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元スレ見崎「榊原くんが私以上にミステリアスだった」恒一「ククク……」
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~病室~
水野姉「ほー、また得体の知れないもの読んでますねオカルト少年」
恒一「これはヴォイニッチ手稿というシロモノだ」ペラッ
「暗号と思しき未知の文字で綴られた挿絵付きの書物でな」
「描かれているのは地球上のどの植物とも適合しない、しかし緻密で写実的なスケッチ」
「そしてこの一見でたらめに見える文字列だが――」トントン
「言語学の統計的手法で解析した結果によると」
「確かな規則性と意味を持つ自然言語か人工言語のような文章列であるらしい」
「数多の学者たちが解読しようとしたが未だ叶わぬ謎の書物……どうだ、実に興味がそそられるだろう」ククク
「貴様が望むなら貸してやらんでもないぞ?」
一同(うわあ……)ドンビキ
水野姉「あはは遠慮しときますー。じゃ、あとはみなさんヨロシクー」ソソクサ
水野姉「ほー、また得体の知れないもの読んでますねオカルト少年」
恒一「これはヴォイニッチ手稿というシロモノだ」ペラッ
「暗号と思しき未知の文字で綴られた挿絵付きの書物でな」
「描かれているのは地球上のどの植物とも適合しない、しかし緻密で写実的なスケッチ」
「そしてこの一見でたらめに見える文字列だが――」トントン
「言語学の統計的手法で解析した結果によると」
「確かな規則性と意味を持つ自然言語か人工言語のような文章列であるらしい」
「数多の学者たちが解読しようとしたが未だ叶わぬ謎の書物……どうだ、実に興味がそそられるだろう」ククク
「貴様が望むなら貸してやらんでもないぞ?」
一同(うわあ……)ドンビキ
水野姉「あはは遠慮しときますー。じゃ、あとはみなさんヨロシクー」ソソクサ
風見「えっと、僕たち夜見北中学3年3組の代表で来ました」
恒一「そうか」ペラ…ペラ…
風見「僕は風見、こっちの桜木さんとクラス委員長をやっていて、こっちの赤沢さんは対策係を――」
恒一「対策係、だと?」ピクッ
恒一(ついに『コレ』を求め『機関』が動き出したということか……)ククク
風見「あ、あの……?」
恒一「嗚呼申し訳ない、続けてくれたまえ」
(腕が! 左腕が! 疼く、疼くぞ……!)ククク
桜木「あの、それでこれ、みんなからの花束です」カサッ
恒一「ほう……これはこの惑星の植物と手稿との良い比較サンプルになる、有り難く頂戴するぞ女」
桜木「桜木ですぅ……」
恒一「そうか」ペラ…ペラ…
風見「僕は風見、こっちの桜木さんとクラス委員長をやっていて、こっちの赤沢さんは対策係を――」
恒一「対策係、だと?」ピクッ
恒一(ついに『コレ』を求め『機関』が動き出したということか……)ククク
風見「あ、あの……?」
恒一「嗚呼申し訳ない、続けてくれたまえ」
(腕が! 左腕が! 疼く、疼くぞ……!)ククク
桜木「あの、それでこれ、みんなからの花束です」カサッ
恒一「ほう……これはこの惑星の植物と手稿との良い比較サンプルになる、有り難く頂戴するぞ女」
桜木「桜木ですぅ……」
恒一「――おい対策係とやら。さっきからだんまりだがどうした?」
「『対策』、するために来たのだろう?」ククク
赤沢「! ……そうね、じゃあ榊ばr……恒一くんって呼んでもかまわない?」
恒一「好きに呼べ、名前など記号に過ぎん」フン
「……それだけか?名前で呼んで、それからどうする?」
赤沢「えっと……これからもよろしくね恒一くん」スッ…
恒一(差し出すように伸ばされたのは、左手……)
「そういうことか――流石は対策係、有能だな」ククク
赤沢「あ、ありがとう……?」
恒一「では、こちらこそ夜露死苦頼もうククク……」ガシッ
一同「っ!?」
桜木(包帯が……)
風見(指先までぐるぐる巻き……)
赤沢(……これじゃ体温わかんないじゃない!)プルプル
恒一(封印されし左腕の波動に震えておるな)ククク
「『対策』、するために来たのだろう?」ククク
赤沢「! ……そうね、じゃあ榊ばr……恒一くんって呼んでもかまわない?」
恒一「好きに呼べ、名前など記号に過ぎん」フン
「……それだけか?名前で呼んで、それからどうする?」
赤沢「えっと……これからもよろしくね恒一くん」スッ…
恒一(差し出すように伸ばされたのは、左手……)
「そういうことか――流石は対策係、有能だな」ククク
赤沢「あ、ありがとう……?」
恒一「では、こちらこそ夜露死苦頼もうククク……」ガシッ
一同「っ!?」
桜木(包帯が……)
風見(指先までぐるぐる巻き……)
赤沢(……これじゃ体温わかんないじゃない!)プルプル
恒一(封印されし左腕の波動に震えておるな)ククク
~教室~
恒一「父上の任務の都合により首都からこの町に居を移した」
「現在は祖父母の下で厄介になっている」
「諸君とは良好な関係を築きたいと考えているが……あまり俺には近寄らない方が身のためかもしれん」
「ついにこの左腕を求め『機関』が動き出したようだからな……」ククク
クラス(ざわざわ……)
久保寺「……えっと、3組の新しい仲間として仲良くやっていきましょう」
「みんなで一緒に健やかに卒業できるよう」
「では榊原くんはあそこの席に」
恒一「御意」スタスタ
見崎「……」ボー
恒一「……」スタスタスタ
「……眼帯も悪くないな」ククク
恒一「父上の任務の都合により首都からこの町に居を移した」
「現在は祖父母の下で厄介になっている」
「諸君とは良好な関係を築きたいと考えているが……あまり俺には近寄らない方が身のためかもしれん」
「ついにこの左腕を求め『機関』が動き出したようだからな……」ククク
クラス(ざわざわ……)
久保寺「……えっと、3組の新しい仲間として仲良くやっていきましょう」
「みんなで一緒に健やかに卒業できるよう」
「では榊原くんはあそこの席に」
恒一「御意」スタスタ
見崎「……」ボー
恒一「……」スタスタスタ
「……眼帯も悪くないな」ククク
~教室、昼休み~
「おい、誰か話しかけろよ……」
「そうは言っても自己紹介とかヤバめの雰囲気だったじゃん」
「今もなんか左腕見つめて独りで笑ってるし……」
「ちょっと男子ー、差別はよくないよー」
「じゃあお前行ってこいよ」
「……ごめんね?」
「けどこのままじゃ赤沢さんに怒られちゃう……」
「赤沢もなんで今日休むかのう」
「そもそも病室行ったときになんで話さなかったんだ?」
「……ちょっと想像して欲しい」
「なんだよ?言い訳か?」
「オカルト対策の話をしに行ったはずが、そこはすでに得体の知れないオカルトグッズで埋め尽くされた病室」
「しかも終始あんな調子で無意味に笑ってるんだ」
「かと思えばいきなり左腕を抑えて震え出したり」
「気胸だろ……肺の病気だろ……なんで腕に包帯巻いてるのさ……」
「……ごめんね?」
「……赤沢が登校して来んの待とうぜ」
「おい、誰か話しかけろよ……」
「そうは言っても自己紹介とかヤバめの雰囲気だったじゃん」
「今もなんか左腕見つめて独りで笑ってるし……」
「ちょっと男子ー、差別はよくないよー」
「じゃあお前行ってこいよ」
「……ごめんね?」
「けどこのままじゃ赤沢さんに怒られちゃう……」
「赤沢もなんで今日休むかのう」
「そもそも病室行ったときになんで話さなかったんだ?」
「……ちょっと想像して欲しい」
「なんだよ?言い訳か?」
「オカルト対策の話をしに行ったはずが、そこはすでに得体の知れないオカルトグッズで埋め尽くされた病室」
「しかも終始あんな調子で無意味に笑ってるんだ」
「かと思えばいきなり左腕を抑えて震え出したり」
「気胸だろ……肺の病気だろ……なんで腕に包帯巻いてるのさ……」
「……ごめんね?」
「……赤沢が登校して来んの待とうぜ」
~授業中、学校屋上~
見崎「……」カキカキ
恒一「ほう、上手いものだな」
見崎「ひゃぅ!?」ビクッ
恒一「貴様もここから高みの見物か?」ククク
見崎(いつから後ろに……それに左腕に、包帯?)
恒一「いいのか?『こんな所』にいて」
見崎「……さあ、近くで見ていても意味はないから」
「そういうあなたは大丈夫なの?」
恒一「さあな」ククク
「いつかは『在るべき場所』へ還らなくてはならんがそれは今じゃない、それだけだ」
見崎「そ、そう……」
恒一「嗚呼その絵、翼が似合うと思うぞ」
「夜に濡れたが如き漆黒の翼がな……」ククク
見崎(堕天使の翼……いいかもしれない)グッ
見崎「……」カキカキ
恒一「ほう、上手いものだな」
見崎「ひゃぅ!?」ビクッ
恒一「貴様もここから高みの見物か?」ククク
見崎(いつから後ろに……それに左腕に、包帯?)
恒一「いいのか?『こんな所』にいて」
見崎「……さあ、近くで見ていても意味はないから」
「そういうあなたは大丈夫なの?」
恒一「さあな」ククク
「いつかは『在るべき場所』へ還らなくてはならんがそれは今じゃない、それだけだ」
見崎「そ、そう……」
恒一「嗚呼その絵、翼が似合うと思うぞ」
「夜に濡れたが如き漆黒の翼がな……」ククク
見崎(堕天使の翼……いいかもしれない)グッ
>>10 数日前に立てたときは用事で途中離脱しちゃったから、書き直しと書き溜めして再度投下中
恒一「ところで見崎冥」
見崎「なにそれかっこいい」
「でもメイは鳴くって言う字だから」
恒一「共鳴のメイ、悲鳴のメイか」
見崎「そう……それで、なに?」
恒一「先日の夜のことは覚えているか?」
見崎「……」フルフル
恒一「俺が霊安室で仮眠を取っていると何やら気配がしてな」
『可哀想な私の半身――』
『ミサキ――』
『約束の人形よ――』
「チラッと見えたがあの白いドールが贈り物か?」
見崎「ごめん何から突っ込めばいいのかわからない」
恒一「質問責めは嫌いか?」
見崎「そういう問題じゃないと思うの」
恒一「ところで見崎冥」
見崎「なにそれかっこいい」
「でもメイは鳴くって言う字だから」
恒一「共鳴のメイ、悲鳴のメイか」
見崎「そう……それで、なに?」
恒一「先日の夜のことは覚えているか?」
見崎「……」フルフル
恒一「俺が霊安室で仮眠を取っていると何やら気配がしてな」
『可哀想な私の半身――』
『ミサキ――』
『約束の人形よ――』
「チラッと見えたがあの白いドールが贈り物か?」
見崎「ごめん何から突っ込めばいいのかわからない」
恒一「質問責めは嫌いか?」
見崎「そういう問題じゃないと思うの」
見崎「あなたは榊原恒一、間違いない?」
恒一「嗚呼、毎日鏡に問いかけているが間違いない」
見崎「そ、そう……」
「クラスのみんなから何も言われない?」
恒一「誰からも話しかけられないな」
見崎「あなたの名前は死を――え?なんて?」
恒一「俺に話しかける者は誰もいない」
「前の学校でもそうだった」
「人は皆理解出来ないモノを畏れ、遠ざける」
「否、人に限らんな。思い返せば上履きや教科書、ノートに体操着も俺から離れていった」
「家にも片方だけの手袋が幾つもあってな」ククク
「この左腕のチカラは俺を孤独にする」
見崎「……とりあえず何も知らされてないのね」
恒一「俺はさしずめ『いないもの』だからな」ククク
見崎「……本当に何も知らされてないのね?」
恒一「嗚呼、毎日鏡に問いかけているが間違いない」
見崎「そ、そう……」
「クラスのみんなから何も言われない?」
恒一「誰からも話しかけられないな」
見崎「あなたの名前は死を――え?なんて?」
恒一「俺に話しかける者は誰もいない」
「前の学校でもそうだった」
「人は皆理解出来ないモノを畏れ、遠ざける」
「否、人に限らんな。思い返せば上履きや教科書、ノートに体操着も俺から離れていった」
「家にも片方だけの手袋が幾つもあってな」ククク
「この左腕のチカラは俺を孤独にする」
見崎「……とりあえず何も知らされてないのね」
恒一「俺はさしずめ『いないもの』だからな」ククク
見崎「……本当に何も知らされてないのね?」
本物の闇を経験した俺からしたらおままごとにしか思えん
こういうのは俺らみたいな闇系に任せてのほほん日常書いとけばいいと思う
圧倒的に暗い経験がたりない ガソリンの味とか知らんだろ?
こういうのは俺らみたいな闇系に任せてのほほん日常書いとけばいいと思う
圧倒的に暗い経験がたりない ガソリンの味とか知らんだろ?
恒一「どうやら何か秘密があるようだな」
「しかもクラスぐるみでの秘め事とは、実に興味深い」
見崎「そのうち分かってくるから」
恒一「秘密は秘密であるうちが華だと思うね」
「見崎鳴、貴様もこの左腕の包帯の下が気になるだろう?ん?」
見崎(悔しいけど気になる……義眼見せたら教えてくれるかな……)ウズウズ
見崎「……私には近寄らない方がいい」
「話すのも、もう止めた方がいい」
恒一「それはこちらの台詞だよ、見崎鳴」
見崎「……どういうこと?」ワクワク
恒一「そのうち分かってくる」
見崎「そんな……」
恒一「さよならだ、み・さ・き・め・い――」
キィ――バタン
見崎「……榊原くんが私以上にミステリアスだった」ドキドキ
「しかもクラスぐるみでの秘め事とは、実に興味深い」
見崎「そのうち分かってくるから」
恒一「秘密は秘密であるうちが華だと思うね」
「見崎鳴、貴様もこの左腕の包帯の下が気になるだろう?ん?」
見崎(悔しいけど気になる……義眼見せたら教えてくれるかな……)ウズウズ
見崎「……私には近寄らない方がいい」
「話すのも、もう止めた方がいい」
恒一「それはこちらの台詞だよ、見崎鳴」
見崎「……どういうこと?」ワクワク
恒一「そのうち分かってくる」
見崎「そんな……」
恒一「さよならだ、み・さ・き・め・い――」
キィ――バタン
見崎「……榊原くんが私以上にミステリアスだった」ドキドキ
~朝、校庭ベンチ~
見崎「……」ポツーン
恒一「……」チラッ
見崎「……」
恒一「……」スタスタ
見崎「……気をつけたほうがいいよ」
恒一「……」スタスタ
見崎「もう――始まってるかもしれない」
恒一「……」スタスタ…
見崎「……」
「……どうして」
「……どうして話かけてくれないの」グスン
見崎「……」ポツーン
恒一「……」チラッ
見崎「……」
恒一「……」スタスタ
見崎「……気をつけたほうがいいよ」
恒一「……」スタスタ
見崎「もう――始まってるかもしれない」
恒一「……」スタスタ…
見崎「……」
「……どうして」
「……どうして話かけてくれないの」グスン
~授業、美術室~
恒一「ほう、貴様には『コレ』が『こう』視えているというわけか」
望月「う、うん」ビクビク
恒一「さしずめ檸檬の叫び――いや、違うな……これは世界が叫んでいるのか」
望月「!! そ、そうなんだよ!分かる?!」
恒一「嗚呼、この世界は五月蠅過ぎる」
「そう、思わず耳を覆いたくなるほどにな」ククク
望月「うんうん、おののいちゃうよね!」
「ち、ちなみに榊原さんは何を描いてるの!?」
恒一「――絶望を」ククク
桜木「果物描きましょうねー」
恒一「ほう、貴様には『コレ』が『こう』視えているというわけか」
望月「う、うん」ビクビク
恒一「さしずめ檸檬の叫び――いや、違うな……これは世界が叫んでいるのか」
望月「!! そ、そうなんだよ!分かる?!」
恒一「嗚呼、この世界は五月蠅過ぎる」
「そう、思わず耳を覆いたくなるほどにな」ククク
望月「うんうん、おののいちゃうよね!」
「ち、ちなみに榊原さんは何を描いてるの!?」
恒一「――絶望を」ククク
桜木「果物描きましょうねー」
~廊下、移動中~
恒一「それにしてもムンクの叫びは眺めていると落ち着くな」
望月「え? 不安にはならないの?」
恒一「世界はそもそも安定を欠いている」
「それを抉り出して視覚化したようなあの絵は、実に見ていて気持ちが良いとは思わないか?」
「見ないフリをしていても、ソレはそこにあるのだから」
「嗚呼、あとダリも貴様の感性には合うやもしれんな」
「昨今シュールを勘違いした輩が多くて実に嘆かわしい」
「あれはあくまで現実だと云うに……」
望月「うんうん、だよねえ! 榊原さんとは話が合いそうだよ!」
恒一「それにしてもムンクの叫びは眺めていると落ち着くな」
望月「え? 不安にはならないの?」
恒一「世界はそもそも安定を欠いている」
「それを抉り出して視覚化したようなあの絵は、実に見ていて気持ちが良いとは思わないか?」
「見ないフリをしていても、ソレはそこにあるのだから」
「嗚呼、あとダリも貴様の感性には合うやもしれんな」
「昨今シュールを勘違いした輩が多くて実に嘆かわしい」
「あれはあくまで現実だと云うに……」
望月「うんうん、だよねえ! 榊原さんとは話が合いそうだよ!」
勅使河原「よ、よお望月とサカキ……ばらセンセイ」
「ふ、二人で何の話してんだ? 俺も混ぜろよー」ハハ…
恒一「――世界を覆う不安について」
勅使河原「ぶっ、なんだそりゃ」アハハ
望月「……勅使河原くんはわかってないなあ」
恒一「識らない方が良い事もあろう」
勅使河原「え? え?」
望月「はあ……こんな蒙昧な輩は放っておこうよ」
「僕、榊原さんのことがもっと知りたいな!」
「たとえばその左腕のこととか……」チラッ
恒一「ほう、貴様はなかなか見込みがありそうだ……」ククク
勅使河原「俺の不安は望月の行く末だぜ……」
「ふ、二人で何の話してんだ? 俺も混ぜろよー」ハハ…
恒一「――世界を覆う不安について」
勅使河原「ぶっ、なんだそりゃ」アハハ
望月「……勅使河原くんはわかってないなあ」
恒一「識らない方が良い事もあろう」
勅使河原「え? え?」
望月「はあ……こんな蒙昧な輩は放っておこうよ」
「僕、榊原さんのことがもっと知りたいな!」
「たとえばその左腕のこととか……」チラッ
恒一「ほう、貴様はなかなか見込みがありそうだ……」ククク
勅使河原「俺の不安は望月の行く末だぜ……」
~放課後、下駄箱~
桜木「さ、榊原くん、これからお帰りですか?」
赤沢「ちょっといい?」キリッ
・
・
・
赤沢「そう……生まれたのは夜見山の病院なんだ」
恒一「ヨミで生まれる、とは中々傑作だとは思わんかね」ククク
赤沢「そ、そうね……それで東京戻ってからはずっとあっち?」
恒一「嗚呼、肯定だ」
赤沢「帰省とかは?」
恒一「帰る理由は……俺が生まれてすぐに失われてしまった、そう永遠にな」フッ
赤沢「……戻ってきてないってことでいいのよね?」
恒一「この質問責めも『対策係』とやらの仕事か?」ククク
赤沢「それもあるけど、どこかで会った気がするのよ」
恒一「前世かね?」
赤沢「生まれ変わってまでアンタと知り合いなんて御免よ……」
桜木「さ、榊原くん、これからお帰りですか?」
赤沢「ちょっといい?」キリッ
・
・
・
赤沢「そう……生まれたのは夜見山の病院なんだ」
恒一「ヨミで生まれる、とは中々傑作だとは思わんかね」ククク
赤沢「そ、そうね……それで東京戻ってからはずっとあっち?」
恒一「嗚呼、肯定だ」
赤沢「帰省とかは?」
恒一「帰る理由は……俺が生まれてすぐに失われてしまった、そう永遠にな」フッ
赤沢「……戻ってきてないってことでいいのよね?」
恒一「この質問責めも『対策係』とやらの仕事か?」ククク
赤沢「それもあるけど、どこかで会った気がするのよ」
恒一「前世かね?」
赤沢「生まれ変わってまでアンタと知り合いなんて御免よ……」
赤沢「とにかく! 恒一くんには三組の置かれた状況と決まりを理解してもらう!」
恒一「ようやく本題だな」
桜木「あ、赤沢さん……」
赤沢「なによ」
望月「実は……」
桜木「かくかくしかじかで……」ゴニョゴニョ
赤沢「なにソレ!? たくっ……たった1日休んだだけでこのザマか!」
望月「ごめんね、病院に手を繋ぎに行っただけで対策したつもりになって満足して翌日お休みした赤沢さん」
赤沢「~~ッ!」ギリギリ
桜木「赤沢さん!首絞めちゃダメです!」
恒一「……じゃあまた(無関心)」スタスタ
桜木「ちょ、ま、待ってください!」アワワ
赤沢「ほんとにっ……どいつも、こいつも……っ!」ギリギリギリ
望月「あっ――……」ガクリ
桜木「も、望月くぅーん!!!!」
恒一「ようやく本題だな」
桜木「あ、赤沢さん……」
赤沢「なによ」
望月「実は……」
桜木「かくかくしかじかで……」ゴニョゴニョ
赤沢「なにソレ!? たくっ……たった1日休んだだけでこのザマか!」
望月「ごめんね、病院に手を繋ぎに行っただけで対策したつもりになって満足して翌日お休みした赤沢さん」
赤沢「~~ッ!」ギリギリ
桜木「赤沢さん!首絞めちゃダメです!」
恒一「……じゃあまた(無関心)」スタスタ
桜木「ちょ、ま、待ってください!」アワワ
赤沢「ほんとにっ……どいつも、こいつも……っ!」ギリギリギリ
望月「あっ――……」ガクリ
桜木「も、望月くぅーん!!!!」
~帰路~
恒一「『夜見の たそがれの うつろなる 蒼き瞳の』……?」
「なんと甘美な響きか」
「さぞ名のある魔術師の工房<アトリエ>に違いない」
「そうだな……まずは偵察と洒落込むか」ククク
ギィ…カラン……
店婆「いらっしゃい……」
「おや、若い男の子とは珍しいねえ」
「お客さんかい?それとも……」
恒一「それとも……なんだ?」
「返答次第ではこの左腕が黙っていないぞ?」ククク
恒一「『夜見の たそがれの うつろなる 蒼き瞳の』……?」
「なんと甘美な響きか」
「さぞ名のある魔術師の工房<アトリエ>に違いない」
「そうだな……まずは偵察と洒落込むか」ククク
ギィ…カラン……
店婆「いらっしゃい……」
「おや、若い男の子とは珍しいねえ」
「お客さんかい?それとも……」
恒一「それとも……なんだ?」
「返答次第ではこの左腕が黙っていないぞ?」ククク
店婆「いや、ウチの子のお友達かと思うて」
恒一「友とは……俺には縁の無い旋律だ」フッ
店婆「鳴ちゃんの友達じゃないのかい?」
恒一「メイ……ここは見崎鳴の家なのか?」
「魔術師の工房では……?」
店婆「なぁんだ、やっぱり鳴ちゃんのお友達かい」
「あの子も小さい頃からそういうゴッコ遊びが好きでねぇ」
「タダで良いよ、わたしゃあの子呼んでくるからゆっくり店内見てお行き――」トコトコ
メイチャンオトモダチダヨー ヒダリウデニホウタイマイタ
エ?ホントニ? ウソヤダドウシヨウ…
アンタモ スミニオケナイネェ
モウ…ソンナンジャナイカラ///
恒一(興が削がれたな……帰るか)フン
ギィ…バタンッ
店婆「お待たせしちゃって悪いねぇ……あら?」
恒一「友とは……俺には縁の無い旋律だ」フッ
店婆「鳴ちゃんの友達じゃないのかい?」
恒一「メイ……ここは見崎鳴の家なのか?」
「魔術師の工房では……?」
店婆「なぁんだ、やっぱり鳴ちゃんのお友達かい」
「あの子も小さい頃からそういうゴッコ遊びが好きでねぇ」
「タダで良いよ、わたしゃあの子呼んでくるからゆっくり店内見てお行き――」トコトコ
メイチャンオトモダチダヨー ヒダリウデニホウタイマイタ
エ?ホントニ? ウソヤダドウシヨウ…
アンタモ スミニオケナイネェ
モウ…ソンナンジャナイカラ///
恒一(興が削がれたな……帰るか)フン
ギィ…バタンッ
店婆「お待たせしちゃって悪いねぇ……あら?」
>>45
本当に現象のせいだろうか
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