元スレシンジ「ヴンダーで暮らす」
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551 = 527 :
ヴンダー内会議室
ミサト「ヴィレの各艦長諸君。先日のネルフの襲撃と、昨今のデータにより、
我々には多くの時間が残されてない事が判明した。
元々悠長に構えていたつもりではないが、
我々も予定を繰り上げなくてはならなくなったのも事実
よって、計画を一部変更 兼ねてよりの計画を一段階繰り上げ、
私は赤木博士とともに一旦艦を離れます」
ザワザワザワ
552 = 527 :
ミサト「その間、艦隊の総指揮は通信で私が下します。
しかし、有事においての直接指揮を執るには現場の適切な辞任が必要。
よって、ここに特別作戦部長を任命する」
ザワザワ
553 = 527 :
ミサト「……サクラ少尉、いえ……サクラ大佐、前へ」
サクラ「……はい」
554 = 527 :
先日 ヴンダー内 艦長室
サクラ「くぁwせdrftgyふじこlp;@」
ミサト「落ち着きなさい」
サクラ「だ、だって!?
特別作戦部長、って、な……なんなんですか!?
有事の際の直接指揮て、
そないな大役、医官で少尉の私には到底到底……」
555 = 527 :
リツコ「この艦で最も適任なのは、貴方だからよ」
サクラ「そ、その条件とやらを教えてくださいよ!!
何で私が、適任なんですか?」
ミサト「……有事の際の指揮。艦を動かす命令なら、通信で私を通して行える
常時通信機の電源をONにしているから、ある程度の指示はこちらで出す」
リツコ「それなら、結局誰でも特別作戦部長の座につける。
でも、有事の際の指揮に関しては、貴方にしかできない事がある」
サクラ「それは、なんなんですやろ?」
556 = 527 :
ミサト「エヴァパイロット両名の指揮、及び、彼女たちへの理解
両方を兼ねそろえている貴方にしか、この役はこなせない」
サクラ「……そ、んな……」
リツコ「言い換えてあげる。
貴方は、特別作戦部長として皆を指揮するのではない。
皆を指揮するのはあくまで艦長。そこで、貴方が考えるべきなのは」
ミサト「エヴァパイロットを、守る事」
サクラ「!!」
557 = 527 :
ミサト「艦長としての私の指示
科学者としてのリツコの言葉
二人の姉のようなサクラの意思
この三つの要素は、今後の作戦に必要不可欠」
リツコ「ついでに言うと、そこそこのカリスマ性も認められることから、
私たち二人とも、貴方にしかできないと判断しました」
558 = 527 :
サクラ「……でも、こんな若輩者……皆が認めるやろか?」モジモジ
ミサト「……」
リツコ「……」
ミサト「和を以って尊しとなす」
サクラ「……!」
ミサト「ヴィレの中で、私がいつも皆に教えてきた事の一つよね」
サクラ「……はい」
559 = 527 :
ミサト「確かに、サクラ少尉に今から大佐の地位を与え、
総指揮とも言える重役を背負わせるのは大変だと思うわ」
サクラ(さらっと大佐て言いはったな。艦長……)
ミサト「貴方の至らぬところは、私たちでサポートするし、
ヴィレの皆が支えてくれるはずよ」
560 = 527 :
サクラ「……艦長」
ミサト「ね?」
サクラ「……艦長、ずるいですやん……」
サクラ「普段見せない、そんな顔して言われたら……首横には触れませんやろ!」
ミサト「……頼んだわよ……!」
561 = 527 :
サクラ退室後
ミサト「……」
リツコ「例の件もだけど、言わなくていいの?」
ミサト「何よ」
リツコ「……碇シンジを、殺さずに確保してくれる可能性が一番高いのも、
サクラちゃんしか居ないって」
ミサト「そんなこと、あっちだってわかってるでしょ。
こんなありえない人選。全艦納得させるの大変だったんだから」
リツコ「……それもそうね。勝手に気付いてもらいたいところだわ」
562 = 527 :
……
艦長と赤木博士が、艦の一つとともにヴィレを去ってから、三週間が経過した。
思いのほかヴィレの中での風当たりは良く、
補佐としてスミレさんもいろいろな事を教えてくれはったし、
艦長や赤木博士からも、今まで知らんかったとんでもない事を教えてもらった
正直、不安は先行するけど何とかなるような気はしてきた。
毎日艦長からの通信も入るし、通信での艦長はなんやエライ穏やかな口調で……
まるでお姉さんができたみたいやて思て、ちょっと嬉しかった。
それに、ミサトさんは約束してくれはった。
この作戦が終わったら、ネルフに乗り込む。シンジさんを助ける作戦を、始めるって
563 = 527 :
やっちゅうのに……
事態は、悪い方向へと急転する。
564 = 527 :
ヒデキ「っ! え、えっと、これは……!」
サクラ「どないした」
ヒデキ「あっ、大佐。大変です!」
ミドリ「ネルフ本部周辺より、特殊なエネルギー反応」
ヒデキ「パターン……青、いえ、青もあるんですが……これは」
サクラ「報告は迅速にちゅーたやろ!」
ヒデキ「エヴァです! エヴァが、起動しています!」
サクラ「……なんやて……狙っとるんとちゃうんか……ミサトさんも居れへん時に!」
スミレ「大佐、いかがいたします?」
サクラ「ヴンダーを先頭に全速、ネルフ本部へ向かえ!
他艦隊は援護射撃の用意をしつつ後続!」
565 = 527 :
カヲル「……13号機、まさかこんな方法で起動させるとはね……」
カヲル「さすが、シンジ君のお父さん。リリンの王」
カヲル「だけど、おかげでやりやすくなった」
カヲル「……ふふ、アヤナミさん」
アヤナミ『……何?』
カヲル「サポート、よろしくね」
566 = 527 :
アヤナミ『……命令なら、そうする』
カヲル「そっか、じゃあ、命令でいいよ」
カヲル「これを成功させない事には、色々とキツイからね」
567 = 527 :
ヴンダー
ミサト『サクラ大佐、状況を』
サクラ「弐号機と八号機の射出準備を整え、あと30秒で目的地点到着予定」
ミサト『了解 こちらも今全力で向かってる。幸運を祈る』
サクラ「……ふぅ」
コウジ「目的地点まであと10 9 8……」
サクラ「頼むで、お二人さん」
ヴンダー エヴァ射出用カタパルト
3
2
1
アスカ「バカシンジ……待ってなさいよ!!」
568 = 527 :
カヲル「……可笑しい……」
カヲル「どういうことだ?」
ズシンズシン
カヲル「マークナイン、先行は禁止させてもらうよ。僕は今考えているんだ」
ズシンズシン
カヲル「アヤナミさん、聞こえてるんだろ? これは命令だ。
少し、待っていろ」
569 = 527 :
ズシンズシン
カヲル「っ……仕方ないね。女の子に手を上げるのは不本意だけど……」
グッ
カヲル「……!?」
ググッ
570 = 527 :
カヲル「……ははは、そういうことかい、リリンの王
どうしても貴方は僕に、二本のロンギヌスの槍を手にしてほしいようだね」
カヲル「ヒトがヒトたらしめる、知恵の実と、
……生命の実を、こんな形で融合させるつもりだったとは……」
カヲル「……流石にやばいね。これは……」
ズシンズシンズシンズシン
カヲル「……シンジ君……」
ダシャァァァァァン!
カヲル「!? 二号機……?」
アスカ「……何よ、この状況……」
571 = 527 :
ヴンダー内
アスカ『サクラ!! 槍が二本……でも、アレはどちらもロンギヌスよ!!』
サクラ「なん、やて……? そこにあるはずなのは、カシウスとちゃうんですか?」
アスカ『そのつもりできたわよ、私だって!!』
ガスン!
アスカ『きゃああぁぁぁぁあぁぁ!!』
572 = 527 :
アスカ「マークナイン……!?」
アヤナミ「邪魔者は排除する」
アスカ「ちっ……アンタが邪魔だっつーの!」
ブン ゴズウウウゥゥゥゥウン
アヤナミ「っ……!」
アスカ「コネ眼鏡!」
マリ『あいよー』
マリ『遠くから、ごめんねー!』
573 = 527 :
アヤナミ「っ!?」
ドウグゥゥンドウグゥゥンドウグゥゥン!
アスカ「これで、マークナインは黙ったか……なら!!」
アスカ(13号機、こいつを屠って……終わらせる!)
カヲル「……っ」
グァキィィィィィィィ
574 = 527 :
アスカ「くっ……人造使途を従えてる!? 近づけない……」
カヲル「全く……補完でも何でも良い。僕は早くこの一連の仕組みを終わらせて、
早く戻りたいんだ……」
アスカ「なに、分けわかんない事くっちゃべってるのよ!!」
カヲル「カリカリしすぎだよ。可愛い顔が台無しだ」
アスカ「うっさい! 黙れキモイ!」
カヲル「手厳しいね。 やっぱりそういう言葉はシンジ君に言ってもらいたいんだ?」
アスカ「キモイつってんでしょうが!」
ズゴァッ!!
カヲル(人造使途が破壊された……ATフィールドももたないか)
575 = 527 :
アスカ「バカシンジを……返しなさいよ!!」
ブゥン
カヲル「シンジ君を?」
カヲル「……く、くははははは……そうか、知らないんだね、君は」
アスカ「あぁん!?」
マリ『何そいつ、撃っていい?』
アスカ「……まだよ、まだ人造使途が残ってる」
カヲル「君たちの原動力はどうやらシンジ君らしいね」
アスカ「……」
576 = 527 :
マリ『その通りだよーん。わんこ君を取り返すのが目的さ』
カヲル「なら、君たちにもう戦う意味は無いよ。お疲れ様」
アスカ「は、はぁ? なんだって言うのよ」プルプル
カヲル「シンジ君はね……死んじゃったよ」
577 = 527 :
ヴンダー内
カヲル『エヴァに乗らなければ死ね。
碇ゲンドウに言われたとおり、彼は死んでしまった』
サクラ「……」
ミサト『サクラ大佐! 惑わされないで!』
サクラ「……」
ミサト『希望を捨ててはいけない。
貴方は、パイロット二人の希望を断ち切ってはいけない』
サクラ「……!」
578 = 527 :
サクラ「アスカさん マリさん」
アスカ『わかってる……あいつら倒してシンジを助け出す』
マリ『ブラフには乗らないよーん』
サクラ「奴らの言葉に惑わされず、大局を見て、且つシンジさんを助け出す
その場所やとヴンダーも入り込めへん。
せやから、お二人の力でその場を切り抜けてもらうしかない。
……やれますね?」
マリ『がってん!』
アスカ『うぉぁぁぁぁぁああああああ!!!!』
579 = 527 :
スミレ「……シンクロ率、大幅低下!」
日向「限界の状態で稼動している模様、恐らく……」
青葉「パイロットは、相手の言葉がブラフである可能性に希望を見て、
それだけで立っている模様」
スミレ「……サクラ」
サクラ(ウチかて同じや……今、立っているのが精一杯)
サクラ(それやのに)
580 = 527 :
アスカ「うぉぁぁぁぁあああああ!!!」
ガキィィィン!
カヲル「……」
サクラ(アスカさんは、13号機に食って掛かるし)
マリ『姫! 私も降りて援護に回る! 予備電源の設置場所はポイント4!』
アスカ「近すぎる! 5に変更!」
マリ『了! 投下と同時に落下するよ!』
サクラ(マリさんは、状況整理して的確に行動しとる……)
581 = 527 :
サクラ(なんや、絶望的状況で、何であの人たちはこうやって戦っていられるん?)
サクラ「……」
ミドリ「……碇を助けるって何さ」
コウジ「……」
ヒデキ「……っ」
サクラ「……あんた等、自分が生きてきた世界のことを考えたことあるか?」
日向「……」
582 = 527 :
サクラ「サードインパクトやニアサードインパクト、その前の世界や
あんたらの中にも記憶にある人は多いはず
そうでなくても、あんたらの親の生きてきた世界や」
ミドリ「……」
ヒデキ「……」
サクラ「それを守ってきたのは誰や?
その誰かがおらんかったら、あんたらもココに立っておられんねやで!」
スミレ「……」
コウジ「……」コクン
583 = 527 :
サクラ「エヴァはなぁ、滅亡させるための兵器やないんや
あんたらを守るための力をもっとる、そういうモンなんや!」
584 = 527 :
サクラ「サードチルドレンを好きになれとはいわへん。
シンジさんが悪くないとはいわへん
せやけどな、アレだけのリスクを背負って戦わんとどうにもならんのや
そのリスクを持ったエヴァやないと世界は守れへん、
その状況で、シンジさんは戦ってきた。精一杯戦ってきた!
アスカさんをその手で傷つけて、それでももう一度エヴァに乗った。
人を、助けるために!
サードインパクトの引き金はシンジさんやけども
もしあんたらがあの状況に置かれてみぃ……
思春期にできた好きな子が、自分の力や無いと救い出せない
その状況であれ以上の成果が出せるか!?
気合だけで使途に取り込まれた女の子を引きずり出せるか!?
そんなとんでもない事想像できるか!?」
585 = 527 :
アスカ『……』
サクラ「……あー、もう まとまらん!
とにかく、雑念を抱いてはいかん。あんた等全員、
アスカさんとマリさんのサポートだけ考えとれ。
手抜きはアカンで!」
全員「……」コクン
サクラ「ええな!」
全員「サー!」
586 = 527 :
ミサト「……」
リツコ「もうすぐよ。ミサト……」
ミサト「ええ、あの子達が頑張ってくれれば……もうすぐ、もうすぐ……」
587 = 527 :
ヒデキ「これは……クソッ、マニュアルなんて見ていられるか!!
艦長! マークナイン動いてます!」
ミドリ「エネルギー反応あり! 内容不明!」
サクラ「アスカさん! 予備電源補充より先に、13号機を押し戻せ!」
アスカ「押し戻す!? ATフィールド相手に、押すって!?」
サクラ『まぁ、それは食い破るしか無いですやろ』
アスカ「食い破る……わ、わかったわよ」
アスカ「……あんまり、可愛くないから好きじゃないのよね」
588 = 527 :
アスカ「コード777! 弐号機! たたみ掛けるわよ」
ヴヴォォォォオオオオァッァアアアアアアアアアアアア!!!!
バゴンバゴンバゴン
カヲル「……君が大暴れしたところで、シンジ君は戻らないよ」
アスカ「黙れ! ペテン師!!」
カヲル「ペテンなものか……リリン、いや、君はもうリリンとは呼べないね
君は、信じたくないだけなんだろう? 彼がいなくなってしまった事を」
589 = 527 :
アスカ「うるさいうるさいうるさい!! アンタごと食いつぶして、
それからバカシンジを一発ぶん殴って!」
ズドダシャアアアアァァァアァァン!
マリ「それで皆で帰る。 そこまでしないと任務完了とは言えないにゃー」
590 = 527 :
ミドリ「マリが目的点へ着地、同時に予備電源も着地」
スミレ「マークナインが立ち上がります」
青葉「ヴンダーからも援護しろ、コンマ一秒でもいい。立ち上がりを遅らせるんだ!」
アヤナミ「……」
ズグン……
591 = 527 :
コウジ「立ち上がりが安定しとらん。集中砲火、用意」
サクラ「てぇぇっ!!!!!」
アヤナミ「っ……」
ズドガガガガガガガガガ
592 = 527 :
アスカ「おおおおおおおおおおおおお!!!」
バギィィィィィィィイイイイイイン!
カヲル「……凄いね……この状況では、僕にはどうする事もできないよ」
アスカ「あんたの言葉なんて、信用できるか!」
カヲル「……僕は嘘なんて、一つもついていないよ。
残念ながら、ね」
593 = 527 :
サクラ『人造使途は消失。衝撃で13号機にも隙が生まれた……
でも、これで終わりやあらへん
アスカさん、マリさん、スイッチや。
アスカさんは予備電源の回収
マリさんは残った電力でマークナインの沈黙と、13号機の足止めを!』
マリ「了解ぃ!」
ガシャコン
594 = 527 :
カヲル「両腕で、そんな超重量の銃を……
無茶しすぎだよ。お姉さん」
マリ「っざけんじゃなぁいよ!
今無茶しなくて……いつするってぇのさ!?」
カヲル「……腕がひしゃげるよ?」
595 = 527 :
マリ「上等!!!」
ズドズドォォン
ズドズドォォン
ズドズドォォン
ズドズドォォン
ズドズドォォン
596 = 527 :
アヤナミ「っ……痛い……」
マリ『痛いかい? アダムスの器ちゃん』
アヤナミ「……誰?」
マリ『あんたは私を知らない。けどね、私はあんたのこと結構知ってる』
アヤナミ「……命令、排除」
マリ『ったく、片言しかしゃべれないんだねぇ
アンタのオリジナルは、もうちょっと愛想があったよ?』
597 = 527 :
アヤナミ「おり、じなる?」
マリ『言っても無駄だろうけどね
だから、少し、黙っててもらうよ』
ズドズドォォン
ズドズドォォン
ズドズドォォン
ズドズドォォン
ズドズドォォン
598 = 527 :
スミレ「っ……マークナイン、活動……停止しません」
サクラ「アレだけ撃ってもとまらんちゅうことは」
ヒデキ「全身コア……!?」
ミドリ「で、でも、13号機は後退していきます!」
マリ「ぐぅぅぁぁぁっ!」ミシミシミシ
カヲル「言わんこっちゃない……
無茶をするね。君も」
マリ「姫!」
アスカ「装填……完了!」
マリ「違う! 逃げてぇ!!」
アスカ「え」
599 = 527 :
アヤナミ「捕まえた」
日向「マークナインの熱エネルギー急上昇!!!」
青葉「まずいぞ、これは……」
ヒデキ「ヴ、ヴンダーからの掃射」
コウジ「……間にあわん……」
ミドリ「、 ちょ、ちょっと、嘘でしょ?」
サクラ「アスカさん!!」
アスカ「こ、っの!!!」
アスカ「はなれなさいy」
―--―――
600 = 527 :
ゲンドウ「……そろそろ、か」
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