私的良スレ書庫
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元スレ咲 「この本なんだろ……。『まーじゃん部昔話』?」
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一 「まあまあ、それよりそろそろ家につくよ」
優希 「お腹ぺこぺこだじぇ! 早くタコスを食べるじぇ!」
淡 「食後のプリンも買ってあるしね~」
漫 (ウチは小人に入ってええんかな……)
七人の小人が家に到着し、扉を開けます。
すると、そこには阿知賀のアイドル・憧ちゃんがいました。
胡桃 「誰!?」
憧 「あ、お邪魔してまーす」
憧 「阿知賀のアイドル・憧ちゃんで~す」
七人は突然の来客に驚きましたが、
阿知賀のアイドル・憧ちゃんは、とても可愛かったのですぐに仲良くなりました。
わいわいと話しながら、夕ご飯を一緒に食べます。
時間は和やかに過ぎていきましたが、食後のデザートタイムに事件が起こりました。
淡 「さあ、みんなでプリンを食べよー」
優希 「待ってたじぇ~」
しかし、冷蔵庫を開けるとそこには――
空っぽになったプリンの容器が七つあるだけでした。
淡 「あ、あわあわ……」
マホ 「デザートなしになっちゃったのです!」
食後のとっておきのプリンが無くなり、七人は呆然としています。
すると阿知賀のアイドル・憧ちゃんは、舌をぺろっと出し、上目遣いでこう言いました。
憧 「ごめーん! 阿知賀のアイドル・憧ちゃんが食べちゃったんだ~」
憧 「許してほしいなっ! 阿知賀のアイドル・憧ちゃんからのお願いだよ?」
阿知賀のアイドル・憧ちゃん、かわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!
そこらへんの男性諸君なら、そう言って許したことでしょう。
しかし、とっておきの楽しみを失った七人の小人は、それでは許しませんでした。
淡 「へ~……」
胡桃 「絶対許さないからね!」
衣 「この愚者に……裁きを下す!」
マホ 「マホ……今なら殺れる気がします」
希 「とりあえず、こいつにプリンを買いにいかせるじぇ!」
一 「そうだね、ついでに皿洗いもしてもらおうか」
漫 「さあ、早速働いてもらうでー」
憧 「あ、あれ……?」
それからというもの、阿知賀のアイドル・憧ちゃんは七人の小人に厳しくしつけられました。
家事をこなし、山に木を切りにいき、一般常識の教育を受けます。
そして、一年後――
憧 「阿知賀女子麻雀部、新子憧と申します!」
そこには、立派に自立した新子憧がいました。
そう、七人の小人に出会ったことによって、かつてわがままし放題だった、
『阿知賀のアイドル・憧ちゃん』は死んだのです。
可愛ければなんでも許されるわけじゃない。
とても大事なことを、新子憧は教えてもらったのでした。
『白雪姫』 了
優希 「とりあえず、こいつにプリンを買いにいかせるじぇ!」
一 「そうだね、ついでに皿洗いもしてもらおうか」
漫 「さあ、早速働いてもらうでー」
憧 「あ、あれ……?」
それからというもの、阿知賀のアイドル・憧ちゃんは七人の小人に厳しくしつけられました。
家事をこなし、山に木を切りにいき、一般常識の教育を受けます。
そして、一年後――
憧 「阿知賀女子麻雀部、新子憧と申します!」
そこには、立派に自立した新子憧がいました。
そう、七人の小人に出会ったことによって、かつてわがままし放題だった、
『阿知賀のアイドル・憧ちゃん』は死んだのです。
可愛ければなんでも許されるわけじゃない。
とても大事なことを、新子憧は教えてもらったのでした。
『白雪姫』 了
『鶴の恩返し』
むかしむかし、あるところにとても親切な少女が住んでいました。
彼女はとても心優しく、村人からも好かれています。
煌 「さあ、今日も頑張りますよ……おや?」
少女が見つけたのは、罠にかかっている二匹の鶴でした。
少女はすぐに駆け寄ると、すぐに罠を外してあげます。
すると、自由になった鶴は、二匹仲良く山のほうへと飛んでいくのでした。
煌 「今日もすばらな一日でしたね……ん?」
その晩、少女が家で晩御飯を食べていると、玄関を叩く音が聞こえました。
少女は腰をあげ、扉を開けます。するとそこには、美しい二人の少女がいました。
姫子 「こんばんはー」
哩 「道に迷ってしまいまして……今晩、泊めていただけませんか」
煌 「こんな狭苦しいところで良ければ、喜んで!」
姫子 「いいんですか?」
煌 「人助けができるなんて、すばらですっ!」
二人はこの言葉に喜び、そこに泊まることにしました。
次の日も、また次の日も雪は降り続き数日が過ぎました。
家主の少女は心優しく、二人のために炊事、洗濯、何でもやりました。
煌 「二人とも、お風呂が沸きましたよ!」
姫子 (あ~、人間に化けて恩返しするつもりだったのに、なんかどうでもよくなってきちゃった)
哩 (居心地がよか……)
ある日のこと、二人の少女はこう言いました。
姫子 「これから私たちは部屋にこもって話し合いをします」
哩 「話し合いをしている間は、決して部屋を覗かないでください」
煌 「わかりました!」
少女は二人の言いつけどおり、決して部屋を覗くようなことはしませんでした。
しかし、二人の話し声は大きく、薄い扉を隔てて声が漏れてきました。
哩 「ここは居心地が良いし、もう寄生しようか」
姫子 「そうですね! あの人もちょーお人よしですし、許可してくれますって!」
煌 「聞いてしまった、うわぁショック~」
煌 「なんってことはないですね!」
煌 (ヒモ扱いでも私を必要としていてくれる)
煌 (こんなすばらなことはないですねっ!)
煌 (二人のお世話――任されました!)
少女は二人と一緒に住むことを決めました。
一生懸命お金を稼ぎ、一生懸命に二人の世話をします。
そんな少女の噂は村をこえてたちまち広がっていきました。
そして今日もまた、彼女のもとには人が訪ねてくるようです。
咏 「なんか、ここで一生養ってもらえるって聞いたんだけど~」
煌 「これで60人目……すばらですっ!」
『鶴の恩返し』 了
『三匹の子豚』
あるところに、三匹の子豚の姉妹がいました。
長女は病弱ですが、頑張り者。
怜 「こほっ、こほっ……。さあ、今日も頑張るで……」
次女は天然ですが、頑張り者。
玄 「お姉ちゃん、疲れたら私にお任せあれ!」
三女は聖人のうえに、頑張り者。
煌 「お姉様、その心意気すばらですっ!」
怜・玄・煌 「ぶひぶひぶひ」
三匹はとても仲良しです。
怠け者は誰一人いないのですが、話も進まないので、
母親は三匹に家を出るように、と自立を促しました。
家を追い出された三匹は、それぞれ家を建てることになります。
怜 「なにも追い出さなくてもなー」
煌 「まあ、何事も経験がすばらですっ」
玄 「ふぅーむ、なるほどなるほどー」
みんな頑張りやさんなので、一日中せっせと働きます。
そして、三匹はレンガ作りの家を隣同士に並べて完成させたのでした。
怜 「やったでー。早速、お祝いや」
煌 「盛大にやりましょう!」
玄 「それじゃあ、私の家でやろっか!」
怜・玄・煌 「ぶひぶひぶひ」
三匹はとても仲良しです。
そんな様子を遠くから見つめるものがいました。
茶色い毛、大きな口、回転する右腕――そう、狼です。
照 「……うまそうな匂いがする」
狼は鼻をくんくん、と鳴らすと匂いの根源を探ります。
それは、さきほど完成した豚さんたちの家から匂ってくるのでした。
照 「……今夜は腹いっぱいになりそうだな」
狼は舌なめずりすると、迷わず子豚の家へと向かいます。
そして玄関の前に立つと、コンコン、とノックをします。
玄 「はい! どなたですか?」
照 「あ、狼です」
怜 「狼やて……!」
玄 「ど、どどどーしよー、おねーちゃーん」
煌 「あまりすばらくない状況ですね……」
三匹は突然の狼の来訪に慌てふためきます。
何度もノックの音が響きます。三匹は震えながら身を寄せ合いました。
照 「開けてもらえない……。しょうがない、これを使うか」
狼は右手でドアノブを掴むと、そのまま右手を回転させました。
するとどうでしょう! ドアノブが回転により破壊されてしまいました。
照 「よし、開いた」
一方、ドアノブが壊された三匹は恐怖で縮みあがってしまいました。
怜 「どーする、どーする……」 アタフタ
玄 「だ、誰かが止めにいきませんか……?」 アタフタ
怜 「え……ごほっ! ごほっ!」
煌 「わ、わざとらしい咳ですね」
怜 「なんや、仮病やないで。まあ、ええ。長女やし、ウチがいったるわ」
玄 「おねーちゃんに行かせるなら、私が行くよ」
煌 「それならばっ! 私が行きましょう!」
怜・玄 「どーぞどーぞ!」
煌 「……」
怜・玄 「ぶひぶひぶひ」
二匹はとても仲良しです。
煌 (まあ、仕方がないですね)
煌 (捨て駒――任されました!)
三女は意を決して、今にも開かれようとしている扉へと近づきます。
鼓動は高鳴り、手に汗が滲みますが、一歩ずつ扉へと近づきます。
煌 (大丈夫、大丈夫……。それに狼も客人、すばらな対応をすべきです)
そして扉まであと1メートルの距離となった瞬間――
照 「お邪魔します」
煌 「どひゃぁっ!」
狼さんがいらっしゃいました。
煌 「な、ななななななん、なん、何のようでしょうか!?」
煌 (用件ぐらいは聞いておくべきでしょう! もしかしたら、良い狼さんかもしれませんし!)
煌 (ただ、引越し祝いに粗品を差し入れにきただけかもしれませんしねっ!)
照 「腹減ったから、食いにきた」
煌 「ずばりですねっ!」
煌 (も、もうだめかもしれませんね……)
煌 (お姉様方、捨て駒すら全うできない私をお許しください)
三女が死を覚悟した、そのときでした。
照 「……この匂い」
煌 「え――」
子豚さんの家の中は、食欲をそそる匂いで満たされています。
裂かれた肉は、炎で焼かれ、食物連鎖のごとく強者の胃袋に入っていきます。
怜 「なんやー、狼さんも腹へってただけなんやなー」 ジュージュー
照 「焼肉の良い匂いにつられてしまった」 ジュージュー
玄 「私たち、ちょうど新築パーティーをしていたんですよ」 ジュージュー
照 「そうか……。せっかくのお祝いなのに、お邪魔して申し訳ない」 ヒョイパク
煌 「いえいえ、全然かまいませんよ。それに、人が多いほうがすばらですっ!」
照 「ありがとう。……このタレおいしい、なにを使っているの?」
煌 「エバラですっ!」
照 「なるほど、黄金の味というわけか。そして、このお肉は?」 ジュージュー
怜 「もちろん、牛にきまっとるやろ。ウチら、豚やで」
玄 「流石に共食いはちょっと……」
煌 「すばらくないですねっ!」
照 「なるほど、これは失礼した」
怜 「まあ、ええってことよ。牛肉焼いても、豚焼くな、ってな」
怜・玄・煌・照 「ぶひぶひぶひ」
四匹はとても仲良しになりましたとさ。
『三匹の子豚』 了
『赤ずきん』
むかしむかし、赤頭巾のよく似合う可愛らしい女の子がいました。
そのため、女の子はみんなから「赤ずきんちゃん」と呼ばれていました。
久 「おはよ~、赤ずきん」
咲 「おはよう、お母さん!」
決して、赤い血の色が似合うとかいう由来ではありません。
そんなある日のこと、赤ずきんちゃんはお母さんにお使いを頼まれました。
病気で寝込んでいるおばあさんのところへ、ケーキとワインを持っていくのです。
久 「いい、赤ずきん。森の中ではオオカミに注意するのよ?」
咲 「わかった! それじゃあ、いってきまーす!」
赤ずきんは元気よく出発します。
咲 「うぅ……。ここ、どこ……」 エグッ
そして、早速森の中で迷子になりました。
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