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元スレ魔王「魔王軍再興をしないか?」勇者「なにそれこわい」
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魔王「私は目だけは良くてね 結界の綻びぐらい直ぐにわかる」
メイド「流石は魔王様です!!」
黒騎士「へぇ 馬鹿もハサミも使いようってのは本当なんだな」
メイド「」ギロッ
狼娘「見つかったらいきなり射られる……なんてことにはならないよな?」
魔王「はっはっは! 流石にエルフだってそこまで短気じゃないさ」
ヒュンッ
魔王「」
狼娘「」
???『結界を抜けてきたお前たちは何者だ?』
魔王「私たちは新しい魔王とその従者だ エルフの王に謁見したい」
???『……駄目だ 帰れ』
魔王「断ると言ったら?」
???『死んでもらう』ヒュン
黒騎士「四方八方から矢が飛んでくるな」カンッカンッ
魔王「こういう時 君の体って便利だと思うよ」
黒騎士「どうでもいいからとっとと説得しろ」
魔王「とりあえず彼がいる限りこっちに矢は通らない 話しをさせてもらうだけでいいんだが?」
???『……ならばここから先に来るのは魔王だけだ』
メイド「馬鹿な!? そんな要求が――」
魔王「いいよいいよ どうせ彼らにボクが殺せるハズがないしさ」
メイド「ですが……」
魔王「大丈夫だって」ヒラヒラ
黒騎士「……」
エルフ王「初めまして魔王 私がエルフ王です」
魔王「私が魔王だ 始めまして」
エルフ王「して要件はなんですか?」
魔王「ふむ 同じ魔族として我が魔王軍に――」
エルフ王「お断りします」
魔王「理由は?」
エルフ王「なぜ我々が劣っている他の部族と一緒に人間を攻めねばならぬ」
エルフ王「それに”同じ魔族”ではない 我々の方が遥かに優秀だ」
魔王「ではあなたたちよりもボクたちの方が優秀なら手伝うと?」
エルフ王「……優秀ならです」
魔王「いいだろう たまにはボクが相手になろう」
魔王「勝負は弓での勝負でどうかな?」
エルフ王「エルフを相手に弓での勝負だと 本気ですか?」
魔王「的も飛距離も君たちが決めていい ただしあんまり常軌を逸した距離にされても困るがね」
エルフ王「いいだろう ついて来い」
エルフ長「的はこれぐらいでいいでしょうか」
エルフ王「あぁ 距離は100m 的はこのリンゴになるが?」
魔王「うん いいよ」
エルフ王「公平にだ 先に私が射って見せよう」ギリギリ
ヒュンポスン
魔王「おぉ! お見事!!」パチパチ
エルフ王「次は貴殿の番だ」
魔王「少し講釈するとね 弓っていうのは経験が物を言うんだ」
魔王「風の向き 的の大きさ 体の角度 そして動く的を的確に狙えるかはもう本人の勘以外にはない」
エルフ王「その通りだ」
魔王「ただしそれは動いている的を狙う時であって 止まっている的の際はそうでもない」
魔王「風の向き 的の大きさ 体の角度 それらすべてを計算で紡ぎ出して弓を射る」
エルフ王「……計算と実践では違う そんなことが出来るはずが……」
魔王「出来る ことボクは探求に特化した魔王だ ことこういう小細工に関しては……」ヒュン
トスン
魔王「百戦錬磨というわけさ」
エルフ王「そんな馬鹿な……」
魔王「いやでも良かった 最初に見本がなかったら流石のボクでもぶっつけ本番では無理だったさ」
魔王「”なんせ弓を射るのなんて今日が始めてだからね”」
エルフ王「なっ!?」
魔王「尤も 君が言い出さなくてもボクの方から先に射ってくれと言うつもりだったけどね」
エルフ王「わかりました それでは我々エルフは――」
魔王「あぁ その話だけどやっぱりいいよ」
エルフ王「いいんですか!?」
魔王「無理矢理やらせて後で謀反でもされたら困るからね」
魔王「ただし 気が変わったら教えてくれよ 席は残しておくからさ」
魔王「ただいまー!」フリフリ
メイド「魔王様!! 大丈夫ですか お怪我は!?」サワリサワリ
魔王「うん 丁重に持て成してもらえたよ」
黒騎士「それで説得は出来たのか?」
魔王「保留にしたいそうだ」
黒騎士「なんだ あんだけ啖呵切ったのによ」ハァ
魔王「ふむ 今回わかったのだが どうやらこういうことは君の方が適任らしい」
黒騎士「だったら初めから行くなよ」
魔王「次は竜族だね」
メイド「ある意味あそこが一番厄介ですね」
狼娘「どういうことだ?」
メイド「竜族は魔界で一番の軍事力を誇っています しかもエルフ並みに自尊心が高いです」
黒騎士「なんせ勇者たちですら攻めきれなかった国だからな」
狼娘「……」
魔王「ここが竜族の国か」
狼娘「淫魔の国も大きかったけど……」
メイド「人口としては魔界最大の城塞都市です」
魔王「衛兵さん 魔王が着たんだが開けてくれないだろうか?」
衛兵「それは出来ません」
魔王「それはなぜだい?」
衛兵「この国では通行証を持っていない人は例え王族だろうと入れるなという方針なので」
衛兵「どうしても入りたいとおっしゃるのなら そこの門を素手で開けて入ってください ただし大人が10人掛かりでないと開かない門ですけど」
魔王「黒騎士くん」パチン
黒騎士「指を鳴らすな 鬱陶しい」ググッ
衛兵「1人で開けようなんて無理ですよ まあ我々も開けるのに手間取るので困っているわけですが」アハハ
黒騎士「ふぅん……」
狼娘「やっぱり黒騎士でも無理なのか」
黒騎士「いや 多分全力出せば開くぞ」
メイド「だったら早くやりなさい木偶」
黒騎士「やってもいいけど それ以前に竜族連中の態度が気に入らん」
メイド「ちょっと その槌を持ってなにをするつもりですか?」
黒騎士「こうするんだよ!!」ブォン
ドゴォオオオオオオオ
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