元スレ姉「……駄目よ、まだイっちゃ駄目」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
401 = 331 :
ほす
402 = 297 :
ほ
404 = 313 :
ほっしゅ
405 :
>>398
遅すぎライスマン
406 = 338 :
ほ
413 :
414 = 324 :
>>396
姉=平愛梨
弟=おれ
415 = 262 :
>>398
くそこてきた時点でくそすれ
416 :
ほ
417 = 338 :
419 :
追いついてしまった
ほ
421 = 254 :
>>398
生よねさん始めて見た・・・
感激やで・・・
424 :
>>421
キモい
425 = 301 :
ほ
426 :
ほ
427 = 416 :
ほ
428 = 419 :
ほ
429 :
終わってほしくないな
430 = 272 :
ほ
431 = 272 :
ほ
432 = 272 :
ほ
435 = 419 :
は よ
436 = 141 :
姉「Aセット。デザートの前にコーヒーをお願い」
弟「僕も同じで」
店員「かしこまりました」
姉「……」
弟「どうしてこのレストランに??」
姉「別に、なんとなくよ。ここ、美味しいしね」
弟「そっか」
姉「でも……やっぱり、少し思い出しちゃうわね。もう随分前なのに」
弟「父さんは、離婚してから、その……どうだった??」
姉「……後悔してたみたいだわ。もともと静かな人だったけど、ただでさえ少なかった口数がもっと少なくなってたわね」
弟「そうなんだ」
437 = 141 :
姉「私にも、好きにやらせるようになったわ。というよりはほとんど干渉してこなくなったわね」
弟「父さんが??想像できないな。姉さんの才能を気に入って、色々やらせてたのに」
姉「そうね。流石に6年以上前のことはあまり覚えてないけど……『悪かった。好きに生きろ』って言われたもの」
弟「へぇ」
姉「……あなたのことも随分気にしてたみたいよ」
弟「僕のこと??まさか」
姉「えぇ、父さんは病死だったけれど、死に際にね、もう自分は会えないけれど、あなたのことをよろしく頼むと私に言ったもの」
弟「そっか」
姉「『父さんはあなたを愛していなかった』なんてここに来てすぐに言ったけど、そんなことはなかったわ。本当は……凄く不器用な人だったのかもね」
弟「……うん」
438 = 141 :
姉「……母さんは、どうしてたの??」
弟「母さんは、変わっちゃったよ……姉さんの方とは逆に、まぁ、元からだけど、もっと過保護になった。というより、僕の行動とか、全部把握したがってた……」
姉「……」
弟「僕のことで思いどうりにならないことがあると、ヒステリックになったりもしてた」
姉「そう……」
弟「なんというか、僕のことをペットみたいに……というか、自分の檻の中で飼って、可愛がりたかったんだと思う……」
姉「あなただけが、生きる希望だったんだと思うわ」
弟「うん。今思うと弱い人だった。僕の存在に……依存してたと言ってもいいかもしれない」
姉「……」
弟「でもやっぱりそれは……僕にとっては窮屈だったけどね。それでも母さんが事故で死んだ時は、ちゃんと悲しかったかな、心のどこかで、ほっとしたかもしれないけど……」
姉「自分を責めなくていいわ。母さんが死んだのは、あなたのせいじゃないもの」
弟「うん。ありがと」
姉「どういたしまして」
439 = 141 :
弟「でも、母さんが死んで、姉さんに電話をかけれるようになった時は、凄く嬉しかった……『あぁ、やっと連絡が取れるんだ』って思った」
姉「離婚してから、一回も電話かけてこなかったものね」
弟「母さんが嫌がったからね。それを一番嫌がってた、病的なくらいに……それをしたら母さんが壊れてしまうんじゃないかってくらい嫌がってた」
姉「そう」
弟「離婚してからすぐはね、何回も公衆電話から家に電話しようとしたよ。でもやっぱりできなくて……姉さんが電話を取ってくれることは少ないだろうし……それで臆しちゃってね」
姉「電話してくれれば良かったのに」
弟「それが母さんにばれたら??父さんは僕の声なんて聞きたくないんじゃないか??って思うとね……どうしてもできなかったんだ」
姉「父さんも待ってたわよ、きっと」
弟「うん。でも……もう遅いよ」
姉「……そうね」
弟「……」
441 = 141 :
姉「母さんは……父さんや私のこと、憎んでた??」
弟「姉さんと父さんの話は出さないようにしてたから、分からないよ。ただ、離婚する前から僕と姉さんが仲良くする事は嫌がってたよね。自分で僕を可愛がろうとしてたし」
姉「母さんは、私に嫉妬してたわ。父さんが私の才能を買って、一番私に構うようになって……」
弟「……」
姉「夫の愛が自分以外の女に独占されることが許せなかったんでしょうね。例えそれが……自分の娘でも。あの人は弱かったから……」
弟「それで、次の依存の対象が僕だったのかもね」
姉「きっとそうだわ。でも……そう考えると、私がきっかけなのかもね、すべて」
弟「自分を責めなくていいよ。離婚したのも、父さんが死んだのも、絶対、姉さんのせいじゃないよ」
姉「ありがとう」
弟「きっと、どうしようもなかったんだよ。だから離婚した。だから死んだ。それだけだよ」
姉「あなたが言うなら、きっとそうなんだわ」
443 = 141 :
弟「っていうか、今思い出したけど、酷くない??」
姉「何が??」
弟「久しぶりの電話だったのに、随分そっけなかったじゃないか」
姉「あぁ、『母さんが死んだ』って電話のことね。だって仕方ないじゃない。久しぶりすぎたもの、現実感がなかったのよ」
弟「まぁ、そうかもしれないけどさ、僕もあのときは結構切羽詰まったりして、あたふたしてたし」
姉「悪かったわ」
弟「いや、いいけどさ……でも、その後で『家に帰ってきなさい』って電話があった時は、本当に救われたよ。あれが無かったら、誰かに引き取られることになってたろうからね」
姉「誰かって??」
弟「母さんの家系の親戚の誰か、よく知らない人。そういう話もあったから」
姉「父さんが死んだ時もあったわね。私を誰が引き取るのかって話が。しかも遺産ねらいで醜い連中がうじゃうじゃと。全部突っ返したけど」
弟「姉さんらしいね」
姉「そうかもね」
店員「お待たせしました、こちらAセットになります」
姉「食べましょうか」
弟「賛成」
445 = 141 :
弟「うん。美味しい」
姉「そうね」
弟「……」
姉「……ねぇ??」
弟「ん??」
姉「あなた、これからどうするつもり??」
弟「えっ!?これから??」
姉「そうよ、これから。大事なのは、昨日のことより明日のことでしょう??」
弟「そうだね、昔話してても仕方ないし……うーん……これから、先のことかぁ……」
姉「そうよ。私たちはまだ子供だけど、いつまでもこのままではいられないじゃない」
弟「そうだね、とりあえず進学するだろうけど……姉さんは進路はどうするの??時期的にもそんな時期だよね」
姉「一応私も進学するつもりだわ、流石にまだ働こうとは思えないしね」
弟「そっか……そうだよね。姉さん頭いいし」
446 = 141 :
姉「あなたも悪くはないでしょう??」
弟「そりゃあ、ある程度は……姉さん、希望してる大学とかあるんだろ??」
姉「まぁね」
弟「何処??」
姉「詳しくは決めてないわ。でも、上京するかも……しれないわ」
弟「えっ??……あの家を出るかもってこと??」
姉「そうよ。まだはっきりとは決めてないけれど……でも候補の一つではあるわ」
弟「そっか、そうなんだ……」
姉「止めないの??」
弟「姉さんの……人生だろう??僕があれこれ言うことじゃないよ」
姉「そういう意味じゃないわよ」
弟「どういう意味??」
姉「……馬鹿ね。もう少し考えなさい」
弟「そりゃぁ、分からなくはないけど……でも、まだ時間が足りないよ……」
姉「まぁ、いいわ。少し考えておきなさい。区切りをつけずに、いつまでも先延ばしにすることは出来ないのよ。どんなことでもね」
447 = 141 :
姉「美味しかったわね」
弟「うん」
姉「出ましょうか」
弟「そうだね」
姉「お金払ってくるわ」
弟「うん」
弟「将来か……」
姉「何??」
弟「ううん……何でもない」
448 = 141 :
~帰り道 街~
姉「この街も、随分変わったと思わない??」
弟「そうだね、まぁ、6年もたってるし、仕方ないよ」
姉「少し騒がしくなったわ」
弟「そうかな??いや、そうかも」
姉「あなたがいなくなって……街が少しずつ変わっていって……それと同時に空虚になっていったわ。何もかもが」
弟「何もかもが??」
姉「何もかもがよ。静かな父親も、それなりに上手くできる学校生活も、広すぎる家も、だんだん希薄して霞んでいくようだったわ」
弟「……」
姉「何をやってもよ……何をやるにしても時間つぶしにはなったけれど……所詮、すべてがその程度だったわ。心を澄んだ水中に置きながら、体は霧の中で闇雲に生きるようなものよ」
弟「姉さん、何でも出来ちゃうからね」
姉「馬鹿ね。何をやるにしても全力じゃないと、自分と世界の価値が正確に計れないじゃない??」
弟「……なるほど」
449 :
しえんぬ
450 :
ほ
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