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元スレP「雪歩のなつき度が最大になった」
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>>47
穴掘って埋められそうだよな
穴掘って埋められそうだよな
ミーン ミンミン……
P「……」
P(季節は夏。誰もいない事務所に、俺と雪歩のふたりっきり)
雪歩「……」
P(雪歩は寝ていて、俺は書類仕事を行っている。音無さんは……どこに行ったんだ?)
P(そんなことすら、俺は、何も知らなかった)
P(俺がここに来てから、もう随分が経つけれど)
P(色んな人と出会い、たくさんのことを学んできたつもりだったけれど)
P(それでも、プロデューサー業以外のことは何も知らない、わからない。俺はそんな、ただの一人の平凡な男だった)
ミーン ミンミン……
ゆりしーの頃よかったけどいつまでもその頃がよかったって言ってる奴は正直キモい
P(このとき雪歩が、本当はどんな表情をしていたのかも、知らなかった)
P(このとき律子が、扉の向こうでペタリと座り込んでいたということも、ずっと後になるまで知らなかった)
P(このとき、俺が……)
P「……」
雪歩「……」
P(本当はどんな気持ちでいたのかも、俺自身のことなのに、俺はわかっていなかったのだ)
ミーン ミンミン……
P「暑いな……暑くて、熱い」
雪歩「……」
P「……雪歩、俺は……」
P(夏は始まったばかりで……、俺たちはみんな、揃いも揃って、ただの子どもだった)
『プロデューサー』
『プロデューサーのこと、私は……』
『どうして……私じゃダメなんですか……』
『どうして、あなたじゃなくちゃ、ダメなんでしょう……』
『――なのに、どうして……』
『――になってくれる人だけを、――になれたら……いいのに』
??「――サーさん、プロデューサーさん! ほら、起きてくださーい!」
P「ん、ああ……、すまない、寝ちゃってたか……」
春香「えへへ、ほら、着きましたよ! 荷物持って、早く行きましょうっ!」
P「わかったわかった……だから、そんな大きな声を出さないでくれ」
春香「なーに言ってるんですか! みんな待ってますから、ほら早く早くっ」
P「……ああ」
P(なんだか、懐かしい夢を見た気がする。あれは、いつのことだっただろう?)
ザザア…… ザザーン……
春香「うわあ……! プロデューサーさんっ、海ですよ、海っ!」
P「海だなあ。でも、春香は海くらい、撮影で何度も来てるだろ?」
春香「むー……プロデューサーさん、わかってないです。お仕事で来るのと、今みたいなのは、違うんですよーだ」
P「……そういうもんか」
春香「はい、そういうもんです♪ それじゃ私も、着替えてきますね!」
P「ああ。日焼け止め、忘れるなよー」
春香「はーい♪」
P(俺たちは、今海に来ている。慰安旅行ってやつだ)
P(残念ながら、去年と違って仕事量も増えてきているので、全員参加というわけにはいかなかったが……)
P(それでも、女の子たちの多くは、なんとか時間を作って参加してくれた)
雪歩「う、うぅ……は、恥ずかしいよぉ……」
P「……大丈夫か、雪歩」
雪歩「あ、プロデューサー! ああ……やっと来てくれましたぁ」
P「遅くなってごめんな。それより……人混みは、まだ苦手か?」
雪歩「は、はい……去年の海よりは人も少ないけど、それでも……」
P「……何かあったら、真っ先に大声を出すんだぞ。俺はここでみんなを見てるから、すぐ駆けつけてやる」
雪歩「……わかりました。それなら、安心ですぅ」
ユーキピョーン! ハーヤークー!
P「ほら、真美たちも呼んでるから、行っておいで」
雪歩「はい♪」
たったった……
雪歩「……あ」
クルリ
P「ん、どうした?」
雪歩「えっと……その……う、うぅ」
P「……?」
雪歩「……! ……!」クルクル
P(雪歩が、目を><みたいな形にして、くるくる回っている……なんだ? 何かの儀式か?)
雪歩「あ、あの……み、みず……、ミズギ……」
P(……ああ、そういうことか)
P「……よく似合ってるよ、雪歩。今ビーチで一番かわいいのは、間違いなく雪歩だな」
雪歩「! ……えへへ……、い、行ってきますぅ!」
P「さて、と……」
春香「……」
P「きゃっ! は、春香!? お、脅かすなよ……」
春香「きゃってなんですか、きゃって……それより、プロデューサーさん?」
P「うん、なんだ?」
春香「ビーチで一番かわいいのは、誰なんですか~?」
P「……聞いてたのか」
春香「聞こえちゃいました。それで……」
P「春香もかわいいよ、もちろん」
春香「そ、そそそういうこと言って欲しいわけじゃなくてですね……もうっ」
春香「……ああもう、私も、行ってきますねっ!」
P「あ、ああ……」
P(春香、なんだか様子がいつもと違うような……)
たったった……
春香「……本当に、雪歩の気持ち、わかってないんだから……」ブツブツ
P「おーい、春香ー!」
春香「なーんですかーっ!」
P「そんなに勢いよく走ると……」
春香「え? なんですかーっ、聞こえ……ののわああっ!」
どんがらがっしゃーん!
そういや声優交代してるって聞いてけどゆりしー大天使って今何してるの?
ごはんはちゃんと食べてるの?
ごはんはちゃんと食べてるの?
P「ああ、言わんこっちゃない……大丈夫かあー?」タタタ
春香「あいたたたぁ……だ、大丈夫ですからっ! 一人で立てま……って」
P「ほら、手を貸してやるから……」スッ
春香「……」
ギュッ スタ
P「怪我はないか?」
春香「は、はい、平気です……慣れてますから、それに、砂浜だし……」
P「そうか、それならいいんだけど……」
春香「プロデューサーさん……来るの、早過ぎます」
P「そこに文句を言われるとは思わなかったな……」
春香「……そうやって、誰にでも優しいから……だから……」ボソボソ
ただの甘々SSかと思いきや微妙に重そうだな
まぁなんにせよ珍しい雪歩SS支援
まぁなんにせよ珍しい雪歩SS支援
真美「はるるーん! 兄ちゃーんっ!」ダキッ
春香「わぷっ」
真美「んっふっふ~♪ あんまり遅いから迎えにきちゃったっ! ……あれ、はるるん?」
春香「な、なに?」
真美「なんか、怒ってるっぽい? なんかあったの? だいじょぶ~?」
春香「なな、なんでもないよ! じゃあ、行こっか!」
真美「うん! 兄ちゃんも~」グイグイ
P「俺は監督役だから、遊ばなくてもいいよ。真美たちだけで遊んでおいで」
真美「えー! そんなのつまんなーい! ぶーぶー!」
春香「……いいよ、真美。プロデューサーさんなんかほっといて行こっ」
真美「え……、まあ、はるるんがそう言うなら……」
P「……」
ザザア…… ザザーン……
春香「……」クルリ
P「? 春香、こっちを振り返って、何か……」
春香「……――サーさんの……」
ザザアアァーン!!
春香「 !!!」
真美「!?」
P「……」
P(春香が、恐らく俺に対して叫んだ言葉は……、波の音に流されて、消えてしまった)
P(春香の隣にいた真美の驚いた顔と、叫んだあとにバランスを崩して転んでしまった春香の姿を見ながら)
P(俺は、何をするでもなく、ただなんとなく……、その場に立ち尽くしていた)
―――
――
―
真美「ふい~……ちかれたちかれた。でもめっちゃ楽しかったねっ!」
春香「そうだね、もう今夜はぐっすり眠れそう……はふ」
雪歩「うう、今から日焼けの痛みが怖いよぉ……」
P「みんなー、もうしばらくしたら食事だからな。部屋に荷物置いて、準備しておいで」
みんな「はーい」
P(海でひとしきり楽しんだあと、俺たちは今夜止まる旅館へとやってきた)
P(……もうそろそろ、着くかな)
ブロロロロ……
P「お、噂をすれば……」
律子「えっと、ごめんなさい。今日予約していた、ええ、765プロダクション……」
P「……律子」
律子「ああ、プロデューサー! 遅れてすみません、少しくらい、海にも顔出せると思ったんですけど」
P「まあ、仕方ないさ。竜宮小町のみんなは……」
律子「あはは……あそこに」
伊織「……」ムスー
あずさ「伊織ちゃん、どうしたの~? なんだか怖い顔してるわよ」
亜美「んっふっふ~。海で遊べなかったから、いおりんご機嫌ナナメなんだよ、あずさお姉ちゃん」
あずさ「まあ……ふふっ」
伊織「だ、だぁれがそんなことでご機嫌ナナメですって!? わ、私はただ、旅館がボロ臭かったから、それで……」
あずさ「伊織ちゃん、そんなこと言っちゃだめよ? とっても素敵なところじゃない」
伊織「う……ま、まぁ、よく見たらまあまあの旅館だけど……あーもうっ」
みんなの評価 : ★★
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