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    元スレ勇者「魔王を倒しに行こうぜ」

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    52 = 1 :

    リザ娘「数年ぶりのお湯は身に沁みるな」サッパリ

    戦士「っぶう!」

    勇者「ちょ、もうちょっとちゃんと着てくれ! 目のやり場に困る!」

    リザ娘「お前達、本当にあたし達の事を……」

    リザ娘「そーらそーぅら」ペロン

    戦士「止めて! 嬉しいけど男として恥を晒す事になる!」

    勇者「服を捲り上げるな! 貞節をもってくれぇ!」

    ハピ娘「今までの反動かリザ娘さんが壊れましたわ」

    ゴレ娘「勇者戦士ー」ペロン

    ハピ娘「ゴレ娘さんさえ?!」

    53 = 1 :

    戦士「俺らも男だから……頼むからそういう挑発は止めてくれ」ガッシ

    勇者「しかもこっちが暴発したら、確実に返り討ちにあって轟沈するし」ガッシ

    リザ娘「ほんの冗談じゃないか」

    勇者「目が本気だったように見えたんだが!」

    戦士「あれで冗談な訳がない」

    リザ娘「……そ、そりゃあ、あたしだって嬉しいし」ボソボソ

    ハピ娘「……」ニヤニヤ

    リザ娘「そこの手羽先喧嘩売ってるのか?」

    ハピ娘「別に何でもありませんわよぉ?」ニヤニヤ

    54 = 1 :

    戦士(思ったんだが俺達って既に好感度高くね?)ヒソヒソ

    勇者(友達、仲間……そんなレベルだろうけどなぁ)ヒソ

    リザ娘「何を二人で話しているんだ?」

    戦士「いやーははは。これからどうするかって話さ」

    ハピ娘「それこそお二人だけで話されていても困りますわ」

    リザ娘「全くだな」

    戦士「は、はは……」

    勇者「まー正直に話すと何気に三人から信頼されてるんじゃないか、って話をしていたんだ」

    戦士(こいつ飄々とこういう言い方するから油断ならねえんだよなぁ)

    55 = 1 :

    ハピ娘「そういう事でしたか」

    ゴレ娘「ハピ娘ちゃん出たよー。何の話?」ホカホカ

    リザ娘「あたし達が勇者達を信頼しているって話だ」

    ゴレ娘「ん~……逆」

    勇者「え?」

    ゴレ娘「勇者達があたし達を信頼してくれた。だからあたし達も信頼する」

    戦士「……」ポカーン

    リザ娘「一応言っておくが、言動はあれだがしっかりと考えている子だからな」

    56 = 1 :

    ハピ娘「後は殿方だけですわ」シットリ

    戦士「……」ゴクリ

    勇者「なまじっかスタイルが良い分、存在自体が危険だ」

    ハピ娘「き、危険!?」

    リザ娘「あたし達にはそこまで魅力が無いという事か……」

    ゴレ娘「む~」

    勇者「魅力と言っても一概には言えないんだよ」

    戦士「リザ娘達はリザ娘達の良さがあるんだよなぁ……」ジー

    リザ娘「戦士……目が本気だから向こうを向いていてくれないか?」

    57 = 1 :

    戦士「いやー良い湯だった。色んな意味で」

    勇者「全くだな」ガサガサ

    ハピ娘「でも貴方方は普段から利用されているのでしょう」

    戦士「そういう言い方は止めて欲しいんだがなぁ……」

    リザ娘「流石に意地が悪いな」

    ゴレ娘「ハピ娘ちゃんお上品なのに卑しい」

    戦士「えーショックだわー」

    ハピ娘「そ、そんな事はないですわよ?」

    58 = 1 :

    戦士「てか勇者は何を見ているんだ?」

    勇者「地図だ。折角だしどっか温泉とか寄ろうかと思ってさ」

    戦士「もう旅行気分だな……お前」

    ハピ娘「温泉!」

    リザ娘「それは楽しみだが……流石にあたし達は入れないんじゃないのか?」

    ゴレ娘「この体……」

    戦士「どうにかなっちゃうのが勇者特権なんだよなぁ」

    ハピ娘「それを享受する側とは言え、本当に腐っていますわね」

    59 = 1 :

    リザ娘「勇者は風呂が好きなのか?」

    勇者「普通かなー?」

    ゴレ娘「なんで温泉?」

    勇者「できれば三人にも楽しんでもらいたいな、と思ってさ」

    リザ娘「気を使わせてしまってすまないな……」

    勇者「いや、君らが喜んでくれるなら俺らも嬉しいよ」

    ゴレ娘「勇者格好良い」

    戦士(不味い! 勇者ばかり株が上がっていく予感)ハッ

    60 = 1 :

    ゴレ娘「……こうして他の人と一緒に眠るの久しぶり」

    ハピ娘「しかもそれが殿方というのも、私達には思いもしない事でしたわ」

    戦士「正直俺、緊張しているんだけど皆普通すぎじゃないか?」

    リザ娘「いくら男二人がかりとは言え、こっちは三人。一対一ならゴレ娘とあたしなら負ける要素もないし」ゴロリ

    勇者「根本的な感覚が違うんだよなー」

    ゴレ娘「そうかな?」

    リザ娘「緊張……そうだな、明日が楽しみという意味では緊張しているな」

    戦士「ワクワク的な?」

    ハピ娘「そうですわね……こんな人間だらけの所で過ごす事が一時でもあるとは思いもしませんでしたわ」

    61 = 1 :

    勇者「さて、そろそろ出発するか」

    ゴレ娘「朝ごはんも美味しかった」ウットリ

    リザ娘「次の町まではどれくらいかかりそうなんだ?」

    勇者「えーとだな、現在地がここで次の町がここだ」ガサ

    戦士「確か丸三日くらいか?」

    リザ娘「どれどれ」

    勇者「そこからギルドがある町まで五日だから……大目に見て九」

    ハピ娘「この距離なら七日で着きそうですわね」

    ゴレ娘「補給しなくてもいけそう」

    戦士「……え?」

    63 = 1 :

    *勇者と戦士の筋力と耐久が上がった*

    勇戦「……」

    リザ娘「でかいな……こんな所、近寄りもしなかったからな」

    ハピ娘「よくもまあ人間はこんな雑踏で暮らせます事」

    リザ娘「二人ともどうした?」

    勇者「君達がいかにハードな生活だったか思い知った……」

    ゴレ娘「あたしも疲れたよ?」ノビー

    戦士「そうは見えない」

    64 = 1 :

    勇者「先にギルドに行こうか。正式なメンバーになっていれば、はぐれても問題ないし」

    リザ娘「どういう事だ?」

    戦士「この魔石の首飾りを見てくれ」

    ハピ娘「青い魔石ですわね」

    勇者「これを勇者並びにその仲間専用の装備として支給されるんだが、戦士のは戦士以外が持つと魔石が赤くなる」

    勇者「本来の持ち主であるかどうかが判別できるようにしてあるんだ」

    戦士「で、これをギルドに持って行って照会すると、どの勇者の仲間かを確認できるんだ」

    ゴレ娘「あたし達が青い魔石を持っていると、孤立してても手が出せない?」

    戦士「勇者の仲間の証だからな」

    65 = 1 :

    「え、えっと……」

    勇者「彼女達は優秀な仲間だ。正式にメンバーとして迎え入れたい」

    勇者「確か……勇者の了解されあれば、如何なる者も正式登録が行える、はずだったよな?」ギロ

    「あ、は、はい……ではこちらの書類に必要事項を記入して下さい」

    「こちらが書けましたらあちらの部屋へ向かって下さい。あちらで個々の魔力を魔石に込めて登録を行います」


    リザ娘「へー綺麗なもんだな」

    ハピ娘「しかしこれが男女兼用ですか」

    ゴレ娘「首飾りー」キラッ

    66 = 1 :

    宿屋
    リザ娘「そういえば勇者は何処へ?」

    戦士「大きい町だから依頼が無いかを見に行ったよ」

    ハピ娘「討伐、でしたか?」

    勇者「ただいまー」

    ゴレ娘「おかえりー」

    戦士「どうだったよ?」

    勇者「極秘の依頼があった」

    戦士「なにそれ怖い」

    67 = 1 :

    勇者「国のお偉いさんと勇者のみが使って良い施設がある」

    戦士「ああ、あれか」

    リザ娘「施設……それが襲撃されているとかか?」

    勇者「似たようなものかな。それは様々な地域を繋ぐ……テレポートができるような所なんだ」

    勇者「一度使うと半月ほどは使えなくなり、大気中に含まれる魔力を吸収し、蓄えきると再び使えるようになる」

    戦士「緊急時の移動にも使われる為、公にはされていないんだよな」

    勇者「そこに今魔物が集まっているらしいが、近くに他の勇者がいないからな」

    ハピ娘「なるほど……」

    68 :

    素晴らしきかなモン娘スレ

    69 = 1 :

    勇者「真面目に依頼をこなす勇者もあまり多くないが、これはかなり報酬がいいからな」

    勇者「他に知れたらこぞって討伐に当たるだろう。やるなら明日だ」

    ゴレ娘「腕試しー腕試しー」ブンブン

    リザ娘「敵勢力はどの程度とされているんだ?」

    勇者「野良魔物って事だが、状況が状況だから中堅クラスが指揮している可能性が高いって」

    勇者「野良も数が多いから危険度はそこそこにされているな」

    ハピ娘「雑魚如きいくら群れようと私の魔法で一蹴して差し上げますわ」

    勇者「だろうと思って依頼を受けておいた」

    70 :

    風呂上がりに良いものを見つけてしまった

    71 :

    リザ娘がよさそう

    72 = 1 :

    勇者「あれが例の施設、祠だ」

    戦士「旧時代のものだっけか?」

    リザ娘「祠……ああ、そういえば聞いた事があるな」

    ハピ娘「世界各地を繋ぐ祠とは聞いた事がありましたが、こんな所にある物だとは……」

    ゴレ娘「敵いっぱい」

    戦士「こっからでもよぉく見えるな」

    勇者「距離2分の1マイル、敵構成……獣型大多数、犬鳥を確認」

    勇者「ゴブリンの編隊確認、数10以上。オークソルジャー3、オークナイト1確認」

    リザ娘「え?」

    戦士「すげー大編成だな」

    73 = 1 :

    ハピ娘「ゆ、勇者さん?」

    戦士「こいつ斥候の訓練も受けてたんだよ」

    勇者「やっぱり数が多いなぁ」

    リザ娘「どう立ち向かう?」

    勇者「ハピ娘の魔法による砲撃後、前衛部隊で突入しよう」

    戦士「普通だな」

    勇者「いや……戦法らしい戦法は今回が初めてな気が……」

    リザ娘「あたしが先陣で撃破」

    ゴレ娘「あたしがどーん」ムン

    戦士「だなぁ……」

    74 :

    全然伸びてないけどそんなにまとめに載りたいの?>>1

    75 = 1 :

    勇者「何時も通り陣形! 行くぞ!」

    陣形
      勇 リ
    戦     ゴ
        ハ

    戦士「本当に何時も通りだ……」

    リザ娘「スタンダードに戦えるからな」

    ハピ娘「跪き命乞いをしなさい!」キィィィン

    77 = 1 :

    ドンッ ドドンッ
    勇者「ハピ娘の迫撃砲開始、全員突撃!」スラァン

    ハピ娘「落石魔法の次は爆炎魔法ですわ!」キィィン

    戦士「おっしゃあ! 切り込むぜ!」バッ

    リザ娘「……」スラァン

    ゴレ娘「ゴーゴー」ブンブン

    78 = 1 :

    *魔物の群れを殲滅した!*

    戦士「で、これが祠か」

    勇者「魔力が感じられない……こいつらまさか、祠を使ってここに来たのか?」

    ハピ娘「だとすれば、ここから繋がる所は……」

    リザ娘「……どうする? 復興に対する救援は国がすべき事ではないか?」

    ゴレ娘「報酬は?」

    勇者「リーダーとなる勇者の魔石に記録されているから、誰かにでっち上げられて横取りされる事はないよ」

    勇者「……うーん、救援準備にも時間がかかるし、国ならこの先が何処に繋がっているかも把握しているだろうし」

    勇者「復旧次第、俺らが先に行って様子を調べてみるか」

    勇者「もしかしたら、まだ魔物がいて近隣の町が占拠されているかもしれないし」

    80 = 1 :

    勇者「……」キィィン

    ハピ娘「……」キィィィン

    戦士「誰か来た時の為の書置きは済んだぞ。出発は明日か?」

    勇者「今から向かって野営場所が無かったら困るしな。魔力補填もそろそろ止めておくか」

    ハピ娘「いきなり起動するものかしら?」

    勇者「復旧直後は一時的に向こうと繋がるらしい。その場に居合わせると強制転移だ」

    リザ娘「後どのくらいで魔力の充填は完了しそうなんだ?」

    ハピ娘「そうですわねぇ……2,3時間といったところ」ィィィィン

    ゴレ娘「あ、魔」ヒュン

    81 :

    面白いよ

    82 = 1 :

    ゴレ娘「力凄いあふれてる」ヒュン

    勇者「……」ダラダラ

    ハピ娘「……」ダラダラ

    戦士「状況報告」

    勇ハ「転移された」

    リザ娘「と、というか……ここは何処だ……なんだこの寒さは」ガタガタ

    勇者「勇者も利用を可としてはいたが、ある程度の魔物の撃破数や討伐数が無いと信頼が低く」ブルル

    勇者「何処がどう繋がっているかは教えてもらえないんだ」

    戦士「……やばい凍える」ガタガタ

    ゴレ娘「どうするの?」

    勇者「ここにいても凍える。外に出て町を探そう」

    84 = 1 :

    ビュオオォォォ
    戦士「なんだこの猛吹雪……」

    勇者「くそ……どこら辺だ」

    ハピ娘「こ、これって……まさか」

    リザ娘「数時間の内に吹雪を凌げる場所が確保できなければ死ぬかもな」

    ゴレ娘「祠に篭城?」

    リザ娘「……この状況で祠にいても明日まで生きていられる保証は無いだろうな」

    86 = 1 :

    勇者「駄目だ……現在地が分からない」

    戦士「ど、どうするんだ……本当に祠で凌ぐのか?」

    ゴレ娘「よいしょよいしょ」バッサバッサ

    勇者「どんなに速くても救助は二週間後……この吹雪、すぐに止むとは思えない」

    ハピ娘「いくら私でもあの祠を一晩中暖かくするには戦闘での消耗が激しすぎますわよ!」

    リザ娘「しかし闇雲に町を探すのも……」

    戦士「空を飛んで明かりを探したりとか」

    ハピ娘「こんな吹雪の中飛ぶ鳥さえもいませんわよ! 地面に叩きつけられて終わりですわ!」

    87 = 62 :

    ロンダルキア思い出した

    88 = 1 :

    ゴレ娘「よいしょよいしょ」モソモソ

    勇者「なんで雪なんか掘っているんだ……」

    リザ娘「その手があったか!」

    戦士「え? なに? かまくらでも作るのか?」

    ゴレ娘「土見えた」ピト

    ハピ娘「ゴーレム種は皆そうなのか……ゴレ娘さんは大地の声、というよりも地脈を通して情報を得る事ができるそうです」

    戦士「おお、マジか!」

    ゴレ娘「……あっちに人が住んでるっぽい」ピッ

    リザ娘「い、急ごう」ガタガタガタ

    勇者「なんとかもってくれればいいんだが……」

    89 = 1 :

    戦士「お……見えてきたぞ」ザッザッ

    勇者「灯り一つついていない?」ザッザッ

    リザ娘「まさか廃墟……」

    ハピ娘「いえ……あれは窓に板を打ち付けているようですわ」

    ゴレ娘「吹雪なのに?」

    勇者「宿屋あるといいんだが……」

    戦士「あの大き目のじゃね?」

    勇者「戦士でかした!」

    90 = 1 :

    『……どちら様でしょう?』

    勇者「この雪で困っている。五人いるのだが宿を頼めないだろうか?」

    『……すみませんがその人数となると。この先に大きなお屋敷がありますので、そちらを訪ねられてはいかがでしょうか?』

    勇者「分かりました。ありがとうございます」

    『もしそちらも駄目でしたら向かいの家とこちらで、分散してお泊めしますのでまたお立ち寄り下さい』

    勇者「? 感謝します」

    戦士「勇者である事、何で言わないんだ?」

    勇者「流石に状況がな……それにしても今のどういう意味だろう」

    ハピ娘「な、何でもいいから早く」ガタガタガタ

    リザ娘「一層冷えて……このままでは町中で死ぬぞ」

    ゴレ娘「……」ガクガクガタガタ

    91 = 1 :

    『どちら様でしょうか?』

    勇者「この雪で困っている。宿屋らしき所に訪ねた所、こちらに訪ねてくれと言われたんだ」

    勇者「五人ほどいるのだが泊めては貰えないだろうか?」

    『主に確認を取ります。今扉を開けますので』

    戦士「た、助かった?」ブルル

    勇者「もしも開いたら素早く入るんだ」

    ハピ娘「わわ分かっているわよ」ガタガタガタ

    リザ娘「ゴレ娘、あと少しだから」ガタガタ

    ゴレ娘「ふぁぁ……」ガタガタガタガタ

    93 = 1 :

    バタン
    勇者「ふう……」

    メイドA「こちらでしばらく……」

    ゴレ娘「ぁぁぅぅ」ガタガタ

    リザ娘「……ふぅ」ブルブル

    ハピ娘「ぅぅ……」ガタガタ

    勇者「申し送れました。自分を勇者をしている者で、この者達は仲間です」

    メイドB「……Aは早くご主人様の所へ」

    メイドA「は、はい」パタタタ

    勇者(駄目かなー……)ブルル

    94 = 1 :

    メイドA「どうぞこちらへ」ガチャ

    勇者「随分と大きな扉ですね……」

    メイド達「!」ザワ

    勇者(大きい部屋にメイドがたくさん……それにやたらと荷物があるしこれは)

    戦士「悪いが彼女達を暖炉の傍に行かせてやってくれないか?」

    メイドA「そこ、もう少し詰めて」

    「君達が勇者一向かね?」

    勇者「はい、この度は泊めさせて頂く許可を下さり、真にありがとうございます」

    勇者「しかしこれは一体……」

    「とにかく君達もこの毛布に包まりなさい。客人に熱い飲み物を」

    97 = 1 :

    ゴレ娘「ぅぅぅ沁みるぅ」ガタガタ

    リザ娘「今まで幾度と無く火の有り難味を感じたが、今日ほど有り難く感じた事は無いな」ブルル

    ハピ娘「涙が出る暖かさですわ」

    メイド達「」ヒソヒソ


    「君達も何と言う時期に来てしまったのやら」フゥ

    勇者「色々と事故がありまして……」

    「何処かの国王直下の魔術士にでも転移魔法を頼んだのかね?」

    戦士「そういう訳じゃないが……似た様なもんだ」

    98 = 1 :

    「それでは知らないのも無理はないな。この地域は『氷龍の渡り』というのがあってな」

    「年に一度、必ず猛吹雪が続くのだよ。実際に龍がいる訳ではないが一年毎に強弱があって」

    「それがこの地に帰ってくる、この地を出て行くというのもあってそう言われているのだよ」

    勇者「まさか今年は戻ってくる……」

    「その通りだ」

    戦士「大災害だな……」

    「ここらの家は何処もこういった大きな部屋を持ち、寝る時以外は集団生活をするのだよ」

    勇者「そういえば火らしきものは……あれは魔石?」

    「煙突は使えないからね。どうしても火炎系の魔法を溜め込んだ魔石を代用する他無いのさ」

    100 = 1 :

    勇者「あの……俺達本当に居ていいのですか?」

    「ここは大きいからね。緊急用に食糧の備蓄も多くしているから気にする事は無い」

    「何よりここで放り出すという事は死ねと言っているものだからね」

    戦士「……本当に助かります。色んな意味で」

    「はっはっ、こちらとしても退屈な一週間、他所の国の話を聞いて潰せると思えば安いものだ」

    ゴレ娘「勇者ー」モソモソ ギュゥ

    勇者「おっと、もう大丈夫か?」

    ゴレ娘「うん、暖かい?」ヌクヌク

    勇者「ああ、暖かいよ。ありがとう」ナデナデ


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