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    元スレ王様「萌え萌え美少女傭兵隊を配下につけてやろう」 勇者「はい?」

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    51 = 9 :

    これはかわいい

    52 = 1 :

    魔法使い「っていうかセクハラとかやめなさいよ」

    勇者「ああ、うん。そうだな。ちょっと謝ってくる」

    魔法使い「行ってらっしゃい」

    勇者「狩人ちゃん、さっきは変なこと言ってごめん。もう言わないよ」

    狩人「気にしてない」

    勇者「そうか。よかった。えっと、ちょっと話しないか?」

    狩人「……」コク

    勇者「狩人ちゃんの故郷って、どのあたりにあるんだ?」

    狩人「方角で言うと、向こう」スッ

    勇者「あのかすかに見えてる山のあたりか?」

    狩人「もっと遠い」

    勇者「へえ……そんな遠いんだ。じゃああの山を越えて来たってこと?」

    狩人「迂回した」

    勇者「すごい長旅だったんだな」

    54 = 1 :

    魔法使い「ちょっと口を挟ませてもらうけど、あの山の向こう側に行くだけならそんな遠いって程でもないわよ」

    勇者「そうなのか。旅に慣れてないもんで距離感とかよくわからなくてな」

    魔法使い「狩人ちゃんの故郷はあの山の向こうの更にもっともっとずーっと先にある山岳地帯の村って聞いたわ」

    勇者「ふーん、山岳地帯か。なんか寒そうなところだな」

    魔法使い「そうでしょうね。じゃあわたしは引っ込むから会話を続けて。邪魔して悪かったわね」

    勇者「いや、解説ありがとう。なあ狩人ちゃん、これは別にセクハラとかそういうつもりで聞くんじゃないんだけどさ」

    狩人「……」コク

    勇者「最初からずっと気になってたんだけど、なんで狩人ちゃんってパンツまるだしなの?」

    狩人「これはパンツではなくズボン」

    勇者「あ、そうなんだ」

    狩人「そう」

    勇者「ふーん……えっ、それはあれか? いわゆる方便というか、『パンツじゃないから恥ずかしくないもん!』的な?」

    狩人「何を言ってるのかまったくわからない」

    勇者「ああ、うん。俺にもわからんけど。でもそんな寒いとこから来たのになんでそんな薄着なんだ?」

    狩人「わたしから見ると故郷が寒いのではなくここが暑い」

    55 = 1 :

    勇者「えっとつまり、向こうではもっと着込んでたけどこっちに来たら暑くなったから脱いだってこと?」

    狩人「そう」

    勇者「なるほど、そういうことか」

    狩人「そう」

    勇者「やっぱりそれパンツなんじゃないの?」

    狩人「違う。これはズボン」

    勇者「そうなんだ」

    狩人「そう」

    勇者「思ったよりちゃんと言葉が通じるんだな狩人ちゃんって」

    狩人「大抵の言葉はわかる」

    勇者「じゃあなんであまり喋らないんだ?」

    狩人「言葉を間違えると恥ずかしいから」

    勇者「……ああ、なんかわかる」

    狩人「変な間違え方をすると後から思い出してもうわあああってなる」

    勇者「なるほど」

    56 :

    サーニャアアアアアアアアアアアア大好きだああああああああああああああ

    57 = 1 :

    勇者「なあ、魔法使いちゃん」

    魔法使い「何?」

    勇者「狩人ちゃんってめっちゃくちゃ可愛いな」

    魔法使い「そうね」

    勇者「そろそろ休憩にして昼飯食おうか」

    魔法使い「そうね、ちょうどいい時間だわ」

    僧侶「ごはん、ごはん♪」


    勇者「あれから魔物の類は全然出ないな」

    魔法使い「これくらいで普通よ。そんなに頻繁に出くわすようなら旅をする人もいなくなって宿屋なんかとっくに全部潰れてるわ」

    勇者「そりゃそうだけど、なんか平和すぎて物足りないな」

    魔法使い「平和なのはいいことでしょ。ま、この辺りで魔物が出なくなったのはあたしたちのおかげでもあるけどね」

    勇者「魔法使いちゃん達みたいな魔物狩りの傭兵が狩りまくったからってこと?」

    魔法使い「そうよ。あたしたちだけでも200匹以上は殺したわ」

    勇者「へえ。それが多いのかどうかはよくわからんけど」

    58 = 1 :

    僧侶「勇者くんには判断の基準が無いからわかんないよねー」

    勇者「俺が無知なだけだろうけど、あんまり多いって感じはしないな」

    魔法使い「そう? でも魔物はその程度だけど、兎とかなら500か600くらいは殺したわよ」

    勇者「弱いもの虐めか! 兎かわいそうだろ! 可愛い顔して酷いことするなあ!」

    魔法使い「兎がかわいそう? なんで?」

    勇者「いやだって兎は何も悪いことしてないし可愛いじゃん!」

    魔法使い「あんたそれ本気で言ってるの? 世間知らずにも程があるわよ」

    勇者「……違うってのか?」

    魔法使い「兎は畑の作物を荒らす害獣なんだから、駆除するのは当然でしょ? よくそういう依頼がくるわ」

    勇者「そうなの?」

    僧侶「うん、そうだよ」

    勇者「そうだったのか。知らなかった」

    魔法使い「動物を可愛いと思う気持ちもわかるけど、これも生存競争よ。自然界の掟くらいはわかるでしょ?」

    勇者「弱肉強食か。うーん、まあしょうがないのかな。作物を全部食われちゃったら人間が飢えて死んじゃうし」

    魔法使い「兎自体が食べ物だしね」

    59 = 1 :

    勇者「兎ってうまいの?」

    僧侶「うん、おいしいよ」

    勇者「ちょっと食ってみたい気もするな」

    魔法使い「かわいそうなんじゃなかったの?」

    勇者「いや、よく考えたら俺別にそんなに兎好きでもないし」

    僧侶「ここ数ヶ月は特に兎が異常なくらい大繁殖して忙しかったねー」

    魔法使い「そうね。おかげでけっこういい稼ぎにはなったけど」

    勇者「ふーん。傭兵の仕事っていろいろあるんだな。魔物狩りだけじゃないのか」

    魔法使い「まあね。実態は武力を持った便利屋ってところかしら」

    勇者「ふむ。でも、妙だな……」

    魔法使い「何が?」

    勇者「ここ数ヶ月で特に兎の数が増えたって言ったな? それは前年とかその前の年の同じ季節と比べても?」

    魔法使い「そうね。年単位で見ても増加傾向にあるわ。ちなみに兎の繁殖期は人間と同じで季節を問わず年中無休よ」

    勇者「なんでそんなに増えたんだろう。……なんか気になるな。ちょっと原因を調べてみようか」

    僧侶「原因は、生態系の乱れとかそんなんじゃない?」

    61 = 1 :

    勇者「そうかもしれんけど、それならそれで、生態系がおかしくなった原因があるはずだよな」

    魔法使い「まあ、そうね」

    勇者「何か心当たりはないか? 最近、この辺りの環境に大きな変化があったとか」

    魔法使い「うん、まあ、あるわよ」

    勇者「あるのか。それはなんだ?」

    魔法使い「要するに兎の天敵がいなくなったことによって数が増えたってことでしょ?」

    勇者「そういうことになるかな。兎の天敵って何だろう」

    魔法使い「肉食動物とか、肉食の魔物とかね」

    勇者「えっ、ちょっと待て、じゃあつまり兎の天敵が減ったのって……」

    魔法使い「あたしたちが魔物狩りをしたからね」

    勇者「原因お前らかよ!」

    魔法使い「魔物狩りで稼いで兎狩りでまた稼げるんだからいい商売よね」

    勇者「……両方とも必要な仕事ではあるんだろうけど……なんか納得がいかんというか……」

    魔法使い「原因と結果がはっきりしてるんだから納得できる理屈でしょ? 疑問が解決してよかったわね」

    勇者「なんか事件の匂いがするかもとか思ってちょっとわくわくしたけど全然そんなことはなかった」

    62 :

    二次ドリのハーレムマーシナリーか

    63 = 1 :

    勇者「……相変わらず何も出ないな」キョロキョロ

    魔法使い「まあ、あたしたちのテリトリーを出るまではだいたいこんなもんよ」

    勇者「歩いてるだけって退屈だよなあ」

    魔法使い「もう飽きたの? 出発した時はあんなに張り切ってたのに」

    勇者「飽きたわけじゃないけどさ。なんか不思議なことでも起きないかなあ」

    魔法使い「不思議なことって?」

    勇者「超常現象的なこととかな」

    魔法使い「変な絵本の読みすぎじゃないの? 超常現象なんて全部、目の錯覚とか法螺話とかそういう類のものよ」

    勇者「そうかあ?」

    魔法使い「よく自称超能力者とかいるけど、あんなのこっそり魔法を使ってそういうのに見せかけてるだけの詐欺師だわ」

    勇者「うーん、そうなのかなあ」

    魔法使い「そうよ。世の中の不思議なことなんて、大抵は魔法で説明のつくことばかりなんだから」

    勇者「まあ現実はそんなもんかもしれないけどさ。なんか味気ない話だな」


    勇者「……なんかいまいち釈然としない気がするのは俺だけ?」

    64 :

    魔法なんて不思議でもなんでもないからな

    65 = 1 :

    勇者「でもさあ、子供の頃とか、星の世界を旅してみたいなあ、なんて空想しなかった?」

    魔法使い「あたしはそういうのは無かったわね。星空を見るのは好きだったけど、綺麗だからというだけのことで」

    勇者「夢の無い子供だったんだな。俺はよく、月くらいなら近そうだし行けるんじゃね? なんて思ってわくわくしてた」

    魔法使い「あたしにだって夢はあるけどね。そういう非現実的な空想じゃなくて、将来の目標という意味でだけど」

    勇者「へえ。魔法使いちゃんの将来の夢ってなんだ?」

    魔法使い「もちろん、世界一の魔法使いになることよ」

    勇者「そっか。壮大な夢ではあるけど、実現可能な目標でもあるな」

    魔法使い「そうよ。この世界のどこかに必ず、世界一の魔法使いというのは実在するわけだから」

    勇者「それに自分がなればいいわけだな」

    魔法使い「そのために今までいっぱい努力をしてきたわ。子供の頃から、遊びたいのも我慢して、恋をすることも無く」

    勇者「つまり処女ってことか」

    魔法使い「そういうこと言わないのっ」バシ

    勇者「いてっ。じゃあ、その前はどうだったんだ?」

    魔法使い「魔法使いを志すようになる前ってこと?」

    勇者「うん。その前の、もっと小さい頃の夢って何かあった?」

    66 = 1 :

    魔法使い「……白馬に乗った王子様が迎えに来て、素敵なお嫁さんになるんだーとか思ってたわね。でも本当に小さい頃だけよ」

    勇者「あ、俺、王子だよ」

    魔法使い「いや知ってるけど」

    勇者「白い馬も持ってるよ。迎えに行ってやろうか」

    魔法使い「そういうんじゃなくて、昔のあたしが思ってたのはもっとこう、おとぎ話的な……」

    勇者「悪い奴にさらわれて、そこに王子様が颯爽と助けに現れるとか?」

    魔法使い「そんな感じね」

    勇者「じゃあちょっとさらわれてみてくれ。助けに行くから」

    魔法使い「いやよそんなの。あんたが助けに来る前に誘拐犯にレ……ひどいことをされちゃうかもしれないじゃない」

    勇者「うーん、それは俺も嫌だな。助けに行ってみたら囚われの美女は裸に剥かれてて手足を拘束されて、」

    魔法使い「オブラートを剥がそうとするなっ」バシ

    勇者「ごめんなさい。……なかなか上手くいかないな」

    魔法使い「そりゃ、現実はおとぎ話や幼い子供の夢みたいに上手くは行かないわよ」

    勇者「いや、女の子を口説くのは難しいなって。俺には向いてないのかな」

    魔法使い「今の、口説いてるつもりだったの……?」

    68 = 1 :

    勇者「まあいいや。俺の目標も魔法使いちゃんと同じってことにしておこう。目指すは世界一の勇者だ」

    魔法使い「競争率低いわね」

    勇者「隣の国の王子とその妹くらいしかライバルいないからね」

    魔法使い「そういえば、隣の国の王様はあんたの叔父さんだったわね」

    勇者「うん。だからあそこの王子と王女、つまり俺のいとこ達も俺と同じく、勇者の血を引く者ってことだな」

    僧侶「あっ、町が見えてきたよー」

    勇者「おお、到着か。旅の初日は無事に終わったな」

    僧侶「宿に泊まっておやすみなさいするまでが旅の初日だよっ」

    勇者「そっか、その通りだな。明日の朝は僧侶ちゃんが起こしてくれるの?」

    僧侶「あたしの方が早く起きれたらねっ」

    70 = 1 :

    コンコン

    僧侶「勇者くーん、朝だよー。起きてるー?」

    僧侶「まだ起きてないのかな? よーし、あたしが起こしちゃうぞっ」

    ガチャガチャ

    僧侶「……」

    僧侶「鍵がかかってて入れない……」



    勇者「ごめんって」

    僧侶「……」ムスー

    勇者「いや、眠ってたら鍵を開けられないから、僧侶ちゃんが来ても部屋には入れないってことに気づかなくてさ……」

    魔法使い「まあ、だからといって鍵をかけずに寝ちゃったら無用心だしね」

    勇者「うん、そこに関しては俺間違ってないよね?」

    魔法使い「実際、今朝も性犯罪を未然に防げてるわけだしね」

    勇者「そうそう、起こしに来た僧侶ちゃんをベッドに引きずりこんでってしねえよそんなこと」

    魔法使い「あんたたまにセクハラ発言するから信用できないわ」

    71 :

    魔法使いさんが正妻ルートを突き進んでらっしゃるな

    72 = 1 :

    勇者「まあしたいかしたくないかで言えばしたいけど、僧侶ちゃんはまだ半分子供みたいなもんだしな。ちょっと罪悪感が」

    僧侶「……」ムッ

    魔法使い「子供扱いされて僧侶ちゃんがムッとしてるわ」

    僧侶「あたし、こう見えても20歳なんですけど! ふくしの……大学? に通ってるんですけど!」

    勇者「えっマジで?」

    魔法使い「嘘に決まってるでしょ」

    勇者「なんだ嘘か」

    僧侶「うん」

    勇者「ほんとは何歳?」

    僧侶「15歳だよっ」

    勇者「やっぱりそんなもんか。でもその年齢でも大人に混じって仕事してるんだからもう大人みたいなもんか」

    魔法使い「並の大人よりはるかに優秀だしね」

    僧侶「えへへ、照れるな~」ニコニコ

    勇者「あっ機嫌直った。けっこう簡単だなこの子」

    73 = 1 :

    僧侶「ねーねー魔法使いちゃん、勇者くんって背が高くてかっこいいねっ」

    魔法使い「そう? まあたしかに身長は高いけど、それだけじゃかっこいいとは言えないわね」

    僧侶「顔もかっこいいと思うよ?」

    魔法使い「顔も悪くはないと思うけど、でも見た目だけじゃね」

    僧侶「優しそうだし、血筋も家柄も確かだし、お金も持ってるよ?」

    魔法使い「たしかに性格も悪くないと思うし勇者の子孫だし社会的地位もあって裕福でもあるけど、それだけではねぇ」

    勇者「それだけ揃ってたら充分じゃねーの!?」

    魔法使い「あれ、あんたいたの?」

    勇者「そりゃいるよ。お前らの護衛対象だよ」

    魔法使い「存在感が無いから気づかなかったわ」

    勇者「ひでえ」

    狩人「わたしもいる」

    魔法使い「狩人ちゃんは無口だけど可愛いからいいの」

    勇者「えこひいきだ」

    魔法使い「親の七光りだけで優遇されてる勇者よりましだわ」

    74 = 1 :

    僧侶「魔法使いちゃん酷いなあ」

    魔法使い「コネメガネは黙ってなさい」

    僧侶「眼鏡かけてないよ!?」

    魔法使い「冗談よ。僧侶ちゃんも可愛いし有能だから好きよ」

    勇者「俺だけ駄目なの?」

    魔法使い「あんたも別に駄目ではないし嫌いでもないけど」

    勇者「けど、何だ?」

    魔法使い「男はやっぱり強くないとね」

    僧侶「勇者くんも接近戦なら強いんじゃないの?」

    勇者「うん、剣の腕には自信あるよ。狩人ちゃんには接近戦でも勝てるかどうか怪しい気もするけど」

    魔法使い「そういう意味での強さもだけど、なんていうか、覇気みたいのがもうちょっと欲しいところね」

    勇者「覇気というと、潜在的に持ってる能力を引き出すみたいな?」

    魔法使い「いやそういうんじゃなくて普通の意味で。目標に向かってまっしぐらに突き進む強い意志とかね」

    勇者「そういうのがあったら俺に惚れたりする?」

    魔法使い「惚れるかもね。少なくとも共感はするわ」

    75 :

    おもしろい

    76 = 1 :

    勇者「なるほど。魔法使いちゃんは頑張ってるもんな。そういうところだけは尊敬するよ」

    魔法使い「だけ? まあ、わかってもらえて嬉しいわ。なんか上から目線でいろいろ言っちゃってごめんね」

    勇者「いいよ。……よし、魔法使いちゃんに惚れられるためにも高い志を持って突き進もう」

    僧侶「なんかちょっと動機が不純な気もするねっ」


    魔法使い「今日はこのまま北上して隣の国に行くんでしょ?」

    勇者「他に行くところも無いしな。そこまでのルートは魔物とかよく出るのかな?」

    魔法使い「あたしたちのテリトリーに入ってるから少ないとは思うけど、一応覚悟はしておいた方がいいと思うわ」

    勇者「ふーん、こっちの方でも活動してるのか」

    魔法使い「というより本拠地というか、あたしたちの受付所も隣の国の城下町にあるから」

    勇者「あ、そうなんだ。じゃあ狩人ちゃん以外の2人はそこの出身ってこと?」

    魔法使い「あたしはちょっと離れた場所にある村から移住してきたけど」

    僧侶「今から行くところはあたしの地元だよっ」

    勇者「へえ。じゃ、街についてからの道案内は僧侶ちゃんに任せるか」

    僧侶「うん、まかせてっ」

    77 = 39 :

    魔法使いちゃんかわいい

    78 :

    僧侶ちゃんきゃわわ

    79 = 1 :

    魔法使い「あんたも行ったことくらいはあるんでしょ? 親戚が治めてる国なんだから」

    勇者「うん、徒歩で行くのは初めてだけど、1年に1回くらいは行くな」

    魔法使い「王様や王妃様といっしょに馬車に乗って、護衛を引き連れて?」

    勇者「そうだよ。護衛の兵士が先行して露払いをしてくれてたから、魔物との戦闘もなくて平和で退屈な旅だった」

    魔法使い「じゃあ、着いたらお城に行くの?」

    勇者「そうだな。一応挨拶くらいはしておかないと。今日のうちにアポだけとっておいて宿に泊まって、翌日の朝かな」



    勇者「着いた」

    僧侶「着いたね。道案内は任せてっ」

    勇者「ここに来るまでに魔物もチラホラと出たけど、接近される前に全部狩人ちゃんが倒しちゃったな。楽な旅だ」

    魔法使い「もっと遠くまで行けば楽じゃなくなると思うけどね」

    勇者「さて、まず城に行って、それから……」

    魔法使い「まだ時間もあるし、あたしたちの受付所にも寄ってく?」

    勇者「そうだな。そうしようか」

    81 = 1 :

    勇者「ふーん、ここで仕事の依頼を受けたりしてるのか」

    魔法使い「そうよ」

    の子「勇者様ですね。こんにちは」

    勇者「あ、こんにちは。この娘も魔法使いちゃん達の仲間?」

    魔法使い「うん。戦闘要員ではないけどね」

    勇者「へえ。さすがというか、この娘もめちゃくちゃ可愛いな」

    魔法使い「あたしより?」

    勇者「いや……同じくらいだと思うけど、ぶっちゃけこっちの娘の方がどストライクだ」

    僧侶「ちょっとぶっちゃけすぎのような気もするねっ」

    の子「えへへ、勇者様にそう言っていただけるなんて光栄です」ニコ

    勇者「やばい一目惚れしちゃいそう。この娘にも属性とかあるのか? 見た感じ、特に際立った特徴も無さそうだけど」

    魔法使い「そうね。特徴が無いのがこの娘の特徴よ。属性は、モブ」

    勇者「モブって」

    魔法使い「特徴が無いということは欠点もないってことだから、可愛く見えるのも当然かもしれないわね」

    82 = 78 :

    モブキャラって可愛いよね

    83 = 1 :

    魔法使い「あたしたちの留守中になんか依頼とかあった?」

    の子「いつもの兎狩りくらいですね。今はみんな出払ってるんで、同業者を紹介しておきました」

    魔法使い「それでいいわ。他に何か変わったことは?」

    の子「特に無いですね。怪しげな新興宗教の勧誘がうざいから何とかしてくれ、とかいう依頼はありましたけど」

    魔法使い「出払ってなくてもそういうのはあたしたちの仕事じゃないわね」

    の子「ええ、国営の相談所の方へ行くようにと伝えました」

    勇者「なるほど、何でもやるってわけじゃなくてある程度仕事を選んではいるんだな」

    魔法使い「宗教関係者はめんどくさいから関わりたくないしね」

    僧侶「ええー」

    魔法使い「いや、僧侶ちゃんのことじゃないから。変な新興宗教とかのことだから」

    勇者「変な宗教とか敵に回したら僧侶ちゃんが必要以上に張り切っちゃいそうだから、そういう意味でも相手にしない方がいいな」

    84 :

    ちょいちょい小ネタが
    あれのは12歳だったな

    85 = 1 :

    翌日

    魔法使い「王様に挨拶に行くのはあんただけ?」

    勇者「うん。お付きの者は別室で控えててもらうって感じかな」

    魔法使い「なんかつまんないわね」

    勇者「じゃあ王子には後で会わしてやるよ」

    魔法使い「王子ってどんな人? かっこいい?」

    勇者「正直いろんな面で俺よりハイスペックだな。イケメンで礼儀正しくて温厚な性格で、剣だけじゃなくて魔法も得意」

    魔法使い「だったらあんたよりそっちを勇者として鍛えればいいのに」

    勇者「次世代勇者育成計画の対象にはなってる筈だよ。歳は俺よりひとつ下だから、来年あたり修行の旅に出されるんじゃないか」

    魔法使い「ふーん。じゃあ、その時にまたあたしたちにお呼びがかかるかもしれないわね」

    勇者「いや、それはどうだろうな。まあどっちにしても、あいつに見初められて玉の輿になんてことは考えない方がいいかも」

    魔法使い「そんなこと考えてないけど、でもなんで?」

    勇者「だってあいつホモだもん」

    魔法使い「……勿体無いわね」

    勇者「勿体無いよなあ。あいつだったらめちゃくちゃもてるだろうに」

    87 = 1 :

    王子「お久しぶりですね。前にお会いしてから半年くらいになりますか」

    勇者「そんなもんだな。元気そうでなによりだ」

    魔法使い「思ってた以上に美形だわ。おとぎ話に出てくる王子様そのものね」

    勇者「俺も一応王子なんだけどなあ。白い馬も持ってるし」

    王子「いえいえ、そちらこそ美人揃いで、羨ましい限りです」

    勇者「これ社交辞令だから真に受けんなよ」

    王子「ふふ、後半はともかく美人揃いというのは正直な感想ですよ」

    勇者「そういやお前、妹いただろ?」

    王子「はい? 妹ですか?」

    勇者「うん、もう5年くらい会ってないけど、美男美女揃いの一家なんだから綺麗になってるんだろうな。元気にしてるか?」

    王子「えっと、それはどちらかというと僕の台詞なんですが」

    勇者「えっ?」

    王子「言ってなかったの?」

    僧侶「うん」

    勇者「えっ? あれっ?」

    89 :

    ローレシアかよ

    90 :

    国の跡取りがホモって実際あったらシャレになってないよね

    91 = 1 :

    勇者「あっ! 僧侶ちゃんって、妹ちゃんか! そういえばなんか見たことある!」

    僧侶「いつ気づくかと思って待ってたんだけどなー。勇者くんって薄情だなあ」

    王子「あなたが最後に妹に会ったのは、まだ10歳くらいの子供の頃ですからね。しかたないですよ」

    勇者「……知ってたの?」

    魔法使い「うん」

    勇者「言ってくれよ……そうか、悪いことしちゃったな……気づかなくてごめん」

    僧侶「ちょっと悲しかったけど許すよっ。言わなかったのはちょっとした悪戯心だしねー」

    魔法使い「フラグをバキバキに折りまくってる様が見ていて面白かったわ」

    勇者「ガチで幼馴染だったのか。てっきりそれっぽい性格というだけなのかと」

    僧侶「何回か会ったことあるってだけだけどね。えへへ」

    勇者「じゃあ傭兵隊のメンバーって言ってたのは?」

    僧侶「それはほんとだよ」

    勇者「王女がなんで傭兵なんかになってたんだ?」

    魔法使い「なんかって何よ。馬鹿にしてるの?」

    勇者「あ、いや、すまん。そういうつもりじゃないんだ」

    92 :

    >>90
    大丈夫大丈夫

    95 = 1 :

    魔法使い「そう? ならいいけど」

    勇者「で、なんで王女ともあろうものがこんな荒くれ者のゴロツキ連中の仲間になんかなってるんだ?」

    魔法使い「さっきより酷くなってるわ」

    僧侶「あたしも勇者の血を引いてるわけだけど、何でもできるお兄ちゃんと違って魔法の素質だけが飛びぬけてるらしくて」

    勇者「俺とは逆ってことか」

    僧侶「中でも回復魔法の才能があったってことで、5年前から修行の一環として教会にお世話になってたの」

    勇者「なるほど。それで会わなかったんだな。で、それでなんで傭兵とは名ばかりのチンピラどもの手下なんかに?」

    魔法使い「チンピラじゃないし荒くれてないしゴロついてもいないわよ。あんたわざと言ってるでしょ」

    勇者「うん。冗談だよ」

    王子「教会の仕事だけでは学べることが限られてますからね。父の意向で傭兵の仕事も体験することになったんです」

    勇者「なるほど……俺たちより若いのにもういろいろ経験してるんだな」

    王子「あなただって剣術はずっとやってたんでしょう? 今は修行の旅もしているわけですし」

    勇者「まあそうだけどな。お前の方はどうなんだ?」

    王子「それなりには。剣術、槍術、弓術、攻撃魔法、回復魔法、補助魔法と、まあいろいろと」

    勇者「やることいっぱいあってたいへんだな。多才なのも良し悪しだな」

    96 = 89 :

    >>90
    バイなら普通にいたらしいが

    97 = 1 :

    王子「今のところどれも中途半端で、器用貧乏ってところですかね。まあ、マイペースでやりますよ」

    勇者「修行の旅とかは?」

    王子「そのうちやるんじゃないですかね」

    勇者「ガチムチ中年男傭兵隊とか引き連れて?」

    王子「どちらかというと美形青年の方が好みですね」

    勇者「ああそっち系なのか」

    僧侶「それはそれで妄想が捗るねっ」

    勇者「そこ、食いつかなくていいから。というか頼むから腐らないでくれ。せっかくの美少女なんだから」

    僧侶「んー、勇者くんがそうしろって言うならそうするよっ」

    王子「気に入られたみたいですね、妹に」

    勇者「どうなんだかな。この子もけっこう何考えてんのか読めないとこがあるからなあ」

    僧侶「あはっ、別にそんな複雑なことは考えてないよ。たぶん勇者くんと同じようなことだよ」

    勇者「そうなのかなあ。まあ親戚だし似たようなもんなのかもしれんけど」

    99 = 1 :

    翌日

    勇者「よし、今日は魔法使いちゃんの故郷の村を目指して進んでみるか。ここから遠いのか?」

    魔法使い「そう遠くもないわね。通るルートによるけど、遠回りになる方から行っても夜までには着くわ」

    勇者「道が二通りあんの?」

    魔法使い「うん。こことの間にある湿地帯をつっきっていけばもっと早く着くわよ」

    勇者「そっちは危険なのか? 魔物が多く出るとか」

    魔法使い「そうでもないわね。ぬかるみがあって歩きにくいだけで、遭遇率は迂回路の方と変わらないわ」

    勇者「そっか。じゃあ何事も経験ってことで、湿地帯の方から行こうか」

    魔法使い「足場が悪いから戦闘のときは注意してね」



    狩人「……」ビシュッ

    ヒューン ドスッ

    勇者「お見事。また一撃で仕留めたな」

    狩人「これくらいの距離なら、余裕」

    勇者「凄いよなあ、狩人ちゃんは。その分俺の出番が無くなるわけだが」

    100 :

    雰囲気が王様が本気出したssに似てる


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