私的良スレ書庫
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元スレ上条「……なんでもう布団が干してあるんだ?」C.C「腹が減った。ピザをよこせ」
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C.C.「お前もわからない奴だな。この前から言っているだろう?私は帰るつもりはないと。
それに、お前は私と『契約』したはずだ。お前は一方的にそれを破るのか?」
こう言われると、何も言い返せないんだよな……。
あの時、『ギアス』をC.C.から貰った時、確かに俺はC.C.と契約を結んだ。
それで自分も助かった訳だし、それについて文句なんか言えない。
C.C.「それと、お前は『ギアスユーザー』となった訳だが、『ギアス』に関して何も知らないだろう?
だったら私が傍にいた方が色々と都合が良いはずだ。違うか?」
C.C.の言うとおり、上条さんは『ギアス』の事をまったく知りません。
使ったのもたった一回だけだし、どういう効果なのかも、その使い方も、なんとなくしかわかっていません。
ただ、あの力が危険なのはわかってる。使い方を誤れば、大きな問題を引き起こす事も。
だから、C.C.が傍にいるのはありがたい事なのだ……と、思う。
さらに言えば、C.C.と話したりするのは割と楽しい。
どういう訳か、色んな知識を持っているし。
うん、なんと言うか、退屈はしないんですよ。
上条「……はぁ、悪かった。確かにお前の言うとおりだよ」
C.C.「わかったなら早く朝食を作れ」
……後はね、こんな性格でなければなぁ。
―――――――――
――――――
―――
朝食は白米、味噌汁、野菜炒め、玉子焼きと簡単に作った。
C.C.はやっぱりどこか不服そうな顔をしていたが、それでも今は普通に食べている。
彼女はピザが大好きだが、それ以外の食も嫌いという訳ではないらしい。
それにしてもだ……。
上条「C.C.、お前さ、前に日本にいたことあんのか?」
食事中の突然の問いに、C.C.は怪訝な顔を浮かべた。
C.C.「突然なんだ?」
上条「いやさ、お前、外国人なのに箸の使い方上手いからさ。前に日本にでもいたのかと思って。それに日本語も上手いし」
ここ数日、C.C.と一緒に飯を食べているが、彼女の箸の使い方は日本人と何ら遜色ないものだった。
外国人は箸を上手く使えない、と自分が思い込んでいるのもあるが、それにしても彼女の箸の使い方は使い慣れた者のそれだ。
C.C.「ああ、これか。……そうだな、昔、日本にいたこともあるが、まぁ、長く生きてると自然に覚えるものだ」
上条「長く生きてるって、お前な……」
何処か遠い目をしながら語るC.C.に上条は呆れながら呟いた。
C.C.の年齢はわからないが、その見た目から、自分とそう変わらない歳だと思うのだが……。
上条「……なんかおばあちゃんみたいだな」
つい言ってしまったその言葉。それがC.C.の逆鱗に触れた。
C.C.「お、おお、おばあちゃんだとッ!」
C.C.は、バンッ!と両手をテーブルに叩きつけ、身を乗り出して大声で叫んだ。
その目は鋭く、自分を射殺さんばかりのものだ。
C.C.「と、取り消せッ!今すぐその言葉を取り消せッ!」
烈火の如く怒るC.C.は前言の撤回を訴えている。この怒り様はただ事じゃない。
上条「い、いや、じょ、冗談ですよッ!?」
軽い冗談のつもりで言った事に、ここまで怒るとは……。
彼女がここまで感情を昂ぶらせた姿は初めて見た。
C.C.「き、貴様ッ!冗談でも言って良い事と悪い事があるだろうッ!」
上条「す、すみませんッ!すみませんッ!」
そして即行で土下座をする。
ここまでする必要はないかもしれないが、そのあまりの剣幕に、土下座しなければならないと、体が動いてしまった。
C.C.「謝って済む問題じゃないッ!さすがの私も怒ったぞ!目に物見せてやるッ!」ダッ
そう言うと彼女は部屋の電話を手に取り、覚えたばかりのある所へと電話を掛ける。
C.C.「おいッ!第七学区の○○学生寮にピザを五枚ッ!一番高いヤツでいいッ!」
上条「ちょっとC.C.さん!?それはマジでやめてぇええええええッ!」
―――――――――
――――――
―――
数十分後
上条「C.C.さん?あの、ご機嫌はいかがでしょうか?」
C.C.「ふん、私がピザ一枚程度で釣られるとでも思っているのか?」モグモグ
上条は相当遠慮がちに尋ねてはみるものの、彼女のツンとした態度は軟化しない。
それでも、ピザは美味そうに食べているのだが。
あの後、何とか電話をC.C.から奪い取り、上条はピザの注文をし直した。
注文しない、という選択は彼女の様子からできなかった。
泣く泣く3000円級のピザを一枚注文し、彼女の機嫌を取る事にした。
その彼女は今、脇にチーズ君を置き、何故かテーブルではなく、上条のベットの上でピザを食べている。
前に上条が、ベットの上で食べるのはやめろ、と言ったのだが、彼女曰く、ピザはベットの上で食べるのが良い、とのこと。
C.C.「……まぁいい。私は優しいからな。許してやろう」
その言葉に、上条は人知れず、ホッと胸を撫で下ろした。
彼女の機嫌を損ねる事は、実生活に大きな弊害をもたらす。
というより、割と本気で生死に関わる問題に発展する可能性があるのだ。
今回は事前にピザの自棄食い、もとい自棄注文を阻止できたが、阻止できなかった時を想像すると、身も凍る思いだった。
C.C.「……さてと、それでは少し話をしよう」
上条「何だよ突然?俺、今日も補習がある……」
上条はふっとC.C.を見やる。
しかし、ピザを食べる手を止め、自分を真っ直ぐ見据えたその眼は真剣そのものだった。
先ほどの様子から一変したそのC.C.の態度に、上条も何かを感じて、真剣に話を聞く態度を取る。
C.C.「話すのは『ギアス』に関する事だ。他言は無用だ。いいな?」
いつもと違い、重く、威圧するかのような声音に上条はさらに身を引き締めた。
ここから先は『非日常』の世界。
慎重に、丁寧に、確実に、語られる言葉を咀嚼し、反芻し、吸収しなければならない。
C.C.の目を見据え、上条はコクリと頷いた。
それを見て、『魔女』は話し始める。
C.C.「まず、『ギアス』の事をもう少し詳しく教えておく。とは言っても、この私自身、『ギアス』の全てを
理解している訳ではないがな」
上条「おいおい、お前がくれた力なのに、お前自身がわかってないのかよ?」
彼女が与えた驚異的な力であるにも拘らず、彼女自身がそれを理解していない?
そうなると、その力の強さ故に、一気に不安になってくる。
C.C.「大体の事はわかっているがな。ただ、私は『ギアス』発現の鍵となる『コード』を保持しているが、言ってみれば、
保持しているに過ぎない。『コード』や『ギアス』が何故存在するのか、いつ現れたのか、そういった事はわからないんだ」
上条「ふーん、そういうことか。……じゃあ、その『コード』ってのは、いつ手に入れたんだ?」
上条がそう聞いた時、スッとC.C.の顔から表情が抜け落ちた。
だがそれは一瞬のことで、注視していなければ見逃してしまうほど僅かな間の変化だった。
そして、C.C.は目を細め、何かを思い出しているのか、天井付近をじっと見つめている。
上条(な、なんだ?なんか気に障ることだったのか……?)
刹那の時間にも拘らず、上条はC.C.の表情の変化を見逃していなかった。
普段から無表情である事も多いが、それでも良く見せる意地の悪い笑みや、不敵な笑みを浮かべる時とはかけ離れた、
その一切の感情が削ぎ落とされた表情。それは上条の心を妙にざわつかせた。
そして、寸刻の間の後、C.C.はフッと息をついて、上条へと視線を戻した。表情も既に元へと戻っている。
C.C.「別に手に入れた訳じゃない。押し付けられたんだ。ずっと昔にな」
上条「……ずっと昔って、小さかった頃とかか?」
C.C.「……まぁ、そんなところだ」
何処かぶっきらぼうに答えたC.C.の姿に、これ以上の追求は悪い気がして、上条は尋ねるのをやめた。
本当はC.C.の過去に興味があったのだが、この雰囲気ではさすがに聞く気になれなかった。
それに、誰にでも一つや二つ人には聞かれたくない事、知られたくない事があるだろう。
上条自身も、自身の幼少期を人に語ったところで良い気分はしない。
でも、それでも。いつか、お互いの事を話せれば良いと思う。
C.C.「……話が逸れたな。元に戻すぞ」
上条は黙って頷いた。
C.C.「……それでだ、前にも言ったが『ギアス』は『王の力』だ。その力の前では何人たりとも歯向かうことはできない。
この私を除いてな」
上条「?……C.C.には『ギアス』は効かないのか?」
C.C.「私には、というより、『コード』保持者には、と言った方が正しいがな」
C.C.の説明に、上条は、ふーん、と相槌を打った。
少なくとも、この『ギアス』が彼女を傷つける事だけはないらしい。
まぁ、しかし、彼女だけ良ければそれで良いなどということはないが。
C.C.「ただ、昔、一人だけ例外がいた」
上条「例外?」
C.C.「それはあまりにも特殊なケースだったがな。そいつは『ギアスキャンセラー』と呼ばれていたが、
そんな人間はまずもう現れないだろう」
上条「『ギアスキャンセラー』、ねぇ……」
またしてもC.C.の『昔』のようだが、上条は深く聞かない事にした。
それよりも気になるのは、如何に特殊なケースと言えども、『ギアス』が効かない事もあるということだ。
……それならば、やはり。
上条「俺の右手でも、何とかなるのかねぇ……?」
そう言って自身の右手を見る上条。
外見上は特別なところがある訳でもなく、日常生活でも他人と何ら代わり映えのないそれ。
しかし、それには確かに他人には無い力が宿っている。
『幻想殺し』
それが異能の力なら、どんなモノでも打ち消してしまう能力。
しかし、実際に使えるのは能力者のいざこざを収める時や、『超電磁砲』、御坂美琴の電撃を止めたりする時くらいだが……。
C.C.「そういえば、お前のその右手も不思議な代物だったな。……ふむ、それが『ギアス』に対してどんな作用をするのかも、
お前は知る必要がある。お前は知らなければならないだろうな」
上条「え?」
確かに知るに越したことはないだろう。
知識はいくらあっても邪魔にはならないものだから。
しかし、彼女の言い方からは、それが強制されているように聞こえる。
いや、間違いなく彼女自身そのつもりで言ったのだろう。
困惑の表情を浮かべる上条を余所にして、C.C.は話し始める。
C.C.「私が今日話したかったのはそこのところだ。お前は自身に発現した『ギアス』の事をもっと知れ」
上条「?……だから今、お前が教えてくれるんじゃないのかよ?」
C.C.「私が教えられるのは『ギアス』の共通概念だけだ。『ギアス』の発現はその人間が持つ素質に影響され、
その本質は心の奥に潜む願望そのものだ。だから、発現する『ギアス』は人によって違う」
上条「願望……」
それを聞いて、上条は眉を顰めた。
もし、C.C.の言うとおりなら、自身に発現した『ギアス』、あれは自分の願望だったというのだろうか……?
C.C.「そういえば、当麻、お前には一体どんなギアスが発現したんだ?お前はあの時どんな力を使った?」
C.C.の問いに、上条はギクリとした。
自分に発現した『ギアス』は、おそらく他人に命令を下せるというモノだ。
一度しか使った事がないから確信を持っては言えないが、初めて『ギアス』を使ったあの時。
『猟犬部隊』が自分の言うとおりに動くような気がして、自分の思うままに命令したら、彼らはその通りに動いた。
つまりは、相手の意思を無視した『絶対遵守の力』。それが自分に発現した『ギアス』。
しかし、それが自身の願望だと言われた上条の心は穏やかではなかった。
自分は心の奥底で、そんなことを望んでいたのかと。
そして、それをC.C.に話す事は、自分の醜い部分を彼女に晒してしまうのと同じ。
彼女に知られれば、たちまち嫌悪される気がして、上条は思い切って話せなかった。
上条「あー、えーっと、だな……」
急に暗い顔になった上条を見て、C.C.は初め怪訝な顔を浮かべた。
だが、上条が何を考えたのか思い至り、C.C.はニヤリと笑みを浮かべた。
C.C.「なんだ?私に自分の願望を知られるのが嫌なのか?」
上条「ッ!……お前に知られるのが嫌っていうか、その……」
C.C.「ふふふ、安心しろ、坊や。私はお前がどんな願望を持っていようが気にしないし、それでお前を厭う事もない。
人間誰しも心の奥には人には言い辛い願望の一つや二つあるものだからな。それに、お前は言っただろう?
要は使い方の問題だと。願望を実現できる力があっても、正しく使えばいいだけなのだろう?」
上条はそんなC.C.の言葉にはっとした。そして彼女の言葉を深く噛み締める。
噛み締めると同時に、自分をさりげなく助けてくれる彼女に、感謝の気持ちを抱く。
そして、上条は一度大きく息をついた。
上条「……俺に発現した『ギアス』は、たぶん、自分の思うように他人に命令できるモノだと思う」
C.C.「……何?」
上条の言葉にC.C.は目を見開いた。その表情は驚きに染まっている。
上条「……やっぱ、こんなの、おかしいよな」
上条はC.C.の反応を、自身の『ギアス』、上条自身から言わせれば、異常な願望に対する驚きと捉え、自嘲的に笑った。
C.C.「……いや、私が驚いたのはそういう事じゃない。……お前の『ギアス』は他人に命令を下せる『絶対遵守の力』。
それで間違いないのか?」
上条「ああ、まだよくわからないけど、たぶん……」
C.C.「そうか……。そんな事も、あるのか……」
上条「?」
C.C.の様子に困惑の表情を浮かべる上条。
一方でその彼女の表情はどこか苦しげで、悲しげだった。
C.C.「……昔、お前と同じような『ギアス』を持った奴がいたんだよ。
同じような『ギアス』が発現した人間を見たのは私も初めてだ」
上条「そうか……」
C.C.の話を聞いて、上条はその顔も知らぬ誰かを想う。
自分と同じような『ギアス』、願望を持った者はどんな人だったのだろうか。
何を思い、どんな風にこの力を使ったのか、非常に気になるところだった。
C.C.「……お前の『ギアス』が『あいつ』とまったく同じかどうかはまだわからないがな。……参考までに話すが、そいつの
『ギアス』はお前と同じ『絶対遵守の力』。そいつの『ギアス』は光情報で、使うには相手の目を直接見る必要があった。
眼鏡程度の透過率なら問題はないが、バイザーなどのレンズだと効果はない。有効距離は270m程。『ギアス』を掛けた前後、
発動中には記憶の欠落が見られ、一度『ギアス』を使った相手には、もう『ギアス』は効かなかった」
上条「ふーん、随分と詳しいな」
C.C.「……鬱陶しいくらい几帳面な奴だったんだよ、あいつはな」
目を細め、何処か遠くを見つめながら話すC.C.。
先ほどの哀愁が漂う様子といい、彼女にとって大切な人だったのだろうかと上条は思う。
しかし、彼女は全て過去形で語っていた。それはつまり……。
上条「その人、今は……?」
C.C.「死んだよ。世界を壊し、世界を創ってな」
上条「……その、ごめん」
上条は予想していただけに、聞かなければ良かったと深く後悔した。
しかし、自分と同じような『ギアス』を持った人間に対する興味、関心が僅かに勝ってしまった。
さすがにこれ以上は聞く気になれないが、彼女は尚も気になる事を言った。
『世界を壊し、世界を創った』
それは一体どういうことだったのだろうか?
疑問は残るが、しょうがない。
C.C.「……気にするな。それよりも、お前も自分の『ギアス』を少し試して、どんなモノかをちゃんと知っておけ」
上条「試すって……」
C.C.「『ギアス』は強力だ。誰かを傷つけないためにも、早々に知っておいた方がいいだろう?」
確かに彼女の言うとおり、自分の身に着いた力は知っておいた方が良いに決まっている。それが強い力なら尚更だ。
知識がなかったせいで、誰かを傷つけてしまう事もあるかもしれない。それを避けるために、敢えて不確定なその力を試験する。
矛盾するかもしれないが、そうやっていくしかないのだろう。
C.C.「何、試験といっても、まずは一回きりの簡単な命令でいいだろう。何かを取って来いとか、そういう類のものでいい。
それだけでも色々とわかる事もある」
上条「……ああ、そうだな」
自分の力の確認に他人を巻き込むのは申し訳ないと思うが、今回は痛む良心を抑えて、付き合ってもらおう。
自分は所詮、『偽善使い』だし。
最初は、まぁ、青ピとか土御門らへんがいいかねぇ……?
C.C.「ただ、使い過ぎには気をつけろ。『ギアス』は使えば使うほど強くなっていく」
上条「え?」
C.C.「『ギアス』が強くなれば、『ギアス』を使用する時としない時の切り替えができなくなる可能性がある。
そうなれば無差別に『ギアス』を掛けてしまう恐れがあるんだよ」
上条「それってマズイだろ!?」
C.C.「だから使い過ぎるなと言っている。まぁ、そうなった時の対処法もあるからそこまで深刻ではないがな」
そう言うC.C.だが、そうならないに越したことはないという事なのだろう。
この力が制御不能に陥ったらどうなるか、想像したくもない。
上条「……わかった。気をつける」
C.C.「とりあえず私が話せるのはこのくらいだ。何か疑問があったら聞け。この私が優しく答えてやろう」
そう言って、あの不敵な笑みを浮かべるC.C.。どうやら根暗い話はここで終わりのようだ。
だったらその流れに今回は自分も乗ろうと上条は思った。
上条「じゃあ、一つだけ」
C.C.「何だ?」
上条「お前、何歳?」
C.C.「……何?」
上条「いやさ、話してる内容とか、話し方とか、もう完全におばあちゃ……ぐふッ!?」
上条が、おばあちゃん、と言おうとしたところでC.C.はベッドから上条に接近し、強烈な蹴りを腹部にお見舞いした。
上条は吹っ飛び、本棚に頭をぶつけ、その衝撃で本棚から大量の本が降り注いだ。
蹴ったC.C.はそれを前に仁王立ちしている。
上条「……い、痛い。な、何を、するんだ、よ……」
蹴られた衝撃がまだ残っていて、上条は息も絶え絶えに話す。
ちなみに動けない。それほどの蹴りだった。
C.C.「お前の頭には反省という言葉がないのか?わかるまでこの私が体に叩き込んでやろうか?」
上条「ほ、ほんとに、す、すみませんでし、た……」
そんな上条をふんっと一瞥し、C.C.は残りのピザを食べ始める。
こうして、おばあちゃん、は禁句になったのだった。
―――――――――
――――――
―――
とりあえずここまでですー
一部、ネタをパクってないか?的な箇所がありますが、実際にC.C.だったらそうするだろうと思い、このように書きました
次は一週間以内に来れればいいなぁ…
それでは、また次回
一部、ネタをパクってないか?的な箇所がありますが、実際にC.C.だったらそうするだろうと思い、このように書きました
次は一週間以内に来れればいいなぁ…
それでは、また次回
乙
上条さんは不幸から逃れたかったから人を思い通りに出来る力が出たって事か?
上条さんは不幸から逃れたかったから人を思い通りに出来る力が出たって事か?
こんばんわー
遅れて申し訳ないです…
しかも今回はあまり話が進まないと思います…
とりあえず投下します
遅れて申し訳ないです…
しかも今回はあまり話が進まないと思います…
とりあえず投下します
第七学区・とある高校
小萌「それじゃ今日の補習はここまでですー。明日もちゃんと来て下さいねー。特に上条ちゃん?」
上条「へーい」
朝のC.C.との一件の後、何とか行動可能となった上条はいそいそと補習へと向かった。
若干の遅刻はしたものの、そこは学園都市七不思議とされている上条の担任、月詠小萌に大目に見てもらった。
先日、補習を無断でサボった時はさすがに怒られた(とは言っても別に怖くはなかったが)が、その前にインデックスの
完全記憶能力に関して電話で聞いた事が、事情を知らなかった小萌から見れば、上条が勉強に目覚めたように見えたため、
この間から彼女の機嫌が良いのだ。
小萌「もうー!先生にはちゃんと、はい、と返事をして下さいー!」
上条「はーい」
そして、こんな自分達に、ここまで誠心誠意付き合ってくれる教師はなかなかいないだろう。
高度に科学が発達したこの学園都市。
各学校指定の『時間割り』に従って教育を受けるが、教師と生徒が直接向き合うのはこの都市でも変わりはしない。
故に、良き教師に巡り会えるかどうか、それも学生生活を送る上で重要な要素だろう。
そんな中で、自分は良い教師に出会えたものだと思う。
そんな感慨に耽っていると、横から突然声が響く。
青ピ「あっはーッ!小萌先生に名指しで注意されるなんて、カミやんは幸せ者やねー!
ボクも小萌先生に説教くらってハァハァしたいわー!」
上条「お前はホントどうしようもねーな……」
この身長180cmを超え、青髪でピアスでエセ関西弁、そして世界三大テノールもびっくりの野太い男ボイスを持つまさに
怪人と言うに相応しい自身の友人は、その中身もまた変態だ。
小萌「それじゃ今日の補習はここまでですー。明日もちゃんと来て下さいねー。特に上条ちゃん?」
上条「へーい」
朝のC.C.との一件の後、何とか行動可能となった上条はいそいそと補習へと向かった。
若干の遅刻はしたものの、そこは学園都市七不思議とされている上条の担任、月詠小萌に大目に見てもらった。
先日、補習を無断でサボった時はさすがに怒られた(とは言っても別に怖くはなかったが)が、その前にインデックスの
完全記憶能力に関して電話で聞いた事が、事情を知らなかった小萌から見れば、上条が勉強に目覚めたように見えたため、
この間から彼女の機嫌が良いのだ。
小萌「もうー!先生にはちゃんと、はい、と返事をして下さいー!」
上条「はーい」
そして、こんな自分達に、ここまで誠心誠意付き合ってくれる教師はなかなかいないだろう。
高度に科学が発達したこの学園都市。
各学校指定の『時間割り』に従って教育を受けるが、教師と生徒が直接向き合うのはこの都市でも変わりはしない。
故に、良き教師に巡り会えるかどうか、それも学生生活を送る上で重要な要素だろう。
そんな中で、自分は良い教師に出会えたものだと思う。
そんな感慨に耽っていると、横から突然声が響く。
青ピ「あっはーッ!小萌先生に名指しで注意されるなんて、カミやんは幸せ者やねー!
ボクも小萌先生に説教くらってハァハァしたいわー!」
上条「お前はホントどうしようもねーな……」
この身長180cmを超え、青髪でピアスでエセ関西弁、そして世界三大テノールもびっくりの野太い男ボイスを持つまさに
怪人と言うに相応しい自身の友人は、その中身もまた変態だ。
土御門「カミやん、青ピの変態っぷりはいつものことだにゃー。気にしちゃダメぜよ」
上条「……土御門、お前が言えんのか?」
先日の一件で、この友人、土御門元春がイギリス清教の魔術師と知った訳だが、こうして普通に学生生活を送っていると、
とてもそうは思えない。
普段は、義妹義妹メイド義妹、と煩いこの友人が何故、どうしてイギリス清教の魔術師などをやっているのだろうか?
疑問は数多く残っている。
それでも、繰り返すが彼は自分の友人だ。
そこは彼が何者だろうと断じて変わる事はない。
だから、普段の生活では彼と今まで通りの付き合いをしようと上条は心に決めていた。
青ピ「カミやんもつっちーもボクを舐めたらあかんで?ボクぁ落下型ヒロインのみならず、義姉義妹義母義娘双子未亡人先輩後輩
同級生女教師幼なじみお嬢様金髪黒髪茶髪銀髪ロングヘアセミロングショートヘアボブ縦ロールストレートツインテール
ポニーテールお下げ三つ編み二つ縛りウェーブくせっ毛アホ毛セーラーブレザー体操服柔道着弓道着保母さん看護婦さん
メイドさん婦警さん巫女さんシスターさん軍人さん秘書さんロリショタツンデレチアガールスチュワーデスウェイトレス
白ゴス黒ゴスチャイナドレス病弱アルビノ電波系妄想癖二重人格女王様お姫様ニーソックスガーターベルト男装の麗人メガネ
目隠し眼帯包帯スクール水着ワンピース水着ビキニ水着スリングショット水着バカ水着人外幽霊獣耳娘まであらゆる女性を
受け入れる包容力を持ってるんよ?」
上条「……とりあえず、お前が女だったらなんでも良い事はよくわかった」
土御門「今の時代は広範囲に攻めるよりも狭く深くぜよ。つまりはメイドや義m」
上条「うん、もういい」
青髪ピアス、土御門元春、上条当麻。
このデルタフォースは変わる事はない。一緒にバカやって、一緒に笑って、一緒に怒られて。
そんな学生生活をいつまでも送りたいと思う。
そんな事を考えていた上条だったが、その時、ふと朝のC.C.とのやり取りを思い出した。
上条(……っと、そういえば、C.C.から『ギアス』を試せって言われてんだったなー)
早急に自身に宿った『ギアス』の力を知る事。
『ギアス』が自分以外の誰かに害をもたらす前にそのリスクを潰す。
それが、この不幸だが、平穏で、愉快な日常を守る事にも繋がるのだ。
上条(心苦しくない訳じゃないけど、ここは我慢してもらうとするかぁ……)
そう心の中で呟くと、上条はまず青髪ピアスに普通に声を掛けた。
上条「……なぁ、青髪。外に超絶美女が立ってるんだが?」
青ピ「な、なんやて!?」
上条のその言葉に、青髪ピアスはいち早く反応し、窓に駆け寄った。
身を乗り出さんばかりの勢いで、窓の外を凝視している。
青ピ「?……カミやん、美人さんなんて、おらんけど?」
未だに外を見続けている青髪の背に向かって、上条はさらに声を掛ける。
今度は、その左目に『赤い鳥のような紋様』を浮かべながら。
上条「……青髪、なんか飲み物買ってきて」
その言葉が青髪ピアスに届く。
そして、彼がこちらを振り向いて……。
青ピ「……カミやん、ボクを騙した挙句に飲み物こうてこい、やて?いくら温厚なボクでも怒るで?」
振り返って、ジロリと上条を睨む青髪ピアス。
上条が『ギアス』を使ったにも拘らず、青髪ピアスは言うとおりに動かなかった。
上条(……つまり、C.C.が参考に言ってくれた人と同じように、相手の目を直接見なきゃダメなのか?)
内心そんな事を考えながら、上条は苦笑いを浮かべて、悪かった、と謝った。
そして、それを見て、青髪は溜め息をついた。
青ピ「……まぁ、ええわ。カミやんがそないな事言うんも珍しいし。うん、昼飯奢るって事でチャラにしたるわ」
上条「おい待て!上条さんのお財布事情は今極めてマズイ状態にあるのですがッ!?」
土御門「それじゃ、俺の分も奢ってくれにゃー」
上条「土御門!お前はまったく関係ないだろうがッ!」
C.C.との同居によって、食費など諸々が単純に二倍となった事で、元々あまり余裕のなかった生活がさらに苦しくなった。
だから上条としては無駄にお金は使いたくない。
つまるところ、他人に飯を奢る余裕などまったくない。
そうこう三人で騒いでいると、その様子を教壇から笑って見ていた小萌が横から声を掛ける。
小萌「あのー、補習は終わったんですけど、帰らないんですかー?もし帰らないんだったら、このまま午後も追加講座に
しちゃいますよー?」
今日の補習は珍しく午前で終了の予定であった。
午後は学生らしく夏休みを謳歌できる良い機会。
それを潰されては堪らない。
上条「そ、それはゴメンだ!私、上条当麻は至急帰らせていただきますッ!」ダッ!
土御門「ここは俺もカミやんに続くぜい!」ダッ!
青ピ「くっ!小萌ちゃんとのマンツーマンの補習には惹かれるんやけどッ!今日のところはボクも帰るわ!」ダッ!
脱兎の如く教室から逃げ出す三人を、教壇から見送る小萌。
微笑みを浮かべながらも、同時に僅かな哀愁も漂っていた。
小萌「先生の授業はそんなに嫌なんですか……?」
教壇で吐いたその言葉を聞いた生徒はいなかった。
―――――――――
――――――
―――
現在の時刻は午後1時。
夏休みに入ってのこの時間帯、ここ学園都市の飲食店は学生で溢れかえる。
上条達がいるここ『Joseph’s』も例外ではなく、多くの学生で賑わっていた。
あれから学校を出たデルタフォースの三人は、午後はそれぞれ暇ということで、昼食を食べてからゲーセンなど遊ぼう、
という話になっていた。
ちなみに上条は、朝、家を出る前にC.C.に昼食代として1000円札を置いていった。
当初、彼女を無闇に外に出歩かせるのは危険とも思ったが、彼女自身が、大丈夫だ、と言うので、上条の補習がある
ここ何日かはそのような形をとっていた。
青ピ「そういえば、昨日はなんや大変な事件があったようやね」
上条「大変な事件?」
頼んだスパゲティを食べながら話す青髪のその内容に上条は食いつく。
ちなみに青ピはミートソーススパゲティ、土御門はハンバーグ、上条は安上がりなサンドイッチを注文していた。
土御門「ああ、あれかにゃー?第十学区の原子力施設近くで派手なドンパチがあったっていう……」
青ピ「それや。なんや謎の巨大生物が出て、『警備員』とやり合ったらしいで」
上条「巨大生物、ねぇ……。あれ?そういえば、昨日、街中に変な音楽っつーか、音が流れたよな?それって……」
青ピ「そういえばそんな事もあったね。もしかしたら、それも関係あるかもしれんねー」
昨日、7月24日に起こった事件。通称『幻想御手』事件。
彼らは知り得ない事だが、その事件の解決には学園都市第三位、『超電磁砲』御坂美琴らの活躍があった。
上条(うーん、やっぱC.C.を一人歩きさせるのは危険か……?)
話を聞きながら、上条は一人考える。
C.C.は上条が学校などで家にいない時、基本的に学園都市をうろうろしているらしい。
本人曰く、ただの散歩、だそうだ。
しかし、もしその道中で学園都市で起こる物騒な事件にC.C.が巻き込まれるような事があれば、それは自分の責任だ。
それに、先日の件で学園都市の暗部を土御門から僅かながら聞いた今となっては、この学園都市の治安も疑わしい。
いくら彼女が『ショックイメージ』を見せる能力を持ち、不死身に近い再生能力を持ち、そして彼女自身が大丈夫だと言っても、
巨大な力の前では成す術はないだろう。
それでも、だからといってずっと家に押し込めておくのも気が引ける、というかできない。それではまるで監禁だ。
それに、仮にやろうとしても、彼女が断じて認めないだろうし、下手をすれば、否、ほぼ間違いなく脱走する。
そっちの方が厄介だ。
そんな風に頭を悩ませていると。
青ピ「カミやん、どしたん?そない難しい顔して」
何やら悩む上条の様子を怪訝に思った青髪ピアスは上条に声を掛けた。
上条「えっ?ああ、いや、何でもない何でもない」
笑って誤魔化す上条を尚も不審に思った青髪ピアスだったが、元々楽天的な性格のため、まぁいいか、と気にするのをやめた。
一方、上条はそのまま水を飲もうとした時、自身のコップが空になっている事に気づいた。
上条「ありゃ、空だったか……」
土御門「ん?カミやん、ドリンクバーに行くなら俺の分も頼むぜい」
上条のその呟きを聞いた土御門が、同じく空のコップを上げ、自分の分も頼む。
三人の席は、上条が片側に一人で座り、向かい側に青髪ピアスと土御門が座っている。
そして、通路側に青髪ピアスが座っているため、土御門が席を立つには青髪ピアスが一回席を立たなければならない。
だから、土御門は上条に頼んだのだった。
上条はそれを了承しようとしたその時、ふとある事を思いつく。
上条(……そういえば、土御門っていつもサングラスしてるよな。C.C.の言ってた人はバイザーとか透過率の低いレンズには
『ギアス』は効かなかったんだよな。……俺はどうなんだろ?)
学校で試した時に、相手が背を向けていては『ギアス』が効かなかった事を考えると、自分とC.C.が話した人との『ギアス』は
限りなく近いモノのようだ。
そして自身の『ギアス』も光情報なら、サングラスを装着している人間には効かない可能性が高い。
上条(……ここは、試してみますか)
上条が一人考え込んでいると、急に黙り込んで動かなくなった彼を不思議に思った土御門が声を掛ける。
土御門「カミやん?どうかしたか?」
その土御門の横では、青髪ピアスも不思議な顔をして見ている。
そして……。
上条「……なぁ、土御門。自分で水汲んでこいよ」
土御門に向けて言葉を発する上条。その左目は赤く染まっていた。
そして土御門はというと……。
土御門「……カミやん、そんなに行くの、嫌なのかにゃー?」
土御門は溜め息をつきながらそう呟いた。
また、それとは逆に、彼がこんな事を断るとは何か訳があるのでは、と思ってしまう自分もいるのだが。
土御門(それにしても、今、一瞬、目が赤く光ったような……?)
スパイ活動をしているだけあって、そういう些細な変化もあまり見落とすことはない自分だが、今の状況に特に変化や異常が
ある訳でもないし、今、彼の目を見ても至って普通の黒い瞳だ。彼自身も変化がある訳でもない。
ただ、何やら自分を観察している風ではあるが……。一体、何だったのだろうか……?
そう土御門が考えていたその時。
青ピ「……わかったわ」
上条・土御門「「え?」」
そう呟いて、突如として席を立とうとする青髪ピアス。手にまだ少し水が残ったグラスを持って。
その彼の突然の行動に、上条と土御門は困惑した。
上条は特にだ。
上条(ど、どういうことだ?俺は土御門には『ギアス』を試したけど、青髪にはやってねーぞ!?)
慌てる上条を余所に、青髪ピアスは水を汲みに行こうとする。
それを狼狽しながら見ていた上条だが、我に返って青髪を慌てて追いかける。
土御門「お、おい!カミやん!」
土御門の声も今は気にしていられない。それよりも青髪を追う。
上条「お、おい!待てよ、青髪!」
駆け足で彼を追った上条は簡単に追いつき、彼の肩を掴んで彼を止めようとする。
だがしかし。
青ピ「……放してや。ボクは水を汲みに行かなアカンのや」
そう言って、自分の手を振り払おうとする青髪ピアス。
機械的に自分の行動を話す彼からは『自分の意思』というものが感じられなかった。
これは明らかに自分の『ギアス』が掛かってしまっている。
そう思った上条は咄嗟に。
上条「……これで、目を覚ませッ!」
上条は自身の右手を青髪の頭に突き出した。
『幻想殺し』
それが『ギアス』に対して本当に効くのかはわからなかったが、そうせずにはいられなかった。そして……。
バギンッ!
まるでガラスが割れるような音が響いた。
店内の喧騒にそれは掻き消えたが、確かにそれは、自身の『幻想殺し』が発動した証拠だった。
そして、青髪ピアスはというと……。
青ピ「……あれ?ボク、何してんのやろ?なんで席立っとるんや?……って、カミやん!?なに人の頭鷲掴んでんのや!?」
ジタバタと暴れだす青髪ピアスを見て、上条は『ギアス』が解けた事を確信し、安堵の息をついた。
右手を放し、彼に話しかける。
上条「……わ、悪い悪い。……それよりも、お前、今、自分がした事、覚えてるか?」
青ピ「え?……うーん、おかしいね。自分がなんで席立っとるのかわからんわ……」
顎に手を当てて、一人、うーん、と考え込む青髪ピアス。
どうやらC.C.の言ったように、自分の『ギアス』も発動中、及びその前後の記憶はなくなってしまうようだ。
また、今ので『幻想殺し』は『ギアス』に対しても有効だということがわかったが、記憶を戻す事はないということもわかった。
上条(……せっかくだし、もう一つ試すか)
目の前で尚も疑問の顔を浮かべる青髪ピアスに対し、上条はもう一度『ギアス』を使う。
上条「……なぁ、青髪、水汲んでこいよ」
自分と同じような『ギアス』を持った人は、一度『ギアス』使った相手には、『ギアス』はもう効かなかった。
先ほどのようなイレギュラーがあるなら、これはどうなるのだろうか……?
青ピ「……はぁ?なんでカミやんに命令されなアカンのよ?」
……どうやら、二度目は通用しないらしい。これは同じようだった。
上条「い、いや、だってお前が席立ったのって、水汲みに行くためだっただろ?
ほ、ほら、お前だって自分のグラス、手に持ってんじゃん!」
冷や汗をかきながらそう言ってグラスを指差す上条。
青ピ「……マジで?……アカンわ。ボク、ボケたんかなー。全ッ然、記憶にないんやけど……」
上条「ま、まぁ、そういう事もあるって!さっさと水汲んで席戻ろうぜ!」
そう言って青髪を急かす上条。
青髪は納得がいっていない顔をしていたが、渋々と水を汲みに行った。
一方の上条は、その場で突っ立ったまま、一人思案する。
上条(……一体どういうことだ?なんで土御門に掛けたはずの『ギアス』が、青髪に掛かったんだ?
土御門に効かなかったのは、たぶんあのサングラスのせいだろうけど……。うーん、わからん……)
一人悩む上条だったが、結局はわからずじまい。
帰ってからC.C.に話してみた方がいいと結論づけた。
そしてその時、背後から店内の他の客から、邪魔、と言われ、自分が通路を邪魔していた事に気づき、上条はいそいそと
自分の席へと戻っていった。
―――――――――
――――――
―――
数分後
青ピ「カミやん、ホンマに帰ってしまうん?」
土御門「今日は暇なんじゃないのかにゃー?」
上条「わ、悪い悪い。ちょっと用事思い出してさ。今日は勘弁してくれ」
昼食を食べ終えた彼ら三人は、今、『Joseph’s』の前の道路で話していた。
あれから席に戻った三人は、青髪ピアスの不思議な行動と出来事を、彼が狂った、ボケた、女の子の考え過ぎでおかしくなった、
という笑い話とし収まった。
事の元凶となった上条はそれに表面上は笑いながらも、冷や汗をかいていたが……。
そして、今日の自分の『ギアス』の実践結果とC.C.の事を不安、心配に思った上条は、ご飯を食べている時に、今日は帰るという
旨を二人に伝えていた。
上条「すまん、この埋め合わせはいつかするからさ」
そう言って、二人の前で手を合わせる上条。
青ピ「……まぁ、用事あんのやったらしょうがないね。また今度にしようや。でも、そん時こそ、カミやんの奢りやでー?」
土御門「そうだにゃー。その時は豪遊するぜよ」
上条「ははは……。善処します……」
そう言って項垂れる上条。それを見て二人は笑った。
そして、青髪ピアスが別れの言葉を掛ける。
青ピ「そんならカミやん、また学校でな」
上条「おう、またな」
別れの挨拶をし、上条は歩きだそうとする。
しかし、その時。
土御門「カミやん」
急に呼び止められる。声を掛けたのは土御門。
上条「なんだ土御門?……ッ!」
振り返って見る彼の雰囲気は、何処か真剣なものだった。
普段のおちゃらけた感じではなく、それはまるで、数日前、彼が魔術師だと言った、あの時の……。
土御門「……カミやん、何か隠している事がないか?」
ドグンッ!
土御門の問い掛けに、上条の心臓が大きく脈打った。
彼の目はサングラスに阻まれ、直接見ることはできないが、彼の鋭い視線が自分に突き刺さっているかのような感覚を覚える。
土御門元春という人物は紛れもなく自分の友人だ。
それと同時にイギリス清教の魔術師である彼だが、上条は彼を信頼している。
彼になら『ギアス』について話してしまっても構わないとも思う。
だがしかし。
C.C.はこの力が人々に知れ渡り、悪用されるのを恐れていた。もちろん自分もそう思う。
彼を信じていない訳ではないが、ここはやはり……。
上条「……いや、別に隠してる事なんかねーよ、土御門」
黙っているのが、一番なのだ。
それが、誰も巻き込まない最善の方法でもあるのだから。
秘密はいつかバレるものだと言うが、それならばバレるまでそれを隠し通す。
何故なら自分は『偽善使い』だから。
そして、少し間が空いた後。
土御門「……そうか。それなら別にいいんだけどにゃー」
そう言って笑う土御門。
さっきまでの雰囲気は消え失せ、元のお気楽な、友人、土御門元春としてのモノに戻っていた。
たぶん、彼は自分が何かを隠している事を確信しているのだろう。でも、彼はここで引いてくれた。
それが、ありがたかった。
上条「ははは、上条さんに隠し事なんでありませんのことよ?」
土御門「そうだにゃー。隠すほどの事もない、つまらない人生だからにゃー」
青ピ「……つっちー、それはちゃうで?カミやんの人生は、常に女の子とフラグを建てるバラ色人生やで?
……つまり、ボクらの敵や」
土御門「そうだったぜい……。ここはやっぱ、爆破するべきかにゃー?」
青ピ「そうやね……」
そしてギロリと上条を睨む二人。
その目は、嫉妬、羨望、憎悪、など様々な負の感情が渦巻いている。
上条「ちょ、ちょっとお二人さん?目が、目がおかしいですよ?」
土御門・青ピ「「問答無用ッ!」」
上条「ふ、不幸だぁああああああああああッ!」
叫び声を上げながら逃げる上条。それを追う二人。
ドタバタとしてはいるが、確かな友情と青春がそこにはあった。
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とりあえずここまでです
上条さんの『ギアス』に関しての説明は次にでも
次の更新は今回よりは早く来れると思いますので
それではまた次回に
上条さんの『ギアス』に関しての説明は次にでも
次の更新は今回よりは早く来れると思いますので
それではまた次回に
こんばんわ
書いている途中で重大なミスを発見し、そこを白紙に戻してしまいました…
そのため、まだ更新できません…
本当に申し訳ない…
しかも、これから学校が始まるので更新速度はさらに遅くなると思われます…
しかし、エタるつもりはありませんので、どうかのんびり待って頂けると嬉しいです
それでは、またいつか
書いている途中で重大なミスを発見し、そこを白紙に戻してしまいました…
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本当に申し訳ない…
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それでは、またいつか
こんばんわ
やっと投下できる…
今回は幕間の最後で短いですが、ご了承下さい…
それでは投下します
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今回は幕間の最後で短いですが、ご了承下さい…
それでは投下します
第七学区・学生寮
C.C.「……つまり、お前はその男には『ギアス』を掛けたつもりはないのに、その男に『ギアス』が掛かった。
そういうことだな?」
上条「ああ、間違いない」
あれから寮に帰ってきた上条だったが、部屋にC.C.はいなかった。
残しておいた1000円札もなくなっており、昼食を食べたり、街を散歩しに行ったのだろうと思ったが、
ファミレスで土御門達と話した事件の事が頭をよぎり、上条は彼女を探しに行った。
だが、東京都の三分の一ほどの面積を誇るこの街で、散歩しに行った者など早々に見つかるはずもなく、
午後5時を過ぎた頃に上条は捜すのを諦め、買い物をして寮に帰った。
すると、C.C.はすでに部屋に帰ってきていたので、上条は安堵と疲労の溜め息をついた。
そして、時刻は午後6時。夕焼けの色で街が染まるその時間、上条とC.C.は部屋で今日の出来事を話していた。
内容はもちろん今日、上条が試した『ギアス』について。
相手の目を見なければならなかったり、サングラスには効かなかったり、一度『ギアス』を使った相手には
もう効かなかったりと、C.C.が話した人との共通点、類似点が多い事がまずわかった。
しかし、多少の相違点も見られた。
それが、ファミレスでの一件。
今、それを二人で話しているところであった。
C.C.「お前は相手の目も見ていなかったんだな?」
上条「ああ、俺はそいつじゃないもう一人の目を見てたからな」
それを聞いたC.C.は目を閉じ、何やら考え込む。
自分では考え付かない事が、昔から『ギアス』に精通する彼女であれば思い当たるのだろうか。
そうしてしばらくの間黙っていると、C.C.は目を開け、上条に話し始める。
C.C.「……これはあくまでも推測だが、もしかしたら、お前の『ギアス』は、『自分が相手の目を見る』のではなく、
『相手に自分の目を見られる』なのかもしれないな」
上条「……俺が見なきゃいけないんじゃなくて、相手が俺を見てなきゃいけないのか?」
彼女の予想通りだとすると、自分と彼女が参考に話した人物はほとんど『ギアス』に違いはないが、
その人は自分よりも能動的で、自分はその人より受動的なようだ。
C.C.「確証はないが、その可能性が高いということだ。お前の『ギアス』に掛かったその男は、ちょうどその時、
お前の目を見ていたんじゃないか?」
上条「うーん、どうだったんだろ……」
あの時、自分は土御門にばかり気を取られていて、青髪の事をまったく見ていなかったが、
自分が水を汲みに行こうとした時だったため、彼が自分を見ていた可能性は十分にある。
C.C.「確証を得るには、もう一度試すしかないだろう。……だが、もし予想通りなら、今後『ギアス』を使う時は
さらに注意が必要になるだろうな」
上条「?……なんで?」
C.C.「考えてもみろ。お前が『ギアス』を使った時、『ギアス』を掛けたい相手以外の誰かがお前の目を見ていたら、
そいつにも『ギアス』が掛かってしまうんだぞ?」
上条「あ」
今回のファミレスでのような事が『ギアス』を使う度に起こったのでは、それこそ最悪の事態になりかねない。
自分の意図しないところでの『ギアス』の暴走は危険極まりない事だ。
そういった点を考慮すると、自分の『ギアス』はC.C.の話した人より不便と言えば不便なようだ。
上条「……そうだな。そうなると、やっぱ『ギアス』はあんまり使わない方がいいよなぁ……」
C.C.「まぁ、そうだな。『ギアス』など使わないに越した事はないだろう。
お前のような『命令型』はキャンセルできない分、特にな」
C.C.のその言葉を聞いて、上条はまだ自分が『ギアス』に対する『幻想殺し』の影響について話していなかった事に気づいた。
上条「あっ、そうだ。C.C.、その事だけど、俺、『ギアス』を右手で無効化できたぞ」
C.C.「……それは本当か?」
C.C.の尋ね方こそ至って冷静だったが、表情には驚きが表れている。
上条「ああ、間違いない。俺が掛けちまった『ギアス』は『幻想殺し』で打ち消されたよ」
そう言って自身の右手を顔の前まで上げる上条。その右手をC.C.は目を細め眺めた。
C.C.「……本当に『ギアス』を無効化できるとはな。そんな事ができる奴がまた現れるとは思わなかったぞ。
一体何なんだ、その右手は?」
上条「いやー、これが上条さんにもわからなくてですね……。初めて会った時に話したように、
こいつは生まれつきだから俺には何とも……」
ははは、と渇いた笑い声を上げる上条。C.C.はそんな上条をじっと見つめている。
C.C.(……『ギアスユーザー』にして『ギアスキャンセラー』か。生きていれば色んな人間に出会うものだな……ふふふ……)
『幻想殺し』と『ギアス』
この二つの交わりが、後に世界に大きな影響を及ぼす事になるのを、この時まだ二人は考えてすらいなかった。
―――――――――
――――――
―――
数時間後
話の後、二人は夕食を食べたり、風呂に入ったり、テレビを見たりして過ごし、現在、時計の針はちょうど12時を指していた。
上条「ふぁ……。C.C.さん、もういい時間だし、そろそろ寝ませんかね?」
C.C.「ああ、そうだな」
そう言うと、C.C.はそのままチーズ君の待つベッドに潜り込む。
ちなみに、彼女は寝る時、薄手の両肩ギリギリまで口の開いたワンピース風の服を着ている。
これは同居し始めた最初の夜に、彼女が例の拘束衣の下に着ていたインナー姿だけで寝ようとしていたのを見た上条が、
それは(自分の精神衛生上にも)良くないと思い、翌日二人で買い物に出掛け、買い与えたモノだった。
またその際、下着など、他にC.C.が必要とする品も幾つか買っていた。
一方の上条はというと、布団を持っていそいそとバスルームへと向かおうとする。
C.C.と同居し始めてからというもの、ユニットバスが彼の寝室となっていた。
そしてそれを見たC.C.は溜め息をついて、上条に声を掛ける。
C.C.「おい、何度も言うが、私はお前がこの部屋で寝ても別に構わないぞ?」
上条「……いや、何度も言いますが、上条さんが構うんでせう」
C.C.「ほう、何故だ?」
ニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべながら尋ねるC.C.。
それを見て上条は溜め息をついた。
ここ数日で、上条は彼女の事が少しずつだがわかってきていた。
彼女がこういう笑みを浮かべる時は、まず間違いなく自分をからかって、その反応で楽しんでいる時である、と。
上条「……だからですね、健全な男女が同室で寝るというのはちょっと問題があると上条さんは思うのですが」
上条が同室で寝るのを断るのは、別に彼女が病的に寝相が悪いとかそういう理由ではない。
ただ単に『常識』というものを考えた結果だ。
C.C.「ふっ、『男女七歳にして席を同じうせず』とはよく言ったものだな」
上条「へぇー、よくご存知で」
どう見ても東洋系ではないにも拘らず、このようなことわざを知っているC.C.。
彼女が偶に見せるその知識の多さに、上条はいつも驚きを覚える。
対するC.C.は相変わらずニヤつきながら、上条へと言葉を掛ける。
C.C.「まぁ、つまり簡単言えば、私に欲情しているのか、坊や?」
上条「なっ!?ち、ちげーよッ!?俺はただ常識的に考えて……」
C.C.「そんなつまらない事をいちいち気にするな。お前がそういった劣情を抱かなければいい話だろう?
それとも自信がないのか?」
上条の意見を一蹴し、尚且つ挑発するC.C.。
明らかに彼女は上条の反応を見て楽しんでいた。
上条「べ、別に俺はお前に劣情なんざ抱いてねーよ。ただ俺はそういう常識が気になんの。
……ったく、お前な、上条さんは紳士だからこうして言っt」
C.C.「しつこいのは嫌いだ。早く寝るぞ」
上条「……」
言葉を一方的に切られた上条は項垂れながら思う。理不尽だ、と。
そして一度、深く、大きな溜め息をついて目線を上げる。
するとそこには、もうすでにベッドに横たわって目を瞑るC.C.の姿があった。
上条は再び溜め息をついたが、ついに諦めたのか、ちゃぶ台をどかして、そこに布団を敷き始める。
上条(……ったく、こいつは俺を男として見てねーのか?それとも上条さんを信頼してくれてるんですかねー?)
そう思いながらも、上条は部屋の電気を消す。
すると部屋の中は真正面の建物のカーテンから僅かに漏れた光で薄く照らされた。
上条はベッドに横になっているC.C.を見る。
タオルケットからはみ出して見える彼女のその陶器のような肌は、薄暗闇の中で青白く浮かび上がっている。
また、彼女のエメラルドグリーンの髪も薄明の中で普段とは違った幻想的な光彩を放っていた。
そして、その光景を見た上条は息を呑んだ。
上条(……やっぱ綺麗だよなー。お人形さんみたいだ。……はっ!?お、俺は一体何を考えているんでせうか!?
か、上条さんは紳士ですのことよ!?)
上条は頭をぶんぶんと振って、煩悩を退散しようとする。
そして、余計な事を考えないように、自身もさっさと床に就く。
その後、数分の時が経ち……。
……だが、上条は寝付けるはずもなかった。
上条にとって、女の子と一緒の部屋で、しかも二人きりで寝るなんていう状況を体験したのは、母である上条詩菜や、
従妹の竜神乙姫くらいなものだ。
上条(うぐぐ、寝れない……。やっぱ今からでも風呂場に……)
上条がそう思い立ったその時。
C.C.「……おい、まさか今更ここから移動するなんて事は考えてないだろうな、童貞坊や?」
上条「んなっ!?……C.C.、お前まだ起きてたのかよ」
すぐに身を起こし、ベッドを見る上条だったが、C.C.の姿に変化はない。
どうやら彼女は横になったまま声を掛けてきたようだ。
寝たと思っていたC.C.に、恐ろしくタイミング良く声を掛けられ、上条は少しばかし驚いた。
そして同時に、自分の考えを見事に読まれ、なんともばつが悪かった。
C.C.「その様子だと考えていたようだな。そろそろ頃合だとは思ってはいたが……。くっくっくっ、お前はホントにお子様だな」
上条「うぐっ……」
余りにも見通され過ぎて、上条は何も言い返せない。
C.C.「ふふふ、お前はホントにからかい甲斐のある奴だな。……さて、私は眠いんだ。今度こそ寝るぞ。お前も大人しく寝ろ」
上条「……だったら俺は風呂場で寝r」
C.C.「おやすみ、当麻」
上条「……」
C.C.は一方的にそう告げると、それからは一切言葉を発することはなかった。
聞こえるのは規則正しい呼吸音のみ。
一方の上条は深い溜め息をつくと、再び布団へと横たわる。
今日一日で、自分は一体どれほど溜め息をついたのか、そう考えるのも億劫だった。
そして、代わりに考えるのはC.C.の事。
それは、どうせ眠れないなら、何か考え事でもして、いつの間にか寝てるようにしようという上条の策でもあった
上条(……ったく、ホントにこいつは。どういう風に育てられたらこんな性格になるんだか……。
まぁ、別に嫌いじゃないけどさ……。ってか、C.C.ってホントどこで、どんな風に育ったんだろ?)
彼女と出会って、一緒に過ごす内にわかったこと。
それは、彼女はかなり複雑な過去を持っている、ということだけだ。
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