元スレ和「宮永さん、私のリー棒も受け取ってください」咲「う、うんっ!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
1 :
和「そんなオカルトありえません!!」ガバッ
早朝。和、起床。
和(今日はインターハイ県予選団体戦決勝だというのに……私はなんて夢を……!)
――――――数時間後・県予選会場・清澄控え室
咲「えっ!? 決勝の他校のオーダーが直前で変更になった? 部長、それ本当ですか?」
久「本当も何も、オーダー発表ならさっきされていたじゃない。見てなかったの?」
咲「すいません……おトイレに行っていて」
久「ま、うちはいつも通りだから、あなたと和は控え室で休んでいるといいわ。先は長いからね」
咲「わかりました。行こ、原村さん!」
和「は、はい/////」
和(まさか今朝のは正夢……! なんて、そんなことはないですよ……ね……?)
2 :
祝・アニメ二期!
・アニメの出来がすばらだったので咲SSです。
・内容、喋り方、打ち筋、能力に違和感、矛盾あるかもですすいません。
・微妙に手牌描写がありますが、萬子:漢数字、筒子:○つき数字、索子:ローマ数字、字牌:漢字、赤:[]つき、となっております。
・公式の大会ルールがどうだったかは忘れてしまいましたが、このSSでは喰いタンあり、赤四枚(五、Ⅴ、⑤、⑤)、ダブロンあり、W役満なし、大明槓からの嶺上開花は責任払い、となっております。
・嫁のことはぜひ応援してあげてください。
3 :
俺の嫁は龍門渕の露出狂だがな
4 = 2 :
二十一世紀。
世界の麻雀競技人口は一億人の大台を突破。
我が国日本でも、
大規模な全国大会が毎年開催され、
プロに直結する成績を残すべく、
高校麻雀部員達が覇を競っていた…………。
これは、
その頂点を目指す、
少女たちの――あったかもしれない――軌跡!!
<咲――その花は何度でも咲く――>
5 = 2 :
――――――風越・控え室
福路「いってらっしゃい」
池田「いってらっしゃいだしっ!」
**「はいっ!」
――――――龍門渕・控え室
透華「わかっていますわね? 今年もわたくしたちの優勝で決まりだと観客に見せ付けてくるのですわ!」
**「うん、任せてよ」
――――――鶴賀・控え室
かじゅ「頼んだぞ」
蒲原「ワハハ、ま、楽しんで打ってくるといいぞー」
**「はいっす」
6 :
こんなコピペあったのか
7 :
上埜さんのリー棒は私だけのものです
9 = 2 :
実況『さあいよいよ決勝が始まります。先鋒戦、各校どんな闘牌を見せるのか!』
先鋒戦前半
東:片岡優希(清澄) 南:国広一(龍門渕)
西:東横桃子(鶴賀) 北:吉留未春(風越)
タコス「(タコスうまうまだじぇー!)よろしくだじぇ」
一「(清澄の先鋒、また東場の起家か。ひとまず様子見ってところかな)よろしく」
モモ「(先輩……私、頑張るっすよ)よろしくっす」
みはるん「(立ち上がりは大事だよね。でも、さすがに先鋒は緊張するなぁ)よろしくお願いします」
『先鋒戦前半を開始します。対局者は席についてください』
タコス「じゃ……始めるじぇっ!!」
回される賽――しかし、神はサイコロを振らない。
全ては必然。この場にいる誰もが確信している――己の勝利。
それでも……勝者はただ一人。
インターハイ県予選団体戦決勝、その火蓋が今切って落とされる!!
先鋒戦――開始!!
10 = 2 :
東一局親タコス
互いに互いの出方を伺う張り詰めた空気……!
そんな中、最初に仕掛けたのはやはりこの人!!
東の風を味方につけ、天高く舞い上がる――一枚の凧!!
四巡目。
タコス「先制親リーだじぇっ!!」
一(早いな。一発が恐いし、ここは現物から落として回し打ちかな)タンッ
モモ()タンッ
みはるん(四巡目の親リー……こんなの読めないよ)タンッ
タコス「――来たじぇっ!! メンタンピン三色一発ツモドラ一、8000オール!!」
一(これはこれは…………)
みはるん(うわぁ……いきなり飛ばしてくるなぁ)
タコス(タコス力を無事チャージした私に敵はないじぇ! このままどこまでも突っ走るじょ!!)
清澄・片岡優希――早くも独走態勢っ!!
タ:124000 一:92000 モ:92000 み:92000
11 = 2 :
東一局一本場親タコス
七巡目。
タコス「まだまだ行っくじぇー、リーチッ!!」スチャ
一(東場で爆発するタイプ……実際に対戦してみるとこんなに心が折られそうになる雀風はないよね……。ま、衣や透華ほどじゃないけど)タンッ
モモ()タンッ
みはるん(まるで華菜ちゃんを相手にしてるみたいだなぁ)タンッ
タコス「ほい来たじぇっ!! リーチ一発ツモドラ一赤一…………裏三!! またまた8000オールの一本場は8100オールだじぇ!!」
一(うわっ……またか。これは放っておくとさらに手が付けられなくなるタイプなのかな。ボクより純くんのほうが相性良さそうだよ)
モモ()
みはるん(先鋒戦が始まったと思ったら二連続の親倍一発ツモかぁ。困るなぁ。いくら東場に強いからって限度ってものがあると思うんだけど)
タ:148300 一:83900 モ:83900 み:83900
12 :
はよ和と咲の絡みはよはよ
14 = 2 :
東一局二本場親タコス
一巡目。
タコス「天和ならず……!! しょうがない――ダブルリーチで勘弁してやるじぇっ!!」タンッ
一「…………清澄、リー棒は?」
タコス「うおっ!? そうだったじぇ……」スチャ
一(ったく、西切りのダブリー。こんなのどうしろって言うのさ。……いや、こうするんだけど)タンッ
タコス(……う?)
モモ(………………)タンッ
タコス(こ、この流れはまさか……!)
みはるん(なるほどね……はい、これでおしまいっと)タンッ
卓上に並ぶ四つの西――四風連打、流局!!
タコス(で、でも……甘いじぇ。私の親はまだ終わってないっ!!)
タ:147300 一:83900 モ:83900 み:83900 供託:1000
15 = 2 :
東一局三本場親タコス
一巡目。
タコス(配牌リャンシャンテンドラ三……流されたってなんだってことないじょ。タコス力は全然落ちてないじぇ!!)タンッ
一(さて、さっきはお茶を濁してみたものの、清澄が親なことに変わりはない。かと言ってボクには純くんみたいにうまく流れを操ることはできないしなぁ……)タンッ
モモ(…………)タンッ
みはるん「それ、ポンです」タンッ
三巡目。
モモ(…………)タンッ
みはるん「チー」タンッ
16 = 2 :
四巡目。
タコス「リーチだじぇっ!!」タンッ
みはるん「ポンです」タンッ
タコス(一発消されたじぇ……。ツモは……ならずだじぇ!)タンッ
みはるん「ポン」タンッ
タコス「じょ……?」タンッ
みはるん「ロンです。断ヤオ赤一。2000の三本場は2900です」
一(風越……。最高で四暗刻、少なくとも対々くらいは狙えたその手を序盤から崩して断ヤオ。
早和了りで清澄の親を流すため? 鳴いて場を荒らすのも目的だったのかな)
モモ()
みはるん(あぁあ……公式戦で裸単騎なんてしたの久しぶりかも。こんな打ち方をしていたら後で絶対コーチに怒られる。
でも、とりあえず清澄の親は流した。これ以上好きにはさせない)
タコス(思いっ切り警戒されてるじょ。強者は辛いじぇー!)
タ:143400 一:83900 モ:83900 み:88800
18 :
それっぽい
19 = 2 :
南一局親タコス
タコス(うぅ……タコス力が抜けていくじぇ……)タンッ
一(さて、ここからかな)タンッ
モモ()タンッ
みはるん(東場の借りはきっちり返す)タンッ
五巡目。
モモ()タンッ
みはるん「チー」タンッ
タコス(風越のメガネっ娘……また早和了りする気満々っぽいじぇ。でも、南場を早く回してくれるのはありがたいじょ)タンッ
みはるん「ロンです」パタパタパタッ
タコス(…………じょ?)
みはるん「中混一一通ドラ一赤一……12000」
タコス(これは……やばい気がするじぇ……)
一(風越が動き出した……じゃあ、ボクもそろそろ攻めようかな)
タ:130100 一:88300 モ:81700 み:99900
20 = 2 :
南二局親一
十一巡目。
一「リーチ」スッ
モモ()タンッ
みはるん(来ましたか……龍門渕)タンッ
タコス(うぅ……安牌ないじょ……仕方ない、とりあえずスジだじぇ……)タンッ
一「ロン。メンタン三色一発、12000だよ」
タコス「じょー…………」
タ:118100 一:100300 モ:81700 み:99900
21 = 2 :
南二局一本場親一
一(清澄の……そうは言っても東場のリードは大きい。ここは連荘しないと……)
八巡目。
一「リーチ」スッ
モモ()タンッ
みはるん(強気ですね、龍門渕)タンッ
タコス(こ、今度は安牌あるじぇ!!)タンッ
モモ「それ、ロンっす。タンピン一盃口、3900の一本場は、4200っす」
タコス(そっちはノーマークだったじょ!?)
一(ちぇっ、さっきもその前もツモ切りだったからまだ張ってないと思ったんだけどな。
見たところ手替わりを待ってたわけでもなさそうだし……ボクの親リーを警戒してダマってたのかな)
みはるん(鶴賀の人……なんか影薄い……くせに自己主張の激しいおっぱい……!
それに比べて清澄と龍門渕は……ふん、勝った!!)
タ:113900 一:99300 モ:86900 み:99900
23 = 2 :
南四局親みはるん
七巡目。
モモ「ツモっす。チャンタのみ、300・500。……これで前半戦終了っすね」
このとき、吉留と国広はふと違和感を覚える。
みはるん(あれ……? 鶴賀? いつの間に張ってたの……? というか、待ちに待った私のラス親をそんなゴミ手で……!)
一(鶴賀……そう言えば存在を忘れてたな。って……早和了りもいいけど、点差見えてないのかな。
いや、無名高だからって侮るわけではないけど……それとも何か他に意図が……?)
タコス(ふうー。なんとか南場を凌ぎ切ったじぇ……!)
タ:112600 一:98000 モ:82700 み:106700
24 :
筋で平和に引っ掛かった?
25 = 2 :
先鋒戦前半、東場で稼いだ片岡、そのリードを守って逃げ切り。
誰もが片岡の派手な和了に魅入られ、次を期待する。
しかし、その裏で密かに進行していた一つの異常――。
龍門渕・国広、風越・吉留、両名とも片岡の制圧に気を取られ、まだその異常には気がつかない。
往々にして目に見える脅威などさして大きな脅威とはならない。
本当に恐ろしいのは……目に見えない脅威。
探知の網をすり抜けて、闇色の戦闘機が、間もなく空へ飛び立つ。
そこから先は――独壇場。
先鋒戦――真の戦いは……これから!!
先鋒戦前半終了
一位:タコス+12600(112600)
二位:みはるん+6700(106700)
三位:一-2000(98000)
四位:モモ-17300(82700)
26 = 2 :
東一局親タコス
タコス(前半後半……合計二回も東場が来るのは嬉しいじぇ!!)
一(なんだかんだでボクは前半原点割れ。トップの清澄とは14600点差。
単純に同じ戦略を取れば同じ結果が得られると仮定すれば、この半荘が終わる頃にはそれが29200点差に開いている。
それじゃダメだ。もっと別のやり方を考えなきゃ……どうする……?)
みはるん(また東場か……さっきは荒らしてみたけど、結局南場でその分を取り返せないと意味がない。
清澄は南場になると精細は欠くけど……オリるときはきっちりオリる。さすがにそうそう直撃を狙うことは難しい。
となれば……私のやるべきことは……)
モモ(………………)
五巡目。
タコス「ガンガン行くじぇっ!! リーチっ!!」スチャ
一「(早いっ!! 衣じゃないけど高そうで嫌な感じだよ。今のボクの手じゃたとえ打ち合いが出来たとしても分が悪い……。
仕方ない、とりあえず一発は消させてもらおうかな)……チー」タンッ
みはるん()タンッ
モモ()タンッ
27 = 2 :
次巡。
タコス「じょーーーツモれずだじぇっ!!」タンッ
一(さて、もしかしてこのツモが清澄の当たり牌なのかな……っていうのはさすがに弱気過ぎるか。けど、これは一応抱えておこう)タンッ
九巡目。
一「ツモ。發ドラ一赤一、1300・2600」
一(まあ、こんなもんかな。基本は早く回して、期待値が高ければ打ち合い。安手でも極力ドラを使ったりして点数を上げる……。
芸がないような気もするけど、東場の清澄とまともにぶつかるのはリスクが高い。
衣や透華ほどではないにしろ、この人も常識が通用しないタイプみたいだし。……まあ、それでも勝つのはボクだけど)
みはるん(龍門渕……やっぱり清澄は警戒するんですね。さっきみたいに東場は早く流すつもりですか。さて……それに対して私はどうするか……)
タコス(うぅ……親が流されたじぇ……)
タ:109000 一:104200 モ:81400 み:105400
28 :
追いついた。
なかなか、おもろいね。
原作好きなのが伝わってくる。
29 = 2 :
東二局親一
十二巡目。
タコス(こうなったら……ヤミでぶちかますじぇ……!)タンッ
一(あ、これは……またなんかヤバい感じ。でも、連荘したいから安手だけど突っ張ってみるか……?
いや、せっかくさっきツモったばかり。ここで無闇に点棒を減らすわけにはいかない)タンッ
みはるん(龍門渕、清澄にテンパイ気配が出た途端にオリですか。勝負できるような手ではなかったのかな……?
けど、親でそれはちょっと弱気過ぎますよね。ま、そっちがそういうスタンスならうちとしては大歓迎。去年の雪辱はばっちり果たしますよ)ツモッ
みはるん(清澄……さっきまでの清澄なら今のはリーチしていましたよね。学習したんですか……。
だけど、得意の東場でそんな小細工をするようになったあなたなんてもはや恐くない。私はもう東場でもオリません。
清澄……張りたかったらヤミで満貫でもハネ満でもテンパイすればいい……けど、私はそれの上を行く!!)
30 = 2 :
みはるん「……リーチです」タンッ
モモ()タンッ
タコス(うう……風越のそれ……惜しかったじぇ……!)タンッ
一(風越……そんな危険牌でリーチ……!? 相当高い手を張ってるのか……前半は四暗刻を捨ててまで場を荒らしてきたのに……)タンッ
みはるん(これくらいであっさり引いていたら名門風越でレギュラーは取れない。
清澄……東場の速攻タイプ。ほぼ毎局リーチする上に、満貫以上が当たり前の高火力……けど!!)タンッ
モモ()タンッ
31 = 2 :
みはるん(うちの華菜ちゃんはもっとすごい……! 調子のいいときの華菜ちゃんなら倍満ツモでも安いほう。
こっちが引けば引くほど火力が上がっていって、あっという間に飛ばされる!)
タコス(うぅ……ツモれずだじぇ。風越のメガネっ娘……追っかけたいけどここでこのツモ切りは明らかに危険じぇ……。
仕方ないじょ、ここは一旦崩してチャンスを待つじぇ!)タンッ
一(清澄がオリた……! くっ……さっき崩してさえいなければ今のは鳴けてテンパイだった……!
安手だったけど風越のチャンスを潰すことくらいはできたかもしれなかったのにっ……!)タンッ
みはるん(そして……そんな華菜ちゃんからでもしたたかに直撃を取れるのがうちのキャプテンだ……!!
それに二人とも東場を過ぎれば危機が去るわけじゃない。南場になったってあの二人は止まらない……! 私は――そんな人たちとずっと卓を囲んできた!
このくらいの状況を切り抜けられないような力で勝ち取れるほど……名門風越のレギュラーは甘くない!!)ツモッ
みはるん「……ツモッ!! メンタンピン三色一盃口ツモ……裏二!! 4000・8000です!!」
一(風越……!)
タコス(じょー……)
みはるん(さあ、連荘してやるっ!!)
タ:105000 一:96200 モ:77400 み:121400
32 = 2 :
東三局親みはるん
十巡目。
タコス「(さっきは引いてダメだったじょ……なら、押して押して押しまくるじぇっ!!)リーチ!」スチャ
一(んー。さっき崩したのが尾を引いてるのかな……? 思うように手が進まない。
いやいや、そんなの迷信だよね……落ち着けボク。冷静に、今できる最善のことを)タンッ
みはるん(清澄、押してくる気満々……。それでこそって感じですね。いいです。受けて立ちますよ!)
みはるん「リーチ!」スチャッ
風越・吉留、清澄・片岡に真っ向から立ち向かう、気合のリーチ。
普段のおっとりとした性格からは想像もつかないその強気な闘牌に、控え室で待機する部員たちの応援にも熱が入る。
しかし、風越キャプテン・福路美穂子だけは怪訝な表情でモニターを見つめていた。
福路(何か妙だわ……! 吉留さん……よくその場を見て……!!)
しかし、福路の願い、届かず。
「……いいんすか? それ……通らないっすよ」
沈黙は――破られた。
33 :
みはるんがかっこいいけどモモにやられそう
タコス?誰?それ
34 = 2 :
モモ「それ、通らないっすよ……」
みはるん(鶴賀……? いたの? っていうか何を言ってるの……だってこれは清澄の現物……)
倒されるモモの手牌。霧が晴れるように明らかになる捨て牌と――リー棒。
モモ「ロンっす。リーチ一発チャンタドラ一……裏が乗って12000っす」
吉留――戦慄。
みはるん「なっ、リーチ!? しかも一発って……! あなた、ちゃんとリーチ宣言しましたか!?」
モモ「したっすよ」
みはるん「そ……んな……!?」
一(鶴賀……!? 今の和了りはなんだ……? 風越の言う通りだ……いつの間にリーチしてた……?)
タコス(じょー……?)
みはるん(鶴賀のおっぱい……どういうこと!?)
鶴賀・東横、ついに参戦!!
タ:104000 一:96200 モ:90400 み:109400
35 = 2 :
東四局親モモ
モモ(清澄のタコスさん、龍門渕の鎖さん、風越のメガネさん……。さすがに決勝の先鋒戦……みなさん強いっす……)タンッ
モモ(けど……もう手遅れっすよ。あなたたちの目に私は映らない。私のリーチはダマと同じ……私が当たり牌を切っても相手がフリテンになるだけ……)タンッ
モモ(ここからは……ステルスモモの独壇場っす!)タンッ
九巡目。
タコス「リーチだじぇ!」スチャ
モモ(清澄のタコスさん、前半と同じく東場は止まらないっすね。風越が勢いを呑んだようにも見えたっすけど、お構いなしっすか。
でも……もはや私には関係ないこと)ツモ
モモ(さて、張ったっすね。清澄は筒子の染め手が濃厚。ここでド真ん中無スジの五筒は明らかに危険牌……けど、だからなんなんすか。
私はもう……オリないっすよ)
モモ「……リーチっす……」スチャ
タコス(来い来い来いっ――)ツモッ
タコス「じょー! 赤いのっ! 私はお前をずっーと待ってたじぇ!! ツモ、一発! メンホン白赤一……裏は――乗らず! 残念、4000・8000だじぇ!!」
モモ(なあっ……!!)
36 = 24 :
いいぞ
37 = 2 :
みはるん(また倍満一発ツモですか。清澄……十分高いですよ……)
一(ふう。東場の清澄……さすがに完全には抑えられなかったか)
モモ(清澄……!! 私の出した当たり牌を見逃した直後にツモってフリテン回避……!? しかもそこで赤五筒をツモってくるとかどんな化け物っすか……!?
私自身が放銃しなかったのは不幸中の幸いっすけど……結果的に清澄はツモと一発と赤一がついて出和了りなら満貫だった手が倍満……しかも私は親っかぶり……!)
モモ(いや……落ち着くっす。私のステルスが破られたわけではない。たまにはこんなこともある……それだけのことっす。
それに次からは南場……。清澄……! 私から持っていった点棒……利子つけて返してもらうっすよ!)
タコス「あれ? なんかリー棒も一本ついてきたじぇ! ラッキー!」
モモ()イラッ
一(え……!? 鶴賀……またリーチしてたのか。しかも清澄が当たり牌を見逃してる……? これはもうそういうことだって考えていいのかな……?
それにしても……今の清澄の見逃しはヒントだな。なるほど、捨て牌が見えなくても、ツモなら無関係に和了れる!)
みはるん(清澄……まさかツモれる自信があっての見逃し――ってことはないと思うけど。最後の最後にやってくれましたね。
それにしても鶴賀のおっぱいは一体なんなの?
姿は忌々しいおっぱいが目に入らなくなるからいいとして、捨て牌が見えなくなるなんて異常過ぎる……こんな打ち手は……風越にはいなかった……)
タ:121000 一:92200 モ:81400 み:105400
38 = 2 :
南一局親タコス
八巡目。
モモ「それ、ロンっす。メンホン南北。12000」
タコス「じょー!?」
一(また鶴賀の見えないリーチ……! しかもその捨て牌……第一打からしてあからさまな染め手!
捨て牌やリーチが見えないのを最大限に活用して手を高くしてくるなんて……やっぱりこの人……確信を持って消えているんだ……)
みはるん(鶴賀のおっぱい……! くっ……前半戦がやけに大人しかったのはこういうことだったんですか。なんて許しがたいおっぱい……!)
タ:109000 一:92200 モ:93400 み:105400
39 = 2 :
南二局親一
一(さて、テンパイしたはいいものの……鶴賀の動きがまるで見えない……どうしたもんかな)タンッ
流局。
一「テンパイ」
みはるん「ノーテン」
タコス「ノーテンだじぇ」
モモ「テンパイ」
一(うわ、鶴賀の……やっぱりリーチしてたのか。危ない危ない)
モモ(龍門渕の鎖さんのテンパイ……確か後半はずっとツモ切りだった。
ということは十五巡目で清澄を見逃したのはわざとってことっすか……私のステルスを警戒してる? ……厄介っすね)
みはるん(うわぁ……鶴賀のおっぱいまたいつの間にかリーチしてる……!?
困ったなぁ……清澄は爆発力があるだけだったから対処の仕様もあったけど……こんなおっぱい……どうやって戦えばいいの……?)
タコス(……なんだかよくわからないけど大変なことになってる気がするじぇ……)
タ:107500 一:93700 モ:93900 み:103900 供託:1000
40 = 2 :
南二局一本場親一
一(鶴賀の……捨て牌が見えない。リーチには気付けない。
オマケにあっちが当たり牌を振り込んできてもこっちは必ず見逃す――今までの感じをまとめるとそんなところかな。
こんな相手は初めてだよ……でも、全国には同じくらい厄介な相手がゴロゴロいた。まさか新設の無名高にこんな隠し玉がいたとは思わなかったけど。
ただ、悪いね。去年のボクならいざ知らず、今年のボクには経験がある。そのくらいでは揺るがないよ)タンッ
一(さっきは清澄相手に弱気になって風越に出し抜かれた。清澄は南場になれば引っ込むからいいと思ってたけど……鶴賀はそうじゃない。
きっと最後まで見えないままだ。オマケに鶴賀はラス親……大人しくしていたら全部持っていかれる)タンッ
一(ただでさえボクは今最下位なんだから……これ以上離されるわけにはいかない……!)タンッ
一(捨て牌が見えない? リーチには気付けない? オマケにあっちが当たり牌を振り込んできてもこっちは必ず見逃す? だからなんだっていうんだ……!
衣と麻雀したときに比べれば全然恐くない。要するに清澄がやったみたいにやればいいんだ。相手より早くテンパイしてツモで和了る!
そんなの……これまでやってきたようにやればいいだけだ!!)タンッ
41 = 2 :
十二巡目。
一「(来た、テンパイ。鶴賀がもう張っている可能性は十分にあるけど……いや、勝つためにはこれくらいのピンチで自分を曲げていちゃダメなんだ。
まっすぐに――正攻法なボクで行くっ!)……リーチ!」スチャ
みはるん(龍門渕のリーチ……! うぅ……ここは現物でオリたいけど……でも、鶴賀の当たり牌がまったく読めないし……く、通れっ!)タンッ
モモ(鎖さん……今度はリーチしてきたっすね。出和了りをするつもりがないのはさっきの見逃しで予想がつく。
ってことは私より早くツモれる自信があるってことっすか……。ただ、こっちも二巡前にリーチかけてるっすからね。
ツモしかできないあなたと、誰からでも和了れる私……どっちが早いか勝負っす!!)タンッ
十五巡目。
みはるん(お願い……通って……!)タンッ
モモ(くっ……出てこいっ!)タンッ
タコス(当たるんじゃないじょー!)タンッ
一(来いっ……!)ツモッ
一「ふぅ……ツモ。リーチツモドラ三赤一……! 6000オールの一本場は、6100オール」
モモ(鎖さん……!? 私の当たり牌を抱えての三面張……! 偶然とは言え、やってくれるじゃないっすか……)
一(おっと、やっぱり鶴賀もリーチしてたか……。けど、こうして和了ってしまえば問題はない!)
タコス(じょー!? 南場でのトップ転落は死亡フラグだじぇっ……!!)ウルウル
タ:101400 一:114000 モ:86800 み:97800
42 = 2 :
南二局二本場親一
十三巡目。
一(と、さっきはうまくいったけど。
やっぱりツモのみで和了るのは無理があるな……この手牌でこの巡目まで来ちゃったら鶴賀の見えないリーチとは勝負にならない。ここは大人しくオリるか。
大丈夫……鶴賀はテンパイしているかもしれないけど、清澄に合わせておけばボクが鶴賀に振り込むことはない)タンッ
みはるん(うーん、張った。けど……鶴賀のおっぱい。何も見えない。どうしよう……いや、でもここは……!)
みはるん「通らば……リーチっ!」タンッ
モモ「通らないっす。メンタンピン……裏一……7700の二本場は8300っす」パタパタパタ
みはるん「……はい……」
モモ(これで三位……このまま全員ブチ抜くっす!)
一(風越の……もしかしてこういう相手には慣れてないのか?)
みはるん(ううう……また鶴賀のおっぱい……いつの間にリーチしてたんですか……?)
タコス(さっきから我最強に空気だじぇ!)
タ:101400 一:114000 モ:95100 み:89500
43 = 2 :
南三局親みはるん
八巡目。
みはるん(ダメだ。目を凝らしても集中しても全然見えない……。こんなの本当に麻雀なの?
どうしよう……最後の親……ここで逆転したいのに、鶴賀の動きがどうしてもわからない。どうしたらいいの……私……どうしたら……!)タンッ
モモ(風越のメガネさん……最後の親だっていうのにかなり戸惑ってるみたいっすね……思うつぼっす)ツモッ
モモ「……リーチっす……」スチャ
モモ(本当は龍門渕から取りたいっすけど……鎖さんはさっきから清澄に合わせて打ってる。となると直撃は無理っぽいっすね。
ま、そっちがダメなら風越から点を奪えばいい。名門風越と差が開くならそれはそれで悪くないっす……)
九巡目。
みはるん(イーシャンテン……どうしよう、形は悪くない。けれど、どうしても振り込むイメージが頭から離れない。
捨て牌が見えないなんて……反則だよ……。ちょっと違うかもしれないけれど……もしかして去年の天江衣と対戦したときの華菜ちゃんはこんな感じだったのかな……?
華菜ちゃん……華菜ちゃんなら……こんなとき……どうする……?)
44 = 2 :
――――――回想・風越女子校内
池田「ここは押せ押せだしっ!」
みはるん「押せ押せって……華菜ちゃんはこんな状況で親リーと勝負するの?」
池田「負けてるなら押しが当然だしっ!」
みはるん「私は……でも、ここは一旦オリて次のチャンスを待つのが正解だと思う。ここで勝負できるのなんて……それこそ華菜ちゃんかキャプテンくらいだよ」
池田「まあ、みはるんならそうかもね。けど、あたしはずうずうしいしっ! それに……もう負けるのは――絶対嫌だしっ!!」
みはるん「華菜ちゃん……」
――――――
46 = 2 :
みはるん(華菜ちゃん……。去年の決勝……あの天江衣に負けたあとでも……華菜ちゃんは華菜ちゃんのままで……あのときよりもさらに強くなってみせた。
華菜ちゃんは……やっぱりすごいよ……私と違って……)
出会ったことのない類の強敵に、弱気になる吉留。
『っていうか、みはるんくらい強いなら、もっとずうずうしくても全然いいと思うしっ!』
そんな吉留を励ますように、思い出の中の池田が笑う。
つられるように、吉留も微笑む。
みはるん(でも……そっか……! そうだよね……華菜ちゃん……! ありがとう!
不思議だな……華菜ちゃんのことを思い出したら鶴賀が急に恐くなくなったよ。うん、私いま……少しだけ華菜ちゃんの強さの秘密がわかった気がする!
ここは勝負っ! 私も華菜ちゃんみたいに強くなるんだっ!!)タンッ
モモ(一発ロンはならず……と、ツモもならずっすね。そうそう清澄のタコスさんみたいにはいかないっすか……。
それにしても……風越のメガネさん、今少し笑ったような……?)タンッ
タコス(全然テンパイできないじぇ……)タンッ
一(そろそろ鶴賀がリーチした頃かもな……)タンッ
47 = 2 :
次巡。
みはるん(そうだよね……よくよく思い出せば、ヒントは龍門渕がいっぱい残してくれた。
見えないなら出和了りはしない。ただ相手より早くツモって、和了る。なんだ……!!
そう考えれば普通の麻雀だ。相手より早くテンパイして和了る。それを続けていけば……相手が誰だろうと勝てるっ!!)ツモッ
みはるん「通らば――リーチです」スチャ
モモ(残念……それは通しっすよ)タンッ
タコス(南場はつらいじぇ……!)タンッ
一(風越……持ち直したか?)タンッ
十八巡目。
みはるん「ツモです。リーチツモ三暗刻……裏三。6000オール」
モモ(ま……そんな……!? 龍門渕に続いて風越もっすか!!)
みはるん(どうですか、鶴賀のおっぱい!! あなたの好きにはさせません!)
一(鶴賀のリー棒を掻っ攫っての逆転トップ……。もう恐いのは鶴賀だけだと思っていたけど、さすがは名門風越。
まだ死んでないってわけか。面白い……望むところだっ!)
タコス(じょーーー!? 原点割れたじょーーー!!!)
タ:95400 一:108000 モ:88100 み:108500
48 = 24 :
その調子だ
49 = 2 :
南三局親みはるん一本場
モモ(去年の優勝校龍門渕、それに名門風越。考えが甘かったっすね……。
さすがは決勝……みなさん私の姿は完全に見えてないはずなのに……そう簡単には勝たせてくれないっす……。
いや、もちろん弱い相手だとは思っていなかったっすけど……完全なステルスモードに入ったっていうのにこの様……もしステルスがなかったらどうなっていたか……さすがに少し自信をなくしそうっす……)タンッ
モモ、前半の半荘を思い出す。消えることに専念していたとはいえ、他校の猛攻の前に一人沈み。
さらに後半、ステルスを最大活用して先制リーチをかけるも、結果的には清澄、龍門渕、風越の三校全てにツモ上がりを許してしまう。
現状はいくらか取り返したものの変わらずの最下位。ラス親とはいえ残り局数もあと僅か。ここで反撃できなければ、とんだ道化で終わってしまう。
小さく溜息をつくモモ。しかし、その心は折れない!
『私は君が欲しい!』
モモ(先輩……私を見つけてくれた先輩……!! こうしている今もモニター越しに先輩が私を見てくれている……!
だったら……弱気な姿なんて見せるわけにはいかないっすよね……! 先輩……私頑張るっすよ!
私は……私を見つけてくれた先輩のために……必ず逆転してみせるっす!! だから……先輩――見ていてください!!)タンッ
50 = 2 :
――――――鶴賀・控え室
蒲原「モモのやつステルスモードなのに随分苦戦してるなー。いや、他の面子がそれだけ手強いってことかー」ワハハ
かじゅ「なに……モモなら心配は要らないさ。普通に打っても十分に逆転できる。
そもそも私があいつを麻雀部に誘おうと思ったときには、あんな特技があるなんて知らなかったしな」
蒲原「そうだったー、そうだったー」ワハハ
かじゅ「モモ……相手に不足はないぞ。思う存分打ってこい!」
――――――対局室
モモ(先輩……! 先輩の声が聞こえた気がするっす! 私……勝ちます。絶対勝って……全国に行くっす。そして……これからも先輩と一緒に麻雀をするっす!!)タンッ
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