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元スレセーラ「白糸台高校の三年生になったで」
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セーラ「白糸台他から推薦の話が来たで」
セーラ「白糸台高校に入学したで」
の続きです
1年生のインハイで優勝、それから2年経ったということで
セーラ「白糸台高校に入学したで」
の続きです
1年生のインハイで優勝、それから2年経ったということで
2年後、初夏、麻雀部、部室
セーラ「(感動のインハイ初制覇から2年が経った)」
セーラ「(俺らは翌年も全ての大会で優勝して、もはや全国に敵はおらんようになった)」
セーラ「(照は個人戦も連覇中で、最強の高校生という称号を手にした)」
セーラ「(全国を連覇した俺ら1軍レギュラーには、専用の部屋が与えられた)」
セーラ「(…そんな、ある初夏のこと)」
セーラ「(感動のインハイ初制覇から2年が経った)」
セーラ「(俺らは翌年も全ての大会で優勝して、もはや全国に敵はおらんようになった)」
セーラ「(照は個人戦も連覇中で、最強の高校生という称号を手にした)」
セーラ「(全国を連覇した俺ら1軍レギュラーには、専用の部屋が与えられた)」
セーラ「(…そんな、ある初夏のこと)」
セーラ「あいつまた遅刻か」
菫「そのようだな」イライラ
照「……」ペラッ
尭深「淡ちゃん、多分、教室で寝てると思います」
セーラ「相変わらずええ度胸やのぉ、あいつ」
菫「江口、起こして連れて来い」
セーラ「はぁ?なんでいつも俺やねん、尭深行って来い」
尭深「ごめんなさい、私が起こしても淡ちゃんは起きないんです…」
セーラ「ほな、照が行け」
照「やだ…」ペラッ
菫「そのようだな」イライラ
照「……」ペラッ
尭深「淡ちゃん、多分、教室で寝てると思います」
セーラ「相変わらずええ度胸やのぉ、あいつ」
菫「江口、起こして連れて来い」
セーラ「はぁ?なんでいつも俺やねん、尭深行って来い」
尭深「ごめんなさい、私が起こしても淡ちゃんは起きないんです…」
セーラ「ほな、照が行け」
照「やだ…」ペラッ
セーラ「暢気に本読んでる場合か」
照「…あの子、みんなに迷惑かけてばっかり」
菫「だな」
尭深「あ、あのどうしますか?」
セーラ「あぁもう、また俺か」
菫「頼んだぞ」
照「…行ってらっしゃい」ペラッ
セーラ「なんで俺が後輩を起こしに行くねん…くそ」
セーラ「(…照のやつ、前はもっと可愛げがあったのに
去年から無口で冷たい読書マシーンになってしまいよった)」
セーラ「(クールキャラってやつか?そんなん全然似合ってへんわ、アホ)」
照「…あの子、みんなに迷惑かけてばっかり」
菫「だな」
尭深「あ、あのどうしますか?」
セーラ「あぁもう、また俺か」
菫「頼んだぞ」
照「…行ってらっしゃい」ペラッ
セーラ「なんで俺が後輩を起こしに行くねん…くそ」
セーラ「(…照のやつ、前はもっと可愛げがあったのに
去年から無口で冷たい読書マシーンになってしまいよった)」
セーラ「(クールキャラってやつか?そんなん全然似合ってへんわ、アホ)」
淡の教室
セーラ「まーたスヤスヤ寝よってからに」
淡「スー…スー」
セーラ「こら、淡、起きろ」
淡「スー…スー」
セーラ「淡!部活や!」
淡「んっ…セーラ?」
セーラ「せやから呼び捨てやめろっちゅうねんもう」
淡「むにゃむにゃ…起こしにきてくれたの?セーラ、ありがと」ダキッ
セーラ「そ、その抱きつく癖やめーや//」ナデナデ
セーラ「まーたスヤスヤ寝よってからに」
淡「スー…スー」
セーラ「こら、淡、起きろ」
淡「スー…スー」
セーラ「淡!部活や!」
淡「んっ…セーラ?」
セーラ「せやから呼び捨てやめろっちゅうねんもう」
淡「むにゃむにゃ…起こしにきてくれたの?セーラ、ありがと」ダキッ
セーラ「そ、その抱きつく癖やめーや//」ナデナデ
淡「えへへ、だって、セーラが照れると可愛いんだもん」ギュウ
セーラ「こら、俺は先輩やで?忘れてへん?」
淡「忘れてないよ~、じゃあ行こう?エスコートして欲しいなぁ」
セーラ「…はいはい、ほら」
淡「やったぁ」ウデクミ
セーラ「(今年入った大物新人、大星淡。照を髣髴とさせる圧倒的な力…
正直、俺も勝つのはちょっと難しい相手…)」
セーラ「(そんな新人はちょっと抜けてて、よく遅刻する。
そんでなぜか俺にやたらと懐く…なんでや?)」
セーラ「こら、俺は先輩やで?忘れてへん?」
淡「忘れてないよ~、じゃあ行こう?エスコートして欲しいなぁ」
セーラ「…はいはい、ほら」
淡「やったぁ」ウデクミ
セーラ「(今年入った大物新人、大星淡。照を髣髴とさせる圧倒的な力…
正直、俺も勝つのはちょっと難しい相手…)」
セーラ「(そんな新人はちょっと抜けてて、よく遅刻する。
そんでなぜか俺にやたらと懐く…なんでや?)」
再び部室
セーラ「アホの1年連れて来たで~」
淡「アホじゃないよ、もうセーラ」
菫「大星、お前は何度遅刻するつもりだ」イライラ
淡「ごめんね菫」
尭深「あ、淡ちゃん弘世先輩にはちゃんとしなきゃ」
セーラ「尭深、それどういう意味や」
尭深「え、別に他意はない…ですけど」オドオド
照「…淡」ペラッ
淡「なに?テル~」
照「淡が遅れるせいでみんなに迷惑がかかる」
淡「う、うん」
セーラ「アホの1年連れて来たで~」
淡「アホじゃないよ、もうセーラ」
菫「大星、お前は何度遅刻するつもりだ」イライラ
淡「ごめんね菫」
尭深「あ、淡ちゃん弘世先輩にはちゃんとしなきゃ」
セーラ「尭深、それどういう意味や」
尭深「え、別に他意はない…ですけど」オドオド
照「…淡」ペラッ
淡「なに?テル~」
照「淡が遅れるせいでみんなに迷惑がかかる」
淡「う、うん」
照「セーラは甘いから言わないけど、もっとちゃんとしなきゃ」
セーラ「なんやと、俺かてちゃんと怒ってるわ!」
照「ん、セーラは少し黙ってて…淡、わかるよね?
1軍としては、少し自覚が足りないんじゃないかな」
淡「ごめんなさい」シュン
照「わかればいい、菫も、あんまりきつく叱っても逆効果」ペラッ
菫「…わかったよ」
セーラ「なんやねんもう…(照のやつ偉そうにしよってからに)」
セーラ「(…最近は弘世にも照にもいちいち腹立つわ)」
セーラ「(前みたいな和気藹々とした部活はどこ行ったんや)」
セーラ「なんやと、俺かてちゃんと怒ってるわ!」
照「ん、セーラは少し黙ってて…淡、わかるよね?
1軍としては、少し自覚が足りないんじゃないかな」
淡「ごめんなさい」シュン
照「わかればいい、菫も、あんまりきつく叱っても逆効果」ペラッ
菫「…わかったよ」
セーラ「なんやねんもう…(照のやつ偉そうにしよってからに)」
セーラ「(…最近は弘世にも照にもいちいち腹立つわ)」
セーラ「(前みたいな和気藹々とした部活はどこ行ったんや)」
セーラ「(正直楽しくないで、照…)」チラッ
照「…なに?」ペラッ
セーラ「別に、なんもない」プイッ
照「そう…」ペラッ
セーラ「(…勝てば勝つほど照は変わっていったように思う…)」
セーラ「(あいつに敵う相手はもう存在せん…だからそんな気だるそうなんか?)」
セーラ「(それでクールキャラか?厳しい先輩か?…そんなん、照ちゃうやん)」
セーラ「(…はぁ、もう。友達になれて嬉しいって言うてた照はどこに行ったんや)」
照「…なに?」ペラッ
セーラ「別に、なんもない」プイッ
照「そう…」ペラッ
セーラ「(…勝てば勝つほど照は変わっていったように思う…)」
セーラ「(あいつに敵う相手はもう存在せん…だからそんな気だるそうなんか?)」
セーラ「(それでクールキャラか?厳しい先輩か?…そんなん、照ちゃうやん)」
セーラ「(…はぁ、もう。友達になれて嬉しいって言うてた照はどこに行ったんや)」
淡「セーラ?なんでぼーっとしてるの?」
セーラ「せやから先輩を呼び捨てにすんな…いやもうええわ」
淡「どうしたの?変だよ?」
セーラ「変ちゃうよ、いつもと一緒や」
淡「そうかな~」
セーラ「…なぁ、弘世」
菫「ん、なんだ?」
セーラ「ちょっと今日は帰るわ、なんかやる気出ぇへん」
淡「えぇっ!?なんで?帰っちゃうの?」
菫「どうした?」
照「……」ペラッ
セーラ「せやから先輩を呼び捨てにすんな…いやもうええわ」
淡「どうしたの?変だよ?」
セーラ「変ちゃうよ、いつもと一緒や」
淡「そうかな~」
セーラ「…なぁ、弘世」
菫「ん、なんだ?」
セーラ「ちょっと今日は帰るわ、なんかやる気出ぇへん」
淡「えぇっ!?なんで?帰っちゃうの?」
菫「どうした?」
照「……」ペラッ
尭深「体調が悪いんですか?あのよかったらお茶でも…」
セーラ「いや、今日はええわ。尭深、ごめんな」
尭深「い、いえ…」
菫「…はぁ、頭が痛い。お前ら二人はなんでこういつもいつも…」ガミガミ
セーラ「ほなまた明日」
淡「待ってよセーラ、私も一緒に帰る!」
菫「待て大星、お前はさっき自覚がないって怒られたばかりじゃないのか」
淡「…だって、セーラがいない部活なんかつまんないんだもん」
尭深「あ、淡ちゃんそれは…」
セーラ「いや、今日はええわ。尭深、ごめんな」
尭深「い、いえ…」
菫「…はぁ、頭が痛い。お前ら二人はなんでこういつもいつも…」ガミガミ
セーラ「ほなまた明日」
淡「待ってよセーラ、私も一緒に帰る!」
菫「待て大星、お前はさっき自覚がないって怒られたばかりじゃないのか」
淡「…だって、セーラがいない部活なんかつまんないんだもん」
尭深「あ、淡ちゃんそれは…」
菫「はぁ?それはどういう意味だ」
淡「そのままの意味でーす」
セーラ「…お好きにどーぞ」
菫「お前らふざけるのもいい加減にしろよ、だいたいお前らは…」ガミガミ
照「……」ペラッ
セーラ「ふんっ…すかしてんちゃうぞ」
ガラッ
菫「お、おい江口!大星!照、止めろよ!」
照「……やる気ない人はいなくていいよ」ペラッ
尭深「あ、あぁ…」オドオド
淡「そのままの意味でーす」
セーラ「…お好きにどーぞ」
菫「お前らふざけるのもいい加減にしろよ、だいたいお前らは…」ガミガミ
照「……」ペラッ
セーラ「ふんっ…すかしてんちゃうぞ」
ガラッ
菫「お、おい江口!大星!照、止めろよ!」
照「……やる気ない人はいなくていいよ」ペラッ
尭深「あ、あぁ…」オドオド
寮までの帰り道
セーラ「お前よう弘世につまらんとか言えたな~」
淡「だってほんとのことだし」
セーラ「ま、俺も同感やから怒らへんけど」
淡「やっぱりそうだよね?」
セーラ「先輩らがおるころは楽しかったんやで
照や弘世ともバカやってたし」
淡「私が初めて練習見学に来たときも楽しそうだなぁって
そう思ったから白糸台を選んだんだよ?」
セーラ「あぁ、そんなこと言うてたな」
淡「なのに、いざ入学してみたらこれだもんなぁ」
セーラ「すまんな」
淡「う、ううん!違うの、セーラは悪くないよ?
セーラがいなかったらもうとっくに辞めてるもん…」
セーラ「はは、それはウソでも嬉しいで淡」ナデナデ
淡「う、ウソじゃないよ//」
セーラ「お前よう弘世につまらんとか言えたな~」
淡「だってほんとのことだし」
セーラ「ま、俺も同感やから怒らへんけど」
淡「やっぱりそうだよね?」
セーラ「先輩らがおるころは楽しかったんやで
照や弘世ともバカやってたし」
淡「私が初めて練習見学に来たときも楽しそうだなぁって
そう思ったから白糸台を選んだんだよ?」
セーラ「あぁ、そんなこと言うてたな」
淡「なのに、いざ入学してみたらこれだもんなぁ」
セーラ「すまんな」
淡「う、ううん!違うの、セーラは悪くないよ?
セーラがいなかったらもうとっくに辞めてるもん…」
セーラ「はは、それはウソでも嬉しいで淡」ナデナデ
淡「う、ウソじゃないよ//」
セーラ「先輩らが卒業したら弘世が前にも増してガミガミうるさいし
照はなんか無口でクールぶっとるし、…はぁ、なんかもう」
淡「…照はなんであんなに殺伐としてるの?
無口かと思えば今日みたいに怒ってくるし…あの人わけわかんない」
セーラ「先輩をボロクソやなぁ」クスクス
淡「ご、ごめん…でも…正直、あの人は好きになれない」
セーラ「…今のままの照がずっと続くようなんやったら、俺も同じや」
淡「確かに強いよ?圧倒的だし、私でも勝てなかったし…けど……」
セーラ「けどなんや?」
淡「…ただ強くて、あんなに無口じゃ…ちょっと怖いよ。ロボットみたい」
セーラ「そうか…(俺も似たようなこと思ってたわ…)」
淡「私は…セーラや尭深と楽しくわいわい打ちたい…」
照はなんか無口でクールぶっとるし、…はぁ、なんかもう」
淡「…照はなんであんなに殺伐としてるの?
無口かと思えば今日みたいに怒ってくるし…あの人わけわかんない」
セーラ「先輩をボロクソやなぁ」クスクス
淡「ご、ごめん…でも…正直、あの人は好きになれない」
セーラ「…今のままの照がずっと続くようなんやったら、俺も同じや」
淡「確かに強いよ?圧倒的だし、私でも勝てなかったし…けど……」
セーラ「けどなんや?」
淡「…ただ強くて、あんなに無口じゃ…ちょっと怖いよ。ロボットみたい」
セーラ「そうか…(俺も似たようなこと思ってたわ…)」
淡「私は…セーラや尭深と楽しくわいわい打ちたい…」
セーラ「でも、白糸台には勝利が義務付けられてるんや。
照や弘世は、俺なんかよりもずっとその重荷と戦ってる…それはわかる」
セーラ「だから、そう楽しいことばっかりってわけには…いかんねんて」
淡「なら、私はあの部にいたくない」
セーラ「期待の新人に辞めてもらうわけにはいかんで~」
淡「わかってるけど…」
セーラ「お前は俺より強い、照には負けるけど
でも、いい勝負が出来てる…そやから辞めるなんて言うな」
淡「…セーラがいてくれるなら、辞めないよ」
セーラ「ほな、俺が辞めんように頑張るわ」
淡「お願いだよ?辞めないでね」
セーラ「…特待生がそう簡単に退部できるかい」
淡「そ、そっか…それもそうだね」
照や弘世は、俺なんかよりもずっとその重荷と戦ってる…それはわかる」
セーラ「だから、そう楽しいことばっかりってわけには…いかんねんて」
淡「なら、私はあの部にいたくない」
セーラ「期待の新人に辞めてもらうわけにはいかんで~」
淡「わかってるけど…」
セーラ「お前は俺より強い、照には負けるけど
でも、いい勝負が出来てる…そやから辞めるなんて言うな」
淡「…セーラがいてくれるなら、辞めないよ」
セーラ「ほな、俺が辞めんように頑張るわ」
淡「お願いだよ?辞めないでね」
セーラ「…特待生がそう簡単に退部できるかい」
淡「そ、そっか…それもそうだね」
セーラ「あぁ…(せやから、辛いんやないか)」
セーラ「(俺がいてもいなくても白糸台はあいつ一人で勝てる。
有望な1年生もいる…なら、俺の存在意義は?)」
セーラ「(弘世は部長で部を上手いことまとめてるやんか、
じゃあ、俺は何が出来る?何をしてる?)」
セーラ「(自分より才能のある1年生を辞めさせないために
部にい続ける…それが俺の存在意義か?)」
セーラ「…虚しいな」
淡「え、何か言った?」
セーラ「いや…なんも言ってへん」
セーラ「(俺がいてもいなくても白糸台はあいつ一人で勝てる。
有望な1年生もいる…なら、俺の存在意義は?)」
セーラ「(弘世は部長で部を上手いことまとめてるやんか、
じゃあ、俺は何が出来る?何をしてる?)」
セーラ「(自分より才能のある1年生を辞めさせないために
部にい続ける…それが俺の存在意義か?)」
セーラ「…虚しいな」
淡「え、何か言った?」
セーラ「いや…なんも言ってへん」
淡「ねぇ、せっかくだから遊びに行こうよ?」
セーラ「お、ええな!たこ焼き食べよ」
淡「うん!セーラのおごりね!」
セーラ「えぇっ」
淡「先輩だもんね~?」
セーラ「こんな時だけ先輩かい。まあええ、ほな行くで~」
淡「うんっ!!」
セーラ「(…大阪、帰りたいなぁ)」
セーラ「(なんて竜華や怜に言うたら怒るかな…甘えるなって言うかな…)」
セーラ「(…辛いなぁ)」
セーラ「お、ええな!たこ焼き食べよ」
淡「うん!セーラのおごりね!」
セーラ「えぇっ」
淡「先輩だもんね~?」
セーラ「こんな時だけ先輩かい。まあええ、ほな行くで~」
淡「うんっ!!」
セーラ「(…大阪、帰りたいなぁ)」
セーラ「(なんて竜華や怜に言うたら怒るかな…甘えるなって言うかな…)」
セーラ「(…辛いなぁ)」
数日後
インハイ予選前、レギュラー発表後、虎姫専用部屋
淡「私が大将なんてびっくりだよー」
セーラ「ま、適任やな」
弘世「ようやくお前のやりたかった先鋒じゃないか、照」
照「…ん、だね」ペラッ
淡「セーラは中堅だったよね、希望してたんだって?」
セーラ「おう、ちょっと事情があってな。去年はアカンって言われたけど
今年は淡が入ったから融通してくれたわ」
菫「愛宕洋榎か?」
セーラ「ま、そんなとこやな」
淡「え、誰?」
セーラ「俺の、まあ、宿命の何とかってやつやな」
インハイ予選前、レギュラー発表後、虎姫専用部屋
淡「私が大将なんてびっくりだよー」
セーラ「ま、適任やな」
弘世「ようやくお前のやりたかった先鋒じゃないか、照」
照「…ん、だね」ペラッ
淡「セーラは中堅だったよね、希望してたんだって?」
セーラ「おう、ちょっと事情があってな。去年はアカンって言われたけど
今年は淡が入ったから融通してくれたわ」
菫「愛宕洋榎か?」
セーラ「ま、そんなとこやな」
淡「え、誰?」
セーラ「俺の、まあ、宿命の何とかってやつやな」
淡「なんて人?」
セーラ「姫松高校のエース愛宕洋榎。ここの高校は伝統的にエースが中堅なんや」
淡「ほぉほぉ、それでなんだ~」
尭深「あ、あの、私初めての全国なのに副将は気が重いんですけど…」
菫「何を言うんだ渋谷。お前の実力からして、気が重いなんてことはない」
セーラ「せやで尭深、お前なら大丈夫や!自信持てよー」
尭深「は、はい…」
セーラ「(1年のときにビビってた弘世みたいやな…
あのメンタル激弱やった弘世が尭深を励ましてるんやな…)」
セーラ「姫松高校のエース愛宕洋榎。ここの高校は伝統的にエースが中堅なんや」
淡「ほぉほぉ、それでなんだ~」
尭深「あ、あの、私初めての全国なのに副将は気が重いんですけど…」
菫「何を言うんだ渋谷。お前の実力からして、気が重いなんてことはない」
セーラ「せやで尭深、お前なら大丈夫や!自信持てよー」
尭深「は、はい…」
セーラ「(1年のときにビビってた弘世みたいやな…
あのメンタル激弱やった弘世が尭深を励ましてるんやな…)」
セーラ「(…みんな、成長…してる)」チラッ
照「……」ペラッ
セーラ「…(照は強くなった、弘世は頼もしくなった)」
セーラ「(じゃあ、俺は?俺は成長してる?)」
セーラ「(自信ないで…そらちょっとは強くなったかも知れん、
でも何の手ごたえもない)」
セーラ「…はぁ(だってそうやろ?別に俺じゃなくても優勝できたんやから)」
セーラ「(照が一人いて、あとは飛ばされない程度なら誰でもええんや…)」
セーラ「(なんて、卑屈すぎるんかな…俺の居場所は、ここにあるんかな?)」
照「……」ペラッ
セーラ「…(照は強くなった、弘世は頼もしくなった)」
セーラ「(じゃあ、俺は?俺は成長してる?)」
セーラ「(自信ないで…そらちょっとは強くなったかも知れん、
でも何の手ごたえもない)」
セーラ「…はぁ(だってそうやろ?別に俺じゃなくても優勝できたんやから)」
セーラ「(照が一人いて、あとは飛ばされない程度なら誰でもええんや…)」
セーラ「(なんて、卑屈すぎるんかな…俺の居場所は、ここにあるんかな?)」
淡「セーラ、ねぇ、このあとどうする?」
セーラ「ん?なんの話や?」
淡「昨日、明日はデートしようって約束したでしょ~」
セーラ「そうやっけ?」
照「……」ペラッ
セーラ「っちゅうかデートってなんやそれ」
淡「遊ぶのもデートも似たようなもんだからさー」
セーラ「ちゃうわアホ」コツン
淡「もう、痛いよー」ニコニコ
セーラ「ん?なんの話や?」
淡「昨日、明日はデートしようって約束したでしょ~」
セーラ「そうやっけ?」
照「……」ペラッ
セーラ「っちゅうかデートってなんやそれ」
淡「遊ぶのもデートも似たようなもんだからさー」
セーラ「ちゃうわアホ」コツン
淡「もう、痛いよー」ニコニコ
菫「おい、お前はデートもいいが練習をマジメにやれ」
セーラ「やってるやん、俺は練習で手を抜いたことなんかないけど」イラッ
菫「この間、やる気が出ないって言って勝手に帰ったのは誰だよ」
セーラ「しゃーないやん、そういう時くらいあるやろ」
照「…セーラには真剣さが足りない」ペラッ
セーラ「はぁ?どこがや?」イライラ
照「みんな真剣にやってるのに大きな声で笑ったり
グチグチと文句ばっか言ったり勝手に帰ったり……」ペラッ
セーラ「」カチン
セーラ「やってるやん、俺は練習で手を抜いたことなんかないけど」イラッ
菫「この間、やる気が出ないって言って勝手に帰ったのは誰だよ」
セーラ「しゃーないやん、そういう時くらいあるやろ」
照「…セーラには真剣さが足りない」ペラッ
セーラ「はぁ?どこがや?」イライラ
照「みんな真剣にやってるのに大きな声で笑ったり
グチグチと文句ばっか言ったり勝手に帰ったり……」ペラッ
セーラ「」カチン
セーラ「はぁ?お前には言われたくないわ、こうやって話してるときも
そうやって本から顔も上げようとせーへんやないか」
セーラ「それが人に何か言う態度か?お前いつからそんな偉くなってん?」
照「……」パタン
セーラ「あぁ、そうですかそうですか。日本一の高校生はそんなに偉いんですか」
照「……別に、そういうことを言ってるんじゃない」
菫「おい止めろ、くだらないことでケンカするな」
セーラ「ほう、弘世はこれがくだらんって言うんか?」
そうやって本から顔も上げようとせーへんやないか」
セーラ「それが人に何か言う態度か?お前いつからそんな偉くなってん?」
照「……」パタン
セーラ「あぁ、そうですかそうですか。日本一の高校生はそんなに偉いんですか」
照「……別に、そういうことを言ってるんじゃない」
菫「おい止めろ、くだらないことでケンカするな」
セーラ「ほう、弘世はこれがくだらんって言うんか?」
菫「そんなにイライラするな、江口」
セーラ「イライラさせてんのは誰やねん!」バンッ!!
淡「っ!」ビクッ!
尭深「っ!」ビクッ!
セーラ「…すまん、淡と尭深…お前ら先に帰れ」
淡「あ、で、でも…」
尭深「淡ちゃん、もう帰ろう…ね?」
淡「う、うん…」
ガラッ
バタン
トコトコトコトコ
セーラ「イライラさせてんのは誰やねん!」バンッ!!
淡「っ!」ビクッ!
尭深「っ!」ビクッ!
セーラ「…すまん、淡と尭深…お前ら先に帰れ」
淡「あ、で、でも…」
尭深「淡ちゃん、もう帰ろう…ね?」
淡「う、うん…」
ガラッ
バタン
トコトコトコトコ
セーラ「…いい機会やから言いたいこと言わせてもらうわ」
菫「…勝手にしろ」
照「……」
セーラ「俺は…俺は昔みたいに楽しくやりたいだけなんや」
セーラ「こんなギスギスした部活は嫌や、全然面白くないやん」
菫「…全国三連覇がかかっている以上、そんなことは言っていられないだろ」
セーラ「そんなことはわかってる…わかってるけど!」
菫「1年生の頃のように頂点を追いかけていたときとは違うんだよ
私たちにはやり遂げなければならない多くのことがある」
照「…楽しいとか、面白いとか、そういうのは今の私たちには必要ない」
菫「…勝手にしろ」
照「……」
セーラ「俺は…俺は昔みたいに楽しくやりたいだけなんや」
セーラ「こんなギスギスした部活は嫌や、全然面白くないやん」
菫「…全国三連覇がかかっている以上、そんなことは言っていられないだろ」
セーラ「そんなことはわかってる…わかってるけど!」
菫「1年生の頃のように頂点を追いかけていたときとは違うんだよ
私たちにはやり遂げなければならない多くのことがある」
照「…楽しいとか、面白いとか、そういうのは今の私たちには必要ない」
セーラ「そうか…お前らと俺はもう前みたいに分かり合えへんみたいやな」
照「…かもね」
菫「考えが違ってしまったのは残念だよ」
セーラ「なぁ、照…なんでそんな風になってしもたんや?
前のお前はもっと笑ってたやん、なんでも楽しそうやったやん!」
セーラ「…ごめん、今のお前は好きになれへん」
照「…そう」
セーラ「これだけ言われてそんだけしか言い返せへんのか?」
照「どうせ…セーラには分からないよ」
セーラ「あぁ、そうか。ほな、そうやって抱え込んで無口になっとけや」
菫「…もうそのへんにしとけよ、お前ら」
照「…かもね」
菫「考えが違ってしまったのは残念だよ」
セーラ「なぁ、照…なんでそんな風になってしもたんや?
前のお前はもっと笑ってたやん、なんでも楽しそうやったやん!」
セーラ「…ごめん、今のお前は好きになれへん」
照「…そう」
セーラ「これだけ言われてそんだけしか言い返せへんのか?」
照「どうせ…セーラには分からないよ」
セーラ「あぁ、そうか。ほな、そうやって抱え込んで無口になっとけや」
菫「…もうそのへんにしとけよ、お前ら」
セーラ「なぁ、弘世…オーダー提出っていつまで?」
菫「え?あぁ…確か、来週のあたまにある抽選会までだったような」
セーラ「俺を外してくれ」
菫「は?何を言ってるんだ江口」
セーラ「わがままって言うかもしれんけど、俺は自分の意見の合わんやつや
何か抱え込んだまま他人を閉ざしてるやつとは同じチームで戦いたくない」
セーラ「どうせ、俺やなくても優勝できるやろ」
菫「ふざけたことを言うなよ江口、撤回しろ」
セーラ「嫌や、撤回せん。俺は団体戦から外れる。
誠子でも入れればええやろ、どうせ誰がいても勝てるんやし」
セーラ「照がいればええねん、俺らはどうでもええんや。
…俺なんかいてもいんでも一緒や。何も変わらんわ」
菫「え?あぁ…確か、来週のあたまにある抽選会までだったような」
セーラ「俺を外してくれ」
菫「は?何を言ってるんだ江口」
セーラ「わがままって言うかもしれんけど、俺は自分の意見の合わんやつや
何か抱え込んだまま他人を閉ざしてるやつとは同じチームで戦いたくない」
セーラ「どうせ、俺やなくても優勝できるやろ」
菫「ふざけたことを言うなよ江口、撤回しろ」
セーラ「嫌や、撤回せん。俺は団体戦から外れる。
誠子でも入れればええやろ、どうせ誰がいても勝てるんやし」
セーラ「照がいればええねん、俺らはどうでもええんや。
…俺なんかいてもいんでも一緒や。何も変わらんわ」
照「…それ、本気なの?」
セーラ「あぁ、本気やで。ほんまやったら退部でもしてやりたい気分やけど
特待やしそういうわけにもいかんから、とりあえずメンバーから外してくれ」
照「ダメ…そんなの、ダメだよ」
セーラ「なんでや?別に俺やなくても」
照「セーラじゃなきゃダメだよ!!」
セーラ「照…?」
照「…ダメだよ…セーラ…ダメ…グス」
セーラ「はぁ、なんで照が泣くねん…」
菫「…とりあえず照に謝れ」
セーラ「………」
セーラ「あぁ、本気やで。ほんまやったら退部でもしてやりたい気分やけど
特待やしそういうわけにもいかんから、とりあえずメンバーから外してくれ」
照「ダメ…そんなの、ダメだよ」
セーラ「なんでや?別に俺やなくても」
照「セーラじゃなきゃダメだよ!!」
セーラ「照…?」
照「…ダメだよ…セーラ…ダメ…グス」
セーラ「はぁ、なんで照が泣くねん…」
菫「…とりあえず照に謝れ」
セーラ「………」
菫「江口、お前はホントに何も分かってないんだな…あぁもう」アキレ
セーラ「ん?何のことや?」
照「…菫、今何か言ったら本気で怒るから、グスッ」
菫「あぁ、はいはいわかったよ」
セーラ「え、な、なんやねん?」
照「…菫、申し訳ないけど二人にして」
菫「わかったよ、もう…じゃあまた明日」
セーラ「お、おう…(な、なんやねん???)」
ガラッ
バタン
テクテクテクテク
セーラ「ん?何のことや?」
照「…菫、今何か言ったら本気で怒るから、グスッ」
菫「あぁ、はいはいわかったよ」
セーラ「え、な、なんやねん?」
照「…菫、申し訳ないけど二人にして」
菫「わかったよ、もう…じゃあまた明日」
セーラ「お、おう…(な、なんやねん???)」
ガラッ
バタン
テクテクテクテク
照「…セーラ、ごめん、ズズッ」
セーラ「何に対してのごめんかわからんで」
照「えっと…いろいろ」
セーラ「はぁ、それでは全然分からん」
照「うん…」
セーラ「まぁ、その、俺もちょっと言いすぎたとこあるし…」
照「…ちょっと悲しかった」
セーラ「ごめん、照…」
照「そりゃ…私だって…楽しくやりたいよ」
セーラ「え?でもお前それは必要ないって言うたやん」
セーラ「何に対してのごめんかわからんで」
照「えっと…いろいろ」
セーラ「はぁ、それでは全然分からん」
照「うん…」
セーラ「まぁ、その、俺もちょっと言いすぎたとこあるし…」
照「…ちょっと悲しかった」
セーラ「ごめん、照…」
照「そりゃ…私だって…楽しくやりたいよ」
セーラ「え?でもお前それは必要ないって言うたやん」
照「…確かに、全国で勝つためには必要ない」
セーラ「そやったら…」
照「けど…勝たなくてもいいなら、楽しい方がいい」
照「一年生のときは、勝ちたかったけど、絶対勝たなきゃいけないっていう
プレッシャーはそんなになかったから…楽しかったよね」
セーラ「俺らは挑戦者やったからな」
照「…今も、ほんとは楽しくやりたい。でも、そういうわけにはいかない」
セーラ「……」
照「セーラが今の状況をよく思ってないのは気付いていたけど
でも、それに慣れてもらうしかないと思ってた」
照「後輩達にも、勝つ為にはこれだけのことをしなくちゃいけないんだって
それを先輩として示さなくちゃいけないって思ってた」
照「菫とはそういう話をよくしていたんだけど、
セーラとはなかなかそういう機会がなくて…」
セーラ「そやったら…」
照「けど…勝たなくてもいいなら、楽しい方がいい」
照「一年生のときは、勝ちたかったけど、絶対勝たなきゃいけないっていう
プレッシャーはそんなになかったから…楽しかったよね」
セーラ「俺らは挑戦者やったからな」
照「…今も、ほんとは楽しくやりたい。でも、そういうわけにはいかない」
セーラ「……」
照「セーラが今の状況をよく思ってないのは気付いていたけど
でも、それに慣れてもらうしかないと思ってた」
照「後輩達にも、勝つ為にはこれだけのことをしなくちゃいけないんだって
それを先輩として示さなくちゃいけないって思ってた」
照「菫とはそういう話をよくしていたんだけど、
セーラとはなかなかそういう機会がなくて…」
セーラ「お前、なんか去年くらいからキャラ変わってたやん
無口で本ばっかり読んで、喋ったと思ったら小言ばっかり言うて」
照「…ごめん」
セーラ「そやから照とは喋りにくかったんや、
そんで後輩らとばっかりいるようになったわ」
照「私は…私は…」
セーラ「…なんでそんな閉じこもるんや。もっと話せや」
照「でも…」
セーラ「俺にはわからんことかも知れんけど、でも聞くくらい出来るやん」
セーラ「もっと頼ってもええと思うで?」
照「…話をしたら、団体戦に出てくれる?」
無口で本ばっかり読んで、喋ったと思ったら小言ばっかり言うて」
照「…ごめん」
セーラ「そやから照とは喋りにくかったんや、
そんで後輩らとばっかりいるようになったわ」
照「私は…私は…」
セーラ「…なんでそんな閉じこもるんや。もっと話せや」
照「でも…」
セーラ「俺にはわからんことかも知れんけど、でも聞くくらい出来るやん」
セーラ「もっと頼ってもええと思うで?」
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