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    元スレ女「君が思っているよりも、ボクは……」

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    51 :

    これはできる>>1

    53 = 34 :

    海に着くと、たくさんの人で溢れていた。

    なんというか、やはりみんな考えることは同じなんだな。

    プールもあるけれど、やっぱり夏は海、なのか。

    「思っていたほどではなかったかな」

    「そうだな。これなら案外泳げそう」

    「そうだね。一つお願いがあるんだけれど」

    「なんだ?」

    「ローションを塗ってくれないかな」

    なにも塗らないんじゃないのかよ。

    そして、なぜローションを持っている。

    54 = 34 :

    「誰が塗るかよ!」

    塗る必要はまったくないだろ。

    「塗る……ヌルヌル……」

    またおかしな方向に行こうとしてやがる。

    「とりあえず場所確保するぞ」

    「性行為できる場所を、だね」

    無視。

    55 = 52 :

    見てる

    56 = 34 :

    小さなレジャーシートを置いて俺たちはそこに荷物を置くことにした。

    最近は盗難もあるから気をつけないといけない。

    「さて」

    ヤツは荷物を置くなり、ワンピースをおもむろに脱ぎ始めた。

    すかさず目をそらしたが、下に水着を着ていることを思い出して、やめた。

    「んー、いいね。素敵だよ」

    気持ちよさそうに体を反らせ、準備運動を始めた。

    「……」

    胸、小せえなぁ。

    57 = 34 :

    凹凸のない胸のあたりに名前と中学時のクラスが書いてあった。

    ……成長しなかったんだな。

    「む、どこを見ているのかな?」

    準備運動を絶やさず、ヤツは俺の顔をじろりと見た。

    大丈夫だ、別にお前の体に見惚れている、ということはない。

    「君の好みは、巨乳の年上だものね」

    「おうおう、そうだな」

    俺もゆっくりと服を脱ぎ始め……

    「……は!?」

    なぜ知っている!?

    一瞬聞き流しそうになったぞ!

    58 = 34 :

    「さて、準備完了!」

    「ちょ、ちょーいまて」

    海に勇み足で向かおうとしているヤツを止める。

    「おや、ボクを精子させるなんてどういうこおかな?」

    「制止だ」

    間違いにもほどがある。

    お前、仮にも女の子なんだからやめとけよ……。

    59 = 34 :

    「それで、どうしたんだい?」

    体を伸ばしながら、俺の方へとやってくる。

    「なぜ俺の好みを知っているんだ」

    「ああ、本当に好きなんだね」

    なっ!?

    鎌かけられただと!?

    「君がよく目を奪われている女の子を見ればすぐにわかることさ」

    ニコッと笑って、俺の心をグサリと貫いた。

    音も立たぬ、大ダメージ。

    サイレントキルだ。

    60 = 51 :

    ほらほら、早く息止めなくっちゃあ
    背中にしがみついて、首刈るぞ

    62 = 34 :

    恥ずかしい。

    聞かなきゃよかった。

    やっぱり、胸とか見てるのって、バレてんだな……。

    第三者にバレてるのが一番キツい。

    見られてる本人の場合、自意識過剰で済ませたりする……。

    いや。

    もうこういう考えが既にクズだな。

    「準備はできたかな?」

    「ああ、大丈夫だ」

    心は折れていたが、その間に服を脱いでいた。

    「ふむ、トランクスか。モッコリしないね……」

    本気でガッカリするな。

    63 :

    どんな顔してこんなスレたてたんだろう

    64 = 34 :

    「何を求めてやがる」

    「もちろん君のモッコリだよ」

    正直だな。

    「それで準備貞操はした?」

    体操だろ。

    「してない」

    「もとい、前戯」

    「もうツッコまないぞ」

    「ボクは君に突っ込んでもらわないとイキたくてもイケないよ!」

    「やめろ!」

    大声で言うな!

    65 = 34 :

    「準備体操は今からする! 泳ぎたいなら先に行ってこい!」

    「先にイってこい?」

    なぜいつもそうなる!?

    「え、えっと、とりあえずイジればいいのかな?」

    股のあたりを自分で見るな!

    「もういい! そこで立ってろ!」

    「勃たせるものがない」

    ちげえ!

    「待ってろ!」

    「精子」

    「静止だあっ!」

    気が狂いそうになる!!

    66 = 34 :

    海に入るまでにバカみたいな会話で汗をかいちまった。

    さっきヤツからもらった水を飲む。

    「じゃあ、先にイって待ってるね」

    結局字を変えないまま、ヤツは波打つ海に走っていった。

    なんだか急に行ってしまったが、まあいいだろう。

    「……ん」

    そういえば、間接だな、これ。

    ……まあ、気にしてないけどな。

    67 = 34 :

    準備体操を終え、俺も海に向かった。

    「あははっ」

    波打ち際で一人できゃっきゃしていやがる。

    寂しいヤツだ。

    いや、むしろたくましいと言うべきか。

    「あ、来たね」

    目立つように手を挙げて、俺を呼んでいる。

    「おう」

    それに返事をすると、周りの他人が一斉にこちらを見てきた。

    「!?」

    68 = 34 :

    なんだ、この空気。

    そんな中、ヤツは俺の方へ向かってくる。

    ああ、なるほどな。

    あいつの水着がスクール水着だからだ。

    そりゃあ海に泳ぐのにスク水なんて場違いだからな。

    「ねえ……」

    ぼそっと、耳の近くでヤツが呟いた。

    流石のコイツも、驚いたか?

    「色んな人に見られて濡れそうだよ、ボク」

    ベクトルが違った!

    見られることに、喜びすら感じていやがる!

    「こんなことで濡れるな」

    「え、海水で濡れるってことだよ?」

    『色んな人に見られて』必要ねえだろ!!

    69 = 34 :

    「お前、本当に強心臓だな……」

    「そんなことないよ。だって……」

    何か言うのかと思うと、そこで閃いたような顔をして、

    「さ、お兄ちゃん早く遊ぼっ」

    と、のたまったのだ。

    「はぁ!?」

    無邪気な笑顔を見せて、ヤツは俺から走って離れた。

    なるほど、中学生の妹と遊んでいると思えば周りも自然と……!!

    ってなるわけないだろ!

    もっと変な目で見られてるし!

    スク水で海に来る妹がいるか!!

    70 = 34 :

    その後。

    泳ぎが驚くほど上手いヤツに翻弄されつつ、遊ぶんだ。

    ヤツが持参したビーチボールはまともに空気を入れる気がないようなので使わなかった。

    空気入れるところ舐めるな。あと吸うな。

    遊んでいる途中、

    「残念ながらスクール水着だからポロリはないよ」

    と、ドヤ顔で言っていた。

    いや、それ以前の問題だろ。

    ポロリできる胸なんかないだろ。

    71 = 52 :

    うむ

    72 = 34 :

    時を忘れて遊んでいると、腹が減り始めた。

    時間もちょうど昼飯頃になっていた。

    「海の家でご飯を食べようよ」

    目をキラキラと輝かせて、人だかりのできた建物を指さした。

    「海の家? 高いし大して美味しくないし量も少ないだろ」

    ちっちっち、とヤツは人差し指だけを横に振った。

    「ふふ、それがいいんじゃないか。お腹に残るものよりも、思い出に残るものだよ」

    満面の笑みを俺に向けて、建物に向かうヤツ。

    「おい」

    「ん?」

    俺の声に首を傾げている。

    「財布取りに行くぞ」

    金がなきゃ、思い出も残せないぞ。

    73 = 34 :

    レジャーシートをしまい、とりあえず荷物を全部持っていくことにした。

    大したものは持ってきてないしな。

    海の家にできている人だかりに近づいてみると、圧倒的にオトコが多く、異様な風景だった。

    「男の人がたくさんいるね」

    「そうだな」

    アロハシャツのサーファー風のオトコの店員が俺たちの席にヌルそうな水を置き、注文を聞いた。

    ヤツがだんまりを決め込んでいたので、俺が仕方なく焼きそばを二つ頼んだ。

    店員が余所に行くと、テーブルに膝を手をつきながら体を前傾させながらヤツは、

    「次の予定なんだけれど」

    と、小さな声で言った。

    「顔が近い」

    「ごめん、わざとだ」

    わざとかよ。

    76 = 34 :

    「夏休みはまだたくさんあるけれど、間を置かずどんどん楽しみたいと思ってるんだ」

    「ふむ」

    「だから、明日はカラオケにでも行こうかなと思って」

    「カラオケ!?」

    夏関係あるのか!?

    「ダメかな?」

    カラオケ……。

    「イヤだ」

    行きたくない。

    77 = 34 :

    「おや、どうしてだい?」

    コイツはわかっているくせに。

    こんな言い方をする。

    俺は歌が下手で、どうしようもない。

    過去に一度、コイツと一緒に行ったことがある。

    ヤツは歌が果てしなく上手い。

    自分が恥ずかしくなるくらいに。

    78 = 34 :

    「音痴だからだ」

    「そうかな」

    なんだよ。

    「君は下手ではないと思うよ。ただ、ちょっと声が震えているだけで」

    それに。

    「ボクは君の歌、大好きなのだけれど」

    と、真剣な眼差しでヤツは言った。

    嘘つけ。

    「まあ、君が嫌なら、強制するのはいけないよね」

    前傾していた体をしょんぼりしながら元に戻して、さきほど置かれたぬるい水をちょこっと飲んだ。

    急に静かになって、なんだか空気がどんよりとした。

    周りは俺たちと違って、活気づいている。

    79 = 34 :

    雰囲気に耐え切れず、俺の方が折れた。

    「……わかった。行こう。その代わり俺の下手な歌に付き合ってもらうからな」

    「……本当かい?」

    ここまで言って嘘なわけないだろ。

    「本当だ。……俺の歌を笑うなよ?」

    「もちろん。笑うわけがないよ」

    ヤツは嬉しそうに笑った。

    「あ、笑ってしまった」

    いや、今は別にいいけどな。

    80 :

    ボクっ子か支援しよう

    81 = 34 :

    「あ、あとね」

    持ってきたバッグからチラシのようなものを出した。

    「夏祭りがあるらしくて」

    ちょいちょい、とチラシを指さしてアピールしている。

    「なるほど。これに行くと?」

    「うん。まだ先のことなんだけれど」

    妹が行きたがりそうなイベントだな。

    82 = 34 :

    「花火もあるのか。盛大な祭だな」

    「花火は今年からみたいだよ」

    ああ、道理で聞き覚えがないわけだ。

    「夏祭りの間、他にも色々なことをしようよ」

    うむ。充実した夏休みになりそうだ。

    「いいんじゃないか」

    コイツにしては、珍しく良い提案だった。

    「夏休み中に初体験するのもいいね」

    「おい」

    一言で台無しだ。

    83 = 34 :

    「え? 君はしたことがあるのかな?」

    「何をだ」

    「これだよ、これ」

    ヤツは自分の唇に指を当てて、離した。

    「……?」

    「キス、だよ」

    急にわけのわからん話に発展した。

    「……」

    「その様子だと、したことはないみたいだね」

    84 = 34 :

    確かにしたことはない。

    「良かった。ボクもしたことがないんだ」

    ニコッと笑った。

    「じゃあ、二人で初体験といこうか」

    「なんでそうなる」

    「ふふ、一夏に初体験しておくのも、一興だと思うけれど」

    バカ言うな。

    「そんな目で見ないでくれ。まるでバカと言わずして言われているようだ」

    現に思ってるけどな。

    85 = 34 :

    「まあ、とにかく」

    ヌルい水をゆっくりと飲みきって。

    「とっても楽しみだね」

    俺の目をじっと見て、ヤツは微笑んだ。

    どうやらキスの話はおしまいらしい。

    見つめられているのもなんだか変な気分なので、とりあえず周りを見渡した。

    一人の店員が焼きそばを持ってこちらに向かっている。

    さっきの店員ではない……ん……?

    あれは、もしかして……。

    87 = 52 :

    まだ

    88 = 34 :

    「はい、焼きそば二つお待たせしましたー!」

    元気よく声を出して焼きそばを置いたのは、さっきのサーファーみたいな店員ではなく。

    「あれ……先輩!?」

    高校の後輩であった。

    「よ、よう後輩」

    別に中学の後輩というわけではない。

    帰宅部である俺の、唯一の後輩。

    文化祭実行委員で知り合った後輩である。

    夏休み前にに文化祭がある高校も、珍しいよな。

    後輩「わー先輩! こんなところで出会うなんて運命を通り越して偶然です!」

    それは良い表現なのだろうか。

    89 = 34 :

    「どうしたんだ、こんなところで」

    まさかこんなところで出くわすとは。

    後輩「実は、私のお友達のヘルプで来てるんです! だから、デリバリーヘルプです! デリヘルです!」

    「ちょっと声量を落とせ」

    略すな危険。

    後輩「ふふふ、嬉しすぎて私、胸がはちきれそうです!」

    後輩は嬉しそうにピョンピョンと体を弾ませる。

    さらに、彼女の胸もそれに乗じて弾む。

    90 = 34 :

    ああ、なるほど。

    オトコがたくさんいるのは後輩目当てのやつばかりだからか。

    童顔で巨乳で、学校でも人気だからな、後輩は。

    俺たちの席に長居し過ぎたためか、さっきのサーファー風の店員に呼ばれている。

    後輩「あっ、ごめんなさい。先輩との蜜月の時は終わりみたいです」

    勝手なことを言うな。

    後輩「また、夏休み中に連絡します! 遊びましょうねー!」

    太陽のように明るい笑顔で、力強く手を振って、後輩は仕事に戻った。

    91 = 34 :

    「さて、食うか」

    案外美味しそうな焼きそばだ。

    「ずいぶんと、胸を見ていたね」

    「え」

    思い返すと、確かに胸を見ていたかもしれない。

    いや、あれはその、ほら。

    無意識に見ちまうというか。

    「胸が好きだね、君は」

    ニヤリといやらしい顔をしてやがる。

    92 = 34 :

    手を合わせて「いただきます」。

    ヤツはしっかりとした声で言って、割り箸をわった。

    俺も手を合わせて心の中でヤツと同じことを言って、割った。

    「うん、うん……!」

    ずるずると美味しそうに頬張っている。

    「んー! 普通!」

    親指を立てて、高らかに言った。

    「失礼だぞ」

    「お世辞にも美味しいとは言えないから」

    正直者め。

    普段はひねくれているくせに、こういう時だけ正直なやつだ。

    94 :

    歩きで一時間とかめちゃくちゃ海近いな
    車で5分ぐらいか

    95 = 34 :

    「ほら、君も食べなよ」

    促されるまま、俺もずるりと焼きそばを口に持っていった。

    「! こ、これは……!」

    美味しく……ない。

    不味くも……ない。

    なんとも言えず、コイツの言葉を借りると、普通だ。

    「ね?」

    火を見るよりも明らか、といったような顔である。

    ああ、お前が正しかったよ。

    96 :

    まだこのスレあったのか
    頑張るねぇー

    97 = 34 :

    量もそれほど多くなく、ただ金だけを無駄に支払った気がしつつ、俺たちはごちそうさまをした。

    そして、また海に突撃した。

    日が傾きはじめて、歩いて帰ることを思い出し、すこし憂鬱になった。

    けれど、遊び疲れるってのは、なかなか良い感覚かもしれない。

    いつもは時間を持て余しているうちに夏は終わり、宿題はできていないことが多かった。

    ヤツと出会うまでは。

    ……まあ、この話は長くなるので言わないでおこう。

    「夕日、綺麗だね」

    そっと、彼女はそう口にした。

    俺も頷いて、しばらく夕日を眺めた。

    ……この状況、なんだかむず痒い。

    98 = 34 :

    帰りになってさらに俺のド肝を抜いたことといえば、ヤツの着替え方である。

    あの、体を隠す小学生などが使う巻きタオルを持ってきていたのである。

    「スーパーマン」

    と、一番上のボタンだけをつけて、仁王立ち。

    ガキか。

    「じゃあ着替えてくるぞ」

    「それはズルいよ」

    「は?」

    いきなりどうした。

    「ボクはここで着替えるんだ。だから、君もここで着替えないと」

    その理屈はおかしいだろ。

    99 = 34 :

    「俺はそんなタオル持ってないんだぞ」

    「タオルを巻けばいいじゃないか」

    と言って、ヤツはタオルのボタンを全てつけた。

    俺のはボタンはついてない。

    あと、巻いたら拭けないだろ。

    「付き合ってられん。行ってくる」

    「ふふっ、やっぱりね」

    「って、ついてくるなよ!?」

    何を平然とついてきてやがる!?

    100 = 34 :

    「君の着衣を見ようと思って」

    立派な変態だ。

    「着替えて待ってろ」

    巻きタオルつけたままついてくるな。

    「今、この巻きタオルを取ると、大変なことになってしまうよ」

    どういうことだ。

    「ほら、あそこを見てくれ」

    顎で指示した方を見ると、荷物がある。

    それがどうし……あれ。

    なんだあの紺色の物体は。

    あれは……。

    「!?」

    スクール水着!?


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