元スレ和「宮永さん、私のリー棒も受け取ってください」咲「う、うんっ!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
352 = 2 :
――――――仮眠室
咲「…………ん……あ……」
和「宮永さん! 気がつきましたか!!」
咲「あ……私……? あれ……ここは?」
和「仮眠室です。宮永さん、対局が終わったあと、気を失って倒れたんです。龍門渕の人も倒れて……そちらはチームメイトが控え室に連れていきました。宮永さんは……こっちに」
咲「え……? どうして私は清澄の控え室に運ばれなかったの……?」
和「それは……みんながそのほうがいいって言ったので。起きたときにみんなの顔があったら……宮永さんが辛いかもって。
それで……私一人で付き添うことになったんです。お身体の具合は大丈夫ですか……?」
咲「身体はなんともないよ。心配かけてごめんね。でも……ああ……そっか。私……負けちゃったんだよね……」
清澄・大将、宮永咲。大将戦前半……その結果。
四位:咲-36700(47800)
354 = 2 :
咲「……自分でも……何が起こったかよくわからないんだ……急に身体が寒くなって……カンも何もできなくなっちゃった……」
和「宮永さん……」
咲「ごめんね、原村さん……私…………勝てなかったよ……」
和「み、宮永……さん……!!」
肩を落として、目を伏せる咲。そんな咲の姿を見て、和の目から、涙が零れる。
和「……宮永さん……! 宮永さん……! 宮永さん…………!!」ポロポロ
咲「え……どうして原村さんが泣いてるの……?」
和「だ、だって……宮永さんが……そんな顔するから……! そんな……負けが決まったみたいな……顔……!!」
咲「あ……ご、ごめん……!」
和「本当ですよ……!! たった一回の半荘を負けたくらいで……なにを弱気になっているんですか……!!」
和、ここぞとばかりに咲に抱きつく。
355 = 2 :
和「半荘一回で……強い弱いは測れません……! 宮永さんみたいな強い人でも……負けることはあります。でも……!!」
和、咲の顔に自分の顔を寄せて、涙ながらに訴える。
和「それでも……宮永さんなら……! 最後には勝ってくれるって……!! 私……信じて待っているんですから……!!
だから……そんな顔しないで……勝てなかったなんて……言わないでください……!! 宮永さんが負けて終わるなんて……そんなのありえませんよ……!!
そんな終わりはありえません!!」
咲、和から目を逸らして、照れるように、微笑む。
咲「私は……大丈夫だよ、原村さん。まだ……戦えるよ……」
和「宮永さん……?」
咲「ごめんね……そんなつもりじゃなかったんだけど……へ、変な顔しちゃって」
和「み、宮永さんの顔は変じゃありませんよ! とても綺麗ですっ!!」
咲「は、原村さん……//////?」
和「し……失言でした……///////」
356 = 2 :
咲、和、抱き合っていることが急に恥ずかしくなって、離れる。
咲「えっと、その、原村さん」
和「なんでしょうか……?」
咲「私は大丈夫だよ。だから……最後まで見ていて……約束だよ」
和「は……はい!!」
咲「私……次は絶対勝つよ。勝って、原村さんと全国に行くんだ」
和「わかりました……。ごめんなさい、私……勘違いして取り乱したりして」
357 = 2 :
和、乱れた服と髪を整えて、咲を見つめる。
和「信じて待っていて……いいんですね?」
咲「うん、もちろんだよ」
和「じゃあ……待っています。みんなと……あなたが勝って帰ってくるのを……!」
咲「うん……ありがとう」
さて、このとき実は影から二人を覗いていた三人。
タコス「うわああああ! のどちゃんヘタレだじぇ! どうしてあそこで押し倒さないんだじぇ!!」
久「いやいやここはこれでいいのよ……! わかってないわね……それは優勝してからのお楽しみ……!!」
まこ「二人とも、とんでもなく悪趣味じゃのう……」
358 = 2 :
――――――対局室
その後、透華、咲の自己申告により、対局は再開することとなる。
透華「清澄、具合が悪いならわたくしは明日でも構いませんでしてよ?」
咲「いえ、大丈夫です。ご迷惑をおかけしてすいませんでした。そういう龍門渕さんのほうは……?」
透華「わたくしはこの通りなんともありませんわっ!」
咲「そうですか……よかった。万全じゃない人を倒すのは……なんだか悪いような気がしていたので……」
透華「あなた……今さらっととんでもなく失礼なことおっしゃいませんでした?」
咲「あ、いえ……」
蒲原「ワハハ、強気だねえ、ルーキー」
福路「でも、そういう宮永さんのほうこそ、本当に万全なの?」
咲「はい。もちろんです。具合が悪いときに勝てるようなみなさんじゃないことは前半でよくわかっていますから。
だから……心配も……手加減もしないでください。そうじゃないと……勝ったときに嬉しくありません」
蒲原「頼もしい一年生だなー」ワハハ
福路「いいでしょう。わかりました。あなたがそう言うのなら……後半も全力をもってお相手します」
透華「まったく、そんなの当然のことですわっ!」
咲「じゃあ……みなさん。大将戦後半も……よろしくお願いします」
359 = 130 :
いよいよか
360 = 2 :
大将戦後半――開始!!
大将戦後半
東:蒲原智美(鶴賀) 南:福路美穂子(風越)
西:宮永咲(清澄) 北:龍門渕透華(龍門渕)
東一局親蒲原
蒲原(さーて、泣いても笑ってもこれが最後の半荘かー。
トップ風越とは35600点差……さっきはなんだか調子の悪そうだった清澄から和了って稼いだけど……今回もそううまくいくかなー?)タンッ
福路(清澄の宮永さん……あの上埜さんが大将に持ってきた人。
前半は龍門渕の妙な気配に圧倒されていたような感じだったけれど……今回その龍門渕がいつもの雰囲気に戻った……となれば……この後半で宮永さんは絶対に何かをしてくる……。
これは……点差を考慮しても……一番の危険人物はやはり宮永さんかしらね……)タンッ
咲(見ていてね……原村さん!)タンッ
透華(先程はわたくしらしくない闘牌でしたわね……。そんなので勝っても全然嬉しくありませんわ! 今度こそわたくしらしく勝たせていただきますの!
わたくしはラス親……華麗にまくって終わらせてさしあげますわ!)タンッ
361 = 2 :
七巡目。
咲「カン」
透華(加槓……? ドラを増やすつもりでしょうか)
蒲原(有難い。ドラがなかったけど、これならカンドラか、リーチで裏ドラが乗るかもしれないなー)
福路(宮永さん……大将戦に入って初めてのカン。予選の牌譜を見る限り……ここは嫌な予感しかしない……ついに動き出すというわけね)パタッ
咲「ツモ。嶺上開花。400・700」
蒲原(えー……嶺上開花……? いやーまーそれはいいとしても清澄……最下位のくせに随分安い手で和了ったなー……さっぱり狙いがわからんぞー)
透華(清澄……何を考えていますの……?)
福路(やはり……嶺上開花。そしてその和了りの形……嶺上開花以外では役無し。点数はともかく……今の宮永さんのカン……明らかに嶺上開花を狙いにいったものと見ていいでしょう。
上埜さん、どうやらあなたはとんでもない人を見つけたみたいですね……)
363 = 2 :
東二局親福路
十巡目。
咲「カン!」パタッ
透華(また……!?)
蒲原(今度は暗槓かー……まさかまた嶺上開花なんてことは……)
福路(生牌はしぼっていたんですが……暗槓ではどうしようもありません……)パタッ
咲、嶺上牌をツモり……テンパイ。
そして――。
咲「もいっこ、カン!」パタッ
透華(連槓……!?)
蒲原(おいおい清澄……)
福路(二連続……! これは……予選の牌譜にはなかったけれど……!)
咲「ツモ。嶺上開花。70符2飜……1200・2300」
嶺上の花……完全開花は――間近ッ!!
咲:54000 キャ:134900 と:111000 ワ:100100
364 = 2 :
東三局親咲
福路(開始早々二連続の安和了り……まるで肩慣らしですね。そして……ここで宮永さんの親……これはそろそろ大きいのが来る……?)タンッ
咲()タンッ
透華(清澄の……いつか廊下ですれ違ったときに衣のような気配を感じましたが……まさか本当に……あなたも魔物を飼っているんですの……?)タンッ
蒲原(ここで清澄の親か……嫌な予感しかしないなー)タンッ
咲「ポン」タンッ
咲、蒲原の六筒をポン。
透華(六筒ポン……? よくわかりませんわね……単純に食いタンで親の連荘狙い……?)タンッ
蒲原(さて……清澄。何をしたいのかはよくわからないけど……こっちも張ったからなー。今更安手で回したことを後悔するなよー)タンッ
福路(鶴賀がテンパイしたようですね……直撃は避けたい。宮永さんは気になるけれど……見たところ宮永さんの手は張ってすらいない。
あまり神経質になり過ぎるのもよくないかしら……)タンッ
365 :
この状況・このメンツでワハハが一番点を稼いだだと・・・・・・!
キャプテンはまだしも凍った透華と大魔王相手に・・・・・・
366 :
おいついた
367 = 2 :
清澄・宮永咲――その名の通り、可憐な嶺上の花を見事に咲かせ、二度の嶺上開花。
しかし、各校――或いは咲を一番の危険人物と警戒する福路すらも――咲の真価をまだはっきりとは理解していなかった。
もちろん、この点差、連続和了したとは言え、清澄が圧倒的劣勢なことに変わりはない。
だがそれも、後に嶺上使いとまで呼ばれるようになる宮永咲にとっては、無関係なのかもしれなかった。
対局の様子をモニター越しに見守っていた観客の中には、少なからず、そう感じた者もいただろう。
咲、ツモ――六筒。
咲「カン!」カンッ
透華(加槓……! またですの!?)
咲、嶺上牌を手の中へ。
イーシャンテンからのテンパイ。
そして、まだ手の内に残っている、槓材。
まさか――と誰もが思う。
そう……咲はここで止まらない――!!
368 = 2 :
咲「もいっこ、カン!」カカンッ
蒲原(二連続……!! また嶺上開花……!?)
そのとき観客からははっきりと見えていた、三連続三度目の嶺上開花!!
しかし……咲はそれでも止まらない!!
その花は――何度でも咲く!!
咲「……もいっこ、カン!!」カカカンッ
福路(なっ……!? 三連続カン……!! 上埜さん……!!!)
369 = 2 :
見ている者の誰もが、咲き乱れ、咲き誇るその花に息を飲む。
嶺上開花和了拒否――からの――同巡三度目の槓!
喰いタン一飜――張ってすらいなかったその手が――たった一巡で華麗に変貌する!!
咲「ツモ……嶺上開花…………断ヤオ対々三暗刻三槓子……8000オール」
晒された手牌に、卓を囲む三人が、ようやく宮永咲の異常性を認識。
その存在の大きさに――身を震わせる。
福路(……やってくれましたね……!!)
透華(意味不明!? 意味不明ですわっ!!)
蒲原(いやーこれはなー……ユミちんならこの子どうするよー?)
清澄・宮永咲――完 全 開 花 !!!!
371 = 2 :
東三局一本場親咲
七巡目。
咲「カンッ!」カンッ
透華(来た……!)
蒲原(いやいや、また嶺上開花なんてそんなバカな……)
咲「もいっこカン!!」カカンッ
福路(いや……二連槓では嶺上開花はできないはず……だって宮永さんはまだ……)
咲「…………」タンッ
透華「えっ……?」
咲「切りました」
透華「ああ、いえ、わかっていますわよ……!」
透華(そうですわよね……そうそう嶺上開花なんて和了られたらたまりませんわ!)タンッ
蒲原(清澄のカン……今度は嶺上開花ではなかった……いやー、ワハハ。ホントわっけわっかんないなー。でも……まあ……それはそれとして……)タンッ
372 = 2 :
福路(宮永さん……たぶんリャンシャンテンからの二連続カン。たとえ嶺上で有効牌が来たとしてもテンパイ止まり。
でも……宮永さんが自在にカンで手を進められるのだと仮定すれば……ここはテンパイを待ってから嶺上開花を狙うはず。
それなら親の連荘でまたチャンスが来るはずだったのに。なぜ……?)タンッ
福路、嶺上牌で手を進めてテンパイした咲の当たり牌をかわす、打、八筒。
その、瞬間。
蒲原「ワハハ。風越、それは通らないなー」パラパラパラ
福路(鶴賀……!? しまっ……警戒を怠ったわけではなかったけれど……!! そして……その手は……!)
蒲原「断ヤオドラ四。8000は8300」
福路(その捨て牌とその和了り……! 私の読みを逆手にとって……点が下がるのも構わず迷彩をかけていたなんて……!
しかも……宮永さんのカン……あれでドラ四が加わって……ただの断ヤオが満貫に……!!)
373 = 2 :
福路、そこで一つの可能性が頭に浮かぶ。
福路(え……ちょっと待って……! じゃあ宮永さん……まさかこれを見越してわざと嶺上開花を和了らずにカンのタイミングを早めたの……!?)
福路、その手牌。咲の大明槓を防ぐために生牌をしぼりつつ、さらに咲の暗槓をも警戒して、安手ながらも既に三面張テンパイ。
咲が槓材を揃える前に、早和了りで咲の親を終わらせようという手作り。
福路(宮永さん……自分の手では私の早和了りに追いつかないと判断して……カンで自分に注意を向けさせておいて私が鶴賀に放銃するように仕向けた……?
しかも……カンドラで鶴賀の手を高めることで結果的にトップであるうちの点を下げることにも成功している……。
宮永さん……嶺上開花を自由に和了るだけならまだどうにかなると思っていましたが……今のを故意にやってのけたというのなら……正直、恐ろしいです)
蒲原(うーん……一盃口がつかなくて満貫止まりに終わったのはさすが風越ってことなのかなー。
けど……ま、これで完全に射程距離。絶対に撃ち落してやるからな。待ってろよー、風越)ワハハ
咲:78000 キャ:118600 と:103000 ワ:100400
374 :
今日初めて一期見たけど各学校に必ずレズカップルいるんだな
あと和ちゃんの乳が不自然
375 = 2 :
東四局親透華
透華(まったく! ですわ! わたくしさっきから何もさせてもらえませんの! こんなの屈辱ですわ。
いえ、まあそれも仕方がないのかもしれませんわね。この面子、さすがのわたくしも苦戦必至ですわ。
しかし……清澄……どうやら衣と同じ魔物の類だと思ったほうがよさそうですわね。ただ……わたくし……こう見えて魔物退治は得意でしてよ……!
一体誰が……あの天江衣をこの舞台に引っ張ってきたと思ってますの……!)タンッ
透華(さて。さっきからヤミで張ってますのに全然出てきませんの。まあ待ちは広いですからそのうち出てくるとは思いますけれど……。でも……でもですわっ!!)
そのとき、透華のアホ毛、立つ。
透華(そんなんじゃ目立てませんの! 今頃ギャラリーの目は清澄の嶺上開花に釘付けに決まってますわ!! そしてきっと誰もがまた清澄の嶺上開花を期待しているに違いありませんの!
そんな中でヤミテンを和了っても……きっとわかってくれるのは一部の玄人だけ。清澄よりも目立って、なおかつわたくしが和了る……そのためには……!)ツモッ
透華、たった今ツモった一索と、先程咲が蒲原から鳴いた二索の明刻を一瞥、そして――。
透華(ぶちかましてやりますわっ!!)タンッ
376 = 2 :
三巡後。
透華「いらっしゃいまし! リーチですわっ!!」スチャ
蒲原(龍門渕……さっきとはまるで雰囲気が別人だけど……これはこれで厄介だなー)タンッ
福路(龍門渕……妙なところで妙なリーチをしてきましたね。
見たところ待ちの広い手のようだったから、てっきりヤミで和了りを待つのかと思っていましたけど……この数巡で一旦テンパイを崩してまで手替わりをした。
何か意図がある……?)タンッ
咲「カン!」カンッ
蒲原(また来た、清澄……!)
福路(宮永さんの加槓……。あ、そうか……! そういうことなのね……龍門渕……!!)
透華「その嶺上、取る必要ありませんわっ!!」
咲(え……!?)
透華「リーチ一発槍槓!! 7700ですわっ!!」
咲(えええー!?)
377 = 86 :
とーかの本領発揮
378 = 2 :
咲(龍門渕さんの槍槓……!! 信じられないよ……!!
なんか変なことしてるような気はしてたけど……それ……高め三色の平和と断ヤオと三面張と――全部崩して私の加槓を狙ったってこと…………だよね。
そんな……びっくりだよ……! さっきの龍門渕さんは別として、普段の龍門渕さんは原村さんみたいな打ち手だって聞いてたのに……)
透華(やりました!! やってやりましたわっ!! どうですか、見ましたか!? わたくしのこの華麗な狙い撃ち!!!
清澄の嶺上開花を抑え込んでの一発和了りっ!! 絶対目立ってるに違いありませんわ!!)
透華「さあ、わたくしの連荘でしてよ!!」コロコロ
――――――龍門渕・控え室
一「透華……ボク心臓が飛び出るかと思ったよ」
衣「愉快痛快! 抱腹絶倒!!」
ともき「……目立つためだけに色々なものを捨てた……」
井上「いやまあ過程はどうあれ結果は最高だろ。あのまま待ってても透華の当たり牌は風越と鶴賀の手の中。黙ってたらテンパイ流局が積の山だった状況を覆したんだからよ」
380 = 2 :
東四局一本場親透華
福路(龍門渕……前半と比べても遜色のない強敵……見事な槍槓……)タンッ
福路(もちろん……わかっていたことです。この場の誰一人として……簡単に勝たせてくれるような相手ではない。
そう……魔物は清澄だけではない……鶴賀も……龍門渕も……この場に魔物は三人いる……! そう思って打たないといけませんね……)タンッ
福路(焦らずにいきましょう……私は名門風越のキャプテン……ここで負けることは許されない……!)タンッ
十巡目。
福路「ツモ。タンピン一盃口ツモドラ一……2000・4000は、2100・4100」
蒲原(この人は本当に隙がないなー)
透華(あー! わたくしの親が流されましたわっ!! わたくしは子供より親やるほうが好きなのに! ですわっ!!)
咲(うーん……なんかイマイチな感じだよー……)
咲:68200 キャ:126900 と:106600 ワ:98300
381 = 213 :
382 = 328 :
早く脱ぐんだ!
383 = 293 :
キャってキャプテンのことか
384 = 2 :
南一局親蒲原
蒲原(風越……なんだかんだでこの大将戦一度もトップから転落していない。
っていうかさっきの直撃……よーく思い返してみると……あれが風越にとってこの大将戦初の放銃だったわけで……。
ぶっちゃけこの人のほうが清澄以上に信じ難い打ち手だよなー……。
となると……ここはツモ和了りに期待するしかないかー)タンッ
八巡目。
蒲原「ツモ。リーチ一盃口ツモ。2000オール」ワハハ
蒲原(これが最後の親……できる限りのことをやるしかないなー。最善を尽くして、そこにさっきくらいのバカツキが味方してくれれば……ここから風越をまくるのは決して不可能じゃないはず。
ただなー……あの清澄がなー……あの倍満以降大人しいのが……恐いっちゃ恐いけど……うーん。
ま、なんにせよ、まだまだここで終わらせるわけにはいかないよなー。
モモと……ユミちん……佳織に……むっきー……私はみんなと笑って終わりたい……。
みんな……最後まで見ててくれよ。
無理でもいい……無茶でもいい……絶対に勝って帰るからなー……)ワハハ
咲:66200 キャ:124900 と:104600 ワ:104300
385 = 2 :
南一局一本場親蒲原
五巡目。
福路「ツモです。白ドラ一、500・1000は600・1100」
蒲原(うわっ、風越早いなー……。親が流されたかー……)
福路(親の連荘などさせません!! このまま私が逃げ切ります……!!)
蒲原(逃げる気満々って感じだな……ワハハ……そうこなくっちゃなー……)
咲:65600 キャ:127200 と:104000 ワ:103200
386 = 2 :
南二局親福路
咲(うーん……なんかおかしいよ……。力は十分な気がするんだけど……何か違う……。家族麻雀や合宿最終日での感じ……あれがまだ……)タンッ
『ここ……この割れ目が……割れ目がこすれて気持ちいいじょ……』
咲(あ――! 思い出した……!!)タンッ
透華(清澄……対局中になにをもぞもぞと……?)タンッ
蒲原(ん、清澄……どうした……?)タンッ
福路(宮永さん……?)タンッ
咲、おもむろに靴を――そして靴下を脱ぐ。
咲(……これだ!!)
咲、裸足ッ!! 魔王力を最大まで高めた! そして、裸足状態での最初のツモ!
既に嶺上開花の構えに入っていた咲、そのツモで暗槓が成立!!!
咲「カン!!」カンッ
清澄・大将宮永咲――ここで本日四度目の……!!
咲「ツモ。嶺上開花ツモ赤一……1300・2600です!!」
咲:70800 キャ:124600 と:102700 ワ:101900
387 = 2 :
南三局親咲
福路(宮永さん……また安手の嶺上開花……それで私の親が流れたのはどちらかと言えば助かりましたが……ただ、これで終わるわけがありませんよね)タンッ
福路(東場……肩慣らしのような二連続和了からの親の倍満……。またそれを狙うつもりですか……? しかし、そう何度も何度も……同じ手は食いません……)タンッ
九巡目。
福路(さて……ここで六萬ツモですか。先程からカンチャンの四萬待ちでテンパイしている私はここで当然この六萬を残し、四・七萬のリャンメンに切り替えるために三萬を切ります。ただ……)
福路手牌(********三五六六六・ツモ六)
福路(宮永さん……恐らくはもうテンパイしている。見えている範囲では……恐らく二・四・五萬待ち)
咲手牌(*********三三三四)
福路(この三萬は宮永さんの当たり牌ではない。しかし……宮永さんならここで三萬を大明槓する可能性がある。大明槓のツモは責任払い。
本来当たり牌でもなんでもない三萬で……私が親の宮永さんから直撃を受けることになる。
リャンメン待ちを捨ててでもここは六萬打ちが正解かしら……。でも……ここでこの六萬が来た……このことに……何か意味があるような気もします……)
388 = 2 :
福路、熟考。
福路(そう言えば……中堅戦の天江衣。海底を連発する全国区の魔物。ただ……その天江がいるなかで……中堅戦一度だけ天江以外の人が海底を和了った。
鶴賀の妹尾さん。鳴いてツモ巡をずらし……そして……自分が天江に代わって海底。同じ魔物を相手にするのに……これはヒントかもしれません)
福路、前巡、前々巡のことを思い出し、さらに思考を進める。
福路(宮永さんはずっと手替わりしていない。宮永さんはかなり前からテンパイしていた。なのに……最下位にもかかわらずなぜかリーチをかけなかった。
その理由の一つは……リーチ後では大明槓ができないから。それと……もう一つ)
福路(宮永さんのその手では……リーチをすると大明槓だけでなく暗槓もできなくなる。それでは嶺上開花は和了れない。
結論として、宮永さんが今までリーチをしなかったのは、大明槓か暗槓のチャンスを待っていたからということになる。
つまり……よほどの確信を持って、嶺上開花を和了れると思っているわけね)
福路(天江衣に海底牌が見えるように……宮永さんには嶺上牌が見えているのかもしれない。
だとすれば……当然宮永さんは四萬を嶺上でツモって和了り。最初から二・五萬で和了るつもりなんてない。それならとっくにリーチをかけている。
きっと……宮永さんの眼には嶺上の四萬しか映ってないんだわ)
389 = 266 :
なるほど・・・。
390 :
大魔王逃げてー
391 = 2 :
福路、自分の手牌を確認し、そして、その両眼に見える範囲で、もう一度咲の手牌をイメージする。
福路手牌(********三五六六六・ツモ六)
咲手牌(*********三三三四)
福路(四萬待ち、か。私と…………同じね……!!)
福路――仕掛けるッ!!
福路「カン!!」パラッ
咲(!?)
福路、嶺上牌に手を伸ばす――盲牌、瞬間、微笑!!
福路「ツモ――! 嶺上開花ツモ断ヤオドラ一。2000・4000!!」
福路、咲、交錯する視線――!!
咲(わ……私の嶺上が……盗られた……!!!?)
咲――動揺ッ!!
福路(さあ――これで突き放したわよっ!!)
福路――磐石ッ!!
咲:66800 キャ:132600 と:100700 ワ:99900
392 = 324 :
キャプテンかっこいいし!
393 = 2 :
咲(そんな……!! 嶺上牌だけじゃない……嶺上開花まで盗られるなんて……! 嶺上開花は……私だけの……私の名前と同じ役なのに……!!)
福路(ふふふ……驚いてる驚いてる。海底を和了られたときの天江もそうだったけれど……あなたたち魔物は自分の領域を侵されるのが一番応えるみたいね。
さて、宮永さん。これであなたのラス親はおしまいよ。龍門渕は当然連荘狙いでくるだろうけれど、そんなことは私がさせないわ。
最後にもう一度私が和了って終局。それでうちの優勝が決まる。宮永さん……上埜さんに大将を任された一年生……あの天江衣と同等の魔物。
けれど、わかっているわよね? 今の嶺上開花で私とあなたの点差は65800点。役満直撃でも私をまくることはできない。
それでも……あなたはここから逆転するつもり……? そんなことがもしできるとしたら……それはそれで……見てみたい気もするけれど……)
咲(こんなのってないよ……! 私の嶺上開花……!! 誰かに盗られたまま終わるなんて……そんなの絶対に嫌……!!)
福路(でも……ダメ! やっぱり優勝するのは……私たち風越よ!!)
咲(そうだよ……! これくらいで諦めるわけにはいかない……!! 嶺上の花は私だけのもの……何度だって咲かせてみせる!!
そして……私たちが優勝するんだ……!!)
福路(最後の一局……必ず……勝ってみせる!!)
咲(最後の一局……咲くのは……私!!)
果たして勝利の花は誰の元に咲くのか――!!
インターハイ県予選団体戦決勝……ついに最後の一局へ!!
394 = 282 :
キャラが変わってるぞww
395 = 99 :
カマボコが空気
396 = 365 :
こんなのってないよwwwwwww
397 = 2 :
南四局親透華
咲:66800 キャ:132600 と:100700 ワ:99900
透華(この親で連荘……まくって優勝……!! 勝って目立ってやりますわっ!!)タンッ
蒲原(この点差……倍満直撃でもちょっぴり足りないかー。これは思っていたよりもきっついぞー。でも……みんなが見てるからなー。これくらいで諦めるわけにはいかないさー)タンッ
福路(勝つのは風越です……! ここで私が和了って……私たち風越が最強であることを証明します)タンッ
咲(……原村さんと約束したんだもん……私……絶対に勝つよ……)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
そして、場は静かに進行していく……。
――――――観戦室
「の、和先輩のお友達さんの手……すごいことになってます……!」
「いや……他の人たちの手もなんだかえらいことになっているような……」
「ねえ……これ……誰が勝つと思う……?」
「わからない……勝ってほしいところなら……決まってるけど」
398 :
キャプテン腹黒すぎwww
399 = 365 :
正直咲の原作のオーダーが各校最善のオーダーな気もするな
400 = 2 :
――――――対局室
十一巡目。
福路(ツモはならず。それにしても、ここで……一筒)
福路手牌(二二二四四五[五]六六七八九九・ツモ①・ドラ西)
福路(宮永さんの手……明らかに筒子の染め手。この一筒が宮永さんの当たり牌でもあるだろうし、大明槓の可能性もある)
福路、点差を確認。
福路(この状況……もし宮永さんから役満の直撃を受ければ……優勝は龍門渕……)
福路、小さく首を振る。
福路(いや……それはありえないわ。宮永さんはまだ私に勝つことを諦めていない。この状況で他校の優勝を決めるような和了りは絶対にしない。それは信じましょう。
この卓にいる全員が……まだ勝ちを諦めていない。となれば……)
福路(ここはこの一筒を切っても問題はない。逆に、例えばこの一筒を抱えたままテンパイするとして……そのために切らなくちゃいけなくなる九萬は……龍門渕の当たり牌。
宮永さんの動きには最大の注意が必要だけれど……現実的に、龍門渕に振り込むほうが遥かにリスクが高い)
透華手牌(一一七七八八九⑤⑥⑦ⅦⅧⅨ・ドラ西)
みんなの評価 : ★★
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- 咲「ある日突然、私に12人ものお姉さんができたらどうしますか?」 (168) - [45%] - 2013/3/4 7:15 ☆
- 咲「麻雀なんか無くなってしまえばいいんだあああああ!!!」 (1001) - [45%] - 2009/7/31 9:46 ★★★×4
- 兄「どうせ一生起きないなら好きにしていいよな」 妹「すぅすぅ…」 (158) - [45%] - 2012/9/11 18:30 ☆
- P「音無さん・・・恋人になってください!」小鳥「ピヨッ!?」 (383) - [44%] - 2012/4/27 8:45 ★★★
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