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元スレ魔王「おれと手を組め」魔法使い「断る」
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山積みの書類。
会議。
廊下がひび割れているとの報告。
西で魔物と人間が
“人魚”
女(――?)
承認
真珠
シェフがまた激マズメニューを
門番が暴れて
女(…こんな浅い悩みじゃなくて……もっと深くに――)
深く
深く
深く
会議。
廊下がひび割れているとの報告。
西で魔物と人間が
“人魚”
女(――?)
承認
真珠
シェフがまた激マズメニューを
門番が暴れて
女(…こんな浅い悩みじゃなくて……もっと深くに――)
深く
深く
深く
『お前に王位を譲る。今からお前が王だ』
女(あ、トラウマの記憶かな?さっさと掘り出して……)
女(王ってどこの――あれ、そういえば)
『何故ですか父上。ぼくはまだ未熟です』
『……』
女(角がある――飾りとかじゃないのかな)
『見てみろ、周りを』
ひび割れた地面。
血。
死体。死体。死体。死体。
静か。
『敵も味方も引っくるめて始末したお前に――もう俺は勝てない』
『ぼくは、父上を殺しませんが』
『お前はそうだろう。だがな――俺は、』
『―――怖いんだ、お前のことが』
それから記憶が溢れ出るように女の脳内になだれ込む。
制御できない。
人為的に作られた魔翌力は暴走を始めていた。
いや。
数倍以上長生きをしている者を相手にしてしまった反動か。
小さなコップにバケツの水が全て入りきらないのと同じように
女の脳の本来の容量を越えた膨大な記憶。
二十わずかしか生きていない人間に対策ができるわけもなく。
ぶつん。
その音を最後に女の脳は機能を停止した。
魔王「……少し固まったと思ったらいきなり倒れたんだが」
蝙蝠「ナンデ?」
魔王「知らん。おい」ユサユサ
蝙蝠「オキナイネ。オネボウサン」
魔王「……」
蝙蝠「?」
魔王「死んでる」
蝙蝠「マオウサマ、ヤッツケタノ?」
魔王「まさか。一体なんだったんだ、微弱ながら魔力を使ったみたいだが」
蝙蝠「マオウサマノ、ココロ、ミヨウトシタトカ」
魔王「そんなアホらしい理由なら笑うがな。生きている年月が違うんだから」
蝙蝠「パンク、パンク!」
魔王「謎だな。ほら、置いてくぞ」
蝙蝠「ナンデ?」
魔王「知らん。おい」ユサユサ
蝙蝠「オキナイネ。オネボウサン」
魔王「……」
蝙蝠「?」
魔王「死んでる」
蝙蝠「マオウサマ、ヤッツケタノ?」
魔王「まさか。一体なんだったんだ、微弱ながら魔力を使ったみたいだが」
蝙蝠「マオウサマノ、ココロ、ミヨウトシタトカ」
魔王「そんなアホらしい理由なら笑うがな。生きている年月が違うんだから」
蝙蝠「パンク、パンク!」
魔王「謎だな。ほら、置いてくぞ」
続く
しばらく寝おちすいませんでした
ちなみにあと一エピソードあります
このスレ内で終わらせます。多分
しばらく寝おちすいませんでした
ちなみにあと一エピソードあります
このスレ内で終わらせます。多分
――別の通路
追っ手たち「待ちやがれーー!!」
魔法使い「ああぁぁぁもうっ!」ダダダ
少女「わ、わ、わ、」ダッコ
魔法使い「なんで次から次へと人が出てくるんだ!アホか!」
少女「天使さん、飛ばないの?」
魔法使い「……しばらく飛んでないからな…いけるか分からない」
少女(飛んだら楽そうだけどなぁ)
魔法使いの首に抱きつきながら目と鼻の先にある翼を眺めた。
走らないものは余裕である。
魔法使い「行き止まりか!?いや、ドアがあるな!」
蹴破るようにしてドアを開き中へ侵入する。
追っ手たち「待ちやがれーー!!」
魔法使い「ああぁぁぁもうっ!」ダダダ
少女「わ、わ、わ、」ダッコ
魔法使い「なんで次から次へと人が出てくるんだ!アホか!」
少女「天使さん、飛ばないの?」
魔法使い「……しばらく飛んでないからな…いけるか分からない」
少女(飛んだら楽そうだけどなぁ)
魔法使いの首に抱きつきながら目と鼻の先にある翼を眺めた。
走らないものは余裕である。
魔法使い「行き止まりか!?いや、ドアがあるな!」
蹴破るようにしてドアを開き中へ侵入する。
魔法使い「え、水槽…?」
少女「大きい水槽…」
魔法使い(そういえば“人魚”とか言っていたような)
商人「全く――手間をかけさせないで下さい」ザッ
魔法使い「悪かったな」
商人「どうやら、だいぶ部下を始末されたみたいですし」
魔法使い「……」
商人「まぁ、『魔女』として国に渡せば報酬が貰えるでしょうが」
魔法使い「部下より金か」
商人「当たり前です」
魔法使い「へぇ。ま、そちらさんの事情に首は突っ込まないが」
商人「賢明ですね。貴女は頭が良さそうだ」
魔法使い「そりゃどうも」
魔法使い「しかし、これで――どちらも、相手を始末しなければいけない状況になったんだな」
少女「大きい水槽…」
魔法使い(そういえば“人魚”とか言っていたような)
商人「全く――手間をかけさせないで下さい」ザッ
魔法使い「悪かったな」
商人「どうやら、だいぶ部下を始末されたみたいですし」
魔法使い「……」
商人「まぁ、『魔女』として国に渡せば報酬が貰えるでしょうが」
魔法使い「部下より金か」
商人「当たり前です」
魔法使い「へぇ。ま、そちらさんの事情に首は突っ込まないが」
商人「賢明ですね。貴女は頭が良さそうだ」
魔法使い「そりゃどうも」
魔法使い「しかし、これで――どちらも、相手を始末しなければいけない状況になったんだな」
商人「そうですね。だから」
ザザザ
魔法使い「…そういえば、なぜ兵がいる?」
商人「お借りしたんですよ。あなたみたいな輩がいるから」
魔法使い「…誰に?」
商人「大臣さまに」
魔法使い「やっぱあいつか……!」
商人「もういいでしょう。死んでください」
商人「身体の方はこちらで預かりますから――」
魔法使い「そんな気遣いいらな――えっ」
目にはいったのは先端にに火がつけられた矢。
防いだ場合の被害を考えて一瞬思考が止まる。
それを待ってくれるほど優しくはなかった。
ザザザ
魔法使い「…そういえば、なぜ兵がいる?」
商人「お借りしたんですよ。あなたみたいな輩がいるから」
魔法使い「…誰に?」
商人「大臣さまに」
魔法使い「やっぱあいつか……!」
商人「もういいでしょう。死んでください」
商人「身体の方はこちらで預かりますから――」
魔法使い「そんな気遣いいらな――えっ」
目にはいったのは先端にに火がつけられた矢。
防いだ場合の被害を考えて一瞬思考が止まる。
それを待ってくれるほど優しくはなかった。
タン タタン
魔法使い「~~!」
痛みと熱さで意識が飛びかけた。
商人「自慢の翼が焼けてしまいましたね」
少女が無事なのは良かったが、このままでは焼死確定だ。
魔法使い「魔女にふさわしい死に方だな…だが」
手に魔力を集め、そばにあった水槽のガラスを叩き割った。
水が勢いよく流れ出し、またたくまに火を消した。
ついでに流されたが死ななかっただけ良かったと思いたい。
魔法使い「…い、生きてる?」
少女「うん…」
なおも矢を向けてくるのでそちらの方向に軽く爆発を起こした。
魔法使い「~~!」
痛みと熱さで意識が飛びかけた。
商人「自慢の翼が焼けてしまいましたね」
少女が無事なのは良かったが、このままでは焼死確定だ。
魔法使い「魔女にふさわしい死に方だな…だが」
手に魔力を集め、そばにあった水槽のガラスを叩き割った。
水が勢いよく流れ出し、またたくまに火を消した。
ついでに流されたが死ななかっただけ良かったと思いたい。
魔法使い「…い、生きてる?」
少女「うん…」
なおも矢を向けてくるのでそちらの方向に軽く爆発を起こした。
魔法使い「頼む、抜いてくれないか。表に刺さってるから自分じゃ届かなくて」
少女「い、痛いよ?絶対痛いよ?」
魔法使い「大丈夫」
少女「いくよ……えいっ」
魔法使い「づっ!いっ……たく、ないし」
少女「それやせ我慢だよ…」
わりと容赦なく抜かれる間に、爆発に飲み込まれなかった数人がこちらへ来た。
今度はナイフまで構えている。しくじりはしないということか。
魔法使い「この世にお別れは済んだか?」
商人「あなたこそ。――今の気持ちは?」
魔法使い「は?」
少女「い、痛いよ?絶対痛いよ?」
魔法使い「大丈夫」
少女「いくよ……えいっ」
魔法使い「づっ!いっ……たく、ないし」
少女「それやせ我慢だよ…」
わりと容赦なく抜かれる間に、爆発に飲み込まれなかった数人がこちらへ来た。
今度はナイフまで構えている。しくじりはしないということか。
魔法使い「この世にお別れは済んだか?」
商人「あなたこそ。――今の気持ちは?」
魔法使い「は?」
視界の隅。
何かが腕を振り上げた。
魔法使い「っ!?」
少女が、手をあげたまま虚ろな目で魔法使いを捉える。
握りしめるは、取り出したばかりの矢。
魔法使い「くそっ、操ったのか!」
商人「利用しない手はありませんから。やってしまえ」
少女「はい」
凶器はまっすぐに魔法使いの胸へ吸い込まれ――
先ほどよりも大きい爆発が起きた。
何かが腕を振り上げた。
魔法使い「っ!?」
少女が、手をあげたまま虚ろな目で魔法使いを捉える。
握りしめるは、取り出したばかりの矢。
魔法使い「くそっ、操ったのか!」
商人「利用しない手はありませんから。やってしまえ」
少女「はい」
凶器はまっすぐに魔法使いの胸へ吸い込まれ――
先ほどよりも大きい爆発が起きた。
少女「あいたっ!」コテン
魔法使い「またなにが!?」
少女「あれ――天使さん、あたし、今何を」
魔法使い「一人で怪しげな踊りしていたかもしれない!」
少女「ええっ!?」
適当に返事をして砂ぼこり舞う部屋の中へ目を凝らした。
魔法使い(瓦礫まで吹っ飛んでるし…)
魔法使い(向こう、穴が開いてる?誰かが突き破ってきたのか)
ガラッ
魔法使い(誰か来る……ん?)ギュッ
少女「て、天使さん…そんな強く」カァァ
魔法使い(この魔力、まさか)
魔法使い「またなにが!?」
少女「あれ――天使さん、あたし、今何を」
魔法使い「一人で怪しげな踊りしていたかもしれない!」
少女「ええっ!?」
適当に返事をして砂ぼこり舞う部屋の中へ目を凝らした。
魔法使い(瓦礫まで吹っ飛んでるし…)
魔法使い(向こう、穴が開いてる?誰かが突き破ってきたのか)
ガラッ
魔法使い(誰か来る……ん?)ギュッ
少女「て、天使さん…そんな強く」カァァ
魔法使い(この魔力、まさか)
側近「――む?部屋間違えたか?」シュンッ
魔法使い「あ、側近さん」
少女「おっきい鳥さんだ!」
側近「小娘!探したのだぞ…ってなんでまたお前はボロボロに」
魔法使い「深い事情は後です。そちらこそ一体何を」
側近「“人魚”を送り届けていた。話に時間がかかってな」
側近「魔王さまは…そばにいるか」
魔法使い「ええ、そうですね」
スタスタ
魔王「お、いた。会いたかったぞ、魔法使い」
魔法使い「こちらこそ、魔王」
側近(すごく仲良しそうな会話!だか、なんかもどかしい会話!)
蝙蝠「?」
少女「?」
魔法使い「あ、側近さん」
少女「おっきい鳥さんだ!」
側近「小娘!探したのだぞ…ってなんでまたお前はボロボロに」
魔法使い「深い事情は後です。そちらこそ一体何を」
側近「“人魚”を送り届けていた。話に時間がかかってな」
側近「魔王さまは…そばにいるか」
魔法使い「ええ、そうですね」
スタスタ
魔王「お、いた。会いたかったぞ、魔法使い」
魔法使い「こちらこそ、魔王」
側近(すごく仲良しそうな会話!だか、なんかもどかしい会話!)
蝙蝠「?」
少女「?」
魔王「さてと、こんな騒ぎの首謀者は始末しないとな」
魔法使い「…子供がいるからもっと柔らかい言い方で頼む」
少女「?」ミミガード
蝙蝠「シマツ、シマツ!」
側近「やめろ」
魔王「それで一体どこに隠れたんだろうな?恐れをなして逃亡か」
魔法使い「んーと……爆発が起きて、瓦礫が飛んで…」
魔法使い「かなり大きい瓦礫も目の前を通過し……て?」
側近「どうした?」
魔法使い「…魔王が乗ってる瓦礫の下、見てくれませんか」
側近「下か?」ヒョイ
蝙蝠「ナンカ、アル?」
魔法使い「…子供がいるからもっと柔らかい言い方で頼む」
少女「?」ミミガード
蝙蝠「シマツ、シマツ!」
側近「やめろ」
魔王「それで一体どこに隠れたんだろうな?恐れをなして逃亡か」
魔法使い「んーと……爆発が起きて、瓦礫が飛んで…」
魔法使い「かなり大きい瓦礫も目の前を通過し……て?」
側近「どうした?」
魔法使い「…魔王が乗ってる瓦礫の下、見てくれませんか」
側近「下か?」ヒョイ
蝙蝠「ナンカ、アル?」
魔王「退くか」スッ
側近「ありがとうございます」グイッ
持ち上げて、黙った。
蝙蝠「エグイネ!」
側近「ここの、てっぺん頭の特徴はあるか?」
魔法使い「ハゲでチビです」
側近「……」
元に戻して、魔王たちをぐるりと見回した。
側近「帰りましょうか」
魔王「そうか」
魔法使い「はい」
蝙蝠「ウン」
少女「?」
側近「ありがとうございます」グイッ
持ち上げて、黙った。
蝙蝠「エグイネ!」
側近「ここの、てっぺん頭の特徴はあるか?」
魔法使い「ハゲでチビです」
側近「……」
元に戻して、魔王たちをぐるりと見回した。
側近「帰りましょうか」
魔王「そうか」
魔法使い「はい」
蝙蝠「ウン」
少女「?」
――城
部下「大臣さま、報告を」
大臣「なんだ」
部下「数日前に、南の海に近い街で商人が」
大臣「ああ、薬を渡したやつか。どうかしたのか」
部下「死んだそうです。どうやら、襲撃されて」
大臣「なに?」
部下「薬や矢の資料はあらかじめまとめてありましたが――」バサッ
大臣「本人には用はなかったしな。これだけ手に入っただけでも良い」
大臣「だが、なんだ?誰に襲撃された?」
部下「それはまだ不明ですが……」
部下「大臣さま、報告を」
大臣「なんだ」
部下「数日前に、南の海に近い街で商人が」
大臣「ああ、薬を渡したやつか。どうかしたのか」
部下「死んだそうです。どうやら、襲撃されて」
大臣「なに?」
部下「薬や矢の資料はあらかじめまとめてありましたが――」バサッ
大臣「本人には用はなかったしな。これだけ手に入っただけでも良い」
大臣「だが、なんだ?誰に襲撃された?」
部下「それはまだ不明ですが……」
大臣「言いにくそうだな」
部下「生き残った兵によると、『羽が生えていた』と」
大臣「!」
部下「あとは女性だとか男性だとか色々と意見が別れてまして」
大臣「ふむ……」ギリッ
大臣「女も死んだのか」
部下「はい」
大臣「死因は?」
部下「それが…脳が焼ききれていたとか」
大臣「は?」
部下「商人のほうは瓦礫に押し潰されて圧死とのことです」
大臣「……不思議な死に方をするんだな」
部下「そうですね」
大臣「はぁ…そろそろ頃合いだな。動くか」
部下「生き残った兵によると、『羽が生えていた』と」
大臣「!」
部下「あとは女性だとか男性だとか色々と意見が別れてまして」
大臣「ふむ……」ギリッ
大臣「女も死んだのか」
部下「はい」
大臣「死因は?」
部下「それが…脳が焼ききれていたとか」
大臣「は?」
部下「商人のほうは瓦礫に押し潰されて圧死とのことです」
大臣「……不思議な死に方をするんだな」
部下「そうですね」
大臣「はぁ…そろそろ頃合いだな。動くか」
部下「いよいよですか」
大臣「薬を飲む人間によって使う魔法が違う法則も今回で分かった」
大臣「兵も魔物も集まった」
大臣「いつでも出せるようにしておけ」
部下「はい、仰せのままに」
大臣「それに、あいつもここに呼べ」
部下「大丈夫でしょうか」
大臣「経過は良好だ。やはり人間、恨む人間がいると使いやすいな」
部下「はあ。では、失礼します」
ガチャン
大臣「薬を飲む人間によって使う魔法が違う法則も今回で分かった」
大臣「兵も魔物も集まった」
大臣「いつでも出せるようにしておけ」
部下「はい、仰せのままに」
大臣「それに、あいつもここに呼べ」
部下「大丈夫でしょうか」
大臣「経過は良好だ。やはり人間、恨む人間がいると使いやすいな」
部下「はあ。では、失礼します」
ガチャン
あ、なんか今日投下多くなりそう
――同時刻、宿
ガチャ
魔法使い「あ」
青年「動けるようになったか」
魔法使い「ああ。さっきどこにいってたんだ?」
青年「“人魚”のところに行ってた」
魔法使い「結局私は最後まで関われなかったな…」
青年「別に無理矢理関わる必要もなかろうに」
魔法使い「それはそうなんだが……」
青年「ああ、あの少女も見かけたが、元気そうだった」
魔法使い「それは良かった」
青年「黙っておくように言ったんだな」
魔法使い「そりゃな…大変だったんだから。『また会いたいから誰にも言わないでね☆』って」
青年「ぶっ」
ガチャ
魔法使い「あ」
青年「動けるようになったか」
魔法使い「ああ。さっきどこにいってたんだ?」
青年「“人魚”のところに行ってた」
魔法使い「結局私は最後まで関われなかったな…」
青年「別に無理矢理関わる必要もなかろうに」
魔法使い「それはそうなんだが……」
青年「ああ、あの少女も見かけたが、元気そうだった」
魔法使い「それは良かった」
青年「黙っておくように言ったんだな」
魔法使い「そりゃな…大変だったんだから。『また会いたいから誰にも言わないでね☆』って」
青年「ぶっ」
魔法使い「わ、笑わなくてもいいだろ!」
青年「すまんすまん、でもツボにはいって」ククク
魔法使い「……にしても今回は厄介だったな」
青年「…そうだな。魔法を無力する矢、魔法を作り出す薬」
魔法使い「狙いが分からない。魔法で何をしたいのか」
青年「誰がしているのか検討はついてるのか?」
魔法使い「大臣だ。何故か私を嫌っている」
青年「難儀だな」
魔法使い「私も嫌いだし」
青年「その大臣がなにを企んでるのか不透明だな。どいつもこいつも」
青年「すまんすまん、でもツボにはいって」ククク
魔法使い「……にしても今回は厄介だったな」
青年「…そうだな。魔法を無力する矢、魔法を作り出す薬」
魔法使い「狙いが分からない。魔法で何をしたいのか」
青年「誰がしているのか検討はついてるのか?」
魔法使い「大臣だ。何故か私を嫌っている」
青年「難儀だな」
魔法使い「私も嫌いだし」
青年「その大臣がなにを企んでるのか不透明だな。どいつもこいつも」
魔法使い「?そっちでもなんかありそうなのか?」
青年「魔王反対派が妙に静かでな。絶対になにかあると睨んでいる」
魔法使い「…大変だな」
青年「王はそういうのが付きまとうからな。ところで魔法使い」ズイ
魔法使い「な、なんだ?」
魔王「これだけはいわせろ」
魔法使い「?」
魔王「おれの傍から勝手に離れて危険なことをするな」
魔法使い「…魔王だって、勝手に出掛けてるじゃないか…」
魔王「魔王だからな」
魔法使い「……」
青年「魔王反対派が妙に静かでな。絶対になにかあると睨んでいる」
魔法使い「…大変だな」
青年「王はそういうのが付きまとうからな。ところで魔法使い」ズイ
魔法使い「な、なんだ?」
魔王「これだけはいわせろ」
魔法使い「?」
魔王「おれの傍から勝手に離れて危険なことをするな」
魔法使い「…魔王だって、勝手に出掛けてるじゃないか…」
魔王「魔王だからな」
魔法使い「……」
青年「ならおれも魔法使い、お前のところに戻る」
魔法使い「…別にそういうことじゃないんだが」
青年「違うか」
魔法使い「なんか違う」
青年「ふん。まあいい――とりあえずさっさと体力を回復させろ」
魔法使い「ん、分かった」
青年「手紙も届けないとな」
魔法使い「すっかり忘れてた」
魔法使い「…別にそういうことじゃないんだが」
青年「違うか」
魔法使い「なんか違う」
青年「ふん。まあいい――とりあえずさっさと体力を回復させろ」
魔法使い「ん、分かった」
青年「手紙も届けないとな」
魔法使い「すっかり忘れてた」
蝙蝠「ネェネェ」
鷹「なんだ」
蝙蝠「マオウサマト、コンケツハ、リョウオモイ?」
鷹「やはりそう思うか」
蝙蝠「ドウナノ?」
鷹「その通りだろうな」
蝙蝠「ナンデツキアワナイノ?」
鷹「両方、とんでもない朴念仁なんだよ……」
蝙蝠「……ドウシテ、タカサンガ、ナヤムノ」
鷹「ふたりとも自覚していないんだよ……こっちがもんもんしてる」
蝙蝠「クロウシテルネ」
鷹「どうも…」
蝙蝠「ホゴシャミタイ」
鷹「えっ」
鷹「なんだ」
蝙蝠「マオウサマト、コンケツハ、リョウオモイ?」
鷹「やはりそう思うか」
蝙蝠「ドウナノ?」
鷹「その通りだろうな」
蝙蝠「ナンデツキアワナイノ?」
鷹「両方、とんでもない朴念仁なんだよ……」
蝙蝠「……ドウシテ、タカサンガ、ナヤムノ」
鷹「ふたりとも自覚していないんだよ……こっちがもんもんしてる」
蝙蝠「クロウシテルネ」
鷹「どうも…」
蝙蝠「ホゴシャミタイ」
鷹「えっ」
――さらに数日後
魔法使い(ここか)
コンコン
魔法使い「ごめんください」
ガチャ
黒髪の男「うぇい」
魔法使い(なんだか…師匠を若くしてボサボサにしたような)
黒髪の男「なんの用だ?」
魔法使い「こんにちは。これを師匠から預かってきました」スッ
黒髪の男「…なるほど。立ち話もなんだ、入ってくれ」
魔法使い「お邪魔します」
魔法使い(ここか)
コンコン
魔法使い「ごめんください」
ガチャ
黒髪の男「うぇい」
魔法使い(なんだか…師匠を若くしてボサボサにしたような)
黒髪の男「なんの用だ?」
魔法使い「こんにちは。これを師匠から預かってきました」スッ
黒髪の男「…なるほど。立ち話もなんだ、入ってくれ」
魔法使い「お邪魔します」
黒髪の男「わりぃな。客なんかこないから茶もいれらんね」
魔法使い「お構いなく」
黒髪の男「それにしてもなんだ?わざわざ手紙なんてよ」ガサガサ
魔法使い「知り合い、なんですか?」
黒髪の男「父親だ」
魔法使い「えっ」
黒髪の男「ふむ。ふむ。あー、なんかやべーのか」
魔法使い(軽っ)
黒髪の男「どうだい師匠は。相変わらず女好きか」クシャクシャ
魔法使い「…はい」
黒髪の男「かわんねぇな。俺はすっかり大人しくなっちまった」ポイ
魔法使い(捨てちゃった)
魔法使い「お構いなく」
黒髪の男「それにしてもなんだ?わざわざ手紙なんてよ」ガサガサ
魔法使い「知り合い、なんですか?」
黒髪の男「父親だ」
魔法使い「えっ」
黒髪の男「ふむ。ふむ。あー、なんかやべーのか」
魔法使い(軽っ)
黒髪の男「どうだい師匠は。相変わらず女好きか」クシャクシャ
魔法使い「…はい」
黒髪の男「かわんねぇな。俺はすっかり大人しくなっちまった」ポイ
魔法使い(捨てちゃった)
魔法使い「でもまだ若いですよね」
黒髪の男「何歳に見える?」
魔法使い「四十半ばでしょうか」
黒髪の男「嬉しいこといってくれんじゃん。いっひっひ」
魔法使い(帰りたい)
黒髪の男「…本当はここにいちゃいけないんだけどな」
魔法使い「え?」
黒髪の男「俺にも果たすべきものがあったんだが…全て投げてきた」
魔法使い「……?」
黒髪の男「子育てもろくにできなくてよ。捨てたも当然だ」
魔法使い「ご家族がいたんですか」
黒髪の男「何歳に見える?」
魔法使い「四十半ばでしょうか」
黒髪の男「嬉しいこといってくれんじゃん。いっひっひ」
魔法使い(帰りたい)
黒髪の男「…本当はここにいちゃいけないんだけどな」
魔法使い「え?」
黒髪の男「俺にも果たすべきものがあったんだが…全て投げてきた」
魔法使い「……?」
黒髪の男「子育てもろくにできなくてよ。捨てたも当然だ」
魔法使い「ご家族がいたんですか」
黒髪の男「美人な妻と健気な息子がな」
魔法使い「そうなんですか…」
黒髪の男「おっと、話しすぎた。忘れてくれ」
黒髪の男「遅くなると同行者も不安になるだろう」
魔法使い「なんでそれを」
黒髪の男「ひ、み、つ☆」
魔法使い「はは…。そういえばあなたも、魔力持ってるんですね」
黒髪の男「ん?ああ」
魔法使い「昔は『魔法使い』を?」
黒髪の男「もっとスゲーもんだよ。たまげるぐらいスゲーもん」
魔法使い「へぇ」
黒髪の男「じゃあな。同行者によろしく」
魔法使い「あ、はい。それでは」バタン
黒髪の男「…嫁さん候補かなー、あの子」
魔法使い「そうなんですか…」
黒髪の男「おっと、話しすぎた。忘れてくれ」
黒髪の男「遅くなると同行者も不安になるだろう」
魔法使い「なんでそれを」
黒髪の男「ひ、み、つ☆」
魔法使い「はは…。そういえばあなたも、魔力持ってるんですね」
黒髪の男「ん?ああ」
魔法使い「昔は『魔法使い』を?」
黒髪の男「もっとスゲーもんだよ。たまげるぐらいスゲーもん」
魔法使い「へぇ」
黒髪の男「じゃあな。同行者によろしく」
魔法使い「あ、はい。それでは」バタン
黒髪の男「…嫁さん候補かなー、あの子」
魔法使い(不思議な人だったな。どこで同行者がいると思ったのか)スタスタ
魔法使い(ま、用事が済んだからいいか)
魔法使い(魔王はしばらく城に行くらしいし…何してようかな)
魔法使い「ん」ゴソ
魔法使い(そういえば真珠のペンダント返してもらってないや)
魔法使い(魔王つけてたな。いつ帰ってくるんだろ)
魔法使い(…なんで仕事帰りを待つ妻みたくなってんだ?私)
魔法使い(なんか最近あいつといると変な気分なんだよな)
魔法使い「……」
魔法使い(ま、用事が済んだからいいか)
魔法使い(魔王はしばらく城に行くらしいし…何してようかな)
魔法使い「ん」ゴソ
魔法使い(そういえば真珠のペンダント返してもらってないや)
魔法使い(魔王つけてたな。いつ帰ってくるんだろ)
魔法使い(…なんで仕事帰りを待つ妻みたくなってんだ?私)
魔法使い(なんか最近あいつといると変な気分なんだよな)
魔法使い「……」
魔法使い「……」
魔法使い(……そういえば最近、こちらの国も不穏だとか)
魔法使い(何か――嫌な予感を覚えるな)
魔法使い「!」
ヒュンッ
魔法使い「誰だ!」ズサッ
魔法使い(気配もないまま、後ろから攻撃――ただ者じゃない)
魔法使い(数秒遅れていればただでは済まなかった…拳、か?)
ザッ……
魔法使い(……そういえば最近、こちらの国も不穏だとか)
魔法使い(何か――嫌な予感を覚えるな)
魔法使い「!」
ヒュンッ
魔法使い「誰だ!」ズサッ
魔法使い(気配もないまま、後ろから攻撃――ただ者じゃない)
魔法使い(数秒遅れていればただでは済まなかった…拳、か?)
ザッ……
??「皮肉なもんだな。お前によって狂い、お前によって正気に戻った」
がっちりした体型。
顔に巻いた布。
いやに聞き覚えのある声。
魔法使い「なっ…」
??「探したぜ……どっちつかずの混血児」
バサリと布を剥ぎ取った。
そこから表れた顔は
魔法使い「――戦士!?」
がっちりした体型。
顔に巻いた布。
いやに聞き覚えのある声。
魔法使い「なっ…」
??「探したぜ……どっちつかずの混血児」
バサリと布を剥ぎ取った。
そこから表れた顔は
魔法使い「――戦士!?」
――国
兵士A「国王一家を拘束いたしました」
大臣「分かった。まだ外には知らせるな」
兵士A「は!」
魔兵士A「こちら、準備整いました!」
大臣「では作戦を開始しろ」
大臣「魔王は国王ほど丁重に扱わなくていいぞ。生きていればよい」
魔兵士A「了解!」
大臣「始まるぞ!身を引き締めろ!王は引きずり落とせ!」
大臣(そして暁には――――)
僧侶(…………)
兵士A「国王一家を拘束いたしました」
大臣「分かった。まだ外には知らせるな」
兵士A「は!」
魔兵士A「こちら、準備整いました!」
大臣「では作戦を開始しろ」
大臣「魔王は国王ほど丁重に扱わなくていいぞ。生きていればよい」
魔兵士A「了解!」
大臣「始まるぞ!身を引き締めろ!王は引きずり落とせ!」
大臣(そして暁には――――)
僧侶(…………)
魔王「おれと旅をしろ」魔法使い「断る」
―――了
―――了
変なところで二部終了
あと一部で終わります。
お付き合い、ありがとうございます
あと一部で終わります。
お付き合い、ありがとうございます
閑話
蝙蝠「オジイチャンノ、ムカシバナシ!」側近「食われたいのか」
蝙蝠「オジイチャンノ、ムカシバナシ!」側近「食われたいのか」
――魔王城、資料室
側近「……」パラッ
側近「……」パラッ
蝙蝠「ホンガ、タクサン!」
側近「そうだな」パラッ
蝙蝠「クチバシデ、メクルンダネ!」
側近「そうだな」パラッ
蝙蝠「ヒローイヒローイ」パタパタ
側近「あんまり暴れるなよ。司書が怒る」
側近「……」
側近「ちょっと待て」
蝙蝠「ナァニ?」
側近「……」パラッ
側近「……」パラッ
蝙蝠「ホンガ、タクサン!」
側近「そうだな」パラッ
蝙蝠「クチバシデ、メクルンダネ!」
側近「そうだな」パラッ
蝙蝠「ヒローイヒローイ」パタパタ
側近「あんまり暴れるなよ。司書が怒る」
側近「……」
側近「ちょっと待て」
蝙蝠「ナァニ?」
側近「なんでお前がいる!?」
蝙蝠「ツイテキタ!」
側近「元々住んでいたところはどうした!」
蝙蝠「ハンカイシタカラネェ。スメナイヨ」
側近「……仲間は?」
蝙蝠「イマ、イチニンマエノ、シュギョウチュウダカラ!」
側近「そうか。しばらくひとりで生活する掟があるんだな」
蝙蝠「ウン!」
側近「だからといってここに来るか!?」
蝙蝠「シャカイケンガク!」
側近「遠足か!」
司書「……お静かに……」ゴゴゴゴ
側近「すみませんでした」
蝙蝠「ゴメンネ」
蝙蝠「ツイテキタ!」
側近「元々住んでいたところはどうした!」
蝙蝠「ハンカイシタカラネェ。スメナイヨ」
側近「……仲間は?」
蝙蝠「イマ、イチニンマエノ、シュギョウチュウダカラ!」
側近「そうか。しばらくひとりで生活する掟があるんだな」
蝙蝠「ウン!」
側近「だからといってここに来るか!?」
蝙蝠「シャカイケンガク!」
側近「遠足か!」
司書「……お静かに……」ゴゴゴゴ
側近「すみませんでした」
蝙蝠「ゴメンネ」
側近「はぁ……まあお前さんはスペースもとらないし、居てもいいとは思うが」
蝙蝠「ヤッタ!」
側近「ちゃんと挨拶はしていけよ。友好を築きたいなら」
インキュバス「お、蝙蝠じゃん。ちっす」スタスタ
オーク「ちび助、迷子になるなよ」スタスタ
蝙蝠「ワカッタ!」
側近「……」
蝙蝠「モウアイサツハ、オワッテルヨ」
側近「………早いな」
蝙蝠「ミンナ、ヤサシイ!」
側近「…それは良かったな」
蝙蝠「ヤッタ!」
側近「ちゃんと挨拶はしていけよ。友好を築きたいなら」
インキュバス「お、蝙蝠じゃん。ちっす」スタスタ
オーク「ちび助、迷子になるなよ」スタスタ
蝙蝠「ワカッタ!」
側近「……」
蝙蝠「モウアイサツハ、オワッテルヨ」
側近「………早いな」
蝙蝠「ミンナ、ヤサシイ!」
側近「…それは良かったな」
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