元スレ垣根「ただいま」
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151 = 125 :
垣根「……」
一方「……」
垣根「……萩原雪歩って、声がゆりしーだっけ?」
一方「あ?」
垣根「それだけでプロデュースする気なくなるよな?」
一方「テメェ、」
垣根「あ、でも、キャスト変わったか?誰だっけ?」
一方「……」
垣根「まぁ、ゆりしーじゃなくなって、心置きなくプロデュースできる人が増えただろ。いいことだ」
一方「…………」
垣根「ゆりしーって大した都合がねぇのに、アイマスライブ欠席してんだろ?
忙しいのに予定調整して、大事なライブには顔出すくぎゅを見習えよ」
一方「屁だな」
垣根「……」
一方「テメェの言ってることは事実だ。でも、それは散々ネット上で言われてンだよ。
正論並べたつもりかもしれねェが、実際は汚ねェ口からプープー漏れてんのは屁だ」
152 = 125 :
垣根「テメェが萩原雪歩を好きなのは分かった。
でも、テメェはプロデューサーとして彼女を応援しきれてねぇだろ?」
一方「そンなことねェよ。俺は、」
垣根「アイマスライブに一度も行ったことの無い野郎が何言ってやがる」
一方「!?」
垣根「アイマスのキャラって中の人の性格が反映されることが珍しくねぇよな?」
一方「……そうだ」
垣根「ライブに行って声優に声援送るのは、キャラに声援を送るのと同じことだ」
一方「……」
垣根「それに、物販じゃライブ限定のグッズが売られたりすんだろ?」
一方「……ッ!!」
垣根「アイマスのビッグイベントに参加したことないヤツがプロデューサーとは、笑えるな」
一方「……」
153 = 125 :
垣根「しかも、アイマス2は男が出てくんだろ?」
一方「!!」
垣根「テメェは何もできずに、画面の向こうで萩原雪歩の処女が
切られるのを黙って見てることしかできねぇんだろ?」
一方「……や、めろ」
垣根「“団結”がテーマとか言うくせに、
水瀬伊織、三浦あずさ、双海亜美はプロデュース対象外だしな」
一方「やめろ」
垣根「人の好きなモンをディスったら自分の好きなモンもディスられんだよバーカ」
一方「テメェ!!!」
「いい加減にしろよ!!!!!」
垣根と一方通行の騒ぎのせいで、二人の周りには人が居なかった筈だ。
それなのに、垣根でも一方通行でもない人間の怒号が響いた。
垣根は、第三者を睨みつける。
154 = 125 :
垣根「何だテメェ?人の会話を盗み聞きしてんじゃねぇよ」
??「お前らでかい声で喋ってるからだろうが!聞きたくもない会話が聞こえるんだよ!」
垣根「なら失せろ」
??「嫌だ」
垣根「あ?」
垣根は眉をひそめた。
この男は何を考えているのだろうか?
一方通行がイスを投げた瞬間、ほとんどの客が逃げ出した。
それは当然だろう。イスは普通に投げたとは思えないほどの威力だった。
しかも垣根はイスを受けても平然としていた。
その異様な光景に、恐怖を覚えない客は居ないだろう。
なのに、なんだこいつは。
??「黙って聞いてれば、好きな物のディスり合いだと!?」
垣根「それが何だよ?よくあることだろ」
??「よくあるからって許されることじゃない!」
??「お前らが何でいがみ合ってたかなんて知らない。興味もない!」
??「でもな、いくらお前らの好きな物であっても、テメェらの喧嘩には無関係なんだよ!巻き込んでんじゃねぇ!」
??「アイドルマスターも萩原雪歩ちゃんも豊崎愛生ちゃんも全部素晴らしいじゃないか!?」
??「なんでそれが分からねぇんだよ!」
155 = 125 :
垣根「いきなり出て来て説教かよ。つーか、やめろよ」
??「何を?」
垣根「愛生ちゃんとキモオタ童貞専用のゲームを同列に扱うな」
??「!?」
垣根「……」
??「ふざけるな…………!!」
垣根「あ?」
??「その言い方からして、お前はアイマスをやったことないな?」
垣根「あんなの、やるわけねぇだろ」
一方通行は、黙って二人を見ていた。
いや、見ていることしか出来なかった。
一方通行はいきなり割り込んできた少年を知っていたからだ。
別に友達ではない。
けれど、その少年は――――
156 = 125 :
??「やったことねぇくせに、ネット上で拾った情報でアイマスを馬鹿にしてたのか」
垣根「馬鹿にしてねぇよ。事実を言ったまでだ」
??「……」
垣根「……」
??「……いいぜ」
垣根「は?」
??「テメェがアイドルマスターを童貞専用ゲームだと思ってるなら」
上条「―まずは、そのふざけた幻想をぶち殺す……ッ! 」
.
157 = 125 :
自分でも何を書いてるかよく分からなくなってきました。
読んでくれてありがとうございます!
158 :
父さん母さん学園都市は今日も平和です
159 :
平和っていいよなぁ
160 :
平和すぎて逆に引くわww
161 :
一方さん・・・好き嫌いさせてんなよ・・・・・・
162 = 145 :
おつ。
ダメだこの学園都市……早くなんとかしないと……!
163 :
レスありがとうございます。
ちょっとだけ投下します。
164 = 163 :
垣根はウニのようにツンツンした髪形の男を睨みつけた。
いきなり出て来て、アイマスとかいうキモゲーと愛生ちゃんを同列に扱いやがった。
ぶっ殺すしかない。
垣根「テメェ、俺が誰だか知って喧嘩ふっかけてるのか?」
上条「お前が誰かなんて関係ない。ただ、あんなこと言ったヤツを見過ごせないだけだ」
哀れな目で男を見つめる。
こいつは自分のことを誰だか知らないらしい。
軽く捻ってやろうと思い、未元物質で男の周りの物理法則を変える。
垣根「お前、すっげぇムカつくやつだな」
ボゴォッ!という音と共に、見えない何かが上条を襲った。
何かに腹を殴られたようだ。
その衝撃に上条の体が前のめりになる。
上条「かはっ、……ぅッ!」
倒れそうになったけれど、どうにかその場に踏み止まった。
そして垣根を睨みつける。
こいつの能力は何だ?
分からなければ反撃のしようがない。
165 = 163 :
垣根「何驚いた顔してんだ?テメェはレベル5に喧嘩売ったんだぜ?」
上条「……レベル5?」
垣根「今更怖気づいてんじゃねぇぞコラ」
上条(……何か来る!何かは分からないけど、嫌な予感がする!)
見えない何かが、顔に向かってくるような気がして右手を動かす。
上条の予感は的中した。
垣根は未元物質で上条の顔を潰してやろうとしていたのだ。
しかし男の右手が顔を庇うように差し出され、強制的に未元物質が掻き消される。
垣根(なんだ、今の―――)
演算に間違いはなかった。
手で防いだくらいでは垣根の能力は止められない。
でも、手に触れた瞬間、手応えがなくなった。
驚きのせいで、垣根の思考が乱れる。
166 = 163 :
わずかに動揺を見せたチャンスを逃さずに、上条は垣根の間合いを詰めていた。
垣根がそれに気付いた時、既に上条は殴りつけるモーションに入っていた。
普通に防ぐのでは間に合わない。
垣根(でも素手での攻撃なんざ、)
能力で拳を破壊してやろうと、演算をする。
レベル0の拳とレベル5の演算。
その速さには絶望的な差があった。もちろん、垣根の演算の方が速い。
それなのに、垣根の顔には拳がのめり込み、体は無様に床へと叩きつけられた。
垣根(何が起こった?何で俺は殴られた?何で未元物質が通用しない?)
レベル5の頭脳を持ってしても、考えがまとまらない。
相手が能力を使った素振りは一切なかった。
混乱した頭が落ち着かないうちに、胸倉が掴まれる。
上条「ゆりしーを、雪歩を、アイマスを馬鹿にしてんじゃねぇ!!!!」
容赦ない鉄拳が、垣根を襲う。
一発。
二発。
三発。
四発。
五発。
六発。
七発。
八発。
九発。
十発。
十、
167 = 163 :
不意に拳が止まった。
垣根が目を開けると、信じられない光景が広がっていた。
避難していた筈の初春飾利が、上条当麻の腕を力いっぱい押さえ付けていたのだ。
垣根「テメェ……なんで、」
上条「離してくれないか?」
低い声で上条は言う。
その声には怒りが込められていて、聞くだけで身震いするほどだ。
それでも初春は動かない。
腕にしがみ付き、ふるふると首を横にふった。
初春「やり過ぎです」
上条「……」
初春「……それ以上、彼を殴らないで下さい」
それは小さい声だけれど、強い意志を持っていた。
上条は腕から力を抜く。
殴るのを止めたことを確信した初春は腕を離し、垣根に向き直った。
初春「あ、顔、すっごい腫れちゃってるじゃないですか……」
柔らかい手が垣根に触れる。
殴られて熱を持った顔に、彼女の冷たい手は気持ち良かった。
初春「……平気ですか?変な痕が残らなきゃいいですけど」
飴玉を転がすような甘い声が垣根を包む。
目を閉じて、聞き入った。
168 :
上条さんテラバイオレンス
169 = 163 :
ここまでです。
読んでくれてありがとうございます。
170 = 168 :
乙……でいいよな?
171 :
傷害の現行犯
172 :
アイマスはゼノグラシアしかしらなry
174 :
やっぱり初春ちゃんは天使すなぁ……おつ。
175 :
上条は要らない子
176 :
乙
上条さん最高
177 :
ゴミ条は消えろ
178 :
てか一方さんテラ空気
179 :
登場人物にいちいち文句言うな
>>1乙です
180 :
上条さんがいないと何も始まらない
181 :
レスありがとうございます!
すいませんが、上条さんの性格はウザいくらいが好きなので、これからもウザいままで出しゃばってくると思います。
分かりやすく言えばウザ条さんですね。
>>174
このスレの初春は天使ではありません
投下します
182 = 181 :
上条は心配そうな顔の初春を見て、殴り過ぎたと反省する。
二人のやりとりを静かに見ていると肩を叩かれた。
誰だ?と思い振り返る。
一方「オマエも、その、アイマスが好きなのかァ?」
第1位が俯きながら問い掛けてきた。
声は震え、普段は真っ白な彼の頬は少し赤くなっている。
おそらく彼は緊張しているのだ。
その様子を見て、上条は満面な笑みで答えた。
上条「ああ、好きだ。面白いよな?」
一方「……!!」
一方通行は顔を上げて、上条を見る。
彼はアイドルマスターを好きな男に初めて出会ったのだ。
木原には“気持ちわりぃ死ねよクソガキ”と罵られた。
芳川には“まさに童貞って感じね。似合ってるわ”と笑われた。
天井には“ゲームなんていいから実験に専念しろ”と呆れられた。
妹達には“第1位がギャルゲー……”と軽蔑された目で見られた。
黄泉川と打ち止めは“趣味は人それぞれ”と言ってくれたけれど、同士では無かった。
一方(こいつ、ヒーロー兼プロデューサーかよ…!)
上条「お前がプロデューサーだったとは思わなかったな」
一方「……」
上条「どうせだしメアド交換しとこうぜ?」
一方「!!!」
上条「9・18騒動で心が折れかけてたけど、同士が居れば励まし合えるもんな」
183 = 181 :
ニカッと上条は笑った。
その笑顔に一方通行は泣きそうになった。
上条は一方通行が行っていた実験を知っている。
それなのに自分を同士だと受け入れてくれた。
一方「……」
一方通行は俯いたまま携帯電話を取り出す。
上条も取り出すと、アドレスを交換し合った。
一方「テメェは俺のこと、」
上条「お前のしたことは許されることじゃない」
一方「……」
上条「でも、もう過ぎたことだ。お前を責められるのは御坂と妹達だけだろ?」
だからこれからヨロシクな、と手を差し出した。
一方通行はその手を恐る恐る握った。
かつて自分を殴った右手は暖かくて大きくて、こいつは頼りになるプロデューサーなのだと思った。
上条「アイマスライブとか一緒に行こうな。俺、いつも一人で寂しかったんだよ」
一方「……」
それは嬉しい提案だった。
けれど、一方通行にはアイマスライブに行けない理由があった。
一度だけチケットが当選したことがあるのだけれど、会場に向かうことは無かった。
184 = 181 :
垣根「おい、テメェら何で仲良くなってんだクソ」
いつの間にか立ち上がった垣根が二人を睨みつけている。
後ろでは初春が垣根を止めようとしていたけれど、無意味だった。
垣根「いきなり人をボコボコにしといて良いと思ってんのか?」
一方「テメェ、まだ動けンのか」
上条「あ、悪いな。お前がアイマスのこと悪く言うから、つい熱くなって」
垣根「そんな軽いノリで許されると思ってんのか?つーか第1位だって愛生ちゃんを馬鹿にしたんだぜ?」
上条「そういえば、そうだったな」
上条はそう言うと、一方通行に向き合った。
そして、右手が振り上げられる。
一方「え?」
上条の拳は一方通行を容赦なく殴りつけた。
細い体は、抵抗する暇なく床に転ぶ。
一方通行はさっきまで仲良くしていた男に殴りつけられ、少しショックを受けた。
そして、その行動に垣根も驚いていた。
185 = 181 :
一方「テメェ、何しや」
上条「声優に身長は関係無い」
一方「……」
上条「豊崎さんの演技は素晴らしいし、ほっこりした声は聞いてるだけで癒されるだろ?」
一方「……」
上条「豊崎さんのラジオ、最高だぞ?」
垣根「……」
上条「一度聞いて見てくれよ一方通行。アイマスは素晴らしい。でも素晴らしい物はこの世にたくさんあるんだよ」
一方「……オマエがそう言うなら、聞いてみてやンよ」
垣根「……」
垣根(……素晴らしい物はこの世にたくさんある、か。そんなこと考えたことなかったな)
上条「殴って悪かった。あと、お前も本当に悪かった」
垣根「……」
一方「……」
上条「えっと、いきなり出て来て殴るなんて最低だよな……」
一方「別にィ……」
垣根「……」
186 = 181 :
垣根(……愛生ちゃんの悪口言う奴らは、ボコしてきたけど、
そんな奴らに魅力を教えるのもファンの務めじゃねぇのか?)
一方「ラジオ聴いてみるかァ……」
上条「今日やるぞ?ちなみに文化放送」
垣根(それに、やってもいないゲームを馬鹿にするなんて、ゲーマーの愛生ちゃんに怒られちまう)
一方「……」
垣根(俺は、最低じゃねぇか……!)
垣根「おい、一方通行」
一方「あ?」
垣根「俺が持ってる、愛生ちゃんのCDとか貸すからよ、」
一方「?」
垣根「アイドルマスター、貸してくれないか?」
一方「……オマエ」
上条「それいいな!お互い良い物をもっと知るべきだ!」
垣根「テメェの言ったことで気付かされたんだよ。お前の名前は?」
上条「上条当麻だ。お前は?」
垣根「垣根帝督」
187 = 181 :
上条「そういえば今度Dill出るよな?楽しみだよな?」
垣根「おう!!!クラムボンだぜ?すっげぇ楽しみ!死にそう!」
一方「Dill?」
垣根「愛生ちゃんの新曲だ。貸すから聞けよ」
一方「……いらねェよ」
垣根「あ?」
一方「…………買ってみる」
垣根「……」
一方「……」
垣根「なぁ、お前、何で俺が愛生ちゃん好きって知ってたの?」
一方「電話で男から聞いた」
垣根「……ふーん」
一方「まァ、俺は帰るぜ。色々悪かったな、垣根くン」
垣根「え……」
上条「じゃあなー」
垣根「おい、待て!一方通行!」
一方「なンだよ?」
垣根「俺の方が酷い事たくさん言ったじゃねぇか!」
一方「……」
垣根「俺の方こそ、悪かった」
一方「ハッ、別に?ゲームやったことなけりゃ仕方ねェよ。
許してやるから、さっさとプロデューサーになれよォ?」
垣根「…………おう」
188 = 181 :
打止「捕まえた!ってミサカはミサカは会話が終わったのを見計らって飛びついてみる!」
一方「おわっ!?」
男達の会話が終わった瞬間、一方通行の腰に少女が飛び付いた。
一方通行はしまったという顔して、ため息を吐いた。
そんな一方通行のことを、ニコニコした笑顔で見つめる。
打止「お友達できて良かったね、紅白P!ってミサカはミサカは自分のことのように喜んでみる!」
一方「……」
打止「逃がさないからねってミサカはミサカ警戒しながら貴方を見上げてみたり」
一方「……クソ」
打止「早く帰ろう?貴方の部屋は弄ってないよ?
ってミサカはミサカは貴方の雪歩コレクションが無事なことを伝えてみる」
一方「……」
打止「貴方の部屋で、雪歩が待ってるよってミサカはミサカは手を引いてみる」
一方「…………」
こうして、一方通行は打ち止めの元へと帰って行った。
その背中からは喜びと嬉しさが溢れ出ていた。
189 :
なんだろう、打ち止めさんの行動に素直に喜べない・・・
190 = 181 :
垣根「さて、俺も帰るかな」
上条「俺も帰ろう。そうだ、えっと、その子にも悪いことしちゃったな」
初春「へ?」
ずっと放置されていた初春は、不意に話し掛けられて顔を上げた。
初春は上条に何かされた訳ではないので疑問が頭に浮かぶ。
初春「別に私は何も」
上条「だって、垣根のこと何回も殴っちゃったし」
初春「いえ、私は別に……。謝るのは垣根さんにだけで十分です」
垣根「いいんだよ。俺は殴られるだけのことをしちまったんだ」
上条「そうかもしれないけどさ、」
上条はそこで言葉を区切る。
そして、二人を見つめて申し訳なさそうに言う。
上条「彼氏が殴られたら、彼女はショックだろ?」
初春「は?」
垣根「あ?」
上条は勘違いしていた。
一緒に夕飯を食べる男女。
そして殴られる男を助けるのに危険を顧みない女。
上条はそれを見ていたのだ、勘違いするのも無理はない。
191 = 181 :
上条「本当にごめ、」
初春「違いますよ!!!!!!!!付き合ってなんかいません!!!!!!!」
大人しそうな初春からは想像できないほどの大声だった。
心外だ、信じられない、という顔をしている。
垣根はそこまで嫌がらなくてもと思ったけれど、初春の言葉を聞いて固まった。
初春「ずっと聞いてて分かったんですけど、垣根さんってオタクなんですよね?」
上条「まぁ、そうだよな?」
垣根「まぁ、そうだな」
初春「オタクなんて、絶対に嫌です」
初春「それに声優が好きとかありえないですよ」
初春「どうせ、アニメにも夢中なんでしょう?良い年してみっともないですよ、恥ずかしい」
初春「貶し合いをしてたみたいですけど、目くそ鼻くそです。普通の人から見れば両方同じクソですよ」
初春「正直に言います」
初春「すっごく気持ち悪いですよ?」
.
192 = 181 :
垣根の思考はショートした。
愛おしいほっこりボイスに“気持ち悪い”だの“クソ”だの言われたのだ。
別に愛生ちゃん本人ではないけれど、けっこう、かなり、ショックだ。
ほっこり癒しボイスで、そんな言葉を使って欲しくない。
上条「まぁ、オタクを気持ち悪いと思うのは当然だからいいけど」
初春「はい?」
上条「なら、何で垣根を助けたんだ?」
初春「風紀委員だからですよ」
上条「責任感強いんだなー」
初春「そんなことないです。それに、」
上条「ん?」
初春「垣根さんの顔が、とても格好良いからですよ!」
.
193 = 181 :
――――――――――――――――
ラジオ『背伸び寝転びクッション完備』
ラジオ『あなたに届けるお喋りセラピー』
ラジオ『はじまるよっ!』
ラジオ『豊崎愛生のおかえりらじお』
ラジオ『みなさん、おかえりなさい。豊崎愛生です』
垣根「ただいま!!!!」
木曜日のお決まりである、ラジオ聴く。
今日は色々なことがあった。
本当に疲れた。
嬉しいことも、嫌なこともたくさんあった。
でも、愛生ちゃんの声とトークはその全てを溶かして、垣根に癒しを与えてくれる。
ラジオ『おやすみなさーい!』
垣根「おやすみ!」
垣根「はぁ…また読まれなかったか……」
垣根(博士のメールの心得を参考にしたんだがな……クソッ…)
ラジオを消して、ベッドに横になる。
愛生ちゃんのほっこりボイスが垣根の耳に残っていた。
不意に今日出会った少女のことを思い出す。
垣根は頭を横に振った。
あのクソガキを思い出すと、おかえりラジオの余韻が台無しになってしまう。
寝ようと目を閉じるとフェミレスでの出来事が蘇ってきて、垣根は舌打ちした。
194 :
初春黒いwwww
195 = 181 :
―――――――――――――――――――――――
初春「垣根さんの顔が、とても格好良いからですよ」
垣根「…………は?」
上条「まぁ、確かに、イケメンだな」
初春「そう思いますか!?そうですよね!」
垣根「あ?」
初春「すべすべの肌!整った唇!スッと通ってる鼻筋!」
垣根「……」
初春「程よい大きさの綺麗な目!きちんと整えられた眉!」
垣根「……」
初春「瞳を飾る長い睫毛!似合ってる茶髪!眩しくて白い歯!」
上条「……」
初春「どこを見ても最高にイケメンです!素晴らしいです!国宝級です!」
上条「だから、助けたのか?」
初春「はい!」
垣根「……」
初春「私の理想を具現化したような“顔”がこの世に存在するなんて思いもしなかったです!」
垣根「……」
196 = 181 :
初春「だから、垣根さんの顔を殴るなんて私が許しませんよ!ほら、垣根さんの顔に謝って下さい!」
上条「へ?」
初春「はやく!垣根さんの“顔”に謝って下さいよ!」
上条「垣根の顔?」
初春「はい。垣根さん自体には興味はないので。垣根さんが痛い思いをしても私には関係ないですし」
垣根「…………………………………」
初春「風紀委員ですから、目の前で殴られてたら流石に止めますけど……」
上条「……」
初春「そもそも垣根さんも自分の顔に謝るべきですよ」
垣根「あ?」
初春「だって、そんなに格好良くて素晴らしい顔してるのに、」
垣根「……」
初春「オタクだなんて、台無しですよ」
垣根「……」
初春「なんとく気味の悪い人だなぁと思ってましたけど納得しました」
垣根「……」
初春「オタクだったら仕方ないですよね。気味が悪いのは」
垣根「……」
初春「なんていうか幻滅ですよね。せっかく、超格好良い男の人と知り合えたっていうのに、オタクだったなんて」
垣根「……」
197 :
黒すぎるwwwwww
198 = 181 :
垣根は初春の頭を鷲掴みにした。
初春の頭を潰す勢いで力強く、掴んだ。
初春「痛っ!痛いですよ!」
垣根「俺はテメェみたいに顔しか見ないスイーツ脳女が大嫌いなんだよっ!」
ギリギリと初春の頭が軋む。
垣根の手を剥がそうと、初春は抵抗するが少しも手は動かない。
垣根「愛生ちゃんに似てる声で、胸糞悪いこと言ってんじゃねぇぞクソボケ!」
初春「いたたたた!あきって誰ですか!?私知りませんよ!」
垣根「声優だ。俺の天使だよ馬鹿野郎」
初春「いたいたい!て、天使とかキモいです!頭腐ってるんじゃないですか!」
垣根「あ!?腐ってねぇよアホタレ!!!!」
初春「いたっ!いたいです!離して下さいよ!
あきさんって方も災難ですね!キモい人に好かれるなんて!!」
垣根「テメェ、愛生ちゃんに似てる声でそんなこと言うんじゃねぇ!!!」
初春「えええ!?私の声って垣根さんが好きな声優に似てるんですか!?
最悪です!!ショックですよ!!きもい!超きもいです!!!」
垣根「だから、その声でそんなこと言うんじゃねぇ!!!!」
初春「ッ!いい加減離して下さい!痛いんですよ!」
199 = 181 :
そう言うと初春は垣根のスネに強烈なキックを叩きこんだ。
手が緩むと、初春は垣根の手を振り払った。
二人は睨み合う。
そして小学生のように取っ組み合いを始めた。
垣根は容赦なく初春にチョップをかます、負けずに初春は垣根の手に噛みつく。
その光景はポメラニアンとゴールデンレトリバーのじゃれ合いにも見えた。
しかし実際には、そんなに微笑ましいものではない。
髪を引っ張りあったり、肌を引っかいたり、耳を塞ぎたくなるような罵詈雑言が飛び交う。
見かねた上条が止めに入ったけれど、二人は止まらなかった。
上条(……ど、どうしよう)
上条がオロオロしている間も二人は取っ組み合いをしていた。
上条がもう一度止めようと足を動かそうとした時、争いを吹き飛ばすような大きい声が響いた。
黄泉川「アンチスキルじゃんよ!!!全員大人しくしろ!!!」
200 = 181 :
―――――――――――――――――――――
どうやら店員がアンチスキルを呼んだらしい。
アンチスキルにより拘束された三人は連行された。
車で移動するから乗れと言われ、三人は渋々と搭乗する。
すると先客がいた。
先ほど帰った筈の少年と少女。
一方通行と打ち止めも乗っていのだ。
垣根「お前も捕まったのか」
一方「店の外に出た瞬間に捕まったァ……」
打止「黄泉川も貴方に会えて嬉しそうだったねってミサカはミサカはニコニコしながら言ってみたり」
初春「私、風紀委員なのに……はぁ……」
上条「先に帰れって言ったけど、インデックス平気かなぁ……」
黄泉川「喧嘩の理由は後でたっぷり聞いてやる。だから、今は静かにするじゃんよ」
そう言うと、アンチスキルの女性は車を発進させた。
どんよりした車内で打ち止めだけが上機嫌だった。
目的地に着き、事情を聴くために子ども達を部屋へと通す。
すぐに終わるから別の部屋で待ってるじゃん、と打ち止めに優しい声をかけた後、黄泉川は悪ガキどもを見る。
一方通行の姿に頬が緩みそうになったが、仕事中だと言い聞かせ気を引き締めた。
黄泉川「で?何でファミレスなんかで喧嘩してたんだ?」
垣根「だって、こいつが」
初春「だって、この人が」
一方「俺は、別にィ……」
上条「つい頭に血がのぼっちゃって」
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