祝います」
苗木「そうなんだ」
江ノ島「ちなみにサプライズです」
苗木「ええ!? それ言っちゃダメなんじゃ……」
江ノ島「サプライズ誕生会なんて絶望的につまらねえんだよ! 時代は逆サプライズだッ!!」
苗木「逆サプライズ……?」
江ノ島「うむ! 明日の授業が終わったら、一旦あたしが苗木を教室の外に連れ出すことになってるんだけ。その時あたしの部屋で逆サプライズの準備するからね!」
苗木「面白そうだね。うん、わかったよ」
江ノ島「じゃ、あたしは明日の準備してくるねー!」
苗木「じゃあね。……はは、逆ドッキリみたいなものか。うまく行くといいけどね」
夜・江ノ島の部屋
戦刃「盾子ちゃーん……お、終わったよ……」
江ノ島「あたしもうちょい。お姉ちゃん帰っていいよー」
戦刃「盾子ちゃんが冷たい……うぅ……」
江ノ島「冗談だって、ありがとね!」
戦刃「もう……盾子ちゃんもあんまり無理しないでね?」
江ノ島「わかってるってー!」
江ノ島(明日は苗木の誕生日か……)
ハッピーエンド以外は認めない!
妹様を悲しませたら絶対にダメだよ!
乙
妹様を悲しませたら絶対にダメだよ!
乙
2月5日
教室
キーンコーンカーンコーン
苗木「ふう。今日の授業も終わりか」
十神「……」チラッ
江ノ島「……」コク
江ノ島「ねえねえ苗木、面白いもの買ったから見せてあげるよ」
苗木「面白いもの? 変なものじゃないよね……?」
江ノ島「もう、苗木くんってば心配性なんだから。うぷぷ」ニヤニヤ
苗木「すごく嫌な予感がするんだけど……」
江ノ島「気にしない気にしない。あたしの部屋だよ、行こ!」
舞園「な、苗木くんを部屋に連れ込むんですか!?」
江ノ島「やましいことなんてしないから大丈夫だって。じゃあねー」
苗木「あはは……またね、舞園さん」
セレス「……行きましたわね。準備を始めましょうか」
霧切「まあ、飾り付けとかはしないからすぐに終わるでしょうけどね」
戦刃「……」
江ノ島「ふふっ、みんな予定通りだと思ってるね」
苗木「なんだか申し訳ない気がするなあ……」
江ノ島「ほら、とりあえずあたしの部屋行くよ!」
苗木「うん!」
江ノ島(お姉ちゃん、任せたよ)
江ノ島の部屋
ガチャッ
江ノ島「あたしの部屋へようこそー!」
苗木「そういえば江ノ島さんの部屋に入るのって初めてだね」
江ノ島「どうどう? 現役女子高生ギャルの部屋に入った感想は?」
苗木「ええ!?」
江ノ島「どうなのよー?」
苗木「うぅ……」
江ノ島「……」ワクワク
苗木「お、思ったより片付いてるね……」
江ノ島「そこ!?」
苗木(危ない……うっかりいい匂いがするって言うとこだった……!)///
苗木「と、ところでさ! 逆サプライズって何するの?」
江ノ島「んー……」
苗木「?」
江ノ島「もうちょい時間あるから、のんびりしてようよ」
苗木「え? うん」
江ノ島(もう少しだけ……いつものままでいてもいいよね……)
教室
十神「準備が整ったな。全員クラッカーは持っているか」
桑田「おいおい、まーたクラッカーかよ」
十神「ん? 祝い事にはクラッカーだと苗木に聞いたが?」
腐川「く、桑田の分際でなに白夜様に口答えしてるのよ……! ぐぎぎ……!」
桑田「俺への当たり強くね!?」
葉隠「桑田っちだからなあ」
山田「桑田怜恩殿ですからなあ」
桑田「ひでえ!」
ギャーギャー
セレス「では戦刃さん、江ノ島さんに連絡をお願いします」
戦刃「うん。15分くらいしたらこっち来るようメールすればいいんだよね?」
舞園「あれ? すぐには来ないんですか?」
セレス「すぐに教室に戻るのは不自然に思われるかもしれませんので」
不二咲「はぁ、緊張するなあ……」
朝日奈「元気出して不二咲ちゃん! 思いっきり苗木を祝ってあげようよ!」
大神「そうだな……それが、我らの責務だ」
戦刃「……」
霧切「私ちょっとお手洗いに行ってくるわ」
舞園「ちゃんと苗木くんより早く帰ってきてくださいよ?」
霧切「ええ、わかっているわ」
江ノ島の部屋
upp…
『from 残姉
こっちは準備できたよ。あと15分くらいで戻って来いって』
江ノ島「……」
苗木「あ、連絡きた? 僕らもそろそろ準備する?」
江ノ島「……」
苗木「江ノ島さん?」
江ノ島「ちょっと待ってて」ガサゴソ
苗木「?」
江ノ島「はい、苗木。これあげる」スッ
苗木「へ?」ウケトリ
苗木「……アルバム?」
江ノ島「うん。あたしたちが希望ヶ峰に入ってからの写真、集めたの」
苗木「へえ、いつの間に……」パラッ
江ノ島「最近ね」
苗木「あれ? 僕の写真多くない?」
江ノ島「うん。だってそれ、あたし達から苗木への誕生日プレゼントだもん」
苗木「あ、そうだったんだ」
苗木「……」
苗木「ええええええ!!? 今もらっちゃっていいの!?」
江ノ島「本当は教室で渡すことになってたんだけどねー」
苗木「へっ?」
江ノ島「それより見て見て! ここから先はあたしが写真選んだんだよ!」
苗木「……!」
苗木「これ……10月末……」
江ノ島「うん。更生したところから」
苗木「……」
江ノ島「ふふっ、次のページの写真見てよ」ペラッ
苗木「ちょ!? なんでワンピース着たときの写真なんて入ってるのさ!!?」
江ノ島「可愛いし?」
苗木「うぅ……他の人に見られたくないんだけどなあ……」///
江ノ島「観念しなさーい」
苗木「もう……」ペラッ
江ノ島「……」
苗木「調理実習……」
苗木(うっ……思い出したら胃が痛くなってきた……)
江ノ島「そういえばさ、結局誰の料理が一番美味しかったの?」
苗木「ええーっと……」
江ノ島「まあ、普通に舞園あたり?」
苗木「戦刃さんかな。意外性込みで」
江ノ島「えええ!?」
苗木「いやほんと美味しかったんだよ、レーション」ペラッ
江ノ島「うへえ、予想外すぎるでしょ……」
苗木「これはクリスマスパーティのときのだね」
江ノ島「ああ、十神がやけにそわそわとツンデレしてたクリスマスね」
苗木「それ本人に言ってないよね?」
江ノ島「その日のうちに言っちゃってたりー!」
苗木「ああ……だと思ったよ……」
江ノ島「あたしってば正直ちゃんだから」テヘッ
苗木「はは……」ペラ
江ノ島「あー! 信じてないでしょ!」
苗木「あ、初詣……やっぱりみんな着物きれいだね」
江ノ島「当然っしょ!」
苗木「これは雪降った日か」
江ノ島「このかまくら、すぐに壊れちゃったんだよねー」
苗木「そうだったね。また作るなら次はもっとちゃんと作りたいなあ」ペラッ
江ノ島「今度はみんなで作ろっか」
苗木「うん。あっ、これ……」
江ノ島「苗木がちょー怖がってたお化け屋敷じゃーん!」
苗木「……」
江ノ島「えと……せめてツッコんで……」
苗木「はは、ごめんごめん」
江ノ島「うぅ……」///
苗木「それにしても、つい最近のことなのに懐かしいね」
江ノ島「ふふん! 私様セレクションは気に入ったか!」
苗木「うん、もちろんだよ!」
江ノ島「へへっ!」
苗木「でも、プレゼントにアルバムって珍しいね」
江ノ島「……」
苗木「みんなで決めたの?」
江ノ島「うん」
苗木「へえ……」パラッ
江ノ島「……」
苗木「……」
江ノ島「……苗木にね、ずっと覚えていてもらいたくて」
苗木「えっ?」
江ノ島「苗木が忘れてもまた思い出せるように、アルバムに決めたんだって」
苗木「はは、そんな簡単には忘れないよ」
江ノ島「ほんとにー?」
苗木「うん!」
江ノ島「ふふ。よかった」ニコ
江ノ島「あっ、でもね……」
江ノ島「アルバムにした理由、あたしはちょっと違うんだ」
苗木「違う?」
江ノ島「うん。少しだけ別の理由」
苗木「……?」
江ノ島「あたしがこうやって笑ってたことを、苗木に覚えていてほしいの」
苗木「それ、どういう……」
江ノ島「あっ、この写真見てよ! 小泉に撮ってもらったやつ!」
苗木「へっ?」
江ノ島「いい笑顔してるでしょ!」ニシシ
苗木「うん……可愛いね」
江ノ島「なっ、か、かわいっ!?」///
苗木「あっ!? いや、その!」
苗木(うわあ、思ったことそのまま言っちゃった!)///
江ノ島「……ねえ、あたしって可愛い?」
苗木「ええ!?」
江ノ島「答えて」
苗木「う……か……」
江ノ島「……」
苗木「か、可愛い……と思うよ……」///
江ノ島「……そっか」
苗木「ううぅ……」///
江ノ島「そっかそっか、うぷぷぷ」
苗木「え、江ノ島さんそういうの言われ慣れてるでしょ!?」
江ノ島「苗木に言ってもらうのが嬉しいの!」
苗木「もう……」
江ノ島「こーんな可愛い私様のこと、忘れないでよね?」
苗木「だから忘れないって」
江ノ島「ふふっ」
苗木「……」
苗木「ねえ、江ノ島さん。何かあった?」
江ノ島「え? なんで?」
苗木「いや……今日の江ノ島さん、いつもと違うから……」
江ノ島「へえ~、そんなにあたしのことよく見てくれてるんだ」ニヤニヤ
苗木「ちゃ、茶化さないでよっ」///
江ノ島「うぷぷぷっ」ケラケラ
苗木「ねえ、本当に……」
江ノ島「なんでもなーいー!」
苗木「……」ジッ…
江ノ島「……」
江ノ島「はぁ。しょうがないな……」
苗木「どうしたの……?」
江ノ島「ちょっと、いろいろあったんだ」
苗木「……?」
江ノ島「目、つむって」
苗木「えっ?」
江ノ島「そしたら教えてあげる」
苗木「う、うん……つむったよ……?」
江ノ島「……」
江ノ島「目、開けないでね?」
苗木「うん」
江ノ島「……」
苗木「江ノ島さん?」
江ノ島「もう少し、そのままでいて」
苗木「うん……」
苗木(そういえば前にもこんなのあったな……)
苗木(あ、江ノ島さん近づいてきた)
苗木(……)
苗木(いい匂いだな……なんか、安心する……)
苗木(また近づいてきた。江ノ島さんの息遣いが聞こえてくる……)
苗木(うぅ……まだ開けちゃダメなのかな……すごくドキドキするんだけど……)///
江ノ島「目、閉じたまま聞いてね……返事しなくていいから……」
苗木「……?」
江ノ島「……」
江ノ島「あのね……」
江ノ島「苗木……好きだよ……」
チュッ
江ノ島「ん……」
苗木「んぅ!?」ゴクン
江ノ島「ふうっ」
苗木「え、えええ江ノ島さん!?」///
江ノ島「ファーストキス、しちゃった……」
苗木「なっ!?」
江ノ島「えへへっ」
苗木「て、ていうか今……何か飲ませ……」フラッ
江ノ島「おっと、危ないよ」ガシ
苗木「あ、れ……?」
苗木(なんだこれ……)
江ノ島「安心して」
苗木(なんだか……眠く……)
江ノ島「ただの睡眠薬だから」
苗木(睡眠……薬……?)
江ノ島「罪木ちゃん特製のね。超即効性なんだ」
苗木(なんで……)
江ノ島「……」
苗木(江ノ島……さん……?)
江ノ島「ばいばい、苗木」
苗木(……?)
江ノ島「今の、このあたしのこと……忘れないでね……」
苗木(……)
江ノ島「じゃあね」
苗木(……)
江ノ島「……苗木のこと、好きになれてよかったよ」
キィ
バタン…
乙
次で最後は何か寂しい
次回もss書くならまた妹様のお願いします!
次で最後は何か寂しい
次回もss書くならまた妹様のお願いします!
妹様の発言が気になる。。。事前に残姉から聞いてるから
おつ。忘れないでね苗木
おつ。忘れないでね苗木
戦刃『ねえ、盾子ちゃん』
戦刃『苗木くんが『超高校級の絶望』になっちゃうんだって』
戦刃『だから、苗木くんの人格を書き換えて……それから記憶を消すんだって』
戦刃『ねえ、盾子ちゃん』
戦刃『盾子ちゃんはどうしたい?』
戦刃『私は、どんなことがあっても盾子ちゃんの味方だよ』
セレス「戦刃さん」
戦刃「……」
セレス「戦刃さん?」
戦刃「あ、ごめん……なに?」
セレス「江ノ島さんから連絡はありませんの?」
戦刃「ないよ」
セレス「そうですか……苗木くん達、遅いですわね」
十神「確かにな。江ノ島は何をやっているんだ」
舞園「私ちょっと見て来ましょうか?」
セレス「そうですわね。お願いします」
舞園「はい、行ってきますね」
戦刃「……」スッ
舞園「戦刃さん?」
戦刃「……ごめん」
舞園「え?」
戦刃「ごめんね、舞園さん。ここは通せないの」
十神「……!」
舞園「それって、どういう……?」
戦刃「……」
十神「ちっ、そういうことか。貴様、江ノ島に話したな?」
舞園「ええっ!?」
戦刃「……」
十神「何を企んでいる?」
戦刃「苗木くんの記憶は……盾子ちゃんとの思い出は、消させない」
石丸「だ、だが! それでは苗木くんが『絶望』してしまうのだぞ!?」
戦刃「そんなことはさせない」
朝日奈「えーと……つまり……?」
セレス「……なるほど。江ノ島さんを『超高校級の絶望』に戻すのですね」
山田「なんですとー!!?」
戦刃「……」
十神「そこを通せ」
戦刃「嫌」
十神「ふん。……大神、戦刃を退けろ」
大神「しかし……」
戦刃「……」
十神「……今のうちにもう片方のドアから出ろ、桑田」ボソッ
桑田「……おう」スッ...
パァン!!
桑田「おおう!!?」
十神「なっ!?」
朝日奈「い、戦刃ちゃん……それ……銃!?」
戦刃「ゴム弾だから死にはしないよ」
セレス「本気なのですね」
戦刃「うん。私の戦場は、ここって決めたから」
大神「どうする。やはり我が行くか……?」
十神「……」
舞園「待ってください」
十神「なんだ?」
舞園「戦刃さん。これが、あなた達の選んだ答えなんですよね?」
戦刃「……うん」
舞園「後悔していませんか?」
戦刃「してないよ」
舞園「そうですか……」
戦刃「……」
舞園「では、仕方ありませんね」
戦刃「!」
十神「おい!」
舞園「本人が決めたことですし、それに……たぶん教室にいる私達じゃどうしようもないです」
十神「どうしてそう思う?」
舞園「ふふっ、ただの勘ですよ」
十神「……ちっ」
戦刃「……」
戦刃「ありがとう」
セレス「嘘がお上手ですね」
舞園「嘘は言ってないですよ。戦刃さんは誰も通さないだろうし、この教室にいる私達にはどうしようもないです」
セレス「まあ、そうでしょうね……彼と、彼女次第ですか……」
舞園「はい」
セレス(貴女はこれを見越して外に出たのですか? 霧切さん……)
――――
――
霧切「ふぅん。そういうこと」
霧切「とりあえず、そうね……」
霧切「江ノ島さんの部屋にでも行ってみましょうか」
物理準備室
江ノ島「懐かしいな……」
江ノ島「この機械で更生させられたの、もう3ヶ月も前なんだよね」
江ノ島「それとも、まだ3ヶ月かな?」
江ノ島「まさかもう一度使うことになるなんてねえ……」
江ノ島「うぷぷぷ。絶望的なジョークみたい」
江ノ島「うぷぷ……」
江ノ島「……」
江ノ島「よし……」ピッ
ジジ...ウイーン...
アルターエゴ『こんにちは、ご主人タマ!』
江ノ島「はは、なにこれ。不二咲ってばこんなの搭載してたんだ」
アルターエゴ『あ、あれ? 江ノ島さんがなんで……』
江ノ島「ごめんね。セーフモードに移行、っと」カタタ
アルターエゴ『待っ――――』ブツン
江ノ島「さーて、あたしの人格データはどこにあるのかなー?」
江ノ島の部屋
カチ…カチリ…
カタンッ
霧切「邪魔するわよ」ガチャ
霧切「苗木くんの部屋の鍵を開けてきた経験がここで活きるなんてね」
霧切「あら? これは……」
苗木「……」スー、スー
霧切「 苗 木 く ん が 1 人 で 寝 て い る で す っ て ? 」
霧切「これは……」
霧切「……」ゴクリ
霧切「ふ……ふふ……」
霧切「うふふ……失礼するわよ、苗木くん……」
ギシ…
苗木「……」スー、スー
霧切「ハァ……ハァ……」
霧切「やっぱり苗木くんに馬乗りになるのは最高ね」ゾクゾク
霧切「うっ、いけない、また鼻血が出てしまうところだったわ……」
霧切「ふう。落ち着いたかしら」
霧切「さて、それじゃ……」
霧切「失礼するわよ、苗木くん」
バシンッ!!
苗木「いったあああ!!!?」
霧切「おはよう、苗木くん」
苗木「き、霧切さん? 何を……?」
霧切「ええ、あなたの正妻の響子よ。寝ていたようだからビンタで起こしてみたの」
苗木「は? 正妻? へっ??」
霧切「そんな分かり切ったことよりも、今はもっと気になることがあるんじゃないの?」
苗木「気になること……? あ、あれ? そういえば江ノ島さんは?」
苗木(確か……ばいばい、って……)
霧切「おそらく物理準備室よ」
苗木「物理準備室?」
霧切「ねえ、苗木くん。あなたに面白い話を聞かせてあげるわ」
苗木「……?」
霧切「きっかけは、葉隠くんの占いだったわ――――」
物理準備室
『該当の人格データを発見しました』ピピッ
江ノ島「あったあった」
江ノ島「標準人格データサンプルフォルダ……こんな所に隠してたのね」
江ノ島「悪用されるのが嫌なら消しちゃえばよかったのに」
江ノ島「でもまあ、不二咲も苗木に負けないくらいお人好しだもんね。勇気がちょっと足りてないけど」
江ノ島「あたしの元の人格、消せなかったんだろうな……」
江ノ島「……」
江ノ島「さて、と」
江ノ島「確か頭にこの輪っかみたいなの着ければいいんだよね……」カチャッ
江ノ島「えーっと……」
江ノ島「フルインストール、かな?」ピッ
『人格のフルインストールが選択されました』
『部分インストールと違い、書き換え及び書き換え準備スキャンに時間がかかります』
『また、フルインストールでは人格の大幅変化による精神破綻の危険があります』
『人格のフルインストールを実行しますか?』
江ノ島「……」
江ノ島「怖くない……怖くないよ……」
江ノ島(苗木にもらったロケットペンダントがあるから……あたしは大丈夫……)ギュッ
江ノ島「……」
江ノ島「よし……」ピッ
『人格のフルインストールを準備しています』
『機器を頭に取り付け、横になってください』
江ノ島「このベッド、あんまり寝心地よくないんだよねえ。ははっ」
江ノ島「はは……」
『機器の接続が確認されました』
『既存人格のスキャンを行っています。しばらくお待ちください』
江ノ島「……」
江ノ島「はぁ……」パカッ
江ノ島「苗木と撮ったプリクラ、ここに入れといてよかった」
江ノ島「苗木の写真見ながらだったら、怖くないよ」
江ノ島「えへへ……」
江ノ島「……」
江ノ島「苗木、怒るかなあ……」
江ノ島「怒ってくれるといいな……」
江ノ島「でもね、あたしのせいで苗木の記憶がなくなるくらいなら……あたしはもう一度『絶望』に戻るよ……」
江ノ島「……ううん」
江ノ島「苗木のためじゃない」
江ノ島「苗木があたしとの3ヶ月を忘れるのが怖いから……」
江ノ島「結局は、あたしのためだし? 苗木のためじゃないし?」
江ノ島「そもそも苗木があたしとの思い出忘れたら、たぶんあたし『絶望』するもんね!うぷぷぷ!」
江ノ島「うぷぷ……」
江ノ島「……」
江ノ島「苗木ぃ……怖いよ……」ジワ…
バタン!
苗木「江ノ島さん!!」
江ノ島「なえ……ぎ……?」
ピー
『スキャンが終了しました』
『インストール人格を最適化しています。接続を解除しないでください』
『接続を解除した場合、人格構造に重大な問題が発生する可能性があります。接続を解除しないでください』
江ノ島「なんで……なんで苗木が……?」
苗木「霧切さんに、全部聞いたよ」ハァ、ハァ…
江ノ島「霧切……? ああそっか、お姉ちゃん残念だもんね、あはは……」
苗木「江ノ島さん、とりあえずその装置を外そう!」
江ノ島「さっきの警告聞いたでしょ? もう取り外せないんだよ」
苗木「そんな!」
江ノ島「来るのが少し遅かったね」
苗木「なんで、こんなことを……!」
江ノ島「……」
苗木「思い出ならまた作ればいいじゃないか! いくらでも付き合うから!!」
江ノ島「……」
苗木「せっかく……せっかく江ノ島さんは普通の女の子になれたのに!!」
江ノ島「……」
苗木「僕のせいだ……全部……」
苗木「ああ……全部、僕のせいだ……!!」
苗木「僕が君を壊した!! 僕が君を歪めた!!!」
江ノ島「それは違うよ、苗木」
苗木「でも! そもそも僕が君の人格を書き換えたから!!」
江ノ島「あたし、言ったよね?」
江ノ島「今が楽しいんだ、って」
江ノ島「更生させてくれてありがとう、って」
苗木「じゃあなおさらだよ! 江ノ島さんが『絶望』に戻る必要なんてない!!」
江ノ島「ううん……」
江ノ島「大好きな人が『絶望』するなんて耐えらない」
江ノ島「それを防ぐために、大好きな人の記憶から消えることは……もっと耐えられない……」
江ノ島「だから……」
苗木「でもっ!! その好きっていう感情だって、僕のせいじゃないか!?」
江ノ島「……」
苗木「普通の女の子になれた君の初恋は、僕が歪めてしまったじゃないか!!」
江ノ島「苗木……」
江ノ島「たとえきっかけがそうだとしても……」
江ノ島「あたしは、苗木を好きになれてよかったよ」
苗木「……え?」
江ノ島「理屈じゃないんだよ。恋愛を知ったばっかのあたしが言うのもなんだけどさ、好きになった理由なんてどうでもいいんだ」
江ノ島「きっかけが書き換えられたものでも構わない。江ノ島盾子は苗木誠に恋をした」
江ノ島「優しいところが好き」
江ノ島「一緒にいると安心できるところが好き」
江ノ島「苗木を好きになれて、あたしは幸せだったよ」
苗木「で、でも……!」
『インストール人格の最適化が整いました』
『残りおよそ3分で、人格のフルインストールを開始します』
苗木「……!!」
江ノ島「ねえ、苗木」
苗木「なに……?」
江ノ島「あたしね、『絶望』には戻るけど、幸せになるのを諦めてなんかないよ」
苗木「え?」
江ノ島「今度はね、この機械に頼らないで更生するの」
江ノ島「どんなに時間がかかっても……」
江ノ島「どんなに大変でも……」
江ノ島「絶対にいつか、もう一度更生してみせる」
苗木「更生……」
江ノ島「そしてね……」
江ノ島「そして、もう一度、苗木に恋をするんだ」ニコ
苗木「……!」
江ノ島「あたしは一度、『絶望』に戻るよ」
江ノ島「けどね、楽しかったこの3ヶ月の記憶がある」
江ノ島「苗木との……ううん、みんなとの思い出があるから……」
苗木「思い出……?」
江ノ島「舞園たちと仲良くなれた思い出がある」
江ノ島「妹ちゃんと友達みたいに遊んだ思い出がある」
江ノ島「お姉ちゃんの大切さを知った思い出がある」
江ノ島「大勢でパーティをして楽しんだ思い出がある」
江ノ島「そして……苗木に恋をした思い出がある」
苗木「……」
江ノ島「このたくさんの思い出が、あたしの『希望』なんだ」
苗木「『希望』……」
江ノ島「うん。だから、あたしは大丈夫」
苗木「……」
江ノ島「あたしも苗木も、一緒にハッピーエンドを迎えたい」
江ノ島「『絶望』なんかに負けないで、頑張ろうよ」
苗木「……」
苗木「江ノ島さんは、強いね……」
江ノ島「知らなかったの? 恋する乙女は強いんだから!」
苗木「はは……」
江ノ島「ふふっ……」
『残りおよそ1分で、人格のフルインストールを開始します』
江ノ島「……」
苗木「……」
江ノ島「ねえ、あたしが『絶望』に戻っても見捨てないでくれる?」
苗木「当たり前じゃないか」
江ノ島「ほんと?」
苗木「うん」
江ノ島「ほんとにほんと?」
苗木「約束するよ」
江ノ島「もし更生できなかったら、一緒に『絶望』になってくれる?」
苗木「えええ!?」
江ノ島「ぷっ、くくっ、冗談だよ」クスクス
苗木「えっ酷い!?」
『残りおよそ30秒で、人格のフルインストールを開始します』
江ノ島「……」
苗木「……」
江ノ島「ねえ、苗木……」
苗木「うん?」
江ノ島「あたし、怖い……」
苗木「……」
江ノ島「頭、撫でててくれる?」
苗木「お安い御用だよ」ナデ…
江ノ島「えへへ……念願の苗木のナデナデだあ……」
苗木「念願って……はは……」
江ノ島「今までに2回も拒否られてるからね」
苗木「あ、あの状況じゃ仕方ないじゃないか!」///
江ノ島「でも今撫でてくれたから許す!」
苗木「ありがとうね、江ノ島さん」
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