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    元スレ狐娘「主様ーっ」男「うっせ」

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    201 = 154 :

    「にゃぁ、今のあいつは、一人の思いに支えられてる」

    「俺、あの神社がなにを祀ってるのかも知りませんよ。信仰のしようがありません」

    「思いでは、あるんだろー?」

    「……まぁ。多少は」

    「にゃぁ、それで十分なんだよ」

    「心のどこかにあの場所を覚えている人がいる、それは力になるのだー」

    「はあ……そんなもんですか」

    「そんなおみゃーから力を吸い取ったこと、後ろめたいんだろうなー」

    「おみゃーを裏切った、と取れないこともないー」

    「だから、出て行ったんですか」

    「にゃぁ、そこらへんは本人に聞いてみろー」

    (長い話をしておいてそれかよ……)

    202 = 154 :

    「でも、どこにいるかが分からないんじゃあ聞こうにも……」

    「あいつの行くところなんて、一つしかないだろー?」

    「それじゃあにゃぁ、にゃんにゃんにゃーん」ダッ

    「……」

    (正直意味分からん)

    (思いの力がどうのこうの……現実味に欠けすぎてんだろ)

    「……」

    ガララ……

    保険医「いやー待たせちゃったかな」

    「先生。俺、早退します」

    ガララ……

    保険医「へっ?」

    保険医「えぇえ……」

    203 = 154 :

    ――神社


    「……」キョロキョロ

    (いない……)

    (……『景色、綺麗ですよ』)

    (裏手か?)

    ザッ ザッ ザッ……


    ――神社裏



    狐娘「……」

    ザッ ザッ ザッ……

    狐娘「……?」チラッ

    狐娘「!」

    「よっ」

    204 = 154 :

    狐娘「……」

    「少し、話をしよう」

    狐娘「……」フルフル

    「……主様の命令、でもか」

    狐娘「……」フルフル

    「……」ポリポリ

    「これだけは言っておく」

    狐娘「……」

    「約束は守る」

    「……それだけ、言いたかった」

    「それじゃあな」

    ザッ ザッ ザッ……

    狐娘(……『約束は守る』、ですか)

    狐娘(重いです、主様。とても、とても重いです……)

    205 = 154 :

    ――夜、自宅前


    (なんとも言えないこのモヤモヤを解消すべく、バイトに打ち込んでいたのでした)

    (ちっちぇ男だな、俺……)

    ガチャリ

    猫娘「よっ」

    バタン

    「……」

    ガチャリ

    猫娘「よっ」

    バタン

    「……」

    ガチャリ
    バタン

    猫娘「にゃぁ、反応も待たずに閉めるなー」

    206 :

    にゃあ

    207 = 154 :

    「……」

    ガチャリ

    「もしかして、あの猫ですか?」

    猫娘「にゃぁ、その通り」

    「どうやって入ったんですか」

    猫娘「通りがかりの人に、ここの人の彼女ですと言ってやったら、すんなり開けてくれたぞ」

    「……ちょっとお待ちを」

    バタン

    スタ スタ……

    ドンドンドン

    ガチャ

    「はい……おっ、なんだ男ぐえへぇっ!?」

    「ワンパンしなきゃ気がすまないんだ」

    「ワンパンした後の台詞じゃねーしっ」

    208 = 154 :

    「誰かも分からない奴を俺ん家に入れるんじゃねぇー!!」

    「……お前の彼女じゃねぇの?」

    「お前は俺を貧乳猫耳和装ロリを愛するペド野郎と認識してたの!? うわーんショック!!」

    「……なんか、ごめん」

    「合鍵、返せよ」

    「えっ」

    「大体、なんで合鍵なんて持ってるんだよ。おかしいだろ」

    「だったらお前も僕の合鍵渡せや」

    「あれは、お前が体調崩した時の為に、いつでもかけつけられるようにって作ったんだろうが」

    「その台詞、そのまま返すぜ」

    「……」

    「……」

    「水に流そう」

    「あぁ、流そう。綺麗サッパリな」

    バタン

    209 = 154 :

    スタ スタ……

    ガチャ

    「ふぅ」

    猫娘「にゃぁ。あれか、『ほも』とかいう奴か」

    「どうしてここに来たんです」

    猫娘(否定しないのかー)

    猫娘「いやにゃー、どうなったのかと思って」

    「……さぁ。どうなるんでしょう」

    「正直、俺はどうなって欲しいのかも曖昧なんです」

    「戻ってきて欲しいのか。それとも、このままどこか遠いところへ行って欲しいのか」

    猫娘「にゃぁ」

    「……でも、消えて欲しくはないんです」

    210 = 154 :

    猫娘「にゃぁーん」

    「俺の話、聞いてますか」

    猫娘「にゃぁ」

    「……」

    猫娘「勝手な希望を言わせてもらうとなー?」

    「……?」

    猫娘「にゃぁ、あの土地に生えてるマタタビが好きなんだよ」

    猫娘「でも、狐の力が弱まるにつれて、土地は荒れていく」

    「マタタビが育たなくなる、と?」

    猫娘「だから、おみゃーらがまた同棲でもしてくれりゃあいいかなーって」

    「同棲て……」

    211 = 154 :

    「一緒にいたら、土地は荒れないんですか?」

    猫娘「にゃぁ、その通り。信仰してくれる奴が傍にいるっつーのは、中々力が湧いてくるのだー」

    「敷地内にいないといけないんじゃないんですか」

    猫娘「にゃぁ、それは狐が月に一度、あそこに戻れば解決なんだなー」

    猫娘「像が役割を成していない今、あいつは自由だからのー」

    「……はぁ、そんなもんですか」

    猫娘「狐の活力は既に十分だろうし、これまでみたいに体調を崩すことはないぞー」

    「……そすか」

    猫娘「悪い条件じゃあないと思うんだけどー」

    「さっきも言ったとおり、俺にはこの先どう転ぶのか分かりませんよ」

    猫娘「にゃぁ、転ぶのか分からないなら、転ばせればいいじゃなーい」

    「と、いいますと」

    212 = 154 :

    猫娘「犯す」

    「わぁああああああああああああ!?」

    猫娘「耳が痛い」

    「そんなこと出来る訳にゃー!!」

    「大体、なんでそんな話になるんです……」

    猫娘「おみゃーの気持ちをダイレクトに伝えるもっとも簡単な方法だ」

    「伝える方法なら他に幾らでもありますからっ」

    猫娘「にゃぁ。あるのなら、それで伝えたらいい」

    猫娘「『約束は守る』の一言だけで全てが伝わる訳がなーい」

    「見てたのかよっ!」

    猫娘「あの狐もおみゃーと同じくらい、意固地なんだぜー」

    「昨日今日あった人に、俺の何が分かるんですか」

    猫娘「にゃぁ。今この場にいることが、意固地である証明だ」

    猫娘「欲しいもんがあったら、その手で掴めー」

    213 = 154 :

    「……」

    「そういうのは、よくない。本人の同意もなくそういうことは……」

    猫娘「鶏肉は好きだが、チキンは嫌いだなー」

    「チキンとか臆病とか、そういう問題じゃあないと思うんですけど」

    猫娘「惚れてるんだろー?」

    「そんなんじゃありませんよ」

    猫娘「キッパリ言い切るんだな」

    「……ただ、こっちの意見も聞かずに出て行ったってのが癇に障る。それだけですよ」

    (そうだ。勝手に結論を出したこと。それにイライラしていたんだな、俺)

    猫娘「……だ、そうだにゃー」

    「……えっ?」

    214 :

    そんなに言うなら猫娘を犯してやれば

    215 = 154 :

    猫娘「でてこい狐ー」

    スッ

    「……」

    「えっ……えっ」

    「えっ」

    猫娘「驚きすぎだろー」ビシィ

    「いやいやい、やいやいやいや、いやいやい」

    猫娘「にゃぁ、俳句の解釈ってのは受け手に依存するんだぜー」

    猫娘「短い言葉だもの、そこから思い描く情景なんて千差万別」

    猫娘「俳人が何を思ひ書き連ねたのかなんて、俳人が明かさないとわかんねー」

    「……分かりましたよ、言えばいいんでしょ言えばっ!」

    216 = 154 :

    「おい狐」ギロリ

    「!?」ビクッ

    ガシッ

    「~~っ!!」バタバタ

    「いいか、よく聞けよアホ狐」

    「……っ」ブルブル

    「……」

    「…………」

    「……………………」

    「……?」チラッ

    (言え、言え、言え、言え、言え、言え言え言え言え言え言え言え言え)

    「こっ」

    猫娘「……こっ?」

    218 = 154 :

    「こここここここ」

    猫娘「……にゃぁ、鶏かお前ー」

    「……くすっ――ハッ!?」

    「……」

    「……ここ。ここに、居れば……いいじゃない。居たら、どうなんです」

    「……」

    「もう活力とやらを吸う必要もないんだろう? なら、何も問題ないじゃんか」

    「……でも私は、主様を裏――」

    「――最後まで、聞け。黙って聞け。異論は認めない」

    「……」

    「……」コクリ

    219 = 214 :

    体で払ってもらおうかってやつですね

    220 = 154 :

    「大体の事情はそこの猫から聞いた」

    「俺は、ちっとも気にしちゃあいない」

    「全部、全部だ。お前が俺から無断で力? を吸い取ってた件も含めて、ぜぇんぶどうでもいい」

    「ただ一つ、看過できない点はだな」

    「お前が、勝手に結論出して、勝手に納得して、勝手に出てったことだ」

    (それ、一つじゃないのでは……)

    「なんだか知らないうちに、仮の主従契約とやらが交わされてるみたいだけど……」

    「仮とはいえ、俺は今、お前の飼い主――主様だ」

    「主様の意見も聞かずにどこかへ行こうなんざ、甘ぇ。マッ○スコーヒーより甘ぇ」

    「つーことで、俺の意見を言う」

    221 = 154 :

    「俺は約束を守る男だ。どんな約束であれ、一度交わしたのであれば、守る」

    「お前は確か、こう言ってたな? 『約束は守られるべき』って」

    「……」

    「お前を拾った次の日、お前は『責任とってくださいっ』と言ったな」

    「対して俺はこう返答した。『一週間の内に、俺がその気になったらな』、と」

    「そんなの、約束じゃないです……ただの揚げ足取りじゃないですかっ」

    「……うるせ、そんなの百も承知だっ!」

    「俺は、責任を取ってもいい気になった。責任持って、世話してやる気になった」

    「だからここにいろ。そうだな、あと50年ばかりここにいろ」

    「――以上、俺の意見でしたっ」

    (あぁ、顔あっちぃ。すげー恥ずかしい事口走っちまったぁああぁあ……)

    (ざっと思い返しても言ってる事意味わかんねーし、こんなので、誰が説得できんだよぉ……)

    222 = 214 :

    猫娘「だから犯せって言ったにゃ」

    223 = 154 :

    「……」

    「あの、そろそろ下ろしてもらえませんか」

    「あっ」

    「ごめんっ」スッ

    「力強く掴みすぎです」

    「……ごめん」

    「全くまったく……」

    「……」

    「とても、魅力的な提案ですね」

    「!」

    「でも、その提案を呑む訳にはいきません」

    「おい、そこは呑めよ!」

    「……こんな都合のいい結末を迎えていいはずがありません」

    「私は、主様の気持ちを弄びました」

    224 :

    クライマックスコーヒー

    225 = 154 :

    「主様に付け入り、力を吸い取りました。無断で、勝手に出て行きました」

    「主様は許すと言って下さいました。すごく……すごく嬉しかったです」

    「きっと、主様の元にいれば、素晴らしい日々を送ることが出来るでしょうね」

    「けれど、それはいけません。何のお咎めもなしに、そんな幸せを得るのはダメです」

    猫娘「にゃぁあ……罰でも欲しいのかー?」ファア

    猫娘(ねむっ……)

    「……でないと、私は胸を張って主様の隣を歩けません」

    「……」

    猫娘「なら、にゃぁが罰をやろー」

    「えっ」

    猫娘「一ヶ月やる。少しの間だけでいいから、あのボロっちい神社を人で埋め尽くせー」

    「……人で埋め尽くす」

    「そんなの、どうやって……」

    226 = 154 :

    猫娘「おみゃーは口を出すな。手も貸すな。この罰――課題は狐一人のものなんだからなー」

    「出来なかった場合は」

    猫娘「にゃぁ、こいつで斬り捨てる」チャキッ

    (懐に小刀なんて仕込んでたのか……こわっ)

    「罰重くないですか。出来なかったら死って――」

    チャキッ

    「――っ!?」

    猫娘「口を出すなって言った筈だぞー」

    「……でもっ」

    「心配しないでください。失敗しなければいいんですよ」

    「大丈夫ですって」

    「……」

    猫娘「手を貸したら、おみゃーも斬り捨てるからなー」

    「……はい」

    227 = 214 :

    猫急にこえーよwwwww

    228 = 154 :

    猫娘「話は決まった。それじゃあにゃぁ、にゃんにゃーんにゃんっ」ダッ


    「……どうするんだ、狐」

    「なんとかしてみせます」

    「具体的な策はあるのか」

    「……大丈夫です」

    「私、頑張りますからっ」グッ

    「では、また一ヵ月後にお会いしましょう」

    スタ スタ スタ……

    「……」

    (俺には、待ってることしか出来ないのかな)

    「……」

    (そんな訳あるか。手を貸さなければいいんだろ? だったら幾らでも方法は……)

    「幾らでも、ねぇよなぁ……」ハァ

    229 = 154 :

    ――日曜日、昼、神社、幣殿


    狐娘「ハァ……」

    狐娘(あんなことを言ってしまいましたが、ちっとも良い考えは浮かびません)

    狐娘(こんな寂れた場所に、一体だれが来るというのでしょうか)

    狐娘(……でも、頑張らないと)

    狐娘(この課題をこなしたら、主様、撫でてくれるかな)

    狐娘「……」

    狐娘(一体何を考えてるんですか私は……)

    狐娘(これは、私が納得する為の罰なのに……)

    狐娘「……ハァ」

    230 = 154 :

    ――同時刻、自宅


    「……」ゴロン

    「……」ゴロン

    「……」ゴロン

    (バイト終わってから徹夜して、なーんも思いつかなかった……)

    「俺ってバカなんだなぁ……あぁああ……」

    「……」

    (そういや、あいつ、飯はどうしてるんだろ)

    (……差し入れするくらいなら、手を貸すとは言わないよな?)

    (よしっ、稲荷寿司を持っていってやろう。そうしよう)ムクリ

    (猫が言うには、あいつ、今は神社に住んでるらしいな)

    (ま、元々の住処だし、住んでるというよりは戻ったというべきか)

    (さてと、行くか)

    231 = 63 :

    俺はただ・・・狐娘とのほのぼの系日常がみたいだけなのに・・・

    232 = 154 :

    ――30分後、神社

    「……」キョロキョロ

    (また裏手か?)


    ――神社、本殿裏


    狐娘「あっ」

    「……よう」

    「お前、その着物どうしたんだ」

    狐娘「これは私の普段着です」

    「へぇ……似合ってるな」

    狐娘「そうですか? えへへ――って、そうじゃないっ」

    狐娘「なんでここにいるんですかっ!」

    「これを持ってきたんだ」ガサッ

    狐娘「ややっ、それは……稲荷寿司っ!」キラキラ

    狐娘「でも、手は貸すなって猫さんが……」

    233 :

    紫煙

    234 :

    クソッ・・・これから受験だ・・・・後でまとめて見るか・・・

    235 = 106 :

    俺はダイドーブレンドコーヒー派だわ

    支援

    236 = 154 :

    「こんなの、手を貸すうちに入らないだろ」

    「あの猫が今も尚俺を斬り捨てに現れないのがその証拠だ」

    狐娘「……でも」

    「一緒に食べよう。こんな絶景の場所で食う稲荷寿司は、きっと格段に美味いぞ」

    狐娘「…………はい」

    「ほれ」ガサッ

    狐娘「いただきます……」ヒョイ

    「いただきます」ヒョイ

    狐娘「……」パクッ

    「……」パクッ

    狐娘「……ん~♪」

    (いつものことながら、良い顔するなぁ)モグモグ

    237 = 154 :

    狐娘「ありがとうございます」

    「……飼い主の役目、だからな」

    狐娘「そうですね」クスッ

    「……」

    (なんかバカにされてる気がする……)

    「例の課題、なんとかなりそうか?」

    狐娘「……今のところは、なんとも」フルフル

    「……」

    狐娘「大丈夫です、まだあと29日もありますから」

    「そっか」

    (頑張れ、なんて言うのはどうなんだろう)

    238 = 154 :

    (……よくよく考えてみると、この罰って、俺といる為に課したものなんだよな)

    (つまり、そうまでしてでも俺と一緒に居たいってこと、なんだよな)

    「……」

    (あっれぇ!? すげぇ嬉しいっ! うわっ、なんだこれ。なんだこれっ!!)

    狐娘「……主様?」キョトン

    「わぁあぁあああああ!!」ポロッ

    「あっ……稲荷寿司が」

    狐娘「どうしたんですか? 心なしか、顔が赤いような……」

    「見るなっ、見るんじゃねぇっ! 主様権限発動!!」アセアセ

    狐娘「?? はい……そこまでいうのなら、見ません」クルッ

    239 = 154 :

    (落ち着け。落ち着こうぜ。相手は狐だぜ。妖怪なんだぜ)

    (いくら見た目が可愛らしい女の子でも、あれは狐だ)

    (……『惚れてるんだろー?』)

    (えっ、マジか。俺、いつの間にかこいつのラブしちゃってるのか、えっ、マジか。俺――)

    (――おっと、思考が無限ループするとこだった)

    「……」チラッ

    狐娘「はむっ」モグモグ

    狐娘「んん~♪」

    (あぁ、可愛い顔しやがってからに……そんなの見たら、俺……俺……)

    「ほあぁあぁああああああああああ!!」

    狐娘「!?」ビクッ

    狐娘「! んんー、んんんんんーー!!」トントン

    「! 詰まったのか、今すぐ水を……」ガサゴソ

    (買ってきてて良かった伊○衛門お買い得サイズ!)

    240 :

    もふもふしたい。

    241 = 154 :

    「ほれ、これ!」スッ

    狐娘「ごくっ……ごくっ……ぷはぁああ……」

    狐娘「いきなり大声出さないでくださいよ……げほっ、げほっ」

    「ご、ごめん」

    (あぁ、やべぇ。ドキが宗重してる。やべぇよ。キュンキュンしてね? してるよね?)

    狐娘「これ、返しますね」スッ

    「あ、あぁ……あっ」

    狐娘「?」

    (あれ? 俺、確かここへ来る前に一口飲んだよな)

    (つまり、……)チラッ

    狐娘「……なんだか今日の主様、少し変ですよ?」

    242 :

    マックスコーヒー美味しいけど名古屋じゃ500㍉ペットボトルがたまに売ってるだけだ・・・・・・・・・・・・・・

    しえ

    243 = 154 :

    (あの唇と……)

    「って、初心な思春期真っ盛りの高校生男児かーいっ!!」ガンガン

    狐娘「主様!? 塀に頭をぶつけるのは良くないですよ、怪我しちゃいますよっ!」アセアセ

    「うわぁぁああぁあぁあああ!!」ガンガン

    狐娘「主様ー!!」

    244 = 154 :

    ――夜、自宅


    「……」ゴロン

    「……」ゴロン

    (俺、恋しちゃったのかなぁ……)

    (そっち方面に意識を向けて以来、どうも胸がドキドキする)

    (……冷静になってみると、ドキが宗重ってなんだよ。バカか)

    (ハァ。恋した相手が、よりによって狐とは……人外じゃねーかよ)

    (でも、見た目は女の子なんだよなぁ……人型の時だけだが)

    (どっちが本当の姿なんだろうな)

    (あいつ、人型の方が楽って言ってたな。なら、人型の方が本当の狐なのかな)

    (……どっちでもいいか)

    (どちらにしても、俺はきっと好きなんだろう)

    (好きに、なっちゃったんだろうな)

    「……」

    「~~っ!!」バタバタバタ

    245 :

    神秘的な出来事なのに気怠い感じで面倒くさそうな主人公がうぜえ

    246 = 154 :

    ――月曜日、朝、学校、教室

    「あぁ……」ゲッソリ

    「よぉ、男……少し見ない間に、随分と顔の色合い蒼くなったなぁオイ。エディットに失敗したか」

    「……考え事してて、眠れなくてな」
    「なぁ、友」

    「んん?」

    「異種間の恋愛って成立すると思うか?」

    「保健室行こう」ガシッ

    「真面目に聞いてよぉおおおん!!」ブワッ

    「泣きそうな目でこっち見んな気色悪いっ! 声もきめぇっ!」

    「……真面目に答えてくれよ、頼むからさぁ」ショボーン

    「……そもそも異種ってなんだ。犬とか猫とか、そういう動物のことじゃないよな」

    「……」

    「精神科に行こう」

    「違うんだって、例えばの話、例え話っ!」

    (例え話でも、その話題はどうよ……)

    247 = 154 :

    「金曜の猫耳和装少女みたいなのを思い浮かべてくれたらいい」

    「あれは可愛かったな……あの子、お前の従兄弟かなんか?」

    「あ? ……あぁあー、そう。連絡も寄越さず急に来るもんだから、変な誤解を生んじまったな」

    「まぁ冷静になってみれば、あんな幼い子がお前の彼女な訳ないもんなぁ」

    「当たり前だろ」

    「で、話を戻すけど」

    「えー……戻すの」

    「どう思う?」

    「あの子は人間だろうが。どう思うも何もねぇよ」

    「ああいう動物がいると仮定してくれ」

    「お前必死すぎるだろ。マジで頭やばいんじゃ」

    「……」

    「いや、黙らないでよ」

    「……」

    248 = 154 :

    「わぁーったわぁーった、答える、答えますよ」

    「お互いが納得してれば、それでいいんじゃないの」

    「そうなのか?」

    「あぁ、多分そう。互いが互いのことを好き――相思相愛だってんなら、何の問題もないんじゃね」

    「そうかっ」

    (いやまぁ大問題ではあるが……そう言っておこう)

    「ありがとうなぁ……」

    「……」

    (まぁ、人にはこういう他人の理解の範疇を超えた趣味の一つや二つ――)

    (――いや、それでも異種間恋愛はないな)

    249 = 154 :

    ――2限


    エー エー エーット アレ コウダッケ


    「……」ホケー

    (なんであんな事聞いたんだろ、バカか俺)

    (……でも、互いが好きなら、いいのかもな)

    (狐が俺の事を好きだと決まった訳じゃあないけど)

    (……課題をクリアしないと、あいつ、殺されちゃうんだよな)

    (それだけは避けたい)

    (なにか、なにか良い方法はないものか……)

    250 = 154 :

    ――同時刻、神社、幣殿前

    狐娘「ハァ……」

    狐娘(最近、溜息を吐く回数が増えた気がします)
    狐娘(こんな場所に、どうやって人を呼び込めばいいのでしょうか……)

    狐娘(……火事でも起こす?)

    狐娘(いやいや、それは本末転倒すぎます)

    狐娘(きっとこの罰は、この神社の注目度を上げることに繋がりますし)

    狐娘(頑張らないとっ)

    狐娘(……頑張らないとなぁ)

    狐娘「ハァ……」

    狐娘(何をどう頑張ったらいいのか、サッパリですよ……)



    「……」

    (にゃぁ、苦戦してるみたいだなー)

    (さっさとクリアして欲しいもんだー)

    (早くマタタビが欲しい)


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