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    元スレ美琴「極光の海に消えたあいつを追って」

    SS+覧 / PC版 /
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    みんなの評価 : ★★★×5
    タグ : - とある魔術の禁書目録 + - 上条当麻 + - 御坂 + - 御坂美琴 + - 麦野沈利 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    951 = 942 :


    二人がやってきたのは地下街だ。
    以前ゴスロリ女や岩石の巨人の襲撃を受けたり、二人でハンディアンテナサービスの契約をしたりと色々縁深いこの場所も今はお祭り一色だ。
    出店の数もいつもの倍以上はある。
    二人はその中のアクセサリー店が並ぶ一角で足を止め、煌びやかなアクセサリーを見ていた。

    「ケルティック・クロス、トリケトラ、シールド・ノット……イギリス産なのかしら?」

    「イギリスってイギリス清教のお膝元だし、それにしちゃ十字教っぽくない気がするぞ」

    「馬鹿ね、イギリス清教が成立したのはたった数百年くらい前でしょうが。
     こういうのはイギリス清教成立前の文化よ。とはいえ、十字教のモチーフは入ってるけど。
     ほら、ケルト十字なんてまんま十字架じゃない?
     今でもスコットランドやウェールズ、アイルランドあたりだと残ってるらしいわ」

    「はぁ……世界史は確か二年生からなんだよなぁ」

    「これくらい中一で習ったわよ」

    「常盤台レベルを基準に考えちゃいけません!」

    などといろいろアクセサリーを持ちあげては喋り、そして置くということを繰り返していた。

    952 = 942 :


    一通り見て回り、上条が美琴を振り返る。

    「んで御坂、気に入ったアクセサリーは見つかったか?」

    「えっ、あんたが可愛いのを選んでくれるんじゃないの?」

    「……えぇー」

    思わぬ難題である。
    女の子に似合うアクセサリーを選ぶ機会など、記憶喪失前ですらあったかどうかは疑問だ。

    「10032号のネックレスはあんたが選んでよこしたらしいじゃないの」

    「……分かったよ。もう一回見て回ろう」


    しばらく上条は一角をうろうろと歩き回り、時折アクセサリーをつまみ上げては美琴の顔と比べ、そして戻すという行為を繰り返していた。
    そんな彼の後ろを、美琴は期待半分、不安半分でついて回る。
    上条が自分の為にアクセサリーを選んでくれているのが前半分。
    アクセサリーと美琴の顔を見比べる行為が、ただ美琴の顔色をうかがっているだけなのではないかと言うのが後ろ半分。

    上条はレベル0であり、したがって奨学金の額は低く、いつ出会っても金がないと言っているようなありさまの人間だ。
    シンプルなものほど安く、凝った可愛いデザインのものほど高いのは当たり前の話。
    したがって、頭の中では常に財布の中身と戦っているに違いない。

    だけど、別に高いものが欲しいわけじゃない。
    彼がくれるなら、きっとどんなものでも嬉しいから。
    「上条が」「自分の為に選んで」「プレゼントしてくれる」という行為そのものが嬉しいのだから。

    ややあって、上条が「これはどうだ」とあるネックレスを差し出してくる。

    953 = 942 :


    それは、細いチェーンに銀色の指輪が通されたデザインだ。
    指輪には、両手に包まれた王冠の乗ったハートの意匠があしらわれている。
    そのネックレスを差し出された瞬間、美琴の心臓が大きく跳ねる。

    「これ、なかなか可愛いと思わないか?」

    「……あんた、この指輪がなんなのか、分かってるの?」

    「?? 何か特別な意味でもあるのか?」

    「…………分かんないなら別にいいわよ」

    アクセサリー店の店主が何やらニヤニヤしながらこちらを見ている。

    「……気に入らないなら、別のにするけど」

    「いい。これがいい。すごく可愛いし」

    「そっか。じゃあ買ってくるよ」

    上条が背を向け、未だにニヤニヤし続けている店主の元へ向かっている間、美琴は必死に頬の赤みを取ろうと頑張っていた。

    954 = 942 :


    細いチェーンを首にかけ、綺麗な指輪をいじる。
    あくまで飾り用の指輪であり美琴の指にはサイズが合わないのだが、それでも嬉しいものは嬉しい。
    印章を眺めるだけで自然に笑みがこぼれてくる。

    「……えへへ」

    「気に入ってくれたみたいでなによりだ」

    「うん、ずっと大事にするわ」

    自分で言ってしまってから、美琴は一人であわあわとうろたえ始める。
    指輪に秘められた意味、そして今の台詞。
    気持ちを勘付かれかねない失言だ。
    横目でちらちらと上条の様子を伺うも、美琴の数歩前をすたすたと歩く上条の表情は見えない。
    気づかれてはいないようだが、致命的に鈍いということは罪にならないものか。


    「……目的の一つは果たしたし、これからどうする?」

    「あんたのクラスの出し物を見に行くのよね」

    ごそごそと鞄の中を漁る二人。
    取りだしたのは、小萌に貰った優待チケット。

    「確か喫茶店とか言ってたわね」

    「…………土御門がなんだか不吉なことを言っていたような……」

    うーん、と上条は考え込む。
    なんせ半月前の事なので、あまり覚えていないのだ。

    「……行ってみればわかるか」

    「そうね」

    955 = 942 :


    とある高校の学生食堂は一端覧祭のためにカーテンやパネルなどでいくつかのブロックに仕切られ、それぞれ飲食系の出し物のために使われている。
    上条のクラスもその一角で喫茶店を開いていた。

    「カミやん、来ぃへんなぁ……」

    喫茶店エリアの入り口で呟くのは、青髪ピアス。
    執事服をきっちりと着込んだ姿は高い身長と相まって、黙っていればそれなり見える。
    その細い眼の奥で時折通りがかる女性客を物色していなければ、の話だが。

    今日は一端覧祭の最終日だ。
    これまでに、入院中の親友は姿を見せてはいない。
    来ると言っていたのに、心配にもなる。

    「にゃー、今日来るとか言ってたぜぃ?」

    店の中から顔を出したのは、同じく執事服を着こんだ土御門元春。
    その服装と金髪、サングラスが致命的なまでに似合わない。

    「あれ、カミやん携帯直ったの?」

    「夕べメールが来たぜよ。小萌先生が優待チケットくれたし、外出許可も出たから行くって」

    「……ん? あれは……」

    噂をすれば影とばかりに、食堂の入口に黒いツンツン頭が見えた。
    まごうことなく親友の姿である。

    二人は上条に声をかけようとして、凍りつく。
    上条の隣にはなんと、女の子(しかも超有名女子中学校の制服)の姿が!

    「……か」

    「か」

    「か……」


         「「カミやんが女の子を連れてきたァーーッ!?!?」」


    金髪と青髪、二人の少年が同時に放った驚愕と絶望の叫びは、食堂どころか校舎中に響き渡った。

    956 = 942 :


    ざわ……ざわ……と周囲を取り囲む上条のクラスメイトたちの視線に、美琴は思わず萎縮する。
    元春と青髪ピアスに見つかった二人は有無を言わさずに連行され、喫茶店の中央の席へと座らされた。

    数グループごとの交代制なのだろう、メイド服を着こんだ女子と、執事服を纏う男子が約5人ずつ。
    その間を、繚乱家政女学校のメイド服を身に付けた少女らが走り回っている。

    この空間に満ちる異様な空気を感じ取ったようで他の客たちはそそくさと退店を始め、上条たちだけになってしまった。
    繚乱家政の少女たちも心なしか壁際で身を寄せ合っているような気がする。

    「ご注文を承るのだぞー」

    そんな雰囲気にそぐわぬ朗らかな声で、土御門舞夏がオーダー用紙を片手に現れる。

    「……舞夏、どうしてここに」

    「ふふん、兄貴のクラスがメイド&執事喫茶をやると聞いたからなー。
     服の着付けから内装、お茶の淹れ方に至るまで、我ら繚乱家政女学校がプロデュースしているのだよー」

    彼女が言うには、似たような趣旨の喫茶店を行う予定の学校には必ず、繚乱家政の優秀な生徒が指導役として派遣されているのだと言う。
    若いとはいえ、その道のプロとして育成されているのだ。指導役としてはうってつけだろう。

    「こんなもの貰ったんだけど」

    後ろ手に縛られ椅子にくくりつけられている上条の代わりに、美琴が2枚の優待チケットを渡す。

    「優待チケットだなー、飲み物一杯無料の他に、お菓子がついてくるのだぞー。
     さあ、メニューの中から好きなものを選ぶのだー」

    「……私、ミルクティーで」

    「……俺も同じで」

    「了解したぞー。それではしばしお待ちをー」

    恭しく頭を下げ、舞夏は厨房へと去って行く。

    957 = 942 :


    「……それで」

    元春が上条の椅子の向きを90度変え、メイド服の中でも一番の自己主張をする部位を持つ少女、吹寄制理がずいと上条の前に仁王立ちする。
    小さく縮こまる上条。吹寄の背後に立つ少年少女らがその迫力を更に引き立てている。
    判決ありきの弾劾裁判か、はたまた集団リンチか。
    この構図は裏切り者を拷問するマフィアのそれにとてもよく似ている、と美琴は思った。

    「クラスメイトが一端覧祭のために一生懸命頑張っているというのに、貴様は女の子と仲良くデートか。羨ましい限りだな」

    「いや、あの、それは……」

    パシィン! と、聞こえるはずのない鞭の音が聞こえたような気がする。
    それほどの気迫が、吹寄から放たれていた。

    マズい。この状況は非常にマズい。
    記憶にはなくても、体と本能がこの状況をエマージェンシーと判断している。
    例え美琴とデートをしていようが吹寄らに責め立てられるいわれは全くないはずなのだが、そんな反論を許してくれそうな空気でもない。

    美琴とデートをしていたわけではない、と言い逃れてしまうのはどうか。
    別に恋人同士というわけでもないのだし、デートではないと言い逃れることはできなくはない。
    だが。
    ネックレスを渡した時の美琴の笑顔が妙に脳裏にちらついて、否定することもできない。
    そんなわけで、上条はただただ体を縮こまらせて、黙っている他なかった。

    958 = 942 :


    「あ、あの!」

    いきなり声を上げた美琴に、全員の視線が集中する。
    耳まで真っ赤にしながら美琴が弁明をする。

    「その、病院から外出許可が出たって聞いて、私が遊びに誘っただけであって、
     別にその、で、デートって訳じゃ……」

    自分で否定しながら、胸の奥に鈍い痛みが走る。
    思い切って「デートだ」と言ってしまえればいいのかも知れない。
    けれど、もし上条に否定されてしまったら。そう考えるのが怖かった。

    「……でも、どこに何があるか分からないから案内してくれって頼んだのは俺だし。
     で、デートと言えばデートなんじゃねぇの?」

    最後は投げやりになりかけた上条の声に、はっと顔を上げる。
    上条がわずかに恥ずかしそうにそっぽを向いていた。

    吹寄はそんな上条の顔と、美琴の表情と、そして胸元のネックレスを交互に見やり、ため息をついた。
    そして背後のクラスメイトを振り返る。

    「裁判官の皆、判決は?」

    「有罪。」

    「有罪ね」

    「有罪です」

    「有罪よ」

    「死刑」

    「極刑」

    「処刑」

    「打ち首」

    「縛り首」

    「……判決、有罪ね」

    打ち震える上条に、吹寄は冷たく言い放った。

    959 = 942 :


    「ゆ、有罪って不当判決だー! 弁護士を呼べ―! 控訴してやる!」

    「うるさい。被告人上条当麻には一切の反論および上告の権利は与えられていないわ。
     というわけで、野郎ども!」

    吹寄の号令に、執事服の少年たちが最敬礼を取る。
    彼女は拳に親指だけを立て、首筋を掻っ切る仕草を取り、

    「ヤっちまいなぁ!」

    「「「「「アイ、マム!!」」」」」

    直後、上条は元春と青髪ピアスを始めとする男子どもに椅子ごとどこかへと運ばれて行ってしまう。

    「あっ!」

    「お、おい、どこへ運んで行く気だよ!」

    「悪いなカミやん、我らが女ボスのご命令なんだぜぃ。さぁさぁ楽しい処刑のお時間ですたい!」

    「呪うなら己の悪行を呪うが良い。現役JCとデートとか、ナニがもげてしまえばいいのに」

    「はーなーせぇーッ!!」

    「はっはっはー、モテない男どもの恨みを今ここで晴らしてやるぜ―!」

    上条が連れて行かれたパネルの裏から布を裂くような音と、「うわなにをするやめアッーー!?」という断末魔の叫びが聞こえてくるのを美琴は身を震わせて聞いているほかなかった。

    960 = 942 :


    一人残された美琴の前に、他のテーブルから椅子を引っ張ってきた吹寄が座った。

    「……えーっと、御坂美琴さん、よね?」

    「私の名前を御存じなんですか?」

    「あたし、大覇星祭で実行委員をやってたから。あなたの競技も担当してたのよ」

    「……あー、あの時の」

    大覇星祭で上条が紛れ込んでいた玉入れの時に、熱中症で倒れた実行委員だ。

    「…………あなた、上条当麻とはどんな関係なの?」

    「一応、友人……ですけど」

    「ふーん、友人、友人……友人ねぇ」

    同性故の勘というものが働いたのかもしれない。
    警戒心マックスの美琴に、吹寄は疑い深げな視線を投げかける。

    「ねぇ、上条当麻だけはやめておいた方がいいと思うけど」

    「……どうして?」

    961 = 942 :


    「どうしてって、あの男はバカでズボラで怠惰で愚鈍でスケベでマヌケでいつも不幸だ不幸だと口にしてばかりでそこから抜けだす努力もしない、
     ついでに人の裸を見ようが謝罪の一言も出せないようなだらしのないダメ男だからよ」

    吹寄の言葉にうんうんとうなずく女子たち。
    ずいぶんな言い草だな、と美琴は思う。ついでに何か聞き逃してはいけないことを聞いた気もするがここはあえてスルー。
    それよりも、言わなければならないことがあるから。

    「……余計なお節介です。
     あいつの欠点は色々と知ってますけど、それ以上にあいつの良いところを知ってますから」

    「……それに、今のあの男は記憶を……」

    「それも知ってます」

    挑発的に、力強く言い返す。

    「知ってて、それでも私は────。……というか、こんなことあなたにどうこう言われることじゃないと思います」

    ここは絶対に引いてはいけないところだと睨むが、逆に吹寄はあっさりと引く。

    「……そうね、それが分かってるなら、お節介を焼く必要もないかな」

    「え?」

    「あなたのライバルは想像以上に多いってことよ。覚悟がないならやめておけって言いたかったの。
     あぁ、あたしは違うけどね!」

    吹寄の後ろの女子たちが、照れたり頬を染めたりと様々な反応を示す。
    こ、これは、もしや!?

    「今日から。あなたもライバル。」

    「あ、あははは……」

    恋敵に向けるような視線を向けられ、美琴は苦笑いする。

    962 = 942 :


    「……おや、上条当麻はどこに行ったんだー?」

    紅茶とお茶受けの手製スコーンを盆に乗せ運んできた舞夏が、不思議そうにキョロキョロを当たりを見回す。

    「さっきあんたのお兄さんたちが『処刑じゃーッ!!』とか言いながら運んで行ったっきり、帰ってこないけど」

    「むぅ、まさか兄貴のヤツ、"アレ"を使う時が来たのか……!」

    「"アレ"?」

    「"アレ"よ」

    吹寄と舞夏は互いに理解し合ったような、呆れ果てたかのような顔で頷き合うが、美琴には分からない。
    そこへ、

    「じゃっじゃーん! 大変長らくお待たせしたにゃー!」

    「NEWカミやんのお帰りやでーっ!」

    元春と青髪ピアスら男子たちが、何やら大きな箱の乗った台車と共に帰ってきた。
    何やら箱は蠢いていて、それがとてつもなく嫌な予感をさせる。

    「……兄貴、まさか本当に"アレ"を使ったのかー?」

    「そうよ、そのまさかよ! さーて皆の衆、とくとご覧あれ!」

    その掛け声とともに、元春と青髪ピアスは箱の蓋をガバッと外す。
    そこには、

    963 = 942 :


    化粧を施された屈辱そうな表情の上に乗っかった、可愛らしいホワイトブリム。
    クラシックな黒いエプロンドレスに、清潔そうな白い手袋。
    極めつけは、ややフリル過多なミニスカート。
    ご丁寧にガーターベルトまで装着されている。

    平たく言えば、メイド服を着せられた上条当麻の姿がそこにはあった。
    何故サイズがぴったりなのかは神のみぞ知る。

    「……こ、これは…………ッ!?」

    「……くくっ、これは、傑作ね……っ」

    「写真。撮っておこう。……ぷくく」

    「あっはーーっ!! カミやーん、よー似合っとるでー! さすが舞夏ちゃんプロデュースなだけはあるやん!」

    「ふふん。私の手縫いだぞー?」

    固まる美琴、笑いをこらえる女子陣、爆笑する男子陣、胸を張る舞夏。
    上条は呆然とそれぞれの表情と自らの服装を見比べた後、ゆっくりと床へと崩れ落ちた。

    上条当麻、床を叩いて嗚咽を漏らすのは記憶を失って以来初めてのことである。

    964 = 942 :


    「……くそぅ、酷い目に遭った」

    夕日が射す帰り道、やさぐれ気味に呟く上条。
    その目は虚ろで、頬はこけ、まるでこの世の地獄を見てきたかのようである。

    あの後小萌の介入により上条は解放されたのだが、その際の「よ、よく似合っていると思うのですよー」というフォローにならない言葉に再度打ちのめされ、今に至る。
    メイド服が生涯のトラウマになったことは間違いない。

    「……だ、大丈夫……?」

    「なんだか復学してもやっていける気がしなくなってきた……」

    「前も仲良くやれてたんだし、そこらはなんとか打ち解けられるわよ!」

    「そう……かなぁ……?」

    強烈すぎる洗礼に、もはや上条のライフポイントはゼロ。
    この数時間で何キロも痩せた気がする。

    だけれど、クラスメイトたちは彼らなりのやり方で上条の回復を喜んでくれたのかもしれない。
    店番をしていた生徒だけでなく、いつの間にか非番の生徒まで上条イジりに参加していたのだ。
    きっと誰かが「上条が来た」とメールを回したのかもしれない。

    あんなに温かく迎えてくれる仲間たちがいるのなら、例え記憶がなくとも何とかやっていけるかもしれない。

    965 = 942 :


    「……ねぇ」

    「なんだ?」

    「……その、今からさ、一緒に花火を見に行かない?」

    一端覧祭のフィナーレとして、最終日の夜には盛大に花火が打ちあがる。
    大覇星祭のナイトパレードのようなものだ。

    「御坂は門限大丈夫なのか?」

    「今日だけ門限が遅いのよ。うちの寮からだと建物の位置の関係で綺麗に花火見えないし。
     ま、もちろん花火終わったら即帰らないとだけどさ。
     というか、門限だったら誘えないでしょうが」

    「そっかー……うーん」

    美琴のほうは問題ないのだが、上条が渋い顔をする。

    「……実は、上条さんにも門限がありまして」

    「あ、そっか……」

    退院間近とはいえ未だ入院中である上条には、問診だの入浴だの夕食だのすっぽかすといろいろ面倒臭いことになる予定がぎっしり入っている。
    それに、病み上がりの身を余り引きずり回すのも良くないだろう。

    「じゃあ花火はお預けね……」

    「いや、ただなぁ、病院で割と元気な人向けに屋上を開放するって話もあってだな。
     病院の屋上でいいなら……」

    「べ、別に私は構わないわよ」

    上条と一緒と言うのが大事なのであって、場所自体はそこまで重要ではない。
    二人でロマンチックな夜景を楽しみたいなーなどと言う年相応の願望がないわけではないが、この際優先順位としては下位に置く。

    「じゃあ、決まりと言うことで」

    「ええ」

    二人は連れ立って、病院へと歩いて行った。

    966 = 942 :


    「おや、お帰りなさい、とミサカ10032号はあいさつします」

    病院の正面玄関をくぐった上条と美琴を迎えたのは、パイプ椅子や毛布などを大量に抱えた御坂妹たち。

    「あんたたち、何してんの?」

    「屋上の開放に向けて準備のお手伝いをしています、とミサカ13577号は簡潔に答えます。
     おそらく備え付けのベンチだけでは足りないでしょうし、防寒対策も必要でしょう」

    「今夜遅くからの天候悪化が予測され、また風が強まるとともに気温も低下すると思われます。
     入院患者の方々は免疫機能が低下しているでしょうし、風邪をひかれるととても困ります、とミサカ19090号は腕をぷるぷるさせながら大量の毛布を……」

    「おっと危ない」

    毛布の詰まった大きなダンボールを抱えふらついた19090号を、間一髪で上条が支える。

    「大丈夫か?」

    「は、はい、ありがとうございます……、とミサカ19090号はお礼を言います」

    「私たちも手伝おうか?」

    「お姉様たちは別にいいよ」

    大きなストーブを台車に乗せて運んできた番外個体が会話に加わる。

    967 = 942 :


    「これはミサカたちが冥土帰しに面倒みて貰ってる分の恩返しでもあるからね。
     ……しっかし、石油ストーブとはずいぶんとまたレトロな」

    「停電の時とかだと、電気ストーブは使い物にならないでしょうが」

    「非常時用の発電装置があるはずの病院で停電って、医療器具とか手術中の人とかのことを考えるとストーブどころじゃない緊急事態じゃねぇか?」

    「……そう言えばそうね」

    「この病院でそんな事態が発生した場合は、ミサカたちが電源装置として復旧までの間をつなぎますので問題はありません、とミサカ10037号は自らの有用性を誇示してみます」

    美琴に対し遥かに低い出力しかない彼女たちではあるが、必要な電力さえ生みだせるなら最大出力の高さは関係ない。
    病院のような電力供給を欠かせない施設にとっては、とても心強い存在だろう。

    「お姉様とヒーローさんはどっかで休んでなよ。どーせ朝からデートで疲れたでしょ?」

    他の妹達の表情がやや強張ることにもお構いなく、番外個体がからかうように言う。

    「ほらほらー、ヒーローさんのお部屋でしっぽりやってなってー!」

    「そ、そんなことするわけないでしょ!?」

    「そんなことって、どんなことかにゃーん?」

    「それはっ……!」

    意地の悪いニヤニヤ顔を向けてくるワーストに、美琴は怒鳴る。
    この末の妹は姉妹の中でも美鈴の性質を最も色濃く受け継いでいるに違いない。自分と同じDNAだけど。

    「……まぁ確かに疲れたし、少し一休みしたいなぁ。…………イロイロあったし……」

    「そ、そうだけど……」

    長期入院後初の外出で連れ回しすぎた感がある。
    特に上条は精神的ダメージも大きいだろう。
    が、番外個体の言葉が引っ掛かり素直に休息をとろうという気分にもなれない。
    とはいえ、疲労している上条に付きあわせるほどの事でもない。

    結局、番外個体の「ごゆっくりー☆」という言葉に背中をつつかれながら、場を移すことになった。

    968 = 942 :


    「……寝てる」

    上条の病室に荷物を置き、売店でお菓子と飲み物でも買ってくると病室を出たのがつい10分前。
    戻って来てみれば上条はベッドに横になり、寝息を立てていた。
    座っているうちに体力を使い果たし、ごろんと横に倒れたかのような構図だ。
    サイドテーブルに買い物を適当に置き、自分はパイプ椅子を広げて座る。

    「このやろ、人に買い物をさせておいて、自分は高いびきですか」

    入院で体力はかなり落ちているだろうし、よっぽど疲れていたのかもしれない。
    けれど、それでも自分に一日付き合ってくれたこと。
    この後も花火を一緒に見てくれること。
    その優しさが、美琴は嬉しかった。

    毛布を被せ、しばらく寝かせてやることにする。
    ふだん見せるような、気だるげな表情。
    誰かの為に奔走している時の、真剣みを帯びた横顔。
    そして「まだやることがある」と美琴の助けを断った時の、使命感を帯びた面持ち。
    そのどれとも違う、あどけない寝顔にふっと顔が綻ぶ。

    「──今日は、付き合ってくれてありがとね」

    面と向かってはなかなか言えない、感謝の言葉。

    「ネックレス、ずっと大事にするからね」

    胸元で宝物をぎゅっと握りしめる。

    「…………あ、なんだか私も眠……」

    座ったことで、どっと疲れが出たのだろう。
    その心地良い感覚に、美琴は身を任せた。



    十数分後、屋上の準備ができたと御坂妹たちが呼びに来た時、美琴は上条のベッドのふちに突っ伏すようにして寝ていた。
    図らずも、二人の顔の位置はとても近いところにあった。

    969 = 942 :


    「……ぶぇっくしょん!!」

    「あんた、口くらい抑えなさいよね」

    「悪い悪い」

    すっかり暗くなった病院の屋上。
    気温もだいぶ下がり、コートや毛布があってもまだ寒い。
    ストーブの近くは具合の悪い人優先ということで、上条や美琴らからは遠いところにある。

    「天気予報では本日夜半から雪になるそうですし、大分冷えてきましたね、とミサカ10777号はお二人に温かなお茶を差し出します」

    「ありがと。……それにしても、入院患者さんたちは同じ顔が何人もいて驚いたりしないのかなぁ?」

    看護師たちに入り混じって、妹たちは毛布や温かいお茶を配ったりとその手伝いをしている。
    当然、複数が同時にいるところはばっちり見られているはずなのだが。

    「患者さんたちの間では、『五つ子の研修生がいる』というように思われているようです。
     実際問題年なんて言わなければ数歳程度は『童顔』で通ります、とミサカ10777号は抜け道をこっそり囁きます」

    「……ずいぶんな綱渡りしてねぇか、お前たち」

    医師法だのなんだのにひっかかったりしないのだろうかとは思うが、冥土帰しの指導の下ならその辺りの分別はつけてくれているだろう。

    970 = 942 :


    「それにしても、本当に寒いわね」

    袖を引きよせ、手をすり合わせる。
    手袋を忘れてしまったのが痛い。

    「毛布、一枚だけなら余ってるよ」

    回ってきた番外個体が毛布を美琴に渡す。

    「嬉しいけど、一枚かぁ。こいつもさっきくしゃみしてたし、もう一枚欲しいなぁ」

    「用意したのはそれで最後。あとは自分の病室から持ってきてもらうか、我慢するかしかないよ。
     そもそもお姉様は入院患者じゃないし、最初から勘定に入ってないもの」

    「それもそうよね。というわけでこれは入院患者のあんたが使いなさい」

    「いや、俺は良いよ。御坂が羽織っとけ」

    「そこまでヤワじゃないっつの。あんたこそ、風邪ひいて退院が延びるかもよ?」

    「大丈夫だって」

    「……ミサカ、一枚の毛布で二人が温まる方法思いついちゃった」

    毛布を巡り押し問答する二人に番外個体がいやらしい笑みで割って入り、毛布を取り上げた。

    「こうすれば解決じゃん☆」

    番外個体は毛布を羽織り、そのまま10777号に背後から抱きつく。
    毛布の端を掴んだ腕をもう一人の体の前に回せば、二人で暖を取ることができる。

    「なるほど、これは合理的ですね、とミサカ10777号は番外個体に追従します」

    「でしょー、ささお姉様、ヒーローさん、ぜひ実演を☆」

    「やるかぁ!」

    美琴が妹たちに向かって拳を振り上げ怒りをあらわにした途端、背後でぴゅぅーっという空気を切る甲高い音が鳴り、直後火薬が破裂する大きな音がする。

    ついに花火が打ち上がったのだ。

    971 = 942 :




    菊、牡丹、トケイ草、未来花。

    色とりどりの大輪の花たちが次々に咲き乱れていく。



    土星、アジサイ、蝶。

    花火師たちの技巧をこらした型物花火が夜空に描かれる。



    照明の消えた学園都市中を照らすのは、次々に打ち上げられるスターマイン。

    数万発の小型花火たちが一斉に炸裂し、それが組み合わさって一つの壮大なテーマを紡ぎだす。



    錦冠、虎の尾、葉落なども忘れてはいけない。

    どれも大玉を引きたてる名脇役であり、かつそれ自身が空を彩る主役でもある。



    クライマックスは学園都市を囲む外壁の上を導火線のように走るナイアガラの滝。

    数十カ所から点火されたそれが合流された時、学園都市はまさに炎の壁に囲まれたかのように見えた。

    同時に学園都市最新鋭の火薬制御技術が無駄につぎ込まれた超特大の花火がこれでもかとばかりに打ち上げられた。

    972 = 942 :


    その光に照らされながら、美琴はちらりと上条の横顔を見た。
    花火の爆音に掻き消され気配など微塵も分からないだろうに、何故か上条と目が合い、ふっと微笑まれる。
    上条は何やら携帯電話を操作し、そして画面を美琴に見せた。

    『こんなもの凄く綺麗な花火、天気もそこまで悪くならず無事に見られてよかったな』

    美琴は微笑み返し、自らも携帯電話を操作して上条に見せる。

    『ちょっとー、普通そこは隣の女の子に"お前のほうが綺麗だよ"とか言う所じゃないのー?(¬3¬)ノシ ペシペシ』

    『なんだ御坂、俺にそんな台詞を吐いてほしいのか?』

    『べ、別にそんなことないわよ! あくまで一般論として、女の子の扱い方を教えてあげようとしただけ!」

    『美琴のほうが綺麗だと思うぞ』

    『……………………………………………………
     ……………………………………………………
     ……………………………………………………
     …………ばーかばーか!!調子に乗るな!!』

    からかわれているだけと分かっていても、下の名前呼びでそんな台詞を吐くなんて! 吐くなんて!
    花火の光に顔を照らされていて、本当に良かった。
    悪態をついた携帯電話の画面を見せるのが精いっぱいであり、しばらく上条と目を合わせることができなかった。

    973 = 942 :


    「……本当に、送って行かなくていいのか?」

    「何言ってんのよ。私は天下無双のレベル5、あんたは体力の衰えた入院患者。
     あんたのお仕事は私を送ることじゃなくて、さっさと寝て回復することでしょうが」

    「でもなぁ……」

    納得しがたいといった顔をする上条。
    変なところで義理がたいと言うか、真面目な男である。

    「大体ね、この街に私より強い人間なんて3人しかいないのよ。そこらの男に私が後れを取ると思う?」

    「例え強い能力を持ってたとしても、中学生の女の子ってことには変わりはないだろ」

    「大丈夫だって言ってるでしょ」

    納得しがたいといった顔をする上条。
    変なところで義理がたいと言うか、真面目な男である。

    「……あ、そうだ」

    「今度は何だ?」

    「ネックレス、ありがとね」

    重ね重ね礼を言う。
    それほどに嬉しかったから。

    「……おう。気をつけて帰るんだぞ」

    「分かってるって。じゃあ、お休みなさい」

    「お休み」

    軽く手を振って、美琴は夜の帳の中へと消えて行った。
    その背中を、上条は心配そうに見送る。

    974 = 942 :


    常盤台中学は校舎も寮も基本的に華美な装飾物の持ち込みは禁止だ。
    その為、美琴は上条にもらったネックレスを丁寧にハンカチで包み、学生カバンの底に押し込んで帰寮した。
    部屋に戻ってカバンの底からネックレスを取り出しにまにまと眺めていると、白井が帰宅した。

    「ただいま戻りましたの」

    「お帰り黒子、風紀委員はしばらくお休みじゃなかったの?」

    「現場には出られないので内勤になりましたの。慣れないオペレーター役は大変でしたわー」

    「あはは、たまには初春さんの苦労も感じなさいってことよ」

    白井はカバンをベッドの上に投げ出し、ベッドに座る。
    必然的に美琴と向かい合わせになり、その手元のネックレスにも目が行く。

    「あら、可愛らしいネックレスですのね。いかがなさいましたの?」

    「あいつが買ってくれたの」

    美琴の言葉と同時に、白井の頭からヒビの入るような音がする。

    「…………あの殿方が、プレゼントを……ですの……?」

    「……うん。その、お見舞いとかに行って色々お世話してあげたお礼だって」

    「ぐぬぬ……」

    975 = 942 :


    白井はしばらく何かをこらえるような表情をしていたが、やがて肩から力を抜き、

    「……寮監さまに見つかって、没収されないようになさってくださいまし」

    「分かってるわよ。失くして泣きたくないし、普段はちゃんとしまっておくって」

    「なら結構ですの。……ところで、わたくしにもよく見せてくださいな」

    美琴の隣にテレポートした白井が、チェーンに通された指輪についている印章を見てぎょっとする。
    ハートの上に王冠が被せられ、両手の上に乗せられているデザイン。

    「…………クラダ・リング……ですの……?」

    「あいつが選んでくれたんだけどさ、絶対意味分かってないよね。……黒子?」

    横でぷるぷる震える白井。ついに我慢の限界に達したようで、

    「殺! ついに堪忍袋の緒が切れましたの! 今度こそあのピテカントロプスの息の根を確実に……ッ!」

    「いきなり人の横で発狂すn「うるさいぞお前たち!」

    ズバーン!!と部屋のドアが開き、寮監が怒鳴りこんでくる。
    間一髪、ネックレスはシーツの下に放り込むことができた。

    「朝に続き、お前たちはそんなにも罰則を喰らいたいようだな!!」

    「いえいえそんな滅相nひでぶ!」

    「さーて明日も早いことですしそろそろ就sあべし!」

    寮監に投げ飛ばされ、ドサッ、ドサッ、とそれぞれのベッドの上に崩れ落ちる美琴と白井。
    完全に沈黙し微動だにしない二人を見て、寮監はようやく静かになったとため息をついたのだった。

    976 = 942 :






         ──その夜、学園都市に記録的な大雪が降った。





              善も悪も、光も闇もまとめて覆い隠すほどの、深い雪が──




     

    977 = 942 :

    今日はここまでです
    このスレでの投稿は今回で終わり、次回投稿時は新しいスレを立てます
    その時はこのトリップを目印にしてください

    肝心要の次回ですが、ちょっとその先の話と絡んでくる関係で慎重に書きたいので、「出来しだい」ということで投稿したいと思います
    SERNの陰謀も暴かないといけませんし……来週には始められるかなぁと

    スレタイはそのままの予定なので、これからもご愛読お願いします
    いつもたくさんのレスありがとうございます、本当に励みになります

    ではまた次回!
    3カ月で1スレか……長いようで短かった

    978 :

    乙~~~~~~!!!
    待ってたさ、ゆっくり書き溜めてくれ何時までも待ってる

    979 :


    いや、マジで面白い
    これからも頑張っていただきたい

    そして、ついに物語が大きく動きそうな予感
    さて、今度はどんな事件が起こるのやら

    次のスレからも期待してる

    980 :

    意味深な終わり方だなー
    次回も楽しみにしてます!

    ちなみにネックレスの意味は?

    982 :



    >>980
    黒子「クラダ・リング」って言ってるからググるんだ
    愛と友情と幸福あたりのシンボルだった気がする

    983 :

    乙です!

    出来るまでゆっくりゆったりのんびり待ってます!

    984 :

    乙!

    次スレを楽しみにしてる!

    985 :



    待ち続けるのみ

    986 :

    乙続きが楽しみなんだよ

    987 :

    乙です。
    次スレも楽しみにしてます。
    寮監VS上条さんのガチ勝負を見てみたいと思ってしまった

    988 :

    乙でした!次スレも楽しみ
    美琴とは一度レゲーについて語りたいものだ

    989 :

    レゲエ?と思ったらレトロゲームかww

    超乙
    新スレ待ってます!

    990 :

    かみぜうさん「せくろすやろうぜ」のセリフが聞けそう

    991 :

    きちんと二人の関係が育まれてるね。
    素晴らしい。ネックレスは記憶回復と上琴エンドのフラグだよね!
    てっきりデート中に物語が動き出すと思っていたが、次回のようだね。
    期待大

    992 :

    おつおつ
    今回は平和な日常の回か、良かった・・・
    なんともハードな展開のフラグビンビン建ってるし次スレが色んな意味で楽しみで不安ww

    993 :

    だれか次スレが立ったときこのスレで教えてくださいな

    PCじゃないから色々不便・・・

    994 :

    クラダ•リングってのは忠誠心(王冠)愛情(ハート)友情(両手)を表した物だよって
    ミサカは少しえらそうに話してみる。
    ちなみに意味はね正位置にはめると即婚者•恋人がいますって意味だよー
        えっへんすごいでしょ!!


    995 :

    乙!
    次スレにも期待

    996 :

    >学園都市最新鋭の火薬制御技術が無駄につぎ込まれた超特大の花火

    四尺玉オーバーか、開発会議想像してちょっと笑った。

    そういや時速5000㎞の旅客機の開発計画をフランスがブチ上げた
    みたいだけど、学園都市レベルまではあと50年くらい掛かりそうだ。

    997 :

    乙乙!
    次はどんな展開か…wktkだわ

    999 :

    1000なら超電磁砲2期


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