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元スレ魔王「魔王軍再興をしないか?」勇者「なにそれこわい」
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魔王「どこかの誰かが魔王軍を壊滅させちゃったからね」
魔王「今の我が軍は猫の手でも借りたいところなんだよ」
勇者「あのな 1つ聞きたいことがあるんだが」
魔王「どうぞ なんでも聞いてくれたまへ」
勇者「おまえ誰だよ」ジロッ
魔王「ふむ これは深く捉えていい質問なのだろうか?」フム
勇者「深く……いや意味がわからないからな」
魔王「魔王の城にいて魔王の玉座に座っている 賊でなければ魔王しかいないだろう」
勇者「いやだってな 魔王は俺たちが10年前に倒したはずだろ」
魔王「」
魔王「思考を放棄するのは愚者のすることだ 少しは頭を使って考えてみないか」
勇者「……魔王の娘とか?」
魔王「確か先代魔王は高齢で子がいなかったはずだけど」
勇者「だったら誰だよ」
魔王「新たにこの世界の征服を任された魔王だよ よろしく」
勇者「勇者相手にここまで気さくに接する魔王も初めて見た」
魔王「ところでその勇者様は魔王城になんの用だい?」
魔王「ぶっちゃけ君たちと先代魔王の戦いから10年 整備もしてなかったから城としての機能すらないんだけど」
勇者「人間の……人間を滅ぼす軍隊を作りに来た」
魔王「勇者が? 正気かな?」
勇者「……」
魔王「まあ理由なんて聞かないさ 右目が抉られたりしてるのを見ればなんとなく察しはつくさ」
勇者「それでどうなんだ?」
魔王「ふむ 丁度よかったのかもしれないね」
勇者「どういうことだよ」
魔王「さっきも言ったけど 君たちが倒した魔王とボクはなんの血縁関係もない」
魔王「同じ魔王っていう種族という共通点があるだけだ」
勇者「それも怪しいがな」
魔王「それだよ!! どうもボクは魔王の中でも最低クラスに戦闘能力がなくてね」
魔王「そんな奴を魔族のみんなは魔王として認めてくれるのかってことだよ」
勇者「なるほど 確かに先代魔王はアホほど強かったしな」
魔王「どうしても人は古いものと新しいものを比べたがる」
魔王「そんな時に先代より遥かに弱いボクに付き従ってくれる人がいるかどうか?」
勇者「ないな」
魔王「だろ?」
魔王「だから君にボクの神輿をやってもらいたいんだ」
勇者「俺にお前の武力になれと?」
魔王「そうだよ 生憎ボクは特に地上侵略には興味がなくてね」
魔王「所詮こんなのは研究の一環程度にしか思ってない」
勇者「つまり侵略に関しては俺に一任していいと?」
魔王「うん それもまた魔王軍が再興したらの話だけど」
勇者「それで 今のところ魔王軍兵士は俺1人か?」
魔王「そう 2人だけの魔王軍だ」スッ
勇者「同盟関係の握手か 悪くない」ギュッ
魔王「契約成立だ」
魔王「最初にまず 近場の部族に挨拶にでも行こうか?」
勇者「挨拶に行く? 挨拶に来るじゃなくて?」
魔王「魔王復活のお触れが魔界全土に出て1年 誰一人挨拶に来ないんだけど」
勇者「先代魔王への忠誠心か? あのお方以外の魔王は考えられませんって」
魔王「そんなのは少数さ 本音は10年経って舐めてるからだろ 魔王って生き物を」
勇者「おまえ……そんなこと言えるぐらい強いの?」
魔王「それは言わないでくれ」
勇者「まあそこんところの対応でも魔王としての格が出るんじゃねーの?」
魔王「言っておくが ボクにカリスマなんてものがあると思わないでくれよ」キリッ
勇者「そりゃあ白衣纏ってる奴が魔王なんて魔族連中も信じたくないだろ」
勇者「それで 俺たちはどこに向かっているんだ?」
魔王「いや君もそのままじゃいけないだろうと思ってね」
勇者「このままって……装備は特に問題ないが」
魔王「本気で言ってるのかい? 勇者とその仲間といえば人間の間では有名でも魔族の間では怨敵だよ」ヤレヤレ
魔王「少なくとも今人間を見ただけでも部族全員で山狩り始める勢いだからね」
勇者「」
魔王「とはいっても 先代魔王の遺体から立ち昇る瘴気のお陰で人間は未だに攻めて来られないんだけど」
勇者「というより この瘴気なんとかならないのか? 俺は勇者だから大丈夫だが」
魔王「それだけ先代魔王の魔力と呪いが強大だったってことさ」
魔王「並みの人間なんて瘴気を触っただけで高熱に冒されるからね」
勇者「おい魔王」
魔王「なんだい勇者?」
勇者「この禍々しい装備はなんだ?」
魔王「先代魔王が若いころに装備してた武具だよ」
魔王「年を召してからは呪文中心の戦い方に変えたから埃が被ってるけど」
勇者「これを俺にどうしろと?」
魔王「装備するしかないだろう?」
勇者「断る!!」
魔王「どうしてだい 魔王が装備していた由緒あるものだよ」
勇者「それ呪われてるだろ!? 装備したら死ぬわ!!」
魔王「気持ちはわかるけどね 君は今の自分の立場がわかってるのかな」
勇者「……?」
>>16
ねーよ
ねーよ
魔王「例えばただのフルアーマープレートを装備して魔族の前に出たとしよう」
魔王「幾ら顔が身体が見えなくても魔族は臭いで気配で君を人間だとわかるだろう」
勇者「それはわかったんだが……いやこれからの展開もなんとなくわかるが」
魔王「これだけ瘴気全開の装備をしていれば流石にバレないだろう」
勇者「…………」
魔王「言っておくけど装備しないという選択肢はないよ まあ他に案があるなら聞くけど」
勇者「着るよ 着ればいいんだ――重い!?」ガチャガチャ
魔王「魔王の槌 叩けばまず相手を即死させる威力があるけど 重すぎて扱いづらいと」
勇者「それを初めに言ってくれ……」プルプル
勇者「とりあえず装備したぞ……」プルプル
魔王「”魔王の鎧” 防御力は最強クラスだけどその分重い 素早さが0になるぐらい」
勇者「わかってるよ 歩けないもんな」プルプル
魔王「”魔王の兜” こっちも防御は最強クラスだけど代わりに理性を持っていかれる」
勇者「頭痛が酷いからな マジで辛いわ」ガンガン
魔王「”魔王の盾” こっちも防御はあるんだけど 代わりに相手から受ける呪文効果が2倍になる」
勇者「俺は最初の村に行くまでに死ぬんじゃないだろうかと思うんだが?」プルプル
魔王「大丈夫だって! 一応一度は世界を救ったんだろう?」
勇者「そうだな 全く根拠がねーわ」
魔王「とりあえず行こうか」スタスタ
勇者「頼むからもう少しゆっくり……歩けと……」プルプル
魔王「最初に行くのは狼人族の村だ」
勇者「老人族?」
魔王「狼の魔族だよ 満月に凶暴になる上に中々に速い」
勇者「どうしてそこが一番最初なんだ?」
魔王「魔族の中で先代魔王が一番信を寄せてた魔族だからさ」
魔王「なんでも昔の戦いで魔王を救ったらしくてね 魔王城の直ぐ傍に村がある」
勇者「だけどさっきも言ったが 先代魔王に信を置いていたなら説得は困難じゃないか?」
魔王「どうして一番信を置いてた彼らの集落が街じゃなくて村なんだと思う?」
勇者「……あぁ思い出した 俺たちが滅ぼしたんだったな」
魔王「心優しい勇者様たちは反撃してきた村の男だけを殺して女子供には一切手を出さなかったとか」
魔王「勇者様! 私たち狼人族は勇者様を歓迎致します……なんてなったら楽なんだけどねえ」
勇者「」
魔王「働き手のいなくなった街 そして魔王という加護がいなくなってかなりの差別を受けたらしいよ」
勇者「確かに強さだけなら竜族だとかそっちの方が強いからな」
魔王「だから人間に対する恨み辛みは他の部族よりも高いだろうね」
魔王「まあ他の魔族もかなり殺されてるから 他の種族だって大なり小なり人を恨んでるだろうけど」
勇者「耳が痛くなる話だな」
魔王「ちなみに君が勇者だとバレた場合 連鎖でボクまで消されることになるから」
勇者「まず名前が勇者って時点で問題があるんじゃないのか?」
魔王「……君は馬鹿なのか鋭い馬鹿なのかわからないな」
勇者「まずは馬鹿を止めろぶん殴るぞ」
魔王「とりあえずこれからは黒騎士でいこう 黒いし」
勇者「確かに黒いな 重いし」
魔王「とりあえず今日はここで休もうか」
黒騎士「疲れた……このままだと死ぬわ……」ハァハァ
魔王「ところで聞きたいことがあったんだけど」
黒騎士「なんだよ……」
魔王「10年前に魔王を倒した時のパーティって9人いたんだろ」
黒騎士「俺に戦士に侍に魔法使い 僧侶に商人に盗賊に賢者 それと俺の弟の魔剣士だ」
魔王「今は全員が別の国でそれなりの地位についてると」
黒騎士「なにが言いたいんだ」ギロッ
魔王「いや 君1人だけなんとも残念な人生を送ってるなと」
黒騎士「放っとけ」
黒騎士「おまえはなんでここに着たんだよ」
魔王「ふむ 一重にいえば研究だ」
黒騎士「研究?」
魔王「魔族や魔物 それに人間のね」
黒騎士「どういうことだ?」
魔王「魔族と人間はかなり近い姿形をしている」
魔王「なのに種族としては天と地とも違う」
黒騎士「その解明がしたいと?」
魔王「ボクは探求の魔王だからね 知らないことが許せないのさ」
黒騎士「興味ないな……」
魔王「奇遇だね ボクも復讐なんてものには微塵も興味がもてないよ」
黒騎士「へいへい」
魔王「君は横になって寝ないのかい?」
黒騎士「こんなクソ重い鎧着て横になったら立てないからな」
魔王「そうか じゃあボクは寝るから後は頼むよ」ヌクヌク
黒騎士「おい 見張りの交代とかは……こいつマジで寝やがった」ピクピク
黒騎士「……見張りはこの十年で慣れてるからいいか」ガチャ
魔王「」zzzzz
黒騎士「そういえば 誰かと一緒に旅をするのは十年振りか」
黒騎士「」zzzzz
???「なぜだ! 何故僕にこんな仕打ちをするんだ!?」
???「…………」
???「僕たちはたった2人の兄弟だろう!?」
???「……」
???「答えろ勇者ァッ!!」
勇者「…………」
魔王「いたっ!?」ガンッ
黒騎士「なんで俺の起き抜けにお前は悶絶してるんだ」
魔王「いやなに 君がうなされているのを観察していたのだが 寝起きに君の兜がボクの頭に当たってね」
魔王「全く 人がうなされている姿を観察出来るなんてそう滅多にないことなんだが」ヤレヤレ
黒騎士「とりあえずぶん殴っていいか?」
狼人村
狼主「おぉっ! 魔王様!! 良く着てくれました!!」ヘコヘコ
魔王「ほら見てみろ」ドヤッ
黒騎士「なんでドヤ顔してんだ近づくなくたばれ」
魔王「狼人族の長は一目で魔王のことがわかったらしい」
黒騎士「嬉しいんなら嬉しいって素直に言えよ」
狼主「さあさあ 鎧と武器はこちらで預からせてもらいますから」
魔王「」
狼主「いやあ その溢れ出す瘴気 素晴らしい武具 流石です」
魔王「」
黒騎士「プッ……クスクス……」
魔王「笑わないでくれ 流石に凹みそうだ」ハァ
狼主「すいませんでした!!」ドゲザァ
魔王「いや構わないよ 自分に魔王のオーラがないのは自覚してるから」
狼主「なんと侘びを入れたらいいのか……」
黒騎士「ところでお前がここの長だとして 少し若すぎないか?」
狼主「村の主要な大人はみんな勇者たちに殺されたので……」
黒騎士「」
魔王「それとも関係あるんだけど ボクたちはその人間たちを滅ぼそうとしていてね 手伝って欲しいんだけど」
狼主「いえ そうしたいのは山々なんですけど 俺たちも人が少なくて……」
黒騎士(駄目だな 典型的な強い者に従うタイプじゃねえか)
魔王「いやいやそれはわかっているんだけどね」
狼主「それに竜族の連中が大人しく従うとは……」
黒騎士「つまり俺たちが強ければ問題ないんだろ」
狼主「えっとそれは……」
黒騎士「お前も戦士なら戦ってみればいいだろ」
狼主「」
狼子供「あれがまおうさまー?」
狼母「あれは魔王の側近さんよ」
魔王「ふむ 敵は中々に手強そうだね」
黒騎士「確かに 平和ボケしたとはいえ それなりに鍛えているみたいだな」
魔王「勝てるのかな?」
黒騎士「俺を誰だと思ってるよ」
魔王「君が武名を轟かせたのは十年前だろ 衰えてるんじゃないのかな?」
黒騎士「この十年 各地に残ってた魔物退治をして周ってたんだ むしろ今が全盛期だぞ」ガチャガチャ
狼主「」ゴクリ
黒騎士「いくぞ! 俺は手加減なんてやり方も知らんからな!!」ガチャガチャ
狼主「……えっと」
黒騎士「重くてマトモに動かん」ググッ
魔王「だろうと思ったよ」ハァ
狼主「ハッハハハハハハ!! どうされたのかな側近の方!!」キンッキンッ
黒騎士「うるせぇよ」ガキンッ
狼少年「押してるぞ村長ー!!」ワイノワイノ
黒騎士(俺が遅いのもあるが 狼主が速すぎて攻撃が避けられん)
狼主(逃げないのはいいが なんて硬さだあの鎧 全然攻撃が通らん)
魔王「千日手 黒騎士は攻撃出来ないし狼主の攻撃は通らない どうするんだか」
狼主「そろそろ攻撃したらどうです?」ヤレヤレ
黒騎士「うっさい……」
狼主「このままだと魔王様の格を……」
黒騎士「うるさいって言ってんだろうが!!」ブォン
ドゴォオオオオオオオオ!!
狼主「」ポカーン
狼少年「」ポカーン
魔王「やれやれ」
黒騎士「フーフーッ」
狼少年「なんて威力だよ 一撃で大地が割れたぞ」
狼父「あれが魔王様の側近の力……」
狼主「確かに当たれば強力だが当たらなければいいんだろう!! 火炎中級呪文!!」ボゥッ
黒騎士「いってーーーーっ!?」
魔王「へぇ 魔法もそれなりに使えるのか しかも黒騎士は呪文2倍だしね」
狼主「魔法は効くんですか それならもう一発!!」ボゥッ
黒騎士「動け俺の体!!」バッ
狼主「なっ!? あの体で避けるのか!?」
黒騎士「よし! これな――あっつーーーーーいっ!?」ゴンッ
黒騎士「なんで!? 避けたのに魔法が俺の方に曲がったぞ!?」
魔王「ちなみにその盾 魔法を磁力のように引き付ける性質があるからね」
黒騎士「それを先に言えよ!!」
狼主「これで私の魔力が切れるかあなたが耐えるかの戦いですなぁ」ニヤニヤ
黒騎士「うっせー 今すぐこれを叩き込んでやるから待ってろ」
黒騎士(とはいったもののどうすれば……いや待てよ)
狼主「それではこれで……」
黒騎士「守備力増強呪文!!」パァァ
狼主「まさかあなたも魔法……をどうして私にかけているんですか?」
黒騎士「おい魔王 この盾は魔力を引き寄せるんだよな」
魔王「まあね」
黒騎士「ってことはだ 補助呪文をかけた相手を引っ張ることも……」
魔王「理論上は可能さ そんな使い方普通はしないけどね」
狼主「どうして私が引っ張られて……!?」ズルズル
黒騎士「まああれだ 守備力上げたんだから多分死なんだろ」ブォン
狼主「やめてください!! 調子に乗った私が悪かったです!! だからおね――」
黒騎士「はい終わり」ブンッ
狼主「」ビクビク
黒騎士「さて 一応お前も魔王軍の兵士候補だ それをみすみす殺してしまうのは勿体無い」
黒騎士「言ってることはわかるな?」ギロッ
狼主「」コクッコクッ
黒騎士「これからお前たちが誠心誠意働けば魔王様は数々の無礼をお許しになると言っておられる」
狼主「本当にすいませんでした!! これからは魔王様のために粉骨砕身の気持ちで働かせてもらいます!!」ドゲザァ
黒騎士「これでよしと……」
魔王「なるほど そういうことなんだね 中々やるじゃないか」ポンポン
黒騎士「バカッ! お前の手柄にしてるんだから余計なこと喋るな!!」
ssとしてつまらないと言ってるわけ。延びてると思って読んだらこれ。小学生でも書ける。当たり前だよねヤマなしオチなしだもん。
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