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    元スレ咲「ノドカの牌」

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    201 = 1 :

     ――定刻

    「時間が……来ました……!!」

    (始まったね……!!! 私は……小鍛治さんの対面……ラス親……!!!)

     ――

    晴絵「私が起家か……こりゃ……最初から捨て身だなっ……!!」ゴッ

    202 = 1 :

     ――東一局・親:晴絵

    「咲さん……立ち上がりはどうですか……?」

    (上々だね……これなら苦もなく和了れそうだよ……! 新初段シリーズでハンデを背負ってたときとは違う……これが私の最速――!!)

    「あっ……槓材が……!?」

     ――カンッ!!

         ――ツモッ!!!

                       ――嶺上開花ッ!!!

    (ひとまず先制……!!)

    (す、すごい……小鍛治さんや赤土さん、それに霞先生まで相手に回しているのに……まるで押されてる様子がない……!!
     これが……江戸時代の最強雀士……九年前のインターハイチャンピオン……宮永咲……!!)

    (さあ……まだまだ行くよ……っ!!!)

    203 = 1 :

    「先生……大丈夫なんですか?」

    健夜「まあまあ……照。一発もらったくらいで焦っちゃダメ。力が拮抗していれば、半荘一回で和了れる数にはおのずと限度がある。
     今は……好きなように泳がせておくよ……」

    「あ……また『saki』が……」

     ――カンッ!!

         ――もいっこカンッ!!!

                ――ツモッ!!!






                         ――嶺上開花ッ!!! 

    健夜「これで二連荘……次に大きいのが来る、かな。わかりやすいね」

    「先生……」

    健夜「さあ……反撃開始だよ……!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    204 :

    緊張感あるな…

    205 :

    しえん

    206 = 1 :

     ――東三局・親:霞

    初美「こ、これ……どっちが優勢なんですかー?」

    「今のところは『saki』が『Grandmaster』の上を行っているように見える……『legend』も先生も耐えるのに精一杯……この二人……次元が違い過ぎる」

    「確かに……私や晴絵ちゃんには少々荷が重い部分があるわね。この二人の雀力は……もはや人間のそれを凌駕している」

    小蒔「私には……純粋な雀力だけなら……『saki』のほうが『Grandmaster』に勝っているように見えます。しかし……」

    「そう、麻雀は雀力だけで全てが決まるわけじゃない。『型』の相性にも……大きく左右される」

    初美「先生なら『守備型』……レジェンドさんは『分析対応型』ですねー……それでもって……この『saki』ってやつは……」

    「『万能型』……ですよね。どう見ても。和了能力も、場の支配力も……点数調整能力も……全てが桁違いに高い……」

    「そう。宮永咲の恐ろしいところはまさにそこ。彼女はなんでもできる……『全能型』と言って差し支えないほどの力よ」

    初美「対して……小鍛治十冠の型は……まあ、門下生のやつらを見れば一目瞭然ですけどー……」

    小蒔「『超攻撃特化』……!!」

    「そうね。あの子は……麻雀界史上最強の『槍』。嶺上使いの宮永咲にとって……健夜ちゃんは一番戦いにくい相手かもしれないわ……!!」

    はるる「」カリカリカリカリカリカリ

    207 = 205 :

    はるるはHDDか何かか?(すっとぼけ)

    208 = 1 :

    (さ、咲さん……序盤から畳み掛けていますね……!! しかし、小鍛治さんが大人しいのが不気味ですが……!!)

    (よし……和ちゃん。助走はばっちり……そろそろ飛ぶよ……!!)

    「は、はいっ!!」

    (行っくよ……カ――)

                           ――ロン

    (え?)

    (なあっ……!!?)

       ――槍槓……16000……

    (うぐっ……!!!?)ゲホッ

    「ええええ!? 咲さん!!? どうしたんですか!!?」

    (や……槍が一本……お腹に刺さった……)

    「比喩ではなくっ!!!?」

    (痛いなぁ……こんなに痛いのは久しぶりだよ……!!)

    (さ、咲さん……笑んだ口元から……血が……)ゾッ

    (やってくれるね……!! いいよ……本気で打ってるのに倍満レベルのダメージを受けたのなんて何百年ぶりだろう……!! 楽しいよ……小鍛治さん……!!!
     もっと一緒に……麻雀楽しもうよ……!!!)ゴッ

    210 :

    麻雀って怖いんだな

    211 :

    今から読む保

    212 :

    マジで刺さってんのかよ

    213 = 1 :

     ――

    「これで……!!」

    健夜「突き放したね。けど……まだ油断はできない」

    「あ……せ……先生、口から血が……!!?」

    健夜「ああ……さっきちょっと唇噛んだからかな。まったく……一つ直撃を取るためにこんなに気張らないといけないなんて……大した化け物だね、この『saki』って人……!!」

    (せ、先生……なんて楽しそうに麻雀を打ってるんだ……!!!?)

     ――東四局・親:咲

    「ハルちゃん!! しっかりして!!!」

    晴絵「……っと、小鍛治さんの一撃の余波で意識が飛んだか。小鍛治さんあるあるだな。状況は?」

    「幸い……まだ先生のツモは回ってきていません。小鍛治さんが一打目から鳴いて仕掛けてます……」

    晴絵「『saki』に連荘をさせないつもりか……小鍛治さん……さては……その攻撃力を今度は全てスピードに回してるな……?」

    「なんていうか……これ本当に麻雀なの……!?」

    214 = 1 :

     ――

    「さ、咲さん……大丈夫なんですか……!?」

    (ちょっと……苦しいね。さっきのは痛かった。ここは……仕方ない)

    「仕方ないって……!!」

    (和ちゃん……和ちゃんにはわからないかもしれないけど、半荘には半荘で一つの流れがあるんだ。今は……下手に足掻くとかえって縛りがきつくなる……ここは我慢なんだよ)

     ――ツモ

    「あ……咲さんの親番が……あんなゴミ手で……!!」

    (ゴミ手、か。あっちもあっちでなりふり構ってる場合じゃないって感じだね。さあ……小鍛治さん……いつまでそんな薄氷の上で胡坐をかいていられるかな……?
     こっちも……そろそろ回復してきたよ……!!)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    215 = 138 :

    一撃の余波wwwwww

    216 = 6 :

    あるあるてwww

    217 = 1 :

     ――南一局・親:晴絵

    「先生……形勢はいかがですか?」

    健夜「微妙だね……若干だけど、今は私のほうに分があるかな。
     『saki』……一発逆転を狙ってるようだけど……そちらが力を蓄えるというのなら……こっちにも考えがあるよ……!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

                  ――ロンッ!!

     ――

    晴絵「ぐあああああああああ!!!!?」ゴボッ

    「ハルちゃあああああん!!!?」

    「い……嫌あああああ!!!!」

    (ハ……ハルエの点数が……ほとんどゼロ……ありえないでしょ!!!?)

    219 = 24 :

    ムダヅモの世界に近くなってきた

    220 = 1 :

     ――南二局・親:健夜

    「暴れてるわね……健夜ちゃん。これは……次に狙われるのは私かしら……」

        ――ロンッ!!

    「……ぐっ!」クラッ

    小蒔「先生!!? 大丈夫ですか!!?」

    初美「て……鉄壁の守備力を誇る先生が目に見えるほどのダメージを……!!! 信じられないですよー!!」

    「これで『saki』はツモ和了りを封じられましたね……『Grandmaster』の完全一人浮き……これはもう決まりましたか……」

    「まあ……対局の行方にはさほど興味はないけれどね……ただ……ここで片を付けられてはたまらない。もう少し……なんとかして……時間を稼がないと……!!」

    はるる「」カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ

    221 = 6 :

    これは肉弾戦か

    222 = 85 :

    はるるwwwwwww

    223 = 1 :

     ――南三局・親:霞

    「と……とりあえず小鍛治さんの親は流せましたが……」

    (こんな絡め手で私を封殺するなんて……麻雀は四人でやるものだっていうのをよくわかってるね、小鍛治さん。
     これが十冠――『Grandmaster』の麻雀か……面白い……!!)

    「どうするんですか、咲さん。これでは……小鍛治さんから直撃を取る以外に活路がありません。しかし、当然、小鍛治さんは守りに入るでしょう」

    (いや、それはない。今までの感じだと、小鍛治さんは超がつくほどの攻撃特化型。最後は……私の息の根を止めにくる。まさに、攻撃は最大の防御だね)

    「大丈夫なんですか……?」

    (和ちゃん……私が何年麻雀やってると思ってるの? 千年だよ、千年。まあ、間が大分空いてるけど。四十年も生きてない小娘に私が負けるはずがない……!)

    (ですが……いくらラス親とは言えこの点数状況……ツモで連荘ができない以上、ラス親の旨味は消えたようなもの……。
     それに……なんなんでしょうか、さっきから……この悪寒は……!!)

    224 = 1 :

     ――南三局二本場・親:霞

    「石戸九段……粘りますね」

    健夜「何を考えてるのかはわからないけど、あんまり流局を続けられると困るんだよね……こっちは早く終わらせたいっていうのに……」

    「あっ――先生、危ないっ!!!」

    健夜「え――」

        ――ロンッ!!

    健夜「う……ぐっ……!!!?」ツー

    「せ、先生えええええ!!!?」

    健夜(お……おかしい……!!? ここにきて……『saki』の力が膨れ上がっている……!? まさか……今までのは本気じゃなかった……!!!?
     そんなバカな……!!!!)

    225 :

    俺、鼻くそほじりながらネトマやってんだけどな

    226 = 1 :

     ――南四局・親:咲

    「さ……咲さん……何をしたんですか……?」

    (ふふ……ちょっと……靴と靴下を脱いだだけだよ……)

    「わかるように説明してくださいっ!!!」

    (こんな風に熱くなるの久しぶりだから……弾みで思い出したの……私が……一番麻雀を打っていた頃のこと……)

    「え……それ……何年前の……?」

                 ――森林限界を超えた高い山の上……。

    (もちろん……千年前の……)

       ――そこに花が咲くこともある。

    「咲……さん……? どうして……泣いているんですか……?」








            ――お前もその花のように……強く――。

    (思い……出しちゃったよ……)

    229 = 1 :

    初美「逆探知成功ですよー!!!!」

    「はるる!! 『saki』の居場所は……!!?」

    はるる「……長野県……」

    小蒔「思っていたよりも近かったですね……!!」

    「千年……長かったわ……!!!」

    初美「……先生……!!」

    「先生……!!!」

    小蒔「先生…………」

    「さあ……最終決戦と行きましょうか……宮永咲……!!!!」ゴッ

    231 :

    長生きだな

    232 = 194 :

    BBAってレベルじゃねーぞ

    233 = 1 :

     ――南四局・親:咲

    「せ、先生……!!」

    健夜「こんなに……手も足も出ないと思ったのは……生まれて初めてかも……これが……恐いって感覚なんだね……」

    (『saki』……なんて雀士……!!! 先生の全力を持ってしても……届かないなんて……化け物なんてレベルじゃない……神か……それとも神より上の何かなのか……!!?)

    健夜「けど……恐怖よりも畏怖よりも……感動が今の私を支配してる……!!! こんな一局はきっともう二度とない……!!!
     この打ち手に敬意を表して……私も最後まで全力で打つ……!!!」

     ――

    「ハルちゃん……これ以上はやめて……ハルちゃんの身体がもたないっ!!」

    晴絵「とめるな……灼。私が貧弱なせいで……この美しい一局を台無しにするわけにはいかないんだ……!!」

    「先生……わ……私たちの力を使ってください……!!」

    「ハルエ……死んだら許さないからね……!!」

    晴絵「うおおおおおおおおおおお!!!!」ゴッ

    234 = 1 :

    「さ……咲さん!? どうしたんですか!!?」

     ――カンッ!!

    (ううう……うううううう……!!!!)ポロポロ

             ――もいっこカンッ!!!

    「咲さん!!!」

        ――もいっこ……カンッ!!

    (和ちゃん……私……思い出したよ……一番大切なこと……私の……大好きだった人……)

                             ――もいっこ……カン……!!!

    「え…………?」

    (嶺上開花はね……その人に……教えてもらったんだ……)

       ――ツモ……

    「誰なんですか……その人……?」

                 ――嶺上開花……

    (私の……おねえ――)

                                        ピンポーン

    235 = 1 :

     ピンポーン

                    ピンポーン
        ピンポーン





     ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン

    「だ、誰ですか近所迷惑なっ!!」

    (あっ……待って、和ちゃん……!!)

     ガチャッ

    「あなたは……!!!?」

    (――!!!!!)ゾッ

    はるる「……除霊……開始……!!!!」ピシッ

    「えっ……えええええ!!?」

    (こ……これ……結界……!!!?)

    236 :

    おいついた

    237 = 45 :

    うわぁ・・・
    支援

    238 = 1 :

    初美「そういうことですよー……魔物『宮永咲』……!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    (き……!!? 霧島の……巫女か――!!!?)

    「九年前のようにはいきませんよ……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    「ちょ、ちょっとあなた方……!! 一体なんなんですか!!!? 何をしてるですか!!?」

    小蒔「ごめんね……原村さん。あなたには悪いと思っているけれど……その『魔』だけは……見逃せないの……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    「待って……!!? 待ってください!! 魔!!? 除霊!!!!? 宮永咲!!!!? そんなオカルトありえません……!!!」

    (の……和……ちゃん……)

    「ふふふ……健夜ちゃんを倒すのに……随分力を使ったみたいねぇ……宮永咲……こんなに弱ってるあなたなんて……千年間見たことがなかったわ……!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    「霞先生まで!!!? これはなんの冗談ですか!!?」

    (和……ちゃん……ごめんね……?)

    (さ、咲さんは黙っててください!!! この人たちは、今すぐ私が追い返しますから……!!!)

    (いいの。それより……和ちゃん……和……ちゃん…………)

    「ここには誰もいませんから!!! 悪霊とか、宮永咲とか、まったくもって意味不明ですっ!!! 警察を呼びますよ!!! お引き取りください!!!」

    (和ちゃん……私の声……聞こえて――)

    「宮永咲……覚悟――!!!!!」ゴッ

    239 = 1 :

    「え……








                    ……咲さん……?


















                               …………………………え?」

    240 = 194 :

    移動早すぎんだろwww

    241 = 117 :

    >>240
    お前まだ瞬間移動できないの?

    242 = 29 :

    瞬間移動は雀士の必須スキルだからな

    243 = 230 :

    >>240
    霞さんだからね

    244 = 1 :

    「いやあああああああああああああああああ!!!」

                  巴「先生……ご立派な最後でした」

    「咲さあああああああああああああああああああん!!!!!!」

                                  初美「ついに本懐を遂げたですか……」

    「返事を!!!! 返事をしてくださああああああい!!!!」

             小蒔「先生……ありがとうございました……」

    「咲さん……」

                          はるる「……」

    「咲さん……どうして……消えるときは……さようならって言ってくれるって……言ったじゃないですか……咲さん…………」



    「……嘘……つき…………」

    245 :

    >>213
    んなわけないwwww

    246 = 236 :

    どうなるんだろう、これ……

    247 = 1 :

     ――平安時代

    「りんしゃんかいほう……?」

    「麻雀の役の名前だよ。山の上で花が咲く……って意味なんだ」

    「咲く……? おんなじだ! 私の名前と!!」

    「そうだね、咲。森林限界を超えた高い山の上……そこに花が咲くこともある。お前もその花のように……強く――」

    「えへへ、おねえちゃんくらい強くなれるかな……?」

    「うん。頑張れば、いつかきっとなれるよ」

    248 = 1 :

     ――

    末原「み、見たでっ!! あんた今、牌をすり替えたやろっ!!」

    「なっ……それは今あなたが――」

    「う、うちも見ました!! 宮永照は確かに牌をすり替えてました……!!」

    由子「のよー」

    「なっ…………!!?」

     ――

    「えっ……おねえちゃんが……じ……さつ……?」

    「麻雀で……ズルして負けたから……? そんな……そんなわけないっ!! だって、おねえちゃんはこの宮中で最強の……」

    「…………わかったよ」

    「その人のところに案内して。私が証明してみせる――おねえちゃんの最強を……!!」ゴッ

    249 = 1 :

     ――

    末原「生まれてきてすいませんでした」ガタガタ

    (さ、三対一やったのに……うちらの負けやと……!?)

    由子(のよー……)

    「さあ……早く言ってよ。この世で最も麻雀が強いのは誰か」

    末原「み、宮永殿ですっ!! 宮永咲殿ですっ!!」

    「ははっ……違うでしょ? そうじゃないでしょ?」ゴッ

    末原「ひいいいい!!!?」

    「私は家族麻雀でおねえちゃんにだけは一回も勝てなかったんだよ。そんな私が最強なはずない。だから……最強は私じゃなくて……」

    末原「て、照殿ですっ!!! 宮永照こそ!!! 古今東西最強の雀士!!!」

    「あれれ? けど、おねえちゃんは麻雀に負けて死んじゃったみたいな噂があるみたいだけど……」

    末原「そ、それは……」

    「それは?」

    250 = 146 :

    書き溜め有るとやっぱいいな


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