元スレ勇者「魔王城の門番が強すぎる」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
1 :
<魔王城周辺>
勇者「あれが魔王城か……」
勇者(ついにここまでたどり着いた……)
勇者(あとは、魔王城に乗り込み、この手で魔王を倒し、姫を取り戻せば──)
勇者(世界に平和が戻る!)
勇者(世界が平和になったら、もしかしたら俺は不要とされるかもしれない)
勇者(だけど、そんなことはどうでもいい!)
勇者(俺は絶対に魔王を倒す!)
勇者(行くぞ、魔王!)ダダダッ
2 :
魔王より魔王のとこ行くまでが辛すぎる
3 = 1 :
<魔王城城門>
勇者(む……門番が二匹いる!)
勇者(おそらく、どちらも上級魔族……あなどれない相手だ)
勇者(だが、たかが門番に苦戦していては、打倒魔王など夢のまた夢だ!)
勇者(魔法や必殺技、それに貴重な消耗品は温存して戦うことにしよう!)
勇者「オイ、お前たち! この門を通してもらおうか!」
門番A「あァ? なんだテメェは!?」
門番B「ケケケ、ここはニンゲンがくる場所じゃないぜェ~?」
勇者「俺は勇者だ!」
門番A&B「!」
4 :
まあ玄関守ってるわけだし
セコムが強いのはしょうがない
5 :
>>6
赤いタイツ履いてる門番か
6 = 1 :
門番A「だったら、なおさら通すワケにはいかねえな! 本気できやがれ!」
門番B「ケケケ、ズタボロにしてやるぜェ~」
勇者「悪いが……お前たち相手に本気を出すつもりも、ズタボロにされるつもりもない」
勇者「魔法やアイテムなど、使うまでもない!」
勇者「剣だけで十分だ!」
門番A「ンだと、コラァッ!」
門番B「オイラたちをナメんなよォ~?」
勇者「来いッ!」チャキッ
ザシュッ!
ゆうしゃはズタボロになった!
勇者(魔法や……アイテムを……使うヒマもなかった……)ガクッ
7 = 1 :
<魔王城城門>
門番A「しりとりでもやらねえか」
門番B「いいぜェ~?」
門番A「しりとり」
門番B「リール」
門番A「ループ」
門番B「プール」
門番A「ルンバ」
門番B「バール」
門番A「ルーペ」
門番B「ペンシル」
門番A「ルアー」
門番B「アヒル」
門番A「テメェ、いい加減にしろや!」
門番B「ハイ、お前の負けェ~」
8 = 1 :
門番A「ンだと!?」
門番B「だって『アヒル』で『る』なのに、『テメェ』っていったじゃんか」
門番A「テメェ……!」
門番B「あ、またいった」
勇者「オイ! お前たち!」
門番A「あァ? ……なんだ勇者か」
門番B「ケケケ、またやられに来たのかァ~?」
勇者「この間は技や魔法を温存しすぎて、敗れた……」
勇者「今日は全力でいかせてもらう!」キッ
門番B「おもしれェ~」
9 :
ルールがあるから安直なる攻めはしてはいけない
10 = 1 :
門番A「フン、城の中にゃ入れさせねーよ!」
門番B「ケケケ、血みどろにしてやるぜェ~」
勇者(温存していた薬品系の道具を飲んで、身体能力をアップ!)グビグビ…
勇者「はああああっ!」シャキンッ
勇者「さらに、魔法を剣にまとわせ──」ボワァァッ
勇者「いくぞ!」ダッ
ズバシュッ!
ゆうしゃはちみどろになった!
勇者(ど、どういうこと、やねん……)ガクッ
11 = 5 :
関西弁www
12 :
アルソック体操の兄貴か
13 = 1 :
<魔王城城門>
門番A「なぁなぁ」
門番A「面白いジョーク仕入れたから、聞かせてやるよ」
門番B「お、聞かせて」
門番A「あるゴーレムが、ダイエットしたいと思ったんだってよ」
門番B「うん」
門番A「でもゴーレムって石でできてるから、痩せられないだろ?」
門番B「うんうん」
門番A「だからさ──」
門番A「『軽石で作り直してくれ』って、自分を作った魔術師に頼んだんだってよ!」
門番B「ケ~ッケッケッケッケ!」
門番A「な、面白いだろ!」
門番B「ケッケッケッケッケッケッケッケッケッケ……!」パンパンッ
14 = 1 :
門番B「いやァ~久々に大笑いしたよ」
門番A「こんな仕事じゃ、なかなか笑うことなんてねえもんな」
勇者「オイ、お前たち!」
門番A「ん、勇者か。また来やがったのか」
門番B「ケケケ、懲りないヤロウだァ~」
勇者「悪いが、お前たちは笑えなくなる」
勇者「二度とな!」チャキッ
門番A「お、剣や防具が少し変わってるな」
門番B「ケケケ、イメチェンかァ~?」
勇者「俺は二度の敗北を経て、自分の戦い方を反省した……」
15 = 1 :
勇者「これまでの俺は強い装備品や技、魔法に頼るという」
勇者「攻撃力や防御力だけを重視した、力押しの戦法にこだわっていた……」
勇者「そして、それでここまでは勝ち抜いてこれた……」
勇者「だが、それでは魔王やお前たちには通用しないと分かった……」
勇者「だから、戦略や戦術というものを一から学び直してきた!」
勇者「この装備は俺が考え抜いた、お前たちと戦う上で最適な装備だ!」
勇者「さらに、お前たちが天敵とする戦法をもって、挑む!」チャキッ
門番A「フン……今までとは目つきがちがうな」
門番B「ケケケ、そうこなくっちゃなァ」
16 :
あっこれやられますわ
17 = 1 :
勇者(この門番二匹がなぜここまで厄介なのか──)
勇者(それはコンビネーションにある!)
勇者(阿吽の呼吸から生み出されるコンビネーションこそが)
勇者(コイツらの強さの秘密!)
勇者(だから、コイツらが協力技や合体技を使えないような位置取りで戦えば)
勇者(勝率はぐんと上がる!)
勇者「勝負!」チャキッ
ズバッ!
ゆうしゃのからだがそらにまいあがった!
勇者「ぐげえっ……!?」ドサッ
18 = 1 :
勇者「な、なんで……!?」ピクピク…
勇者「俺の装備も戦略も……完璧だったはずなのに……」ピクピク…
門番A「だってさ──」
門番A「オメェ、弱いんだもん」
勇者「!」
門番B「ケケケ、コイツのいうとおり」
門番B「たしかに装備とか戦略とかはいいセンいってたと思うぜェ~?」
門番B「必殺技や魔法だって、いいモン持ってる」
門番B「でも、肝心のお前自身が弱くっちゃ、な」
勇者「そうか……そういうことだったのか……」
19 = 1 :
勇者「決めたよ……二人とも」
勇者「俺、一から鍛え直してくるよ」
勇者「もし、俺が技や装備に頼らなくてもいいぐらい、真に強くなれたら──」
勇者「また相手してくれるか?」
門番A「おう、もちろんだ!」
門番B「ケケケ、さっさと行けや」
門番B「勇者とだべってるとこなんて見られたら、減給されちまうもんな」
勇者「……ありがとう」
勇者「俺、必ず強くなって戻ってくるよ!」
門番A「じゃあな~!」
門番B「頑張れェ~!」
20 :
なに和気藹々としてんだw
21 :
あら楽しそう
22 :
いい奴らじゃないか
23 = 1 :
勇者(一から……いや!)
勇者(ゼロから──鍛え直すんだ!)
<剣豪の家>
剣豪「どうした!? おめえ、魔王討伐に出かけたんじゃ──」
勇者「師匠、俺を鍛え直してくれ!」
勇者「基本からやり直したいんだ! たとえ遠回りになっても!」
<魔術師の館>
魔術師「ふむ……魔法の修業をやり直したい、というのだね?」
勇者「ああ……このままでは魔王には通用しないと分かった!」
勇者「俺は呪文に使われるのでなく、呪文を使う戦士になる!」
24 :
いやトドメをさせよ門番
25 :
剣豪と魔術師ついてこいよ
26 :
「俺の仕事は、勇者を殺すことじゃなくてここを守ることだから」って感じなイケメンなんだと勝手に脳内解釈
27 = 1 :
<田舎の村>
村人「勇者様に野良仕事を手伝ってもらうなんて、悪いべよ~」
勇者「いや、いいんです」ドスンッ
勇者「体を鍛えるには、こういう仕事をこなすのが一番ですから!」
<怪物谷>
ザンッ! ザシュッ! ズシャッ! ザンッ! ズバッ!
勇者「ハァ……ハァ……ついにやったぞ」
旅人「あの怪物は無限に湧き出るものと思っていたのに、まさか有限だったとは!」
<雪山>
勇者(雪山を半裸で踏破し、体力と精神を極限まで鍛え抜く!)
勇者「心頭滅却すれば、氷もまた熱しッ!」ザクッザクッ
登山家「すげぇ……。あの人の周辺だけ……あまりの熱気で雪が溶けてる……」ゴクッ…
28 = 16 :
>>26
かっこよすぎるだろ
29 :
勇者も十分人間やめてますわ
30 = 1 :
ついに──
<地獄>
ザシュッ!
地獄王「ぐわあああっ……!」
地獄王「まったく、恐ろしいヤツよ」
地獄王「我が宿敵である魔王が死なない限り解けぬ結界を、強引に解き──」
地獄王「地獄に侵入し、余に挑みかかり、しかも余を打ち負かすとはな……」
勇者「どうだ? 俺は強いか?」
地獄王「勝利した相手にそれを問うとは……おぬしこそ真の求道者よ」
地獄王「おぬしは強い」
地獄王「今のおぬしであれば、まちがいなく魔王にも勝てるであろう」
勇者「ありがとう、地獄の王」
31 = 16 :
どこまで負けフラグをたてるのか…
32 :
勇者って殺しても何度でも復活してまた攻めてくるから
魔王側としては鬱陶しいことこの上ないだろうな
33 = 22 :
相当レベル上げたな
35 = 1 :
勇者(あの三度の敗北から、色々なことがあった……)
勇者(修業をやり直し、心身を鍛え上げ──)
勇者(立ち寄っていなかった場所に巣食っていた魔物も倒してきた)
勇者(そしてついに、魔王と同格ともいわれる地獄王に負けを認めさせた)
勇者(しかし、心は決して満たされることはない)
勇者(それどころか、進めば進むほど目的地が遠ざかるような……そんな感覚だ)
勇者(だれに勝った、だれに負けた、などというのは些細なことに過ぎない)
勇者(きっと“真の強さ”とは、こういう境地のことを指すのだろう)
勇者(さぁ、行こう)
勇者(今こそ魔王を倒しに!)ザンッ
36 = 22 :
武道家だな
37 :
魔王よか門番さんのが強いんだろ
38 = 1 :
<魔王城城門>
門番A「ピザって十回いってみろ」
門番B「ピザピザピザピザピザピザピザピザピザ」
門番A「じゃあ、ここは?」スッ
門番B「ヒジ」
門番A「くっそ、なんで引っかからねえんだよ!」
門番B「甘いぜェ~」
門番B「しかもオイラ、ピザって九回しかいってねえしさ。ちゃんと聞いとけよな?」
門番A「あっ、マジかよ! インチキしやがって!」
門番B「ケケケ、ざまあねえなァ~」
39 = 1 :
勇者「オイ、お前たち!」
門番A「!」
勇者「久しぶりだな」
門番A「テメェはたしか──」
門番B「勇者、か? ずいぶん雰囲気が変わったなァ……一瞬分かんなかった」
勇者「あれから鍛え直したからな……」
勇者「さあ、今度こそ門を通してもらうぞ!」
門番A「そうはいくかってんだ!」
門番B「ケケケ、門番ってのは門を守るのが仕事だからなァ~」
41 = 1 :
門番A「かかってきやがれ!」
門番B「ケケケ、楽しませてくれよォ~?」
勇者(勝ち負けは考えない)
勇者(この先に控える魔王や、捕らわれの姫のことも、今は忘れよう)
勇者(ただ、己の剣を全力で振るうことだけ考えろ)
勇者(まっすぐに──前進あるのみ!)ダダダッ
ズバシュッ!
ゆうしゃのからだがまっすぐふっとんだ!
勇者「…………」ピクピク…
勇者「な……」
勇者「なんでだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
42 = 16 :
知ってた
43 = 29 :
だよね
44 = 22 :
森崎君だったのか
45 = 1 :
勇者「なんで……ねぇ、なんで!?」
勇者「俺は剣の修業をやり直して、魔法の勉強もやり直して」
勇者「野良仕事で体を鍛えて、怪物谷の無限モンスター地帯も制覇して」
勇者「極寒の雪山に負けない熱い心を身につけて」
勇者「地獄への道をこの手で開いて、魔王と同格である地獄王をも屈服させた!」
勇者「なのに、なんで勝てないんだよぉぉぉぉぉっ!!!」
勇者「なんでお前ら、そんなに強いんだよぉぉぉぉぉっ!!!」
門番A「…………」
門番B「…………」
門番A「……なんでっていわれてもなぁ」
門番B「ねぇ?」
47 = 1 :
門番A「まぁ、俺たちは二人とも上級魔族だし、生まれつき強いしな」
門番B「そだなァ」
勇者「いや、それだけじゃないはずだ!」
勇者「上級魔族ならお前たちに初めて挑む段階で、すでに何体も倒していた!」
勇者「魔王軍幹部である、お前たちより格上の最上級魔族でさえ倒してきた!」
勇者「上級魔族だからってのは一因にはなりえるが、主因にはならない!」
門番A「……だとよ」
門番B「う~ん」
門番B「あと心当たりがあるとするなら、魔王城の門番ってすげぇ倍率高くてさ」
門番B「募集二名に対して千名近く集まって」
門番B「その中でやっと勝ち抜いて選ばれたから、それで強くなれたのかもな?」
勇者「募集……? 勝ち抜く……?」
48 = 22 :
ほう
49 :
蠱毒かよ
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