のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:126,339,224人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報

    私的良スレ書庫

    不明な単語は2ch用語を / 要望・削除依頼は掲示板へ。不適切な画像報告もこちらへどうぞ。 / 管理情報はtwitter
    ログインするとレス評価できます。 登録ユーザには一部の画像が表示されますので、問題のある画像や記述を含むレスに「禁」ボタンを押してください。
    VIP以外のSS書庫はSS+をご利用ください。

    元スレほむら「まどかを助けることができた世界」

    SS スレッド一覧へ / SS とは? / 携帯版 / dat(gz)で取得 / トップメニュー
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - 魔法少女まどか☆マギカ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    レスフィルター : (試験中)
    ←前へ 1 2 3 4 5 6 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter
    101 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:18:42.15 ID:qDLAoh8B0 (+39,+29,+0)
    まどか「…」

    ほむら「…」
    102 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:19:39.51 ID:qDLAoh8B0 (+50,+30,-64)
    次にまどかが見た光景は、荒れ果て見る影もない見滝原。

    以前の平穏で長閑なそれは、もうどこにも無かった。

    ワルプルギスの夜はとっくに姿を消していた。

    まさしく台風のごとく。

    遊び疲れた子供が家に帰るように。

    遊び散らかした見滝原を残して。
    103 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:22:52.70 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    104 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:24:24.24 ID:qDLAoh8B0 (+45,+30,-29)
    まどか「…ほむらちゃん」

    ほむら「…」

    まどか「…ねぇ…これってどういうことなの…?」

    ほむら「…」

    まどか「…みんなは?」

    ほむら「…」

    まどか「街は…?」

    ほむら「…」
    105 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:28:14.62 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    106 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:30:24.96 ID:qDLAoh8B0 (+50,+30,-45)
    まどか「避難所は…?」

    まどか「みんなは…?」

    まどか「…パパ…ママ…ター君は…?」


    ほむら「…」

    まどか「…ねぇ…ほむらちゃん…」


    ほむら「……私は、救いたかった…」

    ほむら「…私は…弱すぎたの…」
    107 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:33:32.35 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    108 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:34:45.54 ID:6DGcbOU50 (+23,+29,-1)
    ター君・・・


    誰だっけ
    109 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:36:40.14 ID:FyP29OQgP (+23,+29,-9)
    >>108

    ジャングルの王者
    110 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:36:44.75 ID:vjGw/QSN0 (+18,+28,+2)
    ほむらちゃん..
    111 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:39:56.50 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    112 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:42:56.57 ID:qDLAoh8B0 (+57,+30,-59)
    >>116
    訂正



    まどか「避難所は…?」

    まどか「みんなは…?」

    まどか「…パパ…ママ…たっくんは…?」


    ほむら「…」

    まどか「…ねぇ…ほむらちゃん…」


    ほむら「……私は、救いたかった…」

    ほむら「…私は…弱すぎたの…」
    113 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:43:26.05 ID:qDLAoh8B0 (+45,+30,-10)
    ほむら「…私は…あなただけでも救いたかった…」

    まどか「…」

    まどか「………」

    まどか「…………………………」
    114 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:43:55.59 ID:kAHvd+I20 (+19,+29,-6)
    まどかはね「タツヤ」って呼ぶんだよ
    115 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:47:26.48 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    116 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:48:09.37 ID:qDLAoh8B0 (+53,+30,-25)
    まどかは泣いていた。

    力なくぺたりとへたりこんで。

    声を上げることもなく。

    瞳からはとめどなく涙を流して。

    その瞳は、もうどこも見ていなかった。

    何も映していなかった。
    117 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:51:42.39 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    118 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:52:29.86 ID:qDLAoh8B0 (+44,+29,-41)
    私はまどかとは反対に声を上げて泣いた。

    へたりこむまどかに後ろからしがみついて。

    わんわんと子供のように大泣きした。
    119 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:55:12.41 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    120 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 00:57:14.96 ID:qDLAoh8B0 (+45,+30,-77)
    私はほんとは泣き虫で弱虫でそのくせ自分勝手で。

    それでもまどかを助けたくって――。


    ――そんな言い訳じみた口上が喉元にこみ上げてくる。

    慈悲を請うような。

    赦しを願うような。

    救いを求めるような。
    121 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:00:29.65 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    122 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:00:47.77 ID:qDLAoh8B0 (+50,+30,-43)
    けれどそれらは口をついてでることはなく、代わりに言葉にならない泣き声と涙になって溢れ出る。

    言えるわけがなかった。

    許されていいわけがなかった。

    それでも、慰めが欲しかった。

    自己満足でも。

    だからこの時は、確かにこの腕の中に、守りたかった温もりがあることを感じていたかった。
    123 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:02:51.39 ID:OZehiU/SO (-25,-10,+0)
    支援
    124 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:06:21.56 ID:CPsXWsN50 (+3,+18,-10)
    あくしろよ
    125 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:07:49.39 ID:qDLAoh8B0 (+45,+30,-67)
    しばらく忘我のまま、恥も外聞もなく散々に泣き喚いた。

    涙も枯れ果てた頃、漸う我にかえった。

    まどかは、ただ静かに座っていた。



    ほむら「…まどか?」


    腕の中のまどかに小さく呼びかける。
    126 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:09:50.66 ID:MiobhRyW0 (+8,+23,+1)
    ほむ
    127 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:11:15.04 ID:qDLAoh8B0 (+45,+30,-20)
    少し待っても、返事も、反応も無かった。



    ほむら「…ねぇ…まどか…」


    まどかの顔を見るのは怖かった。

    きっと私を恨んでいる。

    憎んでいる。
    128 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:14:25.41 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    129 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:16:39.83 ID:qDLAoh8B0 (+50,+30,-66)
    それでも、全ては私がしでかしたこと。

    たとえまどかに嫌われることになっても、受け入れなければならない。

    だから、目を逸らしちゃいけない。

    なけなしの勇気を振り絞って、まどかの正面へ回る。

    かがみこんで、まどかに相対する。



    ほむら「…まどか…」 



    どんな裁断も、受け入れる。
    130 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:19:51.14 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    131 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:21:20.23 ID:qDLAoh8B0 (+44,+29,-10)
    ほむら「…」








    まどか「…」








    ――そして、私はまどかが失ったものに気づいた。

    私がしたことを、悟った。
    132 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:25:15.59 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    133 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:25:18.50 ID:qDLAoh8B0 (+45,+30,-33)
    パリン、と小さく小気味いい音が響いた。

    音のした方を見ると、左手に備えてある盾からだった。

    よく見ると、埋め込んである砂時計が割れていた。

    そこから砂が漏れ出して、嫌に澄んだ空気へと溶けていった。
    134 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:28:32.23 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    135 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:30:04.99 ID:qDLAoh8B0 (+50,+30,-78)
    ――少し、離れたかった。

    見る影がなくなっても、まどかにとっての大事な思い出の地。

    今では、失った悲しさを呼び起こさせるだけの偲ぶ草。

    そんな場所にいたって、心が休まるはずがない。

    そう思えたから。



    私たちは、しばらく海沿いの別荘で静養することにした。







    ――――――――
    ――――――――――――――
    ――――――――――――――――――
    ――――――――――――――――――――――――
    ―――――――――――――――――――――――――――――――
    136 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:34:01.06 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    137 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:35:58.83 ID:qDLAoh8B0 (+45,+30,-34)
    ほむら「…うん、なかなかに上手くできたんじゃないかしら…」



    今晩はシチューだ。

    コーンとチーズ等をふんだんに使い、こくのあるまろやかな味わいになっていると思う。

    きっとまどかも喜んでくれる…。
    138 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:35:59.27 ID:SHaLb0vm0 (+25,+30,-24)
    ほむら「この鏡に向かって"お前は誰だ"って言い続けて」

    まどか「うん!」

    ~~~~~~

    まどか「・・・」

    ほむら「計画通りまどかが自我を失った」
    139 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:39:21.84 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    140 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:41:49.76 ID:qDLAoh8B0 (+45,+30,-12)
    コンコン



    ほむら「まどか、入るね…」

    返事はない。

    いつものことで、もう慣れている。



    ガチャッ




    まどか「…」
    141 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:45:03.73 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    142 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:47:46.10 ID:qDLAoh8B0 (+50,+30,-55)
    部屋は夕日が沈みきったあとの、独特のしっとりとした暗さで満たされている。

    そんな中、まどかは何をするでもなく、ベッドの上で上体を起こして窓の外を見ていた。

    確かにはじめこそは私もその景色に息を呑み、見蕩れたものだけど。

    今ではすっかり見慣れてしまい、なんの感慨もない。

    まどかは何を思い、外を見続けているのか。

    私にはわからない。
    143 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:50:46.45 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    144 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:52:56.77 ID:qDLAoh8B0 (+45,+30,-28)
    ほむら「…まどか、シチューを作ってみたの。冷めないうちに食べよ?」

    まどか「…」




    まどかは、答えない。





    ―――
    ―――――
    ――――――――
    145 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:56:03.32 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    146 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 01:58:02.95 ID:qDLAoh8B0 (+50,+30,-43)
    部屋は枕元にある小さなテーブルランプで優しい光に満たされている。



    ほむら「…こぼさないようにね」



    ベッドの近くにある椅子を引き寄せて、まどかと一緒に食事をとる。


    まどか「…」

    ほむら「…まだ少し熱いかもしれないから気をつけて…」

    まどか「…」
    147 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 02:01:21.09 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    148 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 02:02:30.27 ID:qDLAoh8B0 (+50,+30,-94)
    まどかはゆったりとした動きで、スプーンでシチューを掬い、もくもくと小さな口へと運んでいく。


    ――この暮らしをはじめた当初。

    最初こそは全く口をつけてくれないもので、本当に困り果てていたのだけれど。

    毎日の呼びかけ、献身が功をそうしたのだろうか。それも徐々に改善されていった。

    何はともあれ嬉しい変化だった。
    149 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 02:05:41.47 ID:6QFT2RtW0 (-22,-10,+0)
    支援
    150 : 以下、名無しにか - 2013/12/31(火) 02:05:52.99 ID:qDLAoh8B0 (+50,+30,-72)
    まどか「…」

    ほむら「…」


    ちょっと前までは私が食べさせていたのだけれど、今ではちゃんと自分でスプーンを持って食べてくれている。



    ほむら「…」



    厚着してても肌寒く感じるようになった今日この頃。

    冷えた体を芯まで温めてくれるシチューは、格別においしく思えた。
    ←前へ 1 2 3 4 5 6 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS スレッド一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - 魔法少女まどか☆マギカ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について