元スレP「風俗嬢に恋をした……」
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151 = 76 :
小鳥「はいはい真美ちゃん。そろそろレッスンの時間よ」
真美「よ→し! 今日はいっちょ、真美様のス→パ→ぱぅあをおみまいしますかNE!」
小鳥「あらあら。ふふ、真美ちゃんすっかり元気になったわね」
春香「き、緊張しました……人の悩みを聞くって、疲れますね」
小鳥「そのわりには、ちゃんと聞いてあげてられてたわよ」
春香「はは……プロデューサーさんがいつもしてくれるみたいに、とにかく話をきいてあげようと思ってたら、自然に」
小鳥「それは最強のお手本よね。ね、私も相談にのってもらっていい? お悩み解決・春香お姉さんに」
春香「え? は、ははは、はいっ! どんな悩みもドンとこいですよ?」
小鳥「私、2×歳なんだけど、結婚はおろか恋人もいないんだけど……」
春香(うわ! マジ悩み。おもたいなー……)
152 :
真美「ぶー。真美だって真剣な悩みだったんだYO」
153 :
小鳥さんは3ちゃんの司会のお姉さんでもやっていればいいのに・・・・
絶対似合うって!
156 :
高槻さんかわいい……
157 :
>>156
千早ー? ほどほどになー
158 :
>>157
壁の事千早って言うの辞めてやれよ・・・可哀想だろ・・・
159 :
P「無理矢理ついてきて、さんざ手続きの邪魔をして、あげくには花を摘みに行くから待っていろだと……」
俺は病院の一角で、深くため息をつく。
P「しかも待っていろ、と言われたこの場所……婦人科の前じゃないか!」
受付の看護師が、俺をジロリと見る。
なかなかの殺気だ。この看護師、デキる。
俺は慌てて頭を下げる。
美希の行動に振り回されるのはいつものことだが、慣れることはない。
本来ならさっさと手続きを終わらせ、真美のレッスンに付き合うつもりだったが、この調子では無理だろう。
160 = 153 :
>なかなかの殺気だ。この看護師、デキる。
なんで分かるんだよwwwwwwwwwwwwww元々は一般人だろwwwwwwwwwwww
161 = 158 :
産婦人科だと・・・
162 :
>>160
デキるってあれだろ、チョメチョメしてできるっていう
163 :
俺はこの日何度目かのため息をつくと、見るとも無しに人の流れに目をやっていた。
P「………………!」
診察室の前に座る女性。
その姿を見た瞬間、俺は心臓が止まる思いをした。
ハルカだ。
無意識に、駆け寄ろうとした自分に気づき、俺は慌てて自分を制止する。
誓ったのは、ほんの数日前だぞ。ハルカにはもう会わないと。
あの恋は終わった。いや、夢だった。
そう思ったはず。言い聞かせたはずだ。
頭からの命令に、足は従った。
しかし俺の目は、ハルカから離れない。
164 = 153 :
ここで話しかけたら勘違いフラグだろwwwwwwwwwwww
ミキが見たら200%勘違いするwwwwwwwwwwwwww
165 = 76 :
P「ハルカ……」
声に出した俺は、再び件の看護師と目が合う。
看護師?
そうか、ここは病院だから看護師がいるんだ。
病院?
ここは病院?
なぜだ?
なぜハルカが病院にいる?
ハルカが病院……?
P「ハルカっ!!!」
俺の足は、もう頭からの命令を完全に無視していた。
気がつけば、俺はハルカの肩を掴んでいた。
166 = 76 :
ハルカ「え? あれ? プロデューサーさん?」
P「どうした! どうしてここにいる!」
ハルカ「え?」
P「どこか悪いのか? 病気なのか?」
ハルカ「え、あの……」
P「まさか……どっかのドラマみたいに、難しい病気とかなのか!?」
ハルカ「ええと、その……あの……」
P「ハルカ!! 本当の事を言ってくれ!!!」
ハルカ「ちょ、ちょっとプロデューサーさん、声がおおき……」
P「ハルカーーー!!! 死なないで……死なないでくれーーー!!!」
俺の絶叫は、院内全体に広がったんじゃないだろうか。
少なくとも俺たちの周囲では、時間が静止したかのような静寂が巻き起こり、視線は俺たちに集中した。
その中心でハルカは、真っ赤になりながら小さく呟くように、俺に言った。
ハルカ「その……今日は……性病の……定期検査検診に……」
167 = 141 :
大事ですよねー
169 = 76 :
961プロ社長室
黒井「……これかね?」
記者「はい。いかがですか?」
黒井「あの高木の犬めに似ている……と言えば似ている。こっちの小娘も、天海春香に似ている……気はする。それにしてもこの画質、もう少しどうにかならないものかね?」
記者「申し訳ありません。なにしろ、ダビングのダビングの……ダビングでして、補正してもそれが精一杯でした」
黒井「フン、まあいい。なかなか面白いものである事は、認めよう」
記者「恐れ入ります」
黒井「担当プロデューサーと、アイドルの流失ビデオか。この件、もう少し探ってみてくれたまえ。なに、金に糸目はつけないよ」
記者「お任せを……私も、入院生活なんぞをさせられた、個人的な恨みもありますから」
170 = 76 :
なんか本日は中途半端ですが、ここで一旦止まります。
読んで下さる方、レスを下さる方、いつもありがとうございます。
それではまた、明日。
171 :
うっうー!乙なんです!
172 :
P「すみません。すみません。すみません」
院内で騒いでしまった事で、俺は看護師に平謝りした。
頭に血が上ったとはいえ、軽率な行動だった。
が、この間アイドルのみんなが大騒ぎした理由が、遅ればせながら俺にも実感できた。
好きな相手が、病気かも知れない。
そう思うと、いてもたってもいられない気持ちになる。
一度そんな気持ちになると、悪い事悪い方へとばかり思考が向かう。
つい先日に別れを決めたはずのハルカに、恥も外聞もなく走り寄った俺も人の事は言えない。
P「ハルカもすまん。なんか動転して」
ハルカ「……いえ、別に。私の事、心配してくれたんですよね?」
相変わらず真っ赤な顔のまま、ハルカは言った。
P「あ、ああ。そ、そうだハルカ、あのな……」
美希「ハニー?」
ああ、ややこしいのが帰ってきた。
美希「なにしてるの? あれ? 春香……?」
俺はギクリとした。
婦人科の前、俺、そして春香そっくりのハルカ……
美希が誤解する要素が、そろっている。
俺には美希の次の行動が、容易に想像できた。
絶叫の第二幕だ。
慌てて美希の口を、塞ごうとする俺。
が、意外にも美希は言った。
美希「……じゃないの。ハ……プロデューサー、その女の人誰なの?」
P「! み、美希、彼女が春香じゃないってわかるのか?」
美希「うーん、確かに似てるの。でもミキ、春香じゃないってわかるな」
春香「うわあ、本物の星井美希ちゃんだ……」
173 = 76 :
P「あ、あー彼女はだな……」
ハルカ「あ、この人が私の事を天海春香ちゃんと間違えたみたいで」
美希「そうなの?」
P「あ、ああ」
ハルカ「なんか急に、『春香!? お、お前なにをやってるんだ!? こんなとこでなにしてる!! 帰るぞ、春香!』って騒ぎ出して」
ギクリ、と俺はした。
今ハルカが言ったのは、初めて俺がハルカを見た時に言った言葉だ。
あの時の事、ハルカは覚えてる。
覚えてくれている……
ハルカ「私、困っていたんです」
美希「そうなの。へえ……ふうん、なの」
なぜか美希はニコニコし始める。
なぜかは、よくわからないが。
美希「それはそれは、ウチのプロデューサーがご迷惑をおかけしましたの。よーく言ってきかせるから、ミキに免じて許してあげて欲しいな」
ハルカ「別にいいですよ。765プロのプロデューサーだって言ってたの、星井美希ちゃんもいるって事は本当みたいだし」
美希「あはっ」
ハルカ「変な人じゃない、ってのわかりました。じゃ、これで私は失礼します」
そう言うとハルカは、俺に目もくれずもといた場所に腰掛けた。
冷たい態度にもみえるが、きっとハルカは俺に気を遣ってくれたんだろう。
美希「さ、帰るの」
グイグイと美希は俺を引っ張る。
俺はといえば、未練たらしくハルカを見ていた。
だがハルカは、ついに二度と俺の方を見る事は無かった。
174 = 76 :
美希「夜の駐車場で~♪」
帰りの車中でも、美希は上機嫌だった。
機嫌が悪いよりはいいが、何か妙な気持ちだ。
P「随分とご機嫌だな」
美希「そうなの。ミキ、今ならどんどんお仕事でもレッスンでもがんばれそうなの」
もともと天才肌だけあって、気分とやる気にムラのある美希だが、ここまで自分で言うのは珍しい。
それが、かえって俺を不安にする。
P「偉いぞ。ご褒美に、行きたいと言っていた所に連れて行ってやる」
美希「え? なの」
P「カフェ、行きたいんだろ?」
美希「やったーなの。ハニー大好きなの!」
P「ちょ、こら! 運転中に抱きつくな!! あぶ、危ないだろ」
カフェは空いており、俺はほっとする。
美希も芸能人らしく変装はしているが、美希の場合変装もファッションの一部みたいになってしまい、なぜかよくバレる。
美希自身は『ミキの芸能人オーラは隠しきれないの』と言っているが、それもあながち大げさではないのだろう。
美希「ここがハニーのお気に入りの場所なんだね……へえ……」
P「立地が便利で、静かっていうだけだぞ」
美希「ううん。けっこうセンスいいとミキ、思うな」
この時点で、ミキのご機嫌は最高潮に達していた。
なにが要因だ?
175 = 76 :
P「なにかいい事でもあったのか、美希?」
美希「あはっ☆ ハニーは、さっきの女の人を春香って思っちゃってたの」
P「? それがどうかしたのか?」
美希「ミキね、ハニーはミキより春香ばっかり気にしてると思ってたの」
意外な言葉だった。
美希「でもミキが思っているより、全然ハニーは春香のことわかってなかったの」
実際には、俺にも春香とハルカの区別は容易につく。
そっくりな2人だが、両者と密接に付き合うとやはり違いがわかってくる。
そう、俺は最初こそ春香の代わりをハルカに求めていたような所があるが、今はハルカという個人に恋心を抱いている。
それでもやはり、時々は春香とハルカが頭の中で重なるような所があることは、否定しきれないが……
美希「ミキ、ほっとしたの……」
P「美希、さっきの人を春香と間違えたのは確かに失態だった。けどな、俺は事務所のみんなを全員気にしているぞ」
美希「わかってるの。でもミキはその中で、一番になりたいの。特に春香には負けたくないの」
どうやら意外にも美希は、春香に対してかなり意識しているようだった。
俺は、美希は伊織をライバルだと思っていると考えていた。
また、春香よりは千早を意識しているんじゃないかと考えていた。
しかし美希は、春香に対抗心を燃やしている。
なにが美希をそこまで燃え上がらせているのか? その時、俺にはわからなかった。
176 = 76 :
事務所に戻ると、なぜか春香がぐったりとしていた。
P「どうした? 春香」
春香「いえ、軽い相談事かと思っていたのに、かなりヘビーな相談だったもので……」
P「?」
そうこうしていると、竜宮小町一行が帰ってきた。
伊織「ああ! 亜美が言ったの、ようやくわかったわ。あ、ただいまー」
亜美「も→いおりんが言ってたんだYO。もどったよー」
美希「おかえりなの。でこちゃん、なんの話なの?」
伊織「もー! でこちゃんゆーな!」
亜美「あのねあのね、も→すぐはるるん死んじゃうかも知れないんだYO!」
春香「ぶうっ!」
春香が雪歩の煎れてくれたお茶を、盛大に吹き出した。
アイドルにあるまじき行為だが、気持ちはわかる。
P「なんだなんだ? なんの話だ?」
伊織「ちょっと亜美! だから違うって」
亜美「だって見たんだよ、亜美! ゲンガーを!!」
春香「げほっ、ごほっ。な、なに? ゲンガー?」
伊織「ゲンガーじゃないわよ。ドッペルゲンガー」
亜美「あ→! それそれ」
177 = 76 :
ドッペルゲンガーとは、もともとはドイツ語で『分身』といったような意味だ。
そこから派生し、今では『自分が見るもう1人の自分』といったような現象を指すようになっている。
亜美「見たんだYO! 亜美ははるるんじゃない、はるるんを」
美希「んー? それって……」
亜美「そのドッペルゲンガーを見ると、その人は死んじゃうんだよ! いおりんが言ってたもん」
伊織「だから違うって、ドッペルゲンガーっていうのはその人が見るもう1人の自分。亜美が言うのは、ただの春香に似た人でしょ?」
亜美「……えっと?」
伊織「春香がもう1人の春香を見たなら、ドッペルゲンガーよ。でも亜美が見たんなら、亜美じゃない亜美を見なきゃドッペルゲンガーにならないのよ」
亜美「あ、そっか→」
律子「ま、要するに亜美は、春香じゃない春香によく似た人を見たわけね」
亜美「そ→そ→。お父さんの勤める病院に、寄ったらそこで見たんだYO」
美希「ミキも見たの。お話もしたの。ね、ハニー?」
P「あ、ああ」
亜美が見かけたというのは、まず間違いなくハルカだろう。
雪歩の父親が現れた時にも思ったが、世間は意外に狭い。
美希「ハニーったら、その人に……」
P「美希」
美希は俺を見た。
そして少し肩を落とした。
美希「……なんでもないの」
春香は美希をじっと見ていたが、何も言わなかった。
亜美「ねえねえ! そのはるるんのそっくりさん、765プロにスカウトしようYO!」
P「ぶうっ!」
今度は俺が、お茶を吹き出す番だった。
178 = 76 :
亜美「それでさ→亜美と真美、それからはるるん2人でユニット組むんだ。『ダブル・ツインズ』とかど→かな→?」
悪くない。不覚にもそう思った俺は、ブンブンと頭を振ってその考えを追いやった。
律子「ちょっと! 竜宮小町はどうすんのよ!?」
P「そ、そうだぞ」
律子「まずはちゃんと、目の前の仕事に全力で取り組まないと」
P「そうだそうだ」
律子「でも、スカウトか。いいアイディアかも知れないわね……」
P「いいぞ、律子ー……え?」
雪歩「早くしないともしかしたら、他の事務所に取られちゃうかもですぅ」
P「そ、そんなことはないんじゃないか? うん」
春香「私のそっくりさんですかー。亜美や美希が見ても似てるなんて、ちょっと会ってみたいです」
P「……」
ハルカをスカウト?
765プロに入れる?
冗談じゃない。そもそもハルカの素性が知れたら、大変な騒ぎになる。
ここはなんとしても、この流れを阻止ししないと!
小鳥「そういえばこういう企画が、テレビ局からきてるんですよ」
とてつもなく嫌な予感を感じつつ、俺は小鳥さんの手にしたFAXを見た。
そこにはこう書かれていた。
春香「アイドルそっくりさん大集合……あのアイドルとテレビで共演。優勝者には、賞金と共にタレント事務所からのスカウトも? だって!」
伊織「ナイスタイミングじゃない。これは、のらない手はないわよ」
亜美「他のプロダクションに遅れちゃダメだYO!!! 亜美、さっそくパパに頼んでその人の事調べてもらうよ」
P「だ、ダメだ!」
亜美「え→なんで?」
P「こ、個人情報だからな。そういうの部外者に漏らすと、亜美のパパが罪に問われてしまうぞ。うん」
亜美「そっか→」
179 :
765プロで
180 = 179 :
すまん。途中で送ってしまった・・・・
マジの話765プロでハルカと春香を見分けられる奴はどれだけいるのかな?
貴音さんとあずささんは絶対気づく!あとは、意外にも雪歩とやよいあたりか?
181 :
アイドルは全員気づくんじゃないか
社長は知らん
182 = 179 :
>>181
律子はPが最初に会った時の様な反応をしそう。
ヒヨちゃんは・・・・・ご愛嬌で。
183 :
そういうの話すなら>>1が完結させたあとにするべきじゃないか
展開かぶったらどうすんのさ
184 :
俺なら一目で見分けられるぜ?
185 :
被らないこどがそんなに重要だと思えないんだけども。
186 :
被るとか被らないとか関係なく
SSスレで予想はタブー
既に書かれた内容に対する感想を書きましょう
187 :
ここニュー速じゃないしな
止めろと言えば絶対にやるような奴は多いからどうしようもない部分はある
書く方は気にしないほうがいい
追撃で茶々入れるような奴も気にしないほうがいい
書くほうが読んでもらいたいと感じる相手は多分殆ど気にしてない
188 :
美希「じゃあみんなで交代で、病院で見張るの」
P「いや、みんな仕事あるだろ。それにアイドルがそんな目立つ行動しちゃダメだろ」
亜美「え→。じゃあ、ど→すんのさ→!」
P「どうもしない。この話は、ここまで」
伊織「なによ? アンタらしくないじゃない」
P「え?」
春香「そうですよ。いつもは当たりそうな企画には敏感なのに」
P「いや、現実的にその女の人に会うのは難しいし、それに話した感じあの女の人は芸能活動とか興味ないらしかったぞ」
律子「そうなんですか?」
P「あ、ああ。な? 美希」
美希「……そうだったかも知れないの」
その場の空気が、落胆に傾く。
亜美「そ→か→。残念」
春香「私も会ってみたかったなー」
伊織「まあ本人にその気がないんじゃね。長続きもしないでしょうし」
律子「そうね。やる気は肝心よね」
ハルカの話題は、そこで立ち消えになった。
俺はホッとすると同時に、胸の奥に小さな痛に気付いていた。
美希に嘘をつかせてしまった。
俺に対する美希の純粋な好意を、俺は利用してしまったのだ。
因果応報、とはよく言ったもので、その報いはすぐにやってきた。
190 = 76 :
それから3日後、ラジオの収録の為に俺は美希を車に乗せ、移動していた。
美希「あのねハニー」
美希にしては、歯切れの悪い口調。
その一言で、俺は美希に何かあった事を悟った。
P「どうした? なにがあった?」
美希「春香がね、この間ミキが言いかけたのはなんだったのか、って聞いてきたの」
P「この間……」
ハルカの事が、事務所で話題になった時の事か。
そして美希がいいかけたのは、俺がハルカを春香と間違えた件だ。
美希「ミキね。ミキ……春香の事、好きなんだ」
P「そうなのか? そんなに仲が良いって印象はないが……」
美希「春香ってすごいの」
少しだけ嬉しそうにそう言うと、美希は押し黙った。
先日に続き、これは驚きだった。
P「悪い事したな。この間、俺が美希が言いかけた言葉を止めたからだな」
美希「……ミキ、春香に『忘れちゃったの』って言っちゃったの……」
P「……そうか」
美希「ハニー。ミキ、これで良かったの? ミキ、ハニーに誉めてもらえるの?」
俺は車を止めた。
駐車禁止区域だったが、構わない。
美希の方に向き直ると、俺は彼女に頭を下げた。
191 = 76 :
P「ごめん! 美希」
美希「ハニー?」
P「美希が竜宮小町に入りたがっていた時の事、覚えているだろ?」
美希は、コクンと頷いた。
がんばれば、美希は竜宮小町に入れてもらえると思っていた。
誤解もあったが、あの時に俺は彼女に誓った。
P「俺は美希に、もう絶対に嘘はつかない……そう言った。なのに俺は、美希に嘘をつかせてしまった」
美希「ミキ、嘘は嫌いなの。嘘をつかれると、とーっても辛いの」
P「その嫌いな嘘を、つかせてしまった。ごめん、美希。本当にごめん」
下げている俺の頭、正確には後頭部に何か柔らかいものが触れた。
美希だった。
美希が、俺の頭を抱きしめていた。
美希「いいの、ハニー。もういいの」
P「ちょ、美希?」
美希「やっぱりハニーはミキの特別なの。ミキの今の辛さ、ちゃんとわかってくれたの」
P「それでも俺が、美希に嫌な思いをさせた事に違いはない」
美希「ハニーがミキのこと、わかってくれたの。ハニーはプロデューサーなのに、ミキに頭をさげてくれたの」
P「当たり前だ。悪いのは、俺なんだから」
美希「それだけでミキ……幸せなの……」
美希は穏やかにそう言ってくれる。
しかしそれではダメだ。
それだけでは、ダメなんだ。
192 = 76 :
ハルカのもとに通っている時、俺は知らない間に多数の人に迷惑をかけていた。
雪歩の父親、その弟子、そして彼らに病院送りにされたという記者達も、被害者だ。
その内容はともかく、彼らも彼らなりの仕事をしただけなのだ。
その報いが、俺自身に返ったきた時、俺は愚かにも直情的に行動してしまった。
それは更に、事態を悪化させた。
俺を心配したアイドル達が、俺の為に仕事までなげうつという暴挙に出たのだ。
誉められたことではないが、同じ経験をした今なら俺にもわかる。
彼女達は、俺を心配して心配して、そして行動に出た。
それだけ、俺を思ってくれているのだ。
もうあんな事をさせてはいけない。
いや、あんな思いをさせてはいけないのだ。
そう思ったからこそ、俺はハルカと決別する事にした。
しかしその決別をした後も、なぜかハルカとの縁は完全には切れなかった。
どころか、少しずつ暗い影を落とし始めている。
今回も、あの美希を苦しませた。
俺は、どうしたらいいのだろうか?
193 = 76 :
伊織「アンタ、また休んでいないでしょう!」
久々に伊織に蹴られた。
が、その蹴りは力がない。いや、手加減をしてくれているのだ。
伊織「ひどい顔してるわよ。そんなんじゃ、外回りは無理よ」
悶々とした悩みから、すっかり俺は睡眠不足になっていた。
P「大丈夫。ほら、行くぞ」
伊織「嫌よ。そんな顔した人と行ったら、この伊織ちゃんの沽券にかかわるわ。嫌ってら嫌よ。ぜーったい嫌」
春香「プロデューサーさん、今日はもうお仕事止めたら……」
いつかのように、みんなが集まってくる。
ああ、駄目だ。またみんなに心配をかけている。
小鳥「あの、プロデューサーさん」
伊織「小鳥からも言ってやってよ! コイツ今に、過労で……」
小鳥「社長がお呼びです。急いで来てくれ、と」
P「社長が?」
普段社長はあちこちを飛び回っており、あまり俺達に直接の指示をだしたりする事はない。
無論、業務報告は怠らないが、基本的に765プロでは各人の裁量での活動が許されている。
なので、社長が直々に、しかも呼び出されての会談は稀有ともいえる事柄だった。
伊織「いい機会よ、私からも社長に言ってやるわ。しばらくコイツを……」
小鳥「プロデューサーさんだけ、急いで来るようにと言われています」
小鳥さんの真剣な表情に、伊織も言葉を止めた。
間違いなく、なにかがおこっているのだ。
俺は社長室へと急いだ。
そしてそこで、俺は……
ついに報いを受けることになる。
194 :
本日は(もう日付がかわりそうですが)、ここで一旦止まります。
読んで下さる方、レスを下さる方、本当にありがとうございます。
おかげさまで、当初想定していたよりも、ずっとハイペースで書き進んでおり、自分でもびっくりしております。
ではまた明日……
195 :
なんという生殺し…
197 :
乙!
毎日楽しみだわ
198 :
ぐうう、生殺しや
ハッピーエンドを期待したいがどうなることやら・・・
まぁ冤罪の人だからあまり心配はしてないがはてさて
199 :
続きをぉぉぉ!>>1乙ぅぅぅぅ!
ハッピーエンドを・・・頼む・・・
>>1のナイスな執筆力で鬱endとか見たら立ち直れないよ
200 :
>>199
すげー良く分かる
もちろん>>1が鬱展開にするならそれでも読むけど
するなら
みんなの評価 : ★★
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