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    元スレ勇者「魔王を倒しに行こうぜ」

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    1 :

    戦士「なにお前、本当に勇者になれたのか!」

    勇者「ああ、まさか勇者試験合格するとは俺でも驚いたよ」

    勇者「これで勇者特権も思いのままだし、魔王も倒せば……」ゴクリ

    勇者「って訳でお前も行こうぜ」

    戦士「いいのか?! 悪いなー俺も勇者特権の甘い汁を啜らせて貰うぜ」

    勇者「どうせ本気で魔王を倒す事を考えている奴なんていないだろうし」

    勇者「のんびりやっていこうぜ!」

    2 :

    試験なんてあったのか!ゴクリ...

    3 = 1 :

    戦士「だけど俺もお前も旅なんてしたことないだろ? 大丈夫か?」

    勇者「まあ適当に装備揃えていけば大丈夫だろう」

    戦士「それもそうか」

    勇者「とっとと準備して出発しようか」


    勇戦(飢餓)「」

    「……」

    「……」ヒョイヒョイ

    「……」ノッシノッシ

    4 = 2 :

    緊張感のない旅だ!ゴクリ...

    5 = 1 :

    「そっちの成果は……おい、何だそれは」

    「倒れてた」

    「そうじゃない。人間じゃないか。そんなものを拾って来るな馬鹿!」

    「しっかりとした鎧、助けたら少し位あたし達も助けてくれそう」

    「行き倒れてたんだろ?! 金なんかないだろうし、無意味な期待をしてるんじゃない!」

    「ったく、こっちだって分けるような蓄えないんだぞ」

    6 = 2 :

    女がいる!?ゴクリ...

    7 = 1 :

    「あら、劣等種のお二人は帰りがお早いですわね」

    「よう落ちこぼれ」

    「おかえり、出戻り」

    「うるさいですわね! なによ貴女達のそれは! 遂に人食いに身を落とすの?!」

    「そんなわけないだろう。ていうかお前がうるさいよ」

    戦士「うぅう」

    戦士「……こ、ここ、は」

    8 = 2 :

    なんだ!?話がわからないぞ!ゴクリ...

    9 = 1 :

    ゴーレム娘「気付いた?」ノソリ

    戦士「! ば、化け物、ゆ、勇者!」バンバン

    勇者「うぐ……生きて? うおお!」

    リザードマン娘「だからあたしは嫌だったんだよ」

    ハーピー娘「あら……てっきり貴女が連れてきたのかと思いましたわ」

    リザードマン娘「一人でこれを運べるのはこいつだけだろ」

    ゴーレム娘「はい」ノ

    10 :

    マン娘(コ)って読むの?

    11 = 1 :

    勇者「……」パチクリ

    戦士「ゆ、勇者! 俺ら! 俺ら食われるー!」

    勇者「……」ドッ

    戦士「ぐぇっごほ、げっほげっほ!」

    リザ娘「おお、手刀」

    勇者「……」ザッ

    ゴレ娘「……土下座?」

    勇者「助けて頂いたのに無礼な行いをした事をお詫びする」

    リザ娘「へえ……人間にしてはまともだな」

    12 = 1 :

    ……
    戦士「えーとなんだ。俺らは攫われたんじゃなくて介抱されていたのか」サスサス

    勇者「そうみたいだ……それにしてもここは? 君達は一体? 魔物ではないんだよな」

    リザ娘「ここはあたしらが暮らしている場所、とっくの昔に廃墟になった町だ」

    ゴレ娘「あたし達、人間と魔物のハーフ」

    戦士「噂は聞いた事があるが……まさか実在しているとは」

    勇者「君は……ゴーレムか?」

    ゴレ娘「見ての通り」サッ

    勇者「左腕と右頬が……触ってみてもいいか?」

    ゴレ娘「いいけど?」

    勇者「本当に石なのか……何ていうか凄いな」スリスリ

    13 :

    なんぞ

    14 = 1 :

    戦士「礫石作りのゴーレムって珍しくね?」

    勇者「普通はレンガ作りだもんな」

    ゴレ娘「ゴツゴツしてて嫌い」ムー

    戦士「女の子には酷な話だよなぁ……そっちの娘はリザードマン?」

    リザ娘「ま、あたしも見ての通りだ」

    リザ娘「両足とも膝からと右腕に腹部と背中、左目とその周りがこんな有様さ」スッ

    リザ娘「お陰で力には自信があるがゴレ娘には負けるからなぁ。ま、脚力なら自信があるぞ」

    15 = 1 :

    勇者「少し髪で顔を隠してるのはそれでか……ちょっと掻き揚げてくれないか?」

    リザ娘「見ても面白い事はないと思うぞ?」サラッ

    戦士「……見事に蛇眼だな」

    ゴレ娘「リザ娘ちゃん可愛い」

    リザ娘「いや、鱗肌とかあたしはうんざりしているんだけど」

    戦士「すげー本当に鱗だ」

    リザ娘「凄いけどこんな顔じゃなぁ……」

    16 = 1 :

    ハピ娘(ふふん、ここで麗しい私の出番ね)ファサ

    リザ娘「それにしてもお前ら、あたしらに抵抗を感じないのか?」

    勇者「驚いたけど普通に女性だし」

    戦士「落ち着いていて見れば美人だしなぁ」

    ハピ娘「ちょっと! 私を無視しないでいただけません?!」

    勇者「え? 君もハーフなのか?」

    戦士「てっきり羽をつけたコスプレかと思ったぜ」

    ハピ娘「そんなわけ無いでしょ!」

    18 = 1 :

    勇者「にしても一体なんの魔物のハーフだろう……」

    戦士「羽……鳥、ロック鳥やヘルコンドルとか」

    ハピ娘「私はハーピーとのハーフよ。そこらの人の姿でもないハーフとは一線を画しているわ」フフン

    勇者「ハーピー? 腕が翼じゃないのか?」

    戦士「背中から生えてるよな。足も普通に人間だし……遺伝の仕方おかしくねえか?」

    ハピ娘「何とでも言いなさい。この天使のような姿、そこの二人と違って、美しくない訳が無いじゃない」フフン

    戦士「そこの二人がここで暮らす理由は分かるが、あんたはなんでここに?」

    リザ娘「出戻り」

    ゴレ娘「同じ落ちこぼれ」

    19 = 1 :

    リザ娘「こいつは元々あたしらと一緒に転々としていたんだよ」

    ゴレ娘「魔物からは人間、人間からは魔物と蔑まれてた」

    リザ娘「ある時、貴族に私の下に来ないか、とこいつが誘われたわけだ」

    ハピ娘「ね、ねえ……その話はお止めになさらないかしら?」

    勇者「聞きたい」

    戦士「是非とも聞きたいな」

    ハピ娘「うぐぐ」

    20 = 1 :

    勇者「にしても一体何処で貴族に見られたんだ?」

    リザ娘「あー街道から外れたところだ。どっか住めそうな所が無いかと旅をしていたからな」

    ゴレ娘「貴族、別の街道からショートカットしてきた」

    リザ娘「で、話を戻すとだ。その数日後、凄い勢いで飛んであたしらのところに飛んできたんだ」

    リザ娘「そして開口一番声高々に食われる!」

    戦士「まーそりゃあそうだよな」

    ハピ娘「違うのよ……違うのよ……」ブツブツ

    勇者「?」

    21 = 1 :

    リザ娘「貴族に手羽先として食われそうになったそうだ」

    戦士「何言っているか分かんね」

    勇者「ただのカニバリズムじゃないか……」

    リザ娘「しかも回復魔法が効くもんだから食べ放題とまで言われたとさ」

    勇者「維持費を考えると鶏肉買って来いよと思ってしまうが……」

    ゴレ娘「美しい女性の手羽先だなんて最高じゃないか、って言われたって」

    ハピ娘「あれは恐ろしい体験でしたわ……鬼畜外道の成せる業ですわ」ワナワナ

    戦士「さんざん色々言っていたが……あんたも人として見られていなかったという事か」

    22 = 1 :

    リザ娘「そういえば、お前達の名前は聞いたが何で行き倒れていたんだ?」

    ゴレ娘「ご飯、改め川魚スープできたよ」コトコト

    ハピ娘「全く私が取って来た魚とリザ娘さんの木の実だけですか」

    ゴレ娘「十分贅沢。はい」スッ

    勇者「かたじけない」

    戦士「俺らは魔王を倒す為に旅を始めたんだが……甘く見すぎていた」

    勇者「食料が尽きて行くも退くもできなくなったんだ」

    戦士「最後に食ったのは焼いたイナゴだったな」

    リザ娘「あたしらでもそこまではないな」

    23 = 1 :

    ハピ娘「それにしても貴方達が魔王を? 人間達は何をやっているのやら」

    ゴレ娘「連合軍でGO」

    リザ娘「多すぎると目立ちすぎて叩きやすくなるんじゃないか?」

    勇者「一度は試みたが返り討ちにあったらしい」

    戦士「だもんだから少数精鋭の暗殺って事で、試験に合格したものを勇者とし、様々な特権を与えているんだ」

    リザ娘「え? 何か功績があって勇者を名乗っているんじゃないのか?」

    勇者「試験に合格した、ぐらいしかないな」

    ハピ娘「人の事をやれ魔物だの何だの蔑む割に、低能もいいところですわ」

    ゴレ娘「あたし達でも魔物倒せる」

    24 = 1 :

    勇者「……」

    戦士「そりゃあ基本的な能力値が違うだろうし……そういえばハピ娘は強いのか?」

    ハピ娘「失礼ね! 私の手に掛かればそこらの魔物、いくら徒党を組もうとも薙ぎ払って差し上げますわ!」

    リザ娘「肉体的には脆いが魔法が滅茶苦茶強いんだよ。典型的な魔法使いタイプって奴かな」

    リザ娘「あたしは見ての通り武具の扱いに慣れているし、ゴレ娘も……まあ見ての通りインファイターだ」

    ゴレ娘「むん」

    勇者「でもそれは左腕だけの話だよな」

    リザ娘「いや……この娘、左腕以外は細い癖して凄い力があるから」

    ゴレ娘「左で勇者、右で戦士担いで運んだよ」

    戦士「……マジか」

    26 = 1 :

    ハピ娘「そういった訳ですので、私達は魔物の襲撃なんて屁でもないですわ」

    戦士「俺らよかよっぽど戦力なんだろうな」

    リザ娘「まあ、こればっかりは血統による優位性だからな」

    ゴレ娘「悲観はしてないよ」

    ハピ娘「でもたまにはベッドで寝てみたいですわね」ハァ

    勇者「……なあ、もし今の生活を改善できるチャンスがあったら、危険でも乗る気はあったりするか?」

    リザ娘「危険の度合い次第だな」

    ハピ娘「命の心配なく生きているのに、命を掛けるのもあれですわね」

    27 = 1 :

    戦士「あー……」

    勇者「もし、そちらにその気があるなら、俺らと共に魔王を倒さないか?」

    リザ娘「え?」

    ゴレ娘「えー?」

    ハピ娘「本気で言っているのかしら?」

    勇者「割かし真面目なつもりだ」

    リザ娘「可笑しな奴だ。あたし達と共にいれば迫害されるのはお前達だぞ」

    ゴレ娘「それに町にも入れない」

    勇者「多少の不便さはあるが、勇者の特権と言うのは実に嫌らしいものなんだ」ニヤリ

    戦士「あー……そうだな、そうなんだよなぁ」ニヤ

    28 = 1 :

    勇者「今の話で関わる事として。勇者である者は国から様々な支援を受けられる。が、それは魔物の討伐数に比例する」

    リザ娘「ふむ?」

    勇者「三人が加わって、より敵を多く倒せるようになるとそれだけ給金や支給物資の量や質が上がる」

    勇者「次に、勇者は如何なる言動を取ろうとも、多少の法なら触れてもお咎め無し、というか結構な事してるのに罰せられた者はまだいない」

    勇者「更には仮に君達を魔物という扱いにしたとしても、魔物を連れる事を罰する法は無い」

    ゴレ娘「町の中入れる?」

    戦士「平たく言えばそれでどうのこうのは起きない、いや起こせないんだよ。勇者への誹謗中傷暴言その他諸々は、重罪扱いだからな」

    ハピ娘「聞く限りですと、恐ろしく頭の悪い特権に聞こえますわね」

    勇者「悪いのさ。殆どの勇者は悪さばかりしている。あんまりな法に触れないようにな」

    29 = 1 :

    リザ娘「しかもそれを裁けないなんて腐っているな」

    戦士「腐っているさ。大概の勇者はな」

    勇者「唯一どうにかできるのは国のお偉いさんクラスだが、そんな事をすればその勇者を輩出した国と気まずくなるからしない」

    勇者「まあ……唯一とは言ったが、勇者同士の争いであれば罪に問われる事もないけどな」

    戦士「とまあそんな訳だから、あんたら三人を仲間に加えるのはなんら問題ないんだなぁこれが」

    ハピ娘「話は分かりましたがどうにも解せませんね。貴方方に何のメリットが?」

    勇者「君達が凄い戦力である事。君達の野営経験は心強い事」

    勇者「後は下心かな」

    戦士「馬鹿! そこは隠せよ!」

    30 = 1 :

    ハピ娘「下、心?」キョトン

    ゴレ娘「いやーん」

    リザ娘「本気で言っているのか……? お前達、頭がおかしいんじゃないか?」

    勇者「す、凄い言われ様だ」

    戦士「しかも焦点はそこか」

    リザ娘「ハピ娘はまだ分かる。悔しいがまだ分かる。だがあたし達は岩と爬虫類だぞ」

    リザ娘「見ろ。あたしの右手を! この鱗だらけの肌に鋭い爪と四本の指の手だぞ!」

    リザ娘「足だってそうだ! これが人間の女か! お前達の言う女か!」

    戦士「そりゃあちげーな」

    勇者「流石にな」

    ハピ娘「あ、あっさり?!」

    31 = 1 :

    リザ娘「なんなんだよお前ら……訳が分からない」

    勇者「いや一般的ではないけど問題無いというか」

    戦士「余裕でいける。綺麗と可愛いし」

    ハピ娘「ま、私が綺麗なのは当然ですけども」ファサ

    リザ娘「……参考までに誰かどうか聞いていいか?」

    勇者「前者がハピ娘さん」

    戦士「えー? リザ娘もだろ?」

    リザ娘「そ、そうか?」カァ

    ゴレ娘「可愛い……」カァ

    戦士「なんだこの爬虫類可愛いぞ」

    32 = 1 :

    ハピ娘「けれども、いざ旅立つとなると少々名残惜しいですわね」

    リザ娘「確かに……住める所を探した中で安住と呼べるのはここが初めてだったからな」

    勇者「聞いて良いか分からないが、その……親は?」

    ゴレ娘「お父さんがゴーレム」

    リザ娘「母がリザードマン」

    ハピ娘「お母様がハーピーですわ」

    戦士「いや俺らは存命の事を……え、ちょっと待て」

    勇者「人間とは業が深いものだ……」

    33 = 1 :

    リザ娘「二人とは別の場所で暮らしていたんだが……まあ迫害が酷くて魔女狩りの体になってな」

    ハピ娘「ゴレ娘さんと私はお母様と二人で、リザ娘さんはご両親共に暮らしていました」

    戦士「夫にしてある意味本物の勇者がいるな」

    リザ娘「あー……まあ、な。話を戻すが、人間達の攻撃が激しくなってな」

    ゴレ娘「魔物は無差別に襲ってくる」

    ハピ娘「ある時、私達三家族が偶然鉢合わせ致しまして……結果、人間達に包囲される事となってしまったのです」

    勇者「あー……そうなるよな」

    ハピ娘「お二人の親御さんが包囲の突破口を作ると共に、その場に残り足止め」

    リザ娘「あたし達三人とハピ娘の母親がその場を離脱、が多数の弓兵の前にハピ娘の母親が盾となってあたし達を逃がしてくれたんだ」

    34 :

    混合種か

    35 = 25 :

    36 = 1 :

    勇者「そうか……」

    リザ娘「ま、五年も前の事だ。気にするな」

    ゴレ娘「もう吹っ切れた」

    戦士「じゃあ……やっぱり三人共両親は」

    ハピ娘「私の人間の父親とゴレ娘さんのゴーレムの父親はどうかは分かりませんがね」

    リザ娘「ま、そんな訳であたし達三人協力して生きてきた中で、唯一家と呼べる場所がここだった訳だ」

    37 = 1 :

    ゴレ娘「……」

    リザ娘「ゴレ娘?」

    ハピ娘「忘れ物でもなさいましたか?」

    ゴレ娘「行ってきます」ペコ

    リザ娘「……ああ、そうだな。そうだよな。行ってきます」

    ハピ娘「行ってきますわ」

    39 :

    へい

    40 = 1 :

    ……
    勇者「俺達の最終的な目的は魔王討伐だが、他にも色々とやる事……いや、やれる事があるんだ」

    リザ娘「やれる事?」

    勇者「廃墟に集まる魔物の掃討。恐ろしく強い魔物を指名手配とする討伐」

    勇者「危険区域への物資運搬、あるいはその区域の先への運搬……まあ魔物を倒す力あっての依頼だ」

    *魔物の群れが現れた!*

    ハピ娘「私達だけで十分な内容です事」

    ゴレ娘「とーりゃー」ブォン

    勇者「ただ、大きな町で三人を正式にPTとして登録しないといけないんだ」

    *ゴレ娘を魔物の群れを薙ぎ払った! 魔物の群れに勝利した!*

    42 = 1 :

    戦士「こっからだと勇者ギルドがあるのは二つ先の町になるな」

    リザ娘「勇者ギルド? そこが勇者達に関する情報を管理しているのか?」

    勇者「町の勇者ギルドはPTの登録や、重罪人の報告、その他諸々の情報提供を行っているんだ」

    勇者「都市の勇者ギルドでは更に勇者の登録、試験を行っている」

    ハピ娘「勇者さんは魔法はいかほどで?」

    勇者「簡単な魔法なら使えるよ。最も剣で戦った方が速いから、魔法なんて使わないが」

    ハピ娘「……となると、私達の中でも勇者になれそうですわね」

    戦士「まあ魔物っていう認識が高いから、流石に勇者に推薦はこいつがゴリ押せる発言力無いと難しいだろうけどな」

    43 = 1 :

    リザ娘「……待て、それだとそもそもにしてどうやって勇者ギルドまであたし達を連れて行くんだ?」

    勇者「勇者が連れているって時点で誰も口出しできないさ」

    戦士「触らぬ神になんとやらだ」

    *魔物が現れた!*

    ハピ娘「それならいいですけども……大きい町? は! わ、私がもしもまた」

    リザ娘「……」スラン

    勇者「別に貴族に売ったりしないって。ちゃんと守るし、勇者のPTになったら貴族だっておいそれと手を出せないからさ」

    *リザ娘は魔物を三枚におろした! 魔物に勝利した!*

    戦士「ごめん、そろそろ俺達も戦わせて。というか鍛えさせて」

    44 = 1 :

    *勇者と戦士は魔物の群れを斬り殺した! 魔物の群れに勝利した!*

    ハピ娘「全く……あんまり遅いものですから欠伸が出てしまいましたわ」ファ

    リザ娘「実戦経験はそれなりにあるのか?」

    勇者「実際に魔物と戦った事は数えるほどだな。俺も戦士も対人剣術はそれなりの腕ってぐらいだし」

    戦士「それなりって……俺とお前道場でもそこそこ上位をキープしてんのに」

    リザ娘「へえ……飽くまで対人剣術磨いてて、これだけ戦えるなら結構なもんじゃないか」

    ゴレ娘「勇者達格好良い」

    戦士「おお、好感度が上がったっ」

    ゴレ娘「リザ娘ちゃんも格好良い」

    勇者(武具の有無……?)

    45 = 1 :


    戦士「この視線を独占する快感」ザワ ザワ

    勇者「間違っても良い視線じゃないけどな」

    ゴレ娘「……」ソワソワ

    ハピ娘「……」ビクビク

    リザ娘「二人とも……彼らの話を聞いていたのか?」

    ハピ娘「だからと言って安心できるリザ娘さんがおかしいですわ」

    勇者「部屋はどうする?」

    リザ娘「流石にまだ正式なメンバーじゃないから隔離されると怖いな」

    戦士「五人部屋ってあるもんかな……」

    46 = 1 :

    ハピ娘「あって良かったですわ」ホッ

    リザ娘「流石にここであたし達三人だけにされたら心細いからな」

    戦士「あんだけ強いのに?」

    ゴレ娘「人殺しにはなりたくない」

    勇者「……あー、うん、とりあえず俺らも付いているし寛いで欲しい」

    ハピ娘「そうですわ! ここまで来たのですから十分に寛がなくては! 数年ぶりのまともなベッドぉ!」ボフン

    ゴレ娘「ふかふか~!」ボッフンギッシギシ

    戦士「……」

    勇者「本人には聞けないが彼女の腕って……」

    リザ娘「かなり重たいぞ」

    47 = 1 :

    リザ娘「……」ウズウズ

    ハピ娘「どうしたのです? ベッドですよベッド。まともな壊れていないベッドですよ?」ポフポフ

    リザ娘「あ、あたしはお前達みたく子供じゃないからな」ポス

    リザ娘「……」ポフポフ

    ゴレ娘「暖か~」ヌクヌク

    戦士「可愛い過ぎる」フルフル

    勇者「俺は今までどんな生活だったかを考えさせられて、同情を禁じえないというのにお前と言う奴は……」

    48 = 1 :

    勇者「夕食の前に買い物に行かないか?」


    戦士「ハピ娘は回復魔法使えるのか?」

    ハピ娘「当然ですわ」

    リザ娘「だからあたし達も回復薬無しでやってこれたんだ」

    勇者「だいぶ助かるなぁ」

    ハピ娘「なんだかんだで勇者さん方もそれなりですし、火力が厚いと私は暇で暇で仕方が無いですわ」

    ゴレ娘「前衛四人ー」

    戦士「とすると、装備や食料品につぎ込む事が出来る訳か……」

    店主(とっとと帰って欲しいなー……魔物のハーフなんぞ連れてるなんて、勇者ってキチガイ多すぎだろ)

    49 = 1 :

    ゴレ娘「美味しい!」キラキラ

    ハピ娘「やはり調味料が揃っていると言うだけで幸せなことですわね……」パク

    リザ娘「これが毎日食べられるのか……羨ましいものだな」モグモグ

    勇者「……」パク

    戦士「……」パク

    ハピ娘「あら……貴方方には粗食だとでも?」

    勇者「いや……」プルプル

    戦士「一介の宿屋の食事がこんな豪華だなんて……」ズゥゥン

    リザ娘「人間側も生活水準の格差が酷いのか……」

    50 = 1 :

    リザ娘「入浴はどうする?」

    勇者「そちらに任せるよ。先でも後でもどうぞ」

    ハピ娘「川で水浴びという訳でもありませんし、私達もどちらでもいいですわ」

    戦士「いや……男の後は嫌とかさ」

    リザ娘「冬場に川で水浴びする事に比べてたら大した事はないだろう?」

    ゴレ娘「お湯ーお湯ー」ワーイ

    勇者「俺、泣いてしまいそう」

    戦士「せめてこの旅の間、幸せにさせてやろうぜ……」


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