元スレセーラ「白糸台高校の三年生になったで」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
52 = 3 :
セーラ「そやから、それは別に俺じゃなくも」
照「セーラじゃなきゃ、私が嫌だから」
セーラ「なんでやねん」
照「ていうかセーラは勘違いしてる。私だけで勝てるはずがない」
照「セーラや菫や、先輩達がいたから優勝できたんだよ」
照「私一人では何も出来ない」
セーラ「……」
照「セーラは私に、日本一はそんなに偉いのかって聞いたけど」
セーラ「あぁ…それも言い過ぎやな、すまん」
照「偉いなんて思ったこと一度もないし、
自分だけの力で勝ったと思ったことも一度もないよ」
53 = 3 :
照「みんながいて、支えてくれて、応援してくれて、
だからこそ頑張れたし、だからこそ優勝できた」
照「それに、セーラが和ませてくれて、笑わせてくれたから
リラックスできたし、…誰でもいいはずない」
セーラ「…照」
照「私が頑張るためにはセーラが必要なんだよ」
照「だから、メンバーから外れるなんて言わないでよ…寂しいよ」
セーラ「…俺はな、自分の存在意義がようわからんかった」
照「存在意義?」
セーラ「弘世は部長をやってて部をまとめて、頼もしい。
照はめっちゃ強くて日本中に敵なし。
じゃあ俺は?俺はチームのために何してる?」
セーラ「そう考えたら、何にもないような気がして虚しかった」
54 = 3 :
セーラ「そんで、部活は全然楽しくないし、照も弘世も変わったし
…イライラしとったんよ。当たってごめん」
照「セーラはここに、こうしていてくれるだけでいいのに」
セーラ「え、え?」
照「もう一度言うよ。私が頑張るためにはセーラが必要。
だから、…その、」
セーラ「…ん?」
照「…私のそばから、離れないでよ」
セーラ「…!//」カァァ
照「退部とか、外れるとか、二度と言わないで」
セーラ「…う、うん」コクコク
照「…よかった、頷いてくれた」ニコッ
55 = 3 :
セーラ「なぁ、照、今のって…」
照「ん?」
セーラ「い、いや何でもないわ…あ、それより!」
照「なに?」
セーラ「お前、さっき誤魔化したけど、クールぶってる理由教えて?」
照「…うん、いいけど」
セーラ「淡がお前のことロボットみたいで怖いって言うてたで」
照「…好かれてないのはわかってたけど、ちょっとショック」
セーラ「今みたいな照のことやったら好きになるんちゃうかな」
照「そうかな?…あ、でね…私は…さっきも言ったけど」
56 = 3 :
照「後輩達には練習に対する姿勢とかそういうのを
ちゃんと伝えなくちゃいけないって思って厳しい態度とってきた」
セーラ「ふむ」
照「それも、一つの理由。でも、別の理由の方が大きいんだ」
セーラ「…照は勝つたびに人が変わっていったように思うで」
照「…なんだ、わかってるじゃん」
セーラ「やっぱりそうなんか」
照「勝てば勝つほど自分が孤独に陥っていくのが分かった。
セーラや菫がそばにいてくれるのは分かってたけど」
照「でもそれでも、…怖かった。独りになるのは怖かったんだ。
誰も自分を理解してくれないんじゃないかって不安になってった」
照「…誰かにそばにいて欲しいって思ってた。
でも、それと同じくらい誰もそばにいて欲しくないとも思ってた」
セーラ「そうか…」
57 :
ふんふむ
58 = 3 :
照「だから、誰も近づかないように本を読み始めたんだ。
本を読んでいる間は誰も声をかけないし…そこに、逃げてた」
照「気付いたらどんどん無口になってたし、
小言ばっかり言う嫌な先輩になってたよ」
セーラ「ま、淡にほんまの意味でガツンと言えるんは照だけな気もするけどな」
セーラ「俺は甘やかしてるって言われてカチンときたけど
それも、あながち間違ってないわ…俺は結局あいつを甘やかしてるし」
照「…もうちょっと厳しくしてあげるのも優しさかもしれないね」
セーラ「そうかもな、反省する」
照「あ、でもさ、そういう無口な自分は嫌いじゃなかったんだ
居心地もそう悪くなかったし、だからそれを通そうとしてた」
59 = 17 :
しえん
60 = 3 :
セーラ「けど、俺にキレられた…と?」
照「そう、はぁもう」
セーラ「無口キャラはもうやめとけ。普通でええやん」
照「キャラのつもりはないんだ、それが自分にとって普通だったし」
セーラ「そうか…ま、自然に、なるようになるやろ」
照「だね」
セーラ「照、俺はお前の孤独を全部理解出来ひんかも知れん。
けど、こうやって話したらちょっとはラクになるやろ?」
照「…うん、なった」
セーラ「それはよかったわ」
セーラ「あ、弘世はどれくらいわかっとるん?」
照「私がこんな感じになったことに関してはなにも言ってこないよ
チームの方向性とか、そういう話は頻繁にしてるけどね」
セーラ「…そうか、3人、もうちょっと会話が必要やな」
61 = 3 :
照「前みたいに、一緒に帰ったりしようよ」
セーラ「そやな、距離縮めとかなあかんな」
照「…それで、今年も、」
セーラ「インハイ優勝?」
照「…3人で、淡と尭深も入れて5人で…絶対優勝したい」
セーラ「うん、頑張ろ」
照「もう自分に存在意義がないなんて思わないでね」
セーラ「自分が誰にも理解されへんなんて思うなよ」
照「うん、ありがと」
セーラ「ん、ありがと」
照「ふふっ」クスクス
セーラ「あははっ」ケラケラ
62 = 11 :
咲「……」ギリッ
63 = 3 :
ガラッ
菫「話は終わったか?」
照「菫!」
セーラ「ひ、弘世?」
菫「申し訳ないが、だいたいは聞かせてもらってた」
セーラ「盗み聞きはお行儀悪いで~」
照「そうだよもう…びっくりした」
菫「だってお前らがまた派手に言い合うんじゃないかって心配で」
セーラ「弘世らしいな。でも、ありがと」
菫「なっ!まさか江口にお礼を言われる日が来るとはな」
セーラ「アホか!礼ぐらい言うわ!」
照「心配かけてごめんね、でも、もう大丈夫」
64 :
フィッシャーさん……
65 :
ボーイッシュ枠だからな…
66 :
レギュラーを取られイケメン枠を取られ…
67 = 3 :
菫「…私は、照が何か苦しんでることには気付いてたんだ」
照「あ、うん…」
菫「でも怖かった、それを聞くのが怖かった
理解してあげられないかもしれないと思うのも怖かった」
菫「だから、…気付いてないフリしてたよ。ごめん」
照「謝らないでよ、菫。私も、逃げてたんだから」
菫「う、うむ」
セーラ「なぁ、こないだ思い出したことやねんけど、照覚えてるかな」
照「なに?」
セーラ「1年のときのインハイ決勝のときにな、」
セーラ「『2人と友達になれて嬉しい』って照が言うたんよ」
68 = 3 :
照「え、そんな恥ずかしいこと言ったのかな//」
菫「ん~…あ、そういえば確かに聞いた」
照「え、えへへ…恥ずかしいな」
セーラ「俺は今、それを2人に言いたい気分なんや」
菫「ふむ、なら私も」
照「わ、私も!」
セーラ「ふはは、やっぱりこういうノリが一番やで?」
菫「…適度に楽しんでやるか」
セーラ「頼むで、部長さん」
照「そうだね、これ以上淡に嫌われるのもごめんだし」
菫「やはり言いたいことはちゃんと言うのが正解ということだな」
セーラ「溜め込むんはよくないっちゅーことや」
照「…うん」
69 = 3 :
セーラ「ほな、もう遅いし何か食べて帰るか」
照「ん、たこ焼き」
菫「いいな、賛成だ」
セーラ「よっしゃ、ほな行くで~」
照「セーラ、菫」
セーラ・菫「「ん?」」
照「これからも、よろしくね?」
セーラ・菫「「当然や(だ)!」」
71 :
当然やだ!
72 = 3 :
セーラ「(このあと、照や弘世のやり方は変わってきた
これまでどことなく漂ってたギスギス感はもう薄れてる)」
セーラ「(淡もあんまり文句を言わへんくなったし、俺も楽しくなってきた)」
セーラ「(弘世はまあすぐ怒るけど、照はあのクールキャラどこいった?
っちゅうくらい笑うようになった。)」
セーラ「(それでも、キリっとした部分とか麻雀に対して真摯なとこはそのままで
本も相変わらず手離せへんみたいや)」
セーラ「(そんな照や弘世のことが好きやし、この学校が大好きや。
なんて、恥ずかしいけど、そんな風に思ってた)」
73 :
支援ですよー
74 = 3 :
休憩
釣り人はキャラわかんなくて断念した…
まだ続きます
75 = 64 :
俺の記憶が確かなら、白糸台編のあとは姫松編を書くんだったっけか
77 = 16 :
面白い
78 = 57 :
さすがセーラさんや
79 :
さて、再開
>>75
無茶言うなw
80 = 79 :
インハイ予選、決勝終了後、控え室
淡「ただいまー」
セーラ「お帰り、淡」ナデナデ
淡「えへへ、頑張ったよ//」
セーラ「ん、よう頑張った」
照「淡、あの8ピン切りは不可解」
淡「いいじゃん、勝ったんだから」
照「そういう問題じゃないから」
セーラ「そこは受け入れとけ、淡」
淡「セーラがそう言うんなら…気をつけます」
照「はい、それでいい」
81 = 79 :
淡「(照って私にだけ厳しくない?)」コソコソ
セーラ「(それだけ期待しとるっちゅーことやで)」コソコソ
淡「(そうかなぁ…)」ブツブツ
菫「大星と渋谷、ちょっとオレンジジュース買ってきてくれないか」
淡「えっ!?私帰ってきたばっかりなのにー」
菫「頼む」
淡「むぅ、わかりましたぁ」ブツブツ
尭深「行ってきます、ほら、淡ちゃん行くよ」
ガチャ
バタン
82 = 79 :
セーラ「後輩追い出して何事や?」
菫「照、これを見ろ」
バサッ
照「新聞?……っ!」
セーラ「それなに?」
菫「各県の予選結果が掲載されてる」
セーラ「お、姫松と千里山はどうなっとる?」
菫「どちらも明日決勝だ」
セーラ「そうか、よかったー」
菫「って、そこじゃなくて…」
セーラ「ん?」
照「………」
83 :
続きか! 待ってました!
84 :
咲「ついに私の出番!!」
85 = 79 :
セーラ「照?どした?」
照「いや…別に」
菫「江口も見てみろ、ここだ」
セーラ「ん、なになに~…長野?あ、照の出身地やっけ」
照「…うん」
セーラ「龍門渕破れる…ってあのチビのとこやん!え、どこが勝ったん?」
セーラ「清澄…?聞いたことないな…大将、宮永咲……ん?宮永?」
菫「…照の親族か?なんとなく、気になってな」
照「いや、違う。知らない」
セーラ「あ、ひょっとして…妹か?前そんなん言うてなかったっけ?」
照「…私に、妹はいない」
菫「そうか、ならいいんだ。ひょっとして、と思って」
セーラ「同じ長野で宮永か、珍しいなぁ~」
照「うん…」
86 = 79 :
ガチャ
淡「買ってきましたよー!」
尭深「ただいま戻りましたぁ」
菫「ありがとう、ご苦労様」
淡「はい、照」
照「ありがと、淡」
セーラ「照はオレンジジュースが好きやもんなぁ」ニヤニヤ
照「い、いいでしょ別に//」
淡「あー照が照れてる、照だけにー」
菫「…江口、余計なことを教えるな」
セーラ「え、お、俺何も言ってへんで!」アセッ
88 = 79 :
照「……」プシュ
照「……」ゴクゴク
セーラ「(絶対妹やろ、あの態度)」コソコソ
菫「(間違いないだろうな)」コソコソ
セーラ「(なんで隠すんや?)」コソコソ
菫「(・・・わからん)」コソコソ
セーラ「(妹…。宮永咲……大将ねぇ)」
89 = 79 :
プルルル、プルルル
セーラ「お、すまん、ちょっと電話や」
セーラ「もしもし?怜か?」
怜『セーラ?今大丈夫?』
セーラ「おう、ええで」
竜華『セーラ、おめでとー』
怜『おめでとー』
セーラ「なんや竜華も一緒かい、ありがとー」
竜華『うちらも絶対勝つから、全国で会おうな』
怜『約束、果たすからな』
セーラ「おう、待ってるで」
91 = 87 :
そういや千里山の中堅だれなんだろう
92 = 79 :
怜『私、今やったらセーラに勝てる気がするで』
セーラ「上等やん、楽しみやわ…ところで身体大丈夫か?」
怜『いつも心配してくれてありがとうな、平気やで
そやないと大会なんか出てられへんやんか』
セーラ「それもそうやな、でも、無理したらあかんよ?」
怜『ほんまありがとう、セーラはいつも優しいなぁ』
セーラ「あ、アホ、照れること言わんといてーや//」
竜華『でもセーラが中堅なんは残念やわ』
怜『そやなあ。春季大会もセーラはなんでか副将やったし
戦えへんかったよなぁ』
セーラ「ま、それはチームの方針やからなぁ」
怜『でもインハイは例年通りの先鋒やって思っててんけどな、
そやから私は先鋒なんやし』
94 = 79 :
セーラ「すまんな、先鋒は照がお相手するで」
怜『宮永さん怖いわぁ』
セーラ「そんな化け物みたいに言うたら怒りよんで」
照「誰が化け物だって?」
セーラ「あわわっ!ちゃうで、そういう意味ちゃうで!」
怜『セーラ?どしたん?』
セーラ「いや、照が隣にな…」
照「いつもの園城寺さん?」
セーラ「そや、先鋒やから照と当たるでーって」
照「そうなんだ」
97 :
しえん
98 = 79 :
竜華『おーいセーラ~』
セーラ「す、すまん。ちょっと照と喋ってたわ」
怜『ほな、そろそろ切るな』
セーラ「あぁ、悪いな。今日はありがとう」
怜『明日は私らを応援してや?』
セーラ「当たり前や、そやないと全国で戦えへんしな」
竜華『セーラ、次は全国でな』
セーラ「おう、ほな」
怜『またな、バイバイ』
プツッ
99 = 83 :
ええな~
100 = 79 :
菫「園城寺さんといえば身体の方はもういいのか?」
セーラ「うん、それでインハイも先鋒やって。千里山で言えば、エースやな」
菫「ほう、そうなのか」
照「春の大会はすごかった、あのリーチ一発…」
淡「おんじょーじさんて誰?」
尭深「千里山女子のエースの人だよ、江口先輩の友達なの」
淡「へぇ、可愛い?」
セーラ「なんやその質問はー」
菫「個人的には可愛らしい子だなぁという印象だが」
照「色白さんだよね」
セーラ「まあ、可愛い子やで。ちょっと病弱やけどな」
淡「ふーん、そうなんだ」
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