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元スレ魔王「おれと手を組め」魔法使い「断る」
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――
――――
――――――
――――
――――――
「おとうさん?おかあさん?」
『……』『……』
「ねえ、おきてよ。にげなくちゃ、ねえったら」
『おい、まだ子供がいるぞ』
『ガキぃ?慰みもんにもなんねーじゃん』
「ひっ――!?」
『こんな死体なんかにすがり付くなよ気持ち悪い』
『おいおい、自分でやっといて良くいうよ』
「や、やめて……おとうさんたちをけらないで……」
『……』『……』
「ねえ、おきてよ。にげなくちゃ、ねえったら」
『おい、まだ子供がいるぞ』
『ガキぃ?慰みもんにもなんねーじゃん』
「ひっ――!?」
『こんな死体なんかにすがり付くなよ気持ち悪い』
『おいおい、自分でやっといて良くいうよ』
「や、やめて……おとうさんたちをけらないで……」
『あ?なに言ってんだよ』
『敗戦国が偉ぶってるんじゃねえ』
「い、いた……やだ…」
『つまんね、殺すか?』
「ころ…す……ころ…」
『そうだな。じゃあ俺から――』
わたしには人をころせる力があるって
むかし、おとうさんがいってた
「………しんじゃえ」
それが、わたしの、はじめての
『敗戦国が偉ぶってるんじゃねえ』
「い、いた……やだ…」
『つまんね、殺すか?』
「ころ…す……ころ…」
『そうだな。じゃあ俺から――』
わたしには人をころせる力があるって
むかし、おとうさんがいってた
「………しんじゃえ」
それが、わたしの、はじめての
――――――
――――
――
――――
――
チュンチュン
魔法使い「朝か……」ムクリ
魔法使い(頭痛い考えすぎたからかな)
青年「ふん。気持ち良さそうにうなされていたが」
魔法使い「それはどっち…だ…」
青年「こういうときはおはよう、というそうだな」
魔法使い「……」
青年「……」
魔法使い「なんでここにいるんだ!?ふざけているのか!」
青年「失礼な。おれは少しもふざけていないのだが」
魔法使い「朝か……」ムクリ
魔法使い(頭痛い考えすぎたからかな)
青年「ふん。気持ち良さそうにうなされていたが」
魔法使い「それはどっち…だ…」
青年「こういうときはおはよう、というそうだな」
魔法使い「……」
青年「……」
魔法使い「なんでここにいるんだ!?ふざけているのか!」
青年「失礼な。おれは少しもふざけていないのだが」
魔法使い「なんで普通に私の部屋に侵入しているんだ!」
青年「魔王だからな」
魔法使い「したり顔やめろ!」
青年「それより、どうやら階下が騒がしいぞ?」
魔法使い「……?」
青年「早く行ってみたらどうだ。好転か後転、どちらだろうな」
魔法使い「……いいか、荷物漁るなよ」ダッ
青年「魔王だからな」
魔法使い「したり顔やめろ!」
青年「それより、どうやら階下が騒がしいぞ?」
魔法使い「……?」
青年「早く行ってみたらどうだ。好転か後転、どちらだろうな」
魔法使い「……いいか、荷物漁るなよ」ダッ
トントントン
魔法使い「みんなおはよう」
僧侶「あ、魔法使いさん!今から呼びにいこうと思ってたんですよ」
魔法使い「どうしたんだ?犯人が見つかったか?」
僧侶「違うんです…」
剣士「おはよう。…盗賊がいなくなったんだ」
魔法使い「みんなおはよう」
僧侶「あ、魔法使いさん!今から呼びにいこうと思ってたんですよ」
魔法使い「どうしたんだ?犯人が見つかったか?」
僧侶「違うんです…」
剣士「おはよう。…盗賊がいなくなったんだ」
魔法使い「盗賊が?よりによってこんなときに?」
戦士「こんなときだから、だろ。怖くて逃げたんだ」
魔法使い「戦士」
戦士「くそったれが。あいつ、俺の所持金ごっそり持っていきやがった」
僧侶「ええ!?」
剣士「そうなんだ。同室だったこちらも半分盗まれている」
戦士「“盗賊”だからな。寝た人間を起こさず盗むなんて朝飯前だ」
戦士「それにこちとら相手を信用しているから…」ギリッ
魔法使い「……」
戦士「こんなときだから、だろ。怖くて逃げたんだ」
魔法使い「戦士」
戦士「くそったれが。あいつ、俺の所持金ごっそり持っていきやがった」
僧侶「ええ!?」
剣士「そうなんだ。同室だったこちらも半分盗まれている」
戦士「“盗賊”だからな。寝た人間を起こさず盗むなんて朝飯前だ」
戦士「それにこちとら相手を信用しているから…」ギリッ
魔法使い「……」
魔法使い「勇者の剣は?」
戦士「あんなの売れないだろ。金額的な意味ではなく知名度で」
魔法使い「ああ…そうだな。怪しまれるだろう」
剣士「昨日はそういう素振りを見せなかったんだがなぁ…」
戦士「心変わりは一晩あれば充分だ」
戦士「あんなの売れないだろ。金額的な意味ではなく知名度で」
魔法使い「ああ…そうだな。怪しまれるだろう」
剣士「昨日はそういう素振りを見せなかったんだがなぁ…」
戦士「心変わりは一晩あれば充分だ」
剣士「……」
剣士「勇者の件と盗賊の件、両方聞かなくてはいけないな」
戦士「勇者はともかく、盗賊め……」
僧侶「あの、魔法使いさん」
魔法使い「ん?」
僧侶「盗賊さんの位置を特定できないのですか?」
魔法使い「そうか、その手があったか。やってみよう」
剣士「勇者の件と盗賊の件、両方聞かなくてはいけないな」
戦士「勇者はともかく、盗賊め……」
僧侶「あの、魔法使いさん」
魔法使い「ん?」
僧侶「盗賊さんの位置を特定できないのですか?」
魔法使い「そうか、その手があったか。やってみよう」
戦士「出来るのか?」
魔法使い「私は攻撃専門だが、まあ出来ないってわけじゃない」
魔法使い「誰か、盗賊が使っていたものはないか?」
戦士「探してくる」トントントン
剣士「しかし…いったいどうなっていやがるんだ」
僧侶「……」
魔法使い「……」
剣士「五人パーティーのうち、一人が死亡一人が行方不明」
魔法使い「私は攻撃専門だが、まあ出来ないってわけじゃない」
魔法使い「誰か、盗賊が使っていたものはないか?」
戦士「探してくる」トントントン
剣士「しかし…いったいどうなっていやがるんだ」
僧侶「……」
魔法使い「……」
剣士「五人パーティーのうち、一人が死亡一人が行方不明」
魔法使い「…酷いものだ」
剣士「とても魔王討伐など行けないな。諦めるしか…」
僧侶「帰るのですか」
剣士「それしかないだろう。そして新たな“勇者”が生まれるまで待つしかない」
魔法使い(その魔王は今私の部屋でごろごろしてるんだがな)
剣士「とても魔王討伐など行けないな。諦めるしか…」
僧侶「帰るのですか」
剣士「それしかないだろう。そして新たな“勇者”が生まれるまで待つしかない」
魔法使い(その魔王は今私の部屋でごろごろしてるんだがな)
魔法使い「しかし、まあ」
剣士「なんだ?」
魔法使い「昨日から思っていたが、あまり勇者の死に動揺しないんだな」
僧侶「わたしは…もう、なにがなんだが分からなくて…」
剣士「死に方は違うとはいえ、仲間が死ぬことに…なんというか慣れちまってな」
魔法使い「……」
剣士「戦に参加しすぎた結果がこれだ。深く悲しめない最悪な人間となってしまった」
魔法使い「そうか…。悪かった、このようなことを聞いて」
剣士「いや、いいさ」
剣士「なんだ?」
魔法使い「昨日から思っていたが、あまり勇者の死に動揺しないんだな」
僧侶「わたしは…もう、なにがなんだが分からなくて…」
剣士「死に方は違うとはいえ、仲間が死ぬことに…なんというか慣れちまってな」
魔法使い「……」
剣士「戦に参加しすぎた結果がこれだ。深く悲しめない最悪な人間となってしまった」
魔法使い「そうか…。悪かった、このようなことを聞いて」
剣士「いや、いいさ」
戦士「あったぞ」トントントン
魔法使い「それは?」
戦士「ベルトだな。かなり使い込んでいる」
魔法使い(……何故ベルトを置いていったんだ?)
魔法使い(いつもは確かズボンとの間にナイフとか挟むのに使っていたな)
魔法使い(新しいものを手にいれた――と考えるべきか?)
戦士「魔法使い?どうした」
魔法使い「あ、なんでもない。ちょっと外に行こう」
魔法使い「それは?」
戦士「ベルトだな。かなり使い込んでいる」
魔法使い(……何故ベルトを置いていったんだ?)
魔法使い(いつもは確かズボンとの間にナイフとか挟むのに使っていたな)
魔法使い(新しいものを手にいれた――と考えるべきか?)
戦士「魔法使い?どうした」
魔法使い「あ、なんでもない。ちょっと外に行こう」
ガチャリ
僧侶「何故外に?」
魔法使い「汚れるからさ。宿の女将だっていい顔しないだろう」
僧侶「?」
剣士「む…朝はまだ寒いな」
戦士「それに雨が降りそうだ」
魔法使い「じゃあ、やるぞ」ブォン
僧侶「何故外に?」
魔法使い「汚れるからさ。宿の女将だっていい顔しないだろう」
僧侶「?」
剣士「む…朝はまだ寒いな」
戦士「それに雨が降りそうだ」
魔法使い「じゃあ、やるぞ」ブォン
魔法使い「……」コツン
僧侶「魔法陣がベルトを真ん中に回り出した……」
魔法使い「誰か、小さくていい。刃物を」
剣士「これはどうだ?手のひらに収まるぐらいだが」
魔法使い「少し借りる」ピッ
僧侶「っ!」
剣士「おい!」
戦士「なに手首を切ってるんだ!」
魔法使い「こちらの位置を手っ取り早く表すには血が有効なんだよ」ポタポタ
魔法使い「本当はさらに盗賊の血もあれば早く見つかるのだが…流石に常備しているわけでもないし」ポタポタ
戦士「…血の常備は嫌だろ。吸血鬼じゃあるまいし」
僧侶「魔法陣がベルトを真ん中に回り出した……」
魔法使い「誰か、小さくていい。刃物を」
剣士「これはどうだ?手のひらに収まるぐらいだが」
魔法使い「少し借りる」ピッ
僧侶「っ!」
剣士「おい!」
戦士「なに手首を切ってるんだ!」
魔法使い「こちらの位置を手っ取り早く表すには血が有効なんだよ」ポタポタ
魔法使い「本当はさらに盗賊の血もあれば早く見つかるのだが…流石に常備しているわけでもないし」ポタポタ
戦士「…血の常備は嫌だろ。吸血鬼じゃあるまいし」
魔法使い「位置特定」
魔法使い(わりと近いな。…動いてはなさそうだ)
魔法使い(まだ早朝だし寝ているのか?)
魔法使い「こっちだ」タッ
僧侶「あっ、待ってください!」タッ
戦士「チームワークというものを大切にしろよ…」タッ
剣士「やれやれ、朝からマラソンか」タッ
魔法使い(わりと近いな。…動いてはなさそうだ)
魔法使い(まだ早朝だし寝ているのか?)
魔法使い「こっちだ」タッ
僧侶「あっ、待ってください!」タッ
戦士「チームワークというものを大切にしろよ…」タッ
剣士「やれやれ、朝からマラソンか」タッ
タッタッタッ
魔法使い「早朝だと開いている店はほとんどないな」
僧侶「ぜぇ……そうですね……はぁ……」
戦士「おんぶするか?」
僧侶「舐めないで……下さい……」
剣士「ここらへんは森に近くて少し不気味だな」
魔法使い(そういえば私も昨日、ここらで魔王と……)
魔法使い「この辺りだ」ピタ
魔法使い「早朝だと開いている店はほとんどないな」
僧侶「ぜぇ……そうですね……はぁ……」
戦士「おんぶするか?」
僧侶「舐めないで……下さい……」
剣士「ここらへんは森に近くて少し不気味だな」
魔法使い(そういえば私も昨日、ここらで魔王と……)
魔法使い「この辺りだ」ピタ
剣士「おおい、盗賊ー!」
戦士「盗賊ー!でてこーい!」
僧侶「お願いします、姿を見せて下さい!」
カァカァ
剣士「? あそこ、やけにカラスが集まっているな」
戦士「食品廃棄物が捨てられているんじゃないのか?」
僧侶「酒場とかありますからね」
戦士「でもなんか引っ掛かるな。見に行こう」
魔法使い(おかしいな、盗賊はどこに…あのあと動いたか?)
戦士「盗賊ー!でてこーい!」
僧侶「お願いします、姿を見せて下さい!」
カァカァ
剣士「? あそこ、やけにカラスが集まっているな」
戦士「食品廃棄物が捨てられているんじゃないのか?」
僧侶「酒場とかありますからね」
戦士「でもなんか引っ掛かるな。見に行こう」
魔法使い(おかしいな、盗賊はどこに…あのあと動いたか?)
戦士「ほれ、しっしっ」
魔法使い「焼き払おうか」
戦士「……地味に恐ろしいこと提案するな。焼き鳥にしたってうまくないからいい」
剣士「ん?人形か?にしては、大きい――え?」
魔法使い「な、まさか……」
戦士「嘘だろ……盗賊!?」
剣士「ふ、服装は、昨日の盗賊のものだ……」
僧侶「あ…あ……」パクパク
魔法使い「僧侶!しっかりしろ!」
僧侶「い……いやああああぁあぁああぁぁぁぁぁぁ!!」
魔法使い「焼き払おうか」
戦士「……地味に恐ろしいこと提案するな。焼き鳥にしたってうまくないからいい」
剣士「ん?人形か?にしては、大きい――え?」
魔法使い「な、まさか……」
戦士「嘘だろ……盗賊!?」
剣士「ふ、服装は、昨日の盗賊のものだ……」
僧侶「あ…あ……」パクパク
魔法使い「僧侶!しっかりしろ!」
僧侶「い……いやああああぁあぁああぁぁぁぁぁぁ!!」
――魔法使いの宿部屋
スィー バサッ
青年「よう側近。どうだった?」
鷹「どうやら、盗賊なるものが死んだようです」
青年「ほう?」
鷹「しかし、断定はまだ。カラスどもがほとんどの顔を食ってしまいましたので」
青年「所持品を見ればわかりそうだな。盗賊で間違いなさそうだが」
鷹「はい。わたくしもそう思います」
スィー バサッ
青年「よう側近。どうだった?」
鷹「どうやら、盗賊なるものが死んだようです」
青年「ほう?」
鷹「しかし、断定はまだ。カラスどもがほとんどの顔を食ってしまいましたので」
青年「所持品を見ればわかりそうだな。盗賊で間違いなさそうだが」
鷹「はい。わたくしもそう思います」
青年「はは、しかしわずか二日三日で二人も死ぬなんてな」
青年「一人目は勇者、二人目は盗賊――か。どういう決まりなのやら」
鷹「犯人は誰かなどとは考えておられるので?」
青年「まだまだだ。情報が足りない」
鷹「はっ。ではもう少し」
青年「まだいい。――奴が帰ってきたみたいだからそちらを優先に聞こう」
ガチャ
魔法使い「……まだいたのか」
青年「一人目は勇者、二人目は盗賊――か。どういう決まりなのやら」
鷹「犯人は誰かなどとは考えておられるので?」
青年「まだまだだ。情報が足りない」
鷹「はっ。ではもう少し」
青年「まだいい。――奴が帰ってきたみたいだからそちらを優先に聞こう」
ガチャ
魔法使い「……まだいたのか」
続こう
>>1乙 面白い、楽しみにしている。
青年「ふん。客に対して失礼だな」
魔法使い「そもそも呼んでいない。客は客でも招かざる客だろ」
青年「招かざる客な。なかなかいい響きだ」
魔法使い(なに言っても無駄っぽいな……)
青年「で?何が起きたんだ?」
魔法使い「……分かっているみたいだな、その態度からすると」
青年「どうだろうな?ハッタリかもしれないが?」
魔法使い「そもそも呼んでいない。客は客でも招かざる客だろ」
青年「招かざる客な。なかなかいい響きだ」
魔法使い(なに言っても無駄っぽいな……)
青年「で?何が起きたんだ?」
魔法使い「……分かっているみたいだな、その態度からすると」
青年「どうだろうな?ハッタリかもしれないが?」
魔法使い「……」
魔法使い(全く感情が読めない。さすがは王と言うべきか)
魔法使い「少し待て」コツン
ブォン
青年「ほう、人払いか」
魔法使い「弱めのな。緊急な用事なら通す」
青年「ふむ――昨日から思っていたのだが」
魔法使い「なんだ」
青年「嫌がってる割にはやけに協力的な態度じゃないか。なにか考えているのか?」
魔法使い「……」
魔法使い「あなたの質問を拒否すると後が恐いということと」
青年「相手魔王だしな」
魔法使い「誰かに話さないと、潰れてしまいそうなんだよ…」ギシ
魔法使い(全く感情が読めない。さすがは王と言うべきか)
魔法使い「少し待て」コツン
ブォン
青年「ほう、人払いか」
魔法使い「弱めのな。緊急な用事なら通す」
青年「ふむ――昨日から思っていたのだが」
魔法使い「なんだ」
青年「嫌がってる割にはやけに協力的な態度じゃないか。なにか考えているのか?」
魔法使い「……」
魔法使い「あなたの質問を拒否すると後が恐いということと」
青年「相手魔王だしな」
魔法使い「誰かに話さないと、潰れてしまいそうなんだよ…」ギシ
青年「潰れる、とは?」
魔法使い「精神的にだ。身近にいた誰かが死ぬのは、辛い」
青年「……」
魔法使い「ましてや殺人事件だ。……前触れもなく死んでしまう」
魔法使い「ああ、思い返せばそうだな……警戒していたわりには喋りすぎた」
青年「……」
青年「適度に息を抜け。壊れるぞ」
魔法使い「精神的にだ。身近にいた誰かが死ぬのは、辛い」
青年「……」
魔法使い「ましてや殺人事件だ。……前触れもなく死んでしまう」
魔法使い「ああ、思い返せばそうだな……警戒していたわりには喋りすぎた」
青年「……」
青年「適度に息を抜け。壊れるぞ」
魔法使い「精神的にか?」
青年「精神的にだ」
魔法使い「はぁー……」
青年「なんだ、ため息などついて」
魔法使い「まさか魔王に慰められるなんて思ってもみなかった」
青年「おれも勇者パーティーとここまで話すとはな」
魔法使い「…とりあえず、あなたはあまりこの件にでしゃばらないでもらいたい」
青年「切り替え早いな。おれは邪魔か?」
魔法使い「邪魔というより、物事を変にややこしくさせそうだから嫌だ」
青年「はっはっは、失礼だな殺すぞ」
鷹(その通りな感じがするが言わないでおこう…)
青年「精神的にだ」
魔法使い「はぁー……」
青年「なんだ、ため息などついて」
魔法使い「まさか魔王に慰められるなんて思ってもみなかった」
青年「おれも勇者パーティーとここまで話すとはな」
魔法使い「…とりあえず、あなたはあまりこの件にでしゃばらないでもらいたい」
青年「切り替え早いな。おれは邪魔か?」
魔法使い「邪魔というより、物事を変にややこしくさせそうだから嫌だ」
青年「はっはっは、失礼だな殺すぞ」
鷹(その通りな感じがするが言わないでおこう…)
魔法使い「さて、そろそろ行かなければ」スッ
青年「せいぜい頑張って現実に絶望することだな」
魔法使い「…嫌みしか吐けないのかあなたは」
青年「そうじゃないか。犯人など見つけてどうする?死者が蘇るか?」
魔法使い「……あなたのところでは、どう対処するんだ?」
青年「まず殺し合わない。飢饉で共食いはあるが、それも最近はない」
魔法使い「…平和だな、うらやましい」
青年「ま、一部は血気盛んでこまるけどな。ほら行くんだろ」シッシッ
魔法使い「…私の部屋、乗っとるなよ?」コツン ブゥン
青年「今のは解除か。しねぇよそんなこと」
魔法使い「どうだか…」ガチャ
青年「せいぜい頑張って現実に絶望することだな」
魔法使い「…嫌みしか吐けないのかあなたは」
青年「そうじゃないか。犯人など見つけてどうする?死者が蘇るか?」
魔法使い「……あなたのところでは、どう対処するんだ?」
青年「まず殺し合わない。飢饉で共食いはあるが、それも最近はない」
魔法使い「…平和だな、うらやましい」
青年「ま、一部は血気盛んでこまるけどな。ほら行くんだろ」シッシッ
魔法使い「…私の部屋、乗っとるなよ?」コツン ブゥン
青年「今のは解除か。しねぇよそんなこと」
魔法使い「どうだか…」ガチャ
ガチャ
魔法使い「……」
戦士「魔法使い」
魔法使い「僧侶は…?」
戦士「駄目だな。勇者、盗賊で立て続けにあれだったから…引きこもったままだ」
魔法使い「入れてもらえるだろうか」
戦士「どうだがな。アイツ自身に聞かないとどうにも」
魔法使い「…僧侶」
戦士「下に行こう。剣士がさっきからうんうん考えてやがるんだ」
魔法使い「分かった」
魔法使い「……」
戦士「魔法使い」
魔法使い「僧侶は…?」
戦士「駄目だな。勇者、盗賊で立て続けにあれだったから…引きこもったままだ」
魔法使い「入れてもらえるだろうか」
戦士「どうだがな。アイツ自身に聞かないとどうにも」
魔法使い「…僧侶」
戦士「下に行こう。剣士がさっきからうんうん考えてやがるんだ」
魔法使い「分かった」
剣士「ううん…」
戦士「ひどい顔だな」
剣士「戦士たちか一体何が目的で犯人は二人を殺したのか…」
魔法使い「魔物、じゃないのか?」
剣士「勇者はな。でも、問題は盗賊だ」
魔法使い(魔物のセンは変えないか…)
剣士「盗賊と戦士の金が消えていた。盗賊の…死体からは、見つからなかった」
魔法使い「何者かに持っていかれたと?」
剣士「しかし、必ずしも犯人が持っていったとは考えられない」
剣士「たまたま通りかかった浮浪者が持っていった可能性だってある…」
戦士「ひどい顔だな」
剣士「戦士たちか一体何が目的で犯人は二人を殺したのか…」
魔法使い「魔物、じゃないのか?」
剣士「勇者はな。でも、問題は盗賊だ」
魔法使い(魔物のセンは変えないか…)
剣士「盗賊と戦士の金が消えていた。盗賊の…死体からは、見つからなかった」
魔法使い「何者かに持っていかれたと?」
剣士「しかし、必ずしも犯人が持っていったとは考えられない」
剣士「たまたま通りかかった浮浪者が持っていった可能性だってある…」
剣士「ううん…」
戦士「ひどい顔だな」
剣士「戦士たちか。一体何が目的で犯人は二人を殺したのか…」
魔法使い「魔物、じゃないのか?」
剣士「勇者はな。でも、問題は盗賊だ」
魔法使い(魔物のセンは変えないか…)
剣士「それに盗賊と戦士の金が消えたことも。盗賊の…死体からは、見つからなかった」
魔法使い「何者かに持っていかれたと?例えば犯人に」
剣士「しかし、必ずしも犯人が持っていったとは考えられない」
剣士「たまたま通りかかった浮浪者が持っていった可能性だってある…」
戦士「ひどい顔だな」
剣士「戦士たちか。一体何が目的で犯人は二人を殺したのか…」
魔法使い「魔物、じゃないのか?」
剣士「勇者はな。でも、問題は盗賊だ」
魔法使い(魔物のセンは変えないか…)
剣士「それに盗賊と戦士の金が消えたことも。盗賊の…死体からは、見つからなかった」
魔法使い「何者かに持っていかれたと?例えば犯人に」
剣士「しかし、必ずしも犯人が持っていったとは考えられない」
剣士「たまたま通りかかった浮浪者が持っていった可能性だってある…」
魔法使い「…同一人物だろうか?」
剣士「分からん。分かるのは、盗賊には争った形跡があったことだ」
魔法使い「争った」
戦士「形跡?」
剣士「そうだ。手や顔に細かい傷がついていたし、襟首も伸びていた」
魔法使い「…死ぬ前に抵抗をしたのか、盗賊」
戦士「……ひでぇもんだな」
剣士「分からん。分かるのは、盗賊には争った形跡があったことだ」
魔法使い「争った」
戦士「形跡?」
剣士「そうだ。手や顔に細かい傷がついていたし、襟首も伸びていた」
魔法使い「…死ぬ前に抵抗をしたのか、盗賊」
戦士「……ひでぇもんだな」
剣士「しかしここで考えてほしい」
魔法使い「何を?」
剣士「盗賊は身のこなし――逃げ足が早いだろ?」
魔法使い「ああ、まあな。“盗賊”だしな」
戦士「それが?」
剣士「勇者と同じく、いきなり襲われたんじゃないかと」
魔法使い「なるほど…追いかけられて捕まるほど間抜けじゃないもんな」
戦士「ふむ…」
剣士「誰かと待ち合わせをしていて、その誰かか、誰かのバックにいた人物に襲われたんじゃないか?」
剣士「そう思うわけだ」
魔法使い「何を?」
剣士「盗賊は身のこなし――逃げ足が早いだろ?」
魔法使い「ああ、まあな。“盗賊”だしな」
戦士「それが?」
剣士「勇者と同じく、いきなり襲われたんじゃないかと」
魔法使い「なるほど…追いかけられて捕まるほど間抜けじゃないもんな」
戦士「ふむ…」
剣士「誰かと待ち合わせをしていて、その誰かか、誰かのバックにいた人物に襲われたんじゃないか?」
剣士「そう思うわけだ」
魔法使い「それはつまり、盗賊は誰かと会う約束をしていたことになるが?」
剣士「それなんだよな。盗賊が見つかったところは確かに密会にはいい」
魔法使い「だが密会する意味が不明だと」
剣士「そうだ」
戦士「…なんか薄汚ねぇことでも話していたんじゃないのか?」
魔法使い「……例えば?」
戦士「知らん。ただ、金を持っていったのも関係するかもな」
剣士「ううん……」
剣士「それなんだよな。盗賊が見つかったところは確かに密会にはいい」
魔法使い「だが密会する意味が不明だと」
剣士「そうだ」
戦士「…なんか薄汚ねぇことでも話していたんじゃないのか?」
魔法使い「……例えば?」
戦士「知らん。ただ、金を持っていったのも関係するかもな」
剣士「ううん……」
魔法使い「女将さん」
女将「ひゃあ!?」ビク
魔法使い「――いや、そこで聞き耳立ててたのは知ってますって」
戦士「客はまだいなくて良かったな」
剣士「だからこそここまで話せたんだよ」
魔法使い「三人分コーヒーをお願いします」
女将「わ、分かりました」ソソクサ
魔法使い「……僧侶は大丈夫だろうか」
剣士「ああ…」
女将「ひゃあ!?」ビク
魔法使い「――いや、そこで聞き耳立ててたのは知ってますって」
戦士「客はまだいなくて良かったな」
剣士「だからこそここまで話せたんだよ」
魔法使い「三人分コーヒーをお願いします」
女将「わ、分かりました」ソソクサ
魔法使い「……僧侶は大丈夫だろうか」
剣士「ああ…」
戦士「ホントか弱いんだなぁあいつ」
剣士「むしろこんな態度をとれてる自分たちが異常なんだよ」
魔法使い(確かに)
戦士「戦争とかで見慣れたからな、こっちは」
魔法使い「……」
女将「はいコーヒー」カチャ
魔法使い「ありがとうございます」
戦士「よくお前らそのままで飲めるな。苦いだろ」ドバドバ
剣士「慣れた」
魔法使い「慣れた」
戦士「ちぇっ、気取ってやんの」
剣士「むしろこんな態度をとれてる自分たちが異常なんだよ」
魔法使い(確かに)
戦士「戦争とかで見慣れたからな、こっちは」
魔法使い「……」
女将「はいコーヒー」カチャ
魔法使い「ありがとうございます」
戦士「よくお前らそのままで飲めるな。苦いだろ」ドバドバ
剣士「慣れた」
魔法使い「慣れた」
戦士「ちぇっ、気取ってやんの」
魔法使い「……」ズズッ
戦士「いっそのこと嫌なこと忘れさせてやろうぜ」
剣士「どうやって?」
戦士「どうもこうも、セックスしかないだろ」
剣士「ブーッ!」
魔法使い「…はぁ。僧侶の最初の自己紹介思い出せよ」
魔法使い「“僧侶”は神と契りを交わしたもの。姦淫は御法度だ」
戦士「バレなきゃ問題ないって」
魔法使い「癒しの魔力が低下するけどな。半減か、それ以下だ」
戦士「っ!?」
魔法使い「ちゃんと聞いとけよ……。“僧侶”はそういうのがあるからあまり数がいないんだ」
戦士「いっそのこと嫌なこと忘れさせてやろうぜ」
剣士「どうやって?」
戦士「どうもこうも、セックスしかないだろ」
剣士「ブーッ!」
魔法使い「…はぁ。僧侶の最初の自己紹介思い出せよ」
魔法使い「“僧侶”は神と契りを交わしたもの。姦淫は御法度だ」
戦士「バレなきゃ問題ないって」
魔法使い「癒しの魔力が低下するけどな。半減か、それ以下だ」
戦士「っ!?」
魔法使い「ちゃんと聞いとけよ……。“僧侶”はそういうのがあるからあまり数がいないんだ」
剣士「一生独身を貫かないといけないんだよな?」
魔法使い「そう。神に背かぬ生き方を一生だ」
戦士「へえぇ。とても俺にはできそうにない」
魔法使い「だから容易にそのようなことを言うな。失礼だ」
戦士「へいへい」
剣士「はぁ……」
魔法使い「私は少し、町を見てくる」
剣士「大丈夫か?」
魔法使い「朝から襲ってはこないだろう。聞き込みをしてくる。それと」
剣士「なんだ?」
戦士「あ?」
魔法使い「第一発見者の家とか出来たら教えてほしい」
魔法使い「そう。神に背かぬ生き方を一生だ」
戦士「へえぇ。とても俺にはできそうにない」
魔法使い「だから容易にそのようなことを言うな。失礼だ」
戦士「へいへい」
剣士「はぁ……」
魔法使い「私は少し、町を見てくる」
剣士「大丈夫か?」
魔法使い「朝から襲ってはこないだろう。聞き込みをしてくる。それと」
剣士「なんだ?」
戦士「あ?」
魔法使い「第一発見者の家とか出来たら教えてほしい」
剣士「ん。控えておいたんだ」ペラ
魔法使い「ありがとう。昼には戻る」
戦士「俺はどうすっかな…こっちも聞き込みするわ」
剣士「自分も。また報告があったらここで連絡を」
魔法使い「了解。じゃあ後で」
魔法使い「ありがとう。昼には戻る」
戦士「俺はどうすっかな…こっちも聞き込みするわ」
剣士「自分も。また報告があったらここで連絡を」
魔法使い「了解。じゃあ後で」
――街
ワイワイ
魔法使い(やはり話題で持ちきりか)
魔法使い(…悔しいな。仲間が死んでいくとは)
青年「それは嫌嫌つきあっている仲間ではなくてか?」
魔法使い「!?」バッ
青年「そんな驚いてくれるな。目立つだろ」
魔法使い「…なんなんだ、一体」
青年「怖い顔してんなよ。一人より二人だろ?」
魔法使い「私は一人でも動ける。あなたに助けてもらう筋合いはない」
青年「助けるというか、面白そうだからついてくだけだが?」
魔法使い「……あ、そ」
ワイワイ
魔法使い(やはり話題で持ちきりか)
魔法使い(…悔しいな。仲間が死んでいくとは)
青年「それは嫌嫌つきあっている仲間ではなくてか?」
魔法使い「!?」バッ
青年「そんな驚いてくれるな。目立つだろ」
魔法使い「…なんなんだ、一体」
青年「怖い顔してんなよ。一人より二人だろ?」
魔法使い「私は一人でも動ける。あなたに助けてもらう筋合いはない」
青年「助けるというか、面白そうだからついてくだけだが?」
魔法使い「……あ、そ」
――街
ワイワイ
魔法使い(やはり街も話題で持ちきりか)
魔法使い(…悔しいな。仲間が死んでいくとは)
青年「それは嫌嫌つきあっている仲間ではなくてか?」
魔法使い「!?」バッ
青年「そんな驚いてくれるな。目立つだろ」
魔法使い「…なんなんだ、一体」
青年「怖い顔してんなよ。一人より二人だろ?」
魔法使い「私は一人でも動ける。あなたに助けてもらう筋合いはない」
青年「助けるというか、面白そうだからついてくだけだが?」
魔法使い「……あ、そ」
ワイワイ
魔法使い(やはり街も話題で持ちきりか)
魔法使い(…悔しいな。仲間が死んでいくとは)
青年「それは嫌嫌つきあっている仲間ではなくてか?」
魔法使い「!?」バッ
青年「そんな驚いてくれるな。目立つだろ」
魔法使い「…なんなんだ、一体」
青年「怖い顔してんなよ。一人より二人だろ?」
魔法使い「私は一人でも動ける。あなたに助けてもらう筋合いはない」
青年「助けるというか、面白そうだからついてくだけだが?」
魔法使い「……あ、そ」
青年「で、どうなんだ?あのパーティーに嫌嫌ついてってないのか?」
魔法使い「…そんなわけないだろ」
青年「どうせ国かなんかに押し付けられたんだろ?」
魔法使い「……」
青年「それか偉い分類に入る個人に脅されたとか」
魔法使い「…あー、自主的なものなら、参加していなかっただろうな」
青年「なら、やはり強制か?」
魔法使い「……もういいだろ、こんな話は」
青年「ふん。そうか」
魔法使い「…そんなわけないだろ」
青年「どうせ国かなんかに押し付けられたんだろ?」
魔法使い「……」
青年「それか偉い分類に入る個人に脅されたとか」
魔法使い「…あー、自主的なものなら、参加していなかっただろうな」
青年「なら、やはり強制か?」
魔法使い「……もういいだろ、こんな話は」
青年「ふん。そうか」
続きます
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