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元スレほむら「まどかを助けることができた世界」
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次にまどかが見た光景は、荒れ果て見る影もない見滝原。
以前の平穏で長閑なそれは、もうどこにも無かった。
ワルプルギスの夜はとっくに姿を消していた。
まさしく台風のごとく。
遊び疲れた子供が家に帰るように。
遊び散らかした見滝原を残して。
以前の平穏で長閑なそれは、もうどこにも無かった。
ワルプルギスの夜はとっくに姿を消していた。
まさしく台風のごとく。
遊び疲れた子供が家に帰るように。
遊び散らかした見滝原を残して。
まどか「…ほむらちゃん」
ほむら「…」
まどか「…ねぇ…これってどういうことなの…?」
ほむら「…」
まどか「…みんなは?」
ほむら「…」
まどか「街は…?」
ほむら「…」
ほむら「…」
まどか「…ねぇ…これってどういうことなの…?」
ほむら「…」
まどか「…みんなは?」
ほむら「…」
まどか「街は…?」
ほむら「…」
まどか「避難所は…?」
まどか「みんなは…?」
まどか「…パパ…ママ…ター君は…?」
ほむら「…」
まどか「…ねぇ…ほむらちゃん…」
ほむら「……私は、救いたかった…」
ほむら「…私は…弱すぎたの…」
まどか「みんなは…?」
まどか「…パパ…ママ…ター君は…?」
ほむら「…」
まどか「…ねぇ…ほむらちゃん…」
ほむら「……私は、救いたかった…」
ほむら「…私は…弱すぎたの…」
>>116
訂正
まどか「避難所は…?」
まどか「みんなは…?」
まどか「…パパ…ママ…たっくんは…?」
ほむら「…」
まどか「…ねぇ…ほむらちゃん…」
ほむら「……私は、救いたかった…」
ほむら「…私は…弱すぎたの…」
訂正
まどか「避難所は…?」
まどか「みんなは…?」
まどか「…パパ…ママ…たっくんは…?」
ほむら「…」
まどか「…ねぇ…ほむらちゃん…」
ほむら「……私は、救いたかった…」
ほむら「…私は…弱すぎたの…」
ほむら「…私は…あなただけでも救いたかった…」
まどか「…」
まどか「………」
まどか「…………………………」
まどか「…」
まどか「………」
まどか「…………………………」
まどかは泣いていた。
力なくぺたりとへたりこんで。
声を上げることもなく。
瞳からはとめどなく涙を流して。
その瞳は、もうどこも見ていなかった。
何も映していなかった。
力なくぺたりとへたりこんで。
声を上げることもなく。
瞳からはとめどなく涙を流して。
その瞳は、もうどこも見ていなかった。
何も映していなかった。
私はまどかとは反対に声を上げて泣いた。
へたりこむまどかに後ろからしがみついて。
わんわんと子供のように大泣きした。
へたりこむまどかに後ろからしがみついて。
わんわんと子供のように大泣きした。
私はほんとは泣き虫で弱虫でそのくせ自分勝手で。
それでもまどかを助けたくって――。
――そんな言い訳じみた口上が喉元にこみ上げてくる。
慈悲を請うような。
赦しを願うような。
救いを求めるような。
それでもまどかを助けたくって――。
――そんな言い訳じみた口上が喉元にこみ上げてくる。
慈悲を請うような。
赦しを願うような。
救いを求めるような。
けれどそれらは口をついてでることはなく、代わりに言葉にならない泣き声と涙になって溢れ出る。
言えるわけがなかった。
許されていいわけがなかった。
それでも、慰めが欲しかった。
自己満足でも。
だからこの時は、確かにこの腕の中に、守りたかった温もりがあることを感じていたかった。
言えるわけがなかった。
許されていいわけがなかった。
それでも、慰めが欲しかった。
自己満足でも。
だからこの時は、確かにこの腕の中に、守りたかった温もりがあることを感じていたかった。
しばらく忘我のまま、恥も外聞もなく散々に泣き喚いた。
涙も枯れ果てた頃、漸う我にかえった。
まどかは、ただ静かに座っていた。
ほむら「…まどか?」
腕の中のまどかに小さく呼びかける。
涙も枯れ果てた頃、漸う我にかえった。
まどかは、ただ静かに座っていた。
ほむら「…まどか?」
腕の中のまどかに小さく呼びかける。
少し待っても、返事も、反応も無かった。
ほむら「…ねぇ…まどか…」
まどかの顔を見るのは怖かった。
きっと私を恨んでいる。
憎んでいる。
ほむら「…ねぇ…まどか…」
まどかの顔を見るのは怖かった。
きっと私を恨んでいる。
憎んでいる。
それでも、全ては私がしでかしたこと。
たとえまどかに嫌われることになっても、受け入れなければならない。
だから、目を逸らしちゃいけない。
なけなしの勇気を振り絞って、まどかの正面へ回る。
かがみこんで、まどかに相対する。
ほむら「…まどか…」
どんな裁断も、受け入れる。
たとえまどかに嫌われることになっても、受け入れなければならない。
だから、目を逸らしちゃいけない。
なけなしの勇気を振り絞って、まどかの正面へ回る。
かがみこんで、まどかに相対する。
ほむら「…まどか…」
どんな裁断も、受け入れる。
ほむら「…」
まどか「…」
――そして、私はまどかが失ったものに気づいた。
私がしたことを、悟った。
まどか「…」
――そして、私はまどかが失ったものに気づいた。
私がしたことを、悟った。
パリン、と小さく小気味いい音が響いた。
音のした方を見ると、左手に備えてある盾からだった。
よく見ると、埋め込んである砂時計が割れていた。
そこから砂が漏れ出して、嫌に澄んだ空気へと溶けていった。
音のした方を見ると、左手に備えてある盾からだった。
よく見ると、埋め込んである砂時計が割れていた。
そこから砂が漏れ出して、嫌に澄んだ空気へと溶けていった。
――少し、離れたかった。
見る影がなくなっても、まどかにとっての大事な思い出の地。
今では、失った悲しさを呼び起こさせるだけの偲ぶ草。
そんな場所にいたって、心が休まるはずがない。
そう思えたから。
私たちは、しばらく海沿いの別荘で静養することにした。
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見る影がなくなっても、まどかにとっての大事な思い出の地。
今では、失った悲しさを呼び起こさせるだけの偲ぶ草。
そんな場所にいたって、心が休まるはずがない。
そう思えたから。
私たちは、しばらく海沿いの別荘で静養することにした。
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ほむら「…うん、なかなかに上手くできたんじゃないかしら…」
今晩はシチューだ。
コーンとチーズ等をふんだんに使い、こくのあるまろやかな味わいになっていると思う。
きっとまどかも喜んでくれる…。
今晩はシチューだ。
コーンとチーズ等をふんだんに使い、こくのあるまろやかな味わいになっていると思う。
きっとまどかも喜んでくれる…。
ほむら「この鏡に向かって"お前は誰だ"って言い続けて」
まどか「うん!」
~~~~~~
まどか「・・・」
ほむら「計画通りまどかが自我を失った」
まどか「うん!」
~~~~~~
まどか「・・・」
ほむら「計画通りまどかが自我を失った」
コンコン
ほむら「まどか、入るね…」
返事はない。
いつものことで、もう慣れている。
ガチャッ
まどか「…」
ほむら「まどか、入るね…」
返事はない。
いつものことで、もう慣れている。
ガチャッ
まどか「…」
部屋は夕日が沈みきったあとの、独特のしっとりとした暗さで満たされている。
そんな中、まどかは何をするでもなく、ベッドの上で上体を起こして窓の外を見ていた。
確かにはじめこそは私もその景色に息を呑み、見蕩れたものだけど。
今ではすっかり見慣れてしまい、なんの感慨もない。
まどかは何を思い、外を見続けているのか。
私にはわからない。
そんな中、まどかは何をするでもなく、ベッドの上で上体を起こして窓の外を見ていた。
確かにはじめこそは私もその景色に息を呑み、見蕩れたものだけど。
今ではすっかり見慣れてしまい、なんの感慨もない。
まどかは何を思い、外を見続けているのか。
私にはわからない。
ほむら「…まどか、シチューを作ってみたの。冷めないうちに食べよ?」
まどか「…」
まどかは、答えない。
―――
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まどか「…」
まどかは、答えない。
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部屋は枕元にある小さなテーブルランプで優しい光に満たされている。
ほむら「…こぼさないようにね」
ベッドの近くにある椅子を引き寄せて、まどかと一緒に食事をとる。
まどか「…」
ほむら「…まだ少し熱いかもしれないから気をつけて…」
まどか「…」
ほむら「…こぼさないようにね」
ベッドの近くにある椅子を引き寄せて、まどかと一緒に食事をとる。
まどか「…」
ほむら「…まだ少し熱いかもしれないから気をつけて…」
まどか「…」
まどかはゆったりとした動きで、スプーンでシチューを掬い、もくもくと小さな口へと運んでいく。
――この暮らしをはじめた当初。
最初こそは全く口をつけてくれないもので、本当に困り果てていたのだけれど。
毎日の呼びかけ、献身が功をそうしたのだろうか。それも徐々に改善されていった。
何はともあれ嬉しい変化だった。
――この暮らしをはじめた当初。
最初こそは全く口をつけてくれないもので、本当に困り果てていたのだけれど。
毎日の呼びかけ、献身が功をそうしたのだろうか。それも徐々に改善されていった。
何はともあれ嬉しい変化だった。
まどか「…」
ほむら「…」
ちょっと前までは私が食べさせていたのだけれど、今ではちゃんと自分でスプーンを持って食べてくれている。
ほむら「…」
厚着してても肌寒く感じるようになった今日この頃。
冷えた体を芯まで温めてくれるシチューは、格別においしく思えた。
ほむら「…」
ちょっと前までは私が食べさせていたのだけれど、今ではちゃんと自分でスプーンを持って食べてくれている。
ほむら「…」
厚着してても肌寒く感じるようになった今日この頃。
冷えた体を芯まで温めてくれるシチューは、格別においしく思えた。
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