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    元スレ橘「よし!女の子たちに決闘を申し込もう!」

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    51 = 1 :

    昼休み、プール裏


    「(…七咲は…おそらくプールで昼練をしている……七咲とどう決闘するか…)」

    「(いや、ここに来た時点でもう決まっている……プール…そう、やることはひとつ……)」

    「(七咲と水泳勝負だ!!!)」

    「(今、七咲の中で僕は最低変態ゾウリムシ野郎に位置付けされている……僕が何か言ったところで、きっと誤解は解けないだろう)」

    「(ここは、正々堂々勝負して誠意を示す!僕を避ける理由を聞き出すのはそのあとだ!!)」

    52 = 1 :

    プール

    ガチャッ

    「(よし、いくぞ………)」スゥ~~~…

    「七咲~~~~っ!!!!」

    「僕と…決闘しろ~~~~っ!!!!」

    七咲、塚原「!!?」ビクッ

    塚原「ちょ、ちょっと橘くん!?いったい何事!?」

    「…塚原先輩もいらっしゃったんですね…」

    塚原「…はぁ。橘くん、今は水泳部の昼練の最中よ?何か事情があるのかもしれないけど、後にしてくれない?」

    「…すみません、塚原先輩。今じゃないと駄目なんです」

    塚原「…そう言われてもねぇ…」

    七咲「………」

    七咲「…塚原先輩、この変態は私に用があるみたいです…少し休憩ということでお時間頂けませんか?」

    「七咲…」

    53 = 1 :

    塚原「………そうね。橘くんには、はるかの件でお世話になったし………いいわ、少し休憩にしましょう」

    「塚原先輩!ありがとうございます!」

    「…それと七咲…急にすまんな」

    七咲「………それで?今回は何の用ですか?また覗きに来た、とかだったら許しませんよ?」

    「(うぅ…七咲がすごく怖いよ)」

    「………さっき言った通りだ。七咲、僕と決闘してくれ!」

    七咲「………はぁ。また何かの冗談ですか?」

    「…いや、本気だ。七咲…僕の目を見てくれればそれがわかるはずだ」

    七咲「………」

    七咲「…本気みたいですね。それで、勝負してなんの意味があるんですか?」

    「…僕が勝ったら少しだけ僕と話をしてほしい。それだけだ。七咲が勝てば僕はお前の視界に二度と入らない」

    54 = 1 :

    七咲「…わかりました。受けてたちましょう。……それで、勝負の内容は?」

    「…水泳だ。50メートル自由形一本」

    七咲「はいっ!?それは…冗談ですよね?」

    「…さっきも言ったはずだ。僕は本気だ!」

    七咲「…確かに女子よりも男子のほうが筋力があります…でも、現役水泳部とただの変態じゃその差は歴然ですよ?………私はなめられてるってことですね?」

    「…なめてなんかないさ。僕の本気を見せてやる」ヌギヌギ

    七咲「!?な、何いきなり脱いでるんですか!……って水着!?」

    「ああ、あらかじめ着ておいた」

    七咲「意気込みだけは本物だということですね」

    七咲「…手加減、しませんよ…」

    55 = 1 :

    橘vs七咲、開始!

    塚原「あら?休憩って言ったのにどうて二人ともスタート台に立っているの?」

    「塚原先輩、すみません。七咲とプールをお借りします」

    塚原「………なんだかよくわからないけど、二人ともやけに真剣な表情ね……わかったわ、私がスターター兼審判をしましょう」

    「ありがとうございます!」

    「今日一日どこにもいないと思ったら…何してんだ?大将…」

    「!?う、梅原!?どうしてここに?」

    梅原「棚町に聞いたら、階段から落ちて怪我して保健室で寝てるって言うじゃねぇか」

    梅原「それで心配して見舞いに行ったら大将の姿はねぇし」

    梅原「んで、ブラブラしてるとプールからお前の叫びが聞こえてきたから、確かめに来たってわけよ」

    「そうだったのか…(そういえば梅原には決闘のことは話してなかったな…)」

    梅原「で?なんで七咲と競泳しようとしてるんだ?」

    「すまん、梅原。僕がこうしてる理由を話すと長くなる。…これが終わってからでいいか?」

    梅原「まったく…悩みなら最初に俺に相談しろっての。まぁいい。この勝負、見届けてやる」

    「ありがとう、梅原!」

    56 = 1 :

    塚原「さぁ、二人とも準備はいい?」

    七咲「はい」

    「よろしくお願いします!」

    塚原「………位置について……よーい!」

    パンッ!

    ドドボンッ!!

    梅原「…始まりましたね」

    塚原「…正直、橘くんが七咲に勝てるとは思わないわ…七咲はうちのエースよ?」

    梅原「フフ…まぁ、見ていてくださいよ。………あいつはできる男です」

    七咲「………」バシャッバシャッ!

    「………」スイッー

    七咲「………」バシャッバシャッ!

    「………」スイッー

    塚原「………!?」

    梅原「……気付きましたか?」

    57 = 1 :

    塚原「………た、橘くん………飛び込んだときから"息継ぎをしていない"!?ずっと潜水してるわ………」

    梅原「奴は水中で約2分息を止めることが出来るんです………そう、"全力で泳ぎながら"!!」

    塚原「そんな…バカな……水泳部にもそんな肺活量の人間はいないわよ!?………それに潜水のメリットもないわ!」

    梅原「…橘があの技能を修得した理由は、ただ泳ぎが速くなりたいとか体力をつけたいとかではないんです」

    塚原「……どんな理由が………!…二人とも半分の位置まで来たわね…今のところ七咲のほうが優勢だわ………橘くんはまだ潜水して………」

    「ぷはっ!!」バシャッ!

    七咲「!?」バシャッバシャッ!

    塚原「!…橘くん、ようやく息継ぎを………」

    「………」バシャバシャバシャ

    塚原「!!?」

    塚原「な!なんなの!?あの泳法は!?」

    塚原「い、犬かき!?」

    58 = 1 :

    梅原「…それも奴の持っている水泳技能のひとつです」

    塚原「………いや…犬かきは遅いでしょ………って!?は、速いっ!!」

    七咲「!!……」バシャッ!バシャッ!

    「ハッ!ハッ!」バシャバシャバシャ

    塚原「あの泳ぎであの速さ………い、いったいどんな筋力をしているの!?それに、なんだか本物の犬みたいね…」

    塚原「…梅原くん…さっきの理由、気になったわ。聞かせてくれる?」

    梅原「はい……その昔、橘は考えてたんです………プール、海、川で女の子の『ローアングル』と『ハイアングル』を自然に覗く方法をっ!!」

    塚原「!?」

    梅原「…奴は数ヶ月ともいえる間、研究を重ねました……そして見つけたんです!究極の泳法を!」

    塚原「………」ゴクリ

    梅原「…女の子のお尻が水中ならばずっと水中に!!女の子の胸が水上ならばずっと水上に!!その状態を維持できる泳法が『潜水』と『犬かき』なんです!!」

    塚原「………」

    59 :

    梅原解説員

    60 = 1 :

    梅原「…さらに、相手が競泳女子の場合も想定し、泳ぎについて行ける速さを得ました…」

    梅原「………今も例外ではありません。…潜水中、橘はずっと七咲の少し後ろをキープしていたはずです………おそらく無意識にでしょう」

    塚原「た、確かに言われてみればずっと………」

    梅原「…そして今まさに泳法を犬かきに移した……この意味、わかりますよね?」

    塚原「女の子の胸を覗く……そのためには、女の子の前方からでないと覗くことができない………つまり…」

    梅原「…そうです、七咲を追い抜かざるを得ない!!」

    「ハッ!ハッ!ハッ!!」バシャバシャバシャッ!

    七咲「!?」バシャッ!バシャッ!

    七咲「っくっ!」バシャッ!バシャッ!

    塚原「な、七咲を追い抜いたわ!!」

    梅原「…ゴールまてあと3メートル…2…1…」

    パシッ!!

    61 = 42 :

    さすがだな

    62 = 1 :

    塚原「…勝者!橘くん!」

    梅原「…やったな!大将!」

    「はあっ!…はあっ!…」

    塚原「橘くん…すごいわ。まさかあの七咲に勝つなんて……」

    「…塚原先輩…ありがとうございます」

    梅原「俺は信じてたぜ、大将!」

    「梅原…ありがとう」

    七咲「………」

    「な、七咲!」

    七咲「………完敗です、先輩…負けを認めます」

    「七咲…」

    七咲「まさか、あんな泳法するなんて………びっくりして…途中で…その……」

    七咲「失禁してしまいました…」

    「!!!?」

    63 :

    さすが変態

    64 = 42 :

    !?

    65 = 59 :

    !?

    66 :

    変態すぎる

    67 = 1 :

    「ど!どの辺で!!?」ダッ

    七咲「冗談ですよ」

    「えっ!?あ、ああ…そうか…そうだよね……」

    七咲「…ぷっ」

    「えっ」

    七咲「ぷっくくくっ……あはははは!」

    「な、七咲?どうして笑って…」

    七咲「す、すみません…ぷくくっ……なんだかっくくっ……可笑しくなってしまって」

    七咲「じ、自由形でい、犬かきっ…くくくっ」

    「ぼ、僕は真剣だったんだけど…」

    七咲「あ、ごめんなさい…バカにしてるわけではないんですよ?先輩」

    「絶対バカにしてるだろ…」

    七咲「そんなことありません」

    69 = 1 :

    七咲「…泳いでいるとき、考えてたんです。どうして先輩はいつも私を困らせることばかりするんだろうって」

    七咲「後ろから抱きついたり、スカートめくろうとしたり」

    「………」

    七咲「………でも考えてみて気付いたんです。先輩がイタズラしているとき、私は嫌な気持ちではありませんでした」

    七咲「むしろ楽しかったんです。先輩がイタズラしたら私も冗談で対抗したり、先輩の奇行をあしらったり……先輩のイタズラはすべて私を笑顔にさせてくれました」

    七咲「今の勝負もそうです……犬かきっ…ぷくくっ」

    「ほら!バカにした!」

    七咲「………そんな先輩が私を悲しませるイタズラなんて絶対にするはずがない。何かの間違いだって。それに気付きました」

    七咲「……色々悩んだり、先輩を避けたり、そんなことしていた自分が可笑しくって可笑しくって…ふふっ」

    「…七咲」

    70 = 4 :

    行きすぎた変態は偉人ということか

    71 = 1 :

    「……その七咲を悲しませたイタズラ、僕に教えてくれないか?」

    七咲「…はい。この手紙です」カサッ

    「(手紙っ!薫と同じパターンか!?)」カササッ

    『七咲へ
    さいきん七咲は調子に乗ってると思います。
    気が付いたら僕にちょっかいばかりかけて…
    仕返しとして水着は没収します。仕方ないよ
    ね?
    橘より』

    「………」

    「(なんだこれ…水着?没収?どういうことだよ!…それにしっかり縦読みまで……)」

    「七咲…まさか…水着を……」

    七咲「…はい。朝練前に無くなってました。その代わりにこの手紙が……」

    七咲「以前先輩に数学を教えていただいた時のノートに書かれた先輩の字と一致したので、間違いなく先輩がやったものだと…」

    「まんま僕の字だけど、これは僕の書いたものじゃないよ…それに水着なんて盗んでは…」

    七咲「わかってます。ただ、この時は冷静になれなかったんです」

    72 = 66 :

    七咲の水着とかそりゃ欲しいけど!

    大将になら普通にあげそうだよな七咲

    73 = 1 :

    「ロッカーにはカギが掛かってたはずじゃ…?」

    七咲「…はい、掛かってました。四桁の番号式のものに最近変えたばかりなので、すごく驚きました…」

    「なにっ!?ば、番号は!?」

    七咲「………なんで教えなくちゃいけないんですか?」

    「えっ?あ、いや、なんとなく気になっただけで…ははは…」

    七咲「………1214………です」ボソッ

    「えっ?」

    七咲「ふふっ。なんでもないです」

    「………それにしても、七咲の水着まで盗まれてるなんてな…」

    七咲「まさか他にも被害者が?…」

    「被害ってほどでもないけど…同じようなことが起きてる(一番の被害者はきっと僕だよ…)」

    七咲「いったい誰がこんなことを…」

    「…まだ僕にもわからないんだ…」

    74 = 1 :

    梅原「あのー大将?…話しているところ悪いんだが、そろそろ俺にも説明してくれないか?…」

    「あ、梅原、すまん…今から」

    塚原「さて七咲?休憩…は終わったのよね。昼練、やるわよ?」

    七咲「すみません、塚原先輩。貴重なお時間を使ってしまって…」

    塚原「ふふっ、いいわよ。ちょうど、悩み事を解決するまで練習に来るな!って言うつもりだったし」

    七咲「…わかってらしたんですね…」

    塚原「七咲、あなた悩みがすぐに泳ぎに出てくるからわかりやすいのよね」

    「七咲」

    「その…今までイタズラばっかりしてごめんな?そのせいで七咲を悲しませることになってしまった」

    七咲「………いいんです。私のほうこそすみませんでした」

    七咲「…それにさっきも言ったじゃないですか。先輩のイタズラは悪い気はしません、むしろ楽しいんですって」

    七咲「…だからその……これからもたくさんイタズラしてください!///」

    「…ありがとう、七咲。…僕はそろそろ次に行かなくちゃならい…七咲の水着も必ず取り戻してくるよ!」

    七咲「いいですよ、何に使ったかわからない水着なんて…それに水着なら何着か予備がありますし……それよりも先輩…がんばってくださいね!」

    76 = 59 :

    梅原「」

    77 = 1 :

    「ああ!………塚原先輩もありがとうございました!」

    塚原「こちらこそありがとう、よ。はるかの件も七咲の件も…がんばってね!」

    「はい!失礼します!」

    「(よし!七咲も元に戻ったそ!………まさか手紙だけでなく水着を盗んでいるとは……欲しいと思ったのは内緒にしておこう!)」

    プール裏

    ーーー

    梅原「…なるほど、そんなことがねぇ…昨日棚町が機嫌悪かったのはそれが原因か…」

    「ああ…とんでもないことになってるんだ。
    だからみんなを元に戻すために僕は闘っている」

    梅原「…大将、その闘い、俺にも手伝わせてくれないか?」

    「梅原…」

    梅原「まったく水くさい野郎だな!親友の俺を少しは頼れってんだ!…まぁお前の問題だから俺は助言くらいしかできないんだかな」

    「ありがとう、梅原!助かるよ!」

    梅原「…で、次はどうするんだ?」

    「…ああ、次は中多さんと決闘だ!」

    78 = 1 :

    放課後、一年生教室

    ヒソヒソ
    ワーアレガウワサノハンラウデタテオトコカー
    タチバナサンノオニイサンナンダッテー

    梅原「…た、大将、なんか噂されてないか?」

    「う、うん…」

    「(もう噂が広まり始めてるぞ?早くなんとかしないと…)」

    「(さて、中多さんは………いるかな?)」

    ガラッ

    「(あっ!いたぞ!教室に中多さん一人だ!なんて都合のいい……あれ?…うつむいて何か書いてるみたいだけど…宿題かな?)」

    梅原「どうした大将、声かけないのか?」

    「あ、ああ(中多さんからなにやら不穏なオーラが…気のせいかな?)」

    「な、中多さん?ちょっといいかな?」

    中多「ひゃうっ!?え、あ、橘先輩…と……う!梅原先輩!?」キタコレ!

    「えっ?あ、あの…」

    中多「ま、ましゃか橘×梅原のネーム中にお二人に出会えるなんてっ!!ふひひ…」

    79 = 42 :

    ほうといていいんじゃないかなこの子

    80 = 1 :

    「あの…」

    梅原「…た、大将、なんだか様子が………」

    中多「あ、すみません!な、何かご用ですか?」

    「あ、うん(あれ?避けられて…ない?昨日は僕の顔見ただけで逃げ出したり、名前が出ただけでも泣いてたっていうのに……)」

    「(誤解は解けてるのか?…とりあえず確かめてみよう)」

    「あの…中多さん?その…昨日、下駄箱に手紙か写真が入ってなかった?」

    中多「は、はい!写真が入ってました」

    「(よし!ビンゴだ!これは梨穂子と同じパターン…いける!)」

    「…中多さんはもうわかってると思うけど、その写真は合成写真なんだ!」

    中多「………」

    中多「……うそです」

    「えっ」

    中多「そんなのうそです!やっと諦められたのに!BLの世界に逃げれらたのに!」

    81 = 1 :

    「えっえっ?(ど、どうしちゃったんだ!?BLの世界ってなんだ?)」

    中多「…帰ってから考えたんです…ものすごくショックだったけど、先輩が幸せなら……BLならまったく問題ないよね?って……ふひっ」

    「えっと、ごめん…とりあえずその写真を見せてくれない?」

    中多「………」ピラッ

    「!?!?」

    「(………これは………僕と…梅原が…裸でチョメチョメしている写真…)」

    「(オエッ…吐き気がしてきたよ…)」

    梅原「…どんな写真なんだ?大将」

    「!?あ、いや、ちょっとこれは見せれない…」

    梅原「いいじゃねぇか大将!俺と大将の仲だろ?」グイッ

    「や、やめろって…」

    中多「………」テカテカ

    「(こころなしか、中多さんが嬉しそうな眼差しをしている……)」

    82 = 1 :

    バッ

    「あっ!…」

    梅原「さてどんな写真……」

    「………」

    梅原「………」

    梅原「……すまん、大将…ちょっと吐いてくる…」

    「………ああ…」

    ガラッピシャッ

    「……と、とりあえず言っておくよ…これは間違いなく合成写真だ…」

    中多「………そんなはずないです。現に今だって……」

    「ご、誤解だよ!僕は女の子が好きだし梅原も女の子が好きだ!」

    中多「それを証明…できますか?」

    「え、あ…(まずいな…梨穂子のときのようにコラ元を見せるなんてできない…さすがの僕でもホモお宝本なんて持ってないよ!)」

    「(中多さんはもう僕を避けてはいないけど………しかし、この誤解はシャレにならない!)」

    中多「…証明…できないんですね?……だったら」

    83 = 1 :

    「ちょっ、ちょっと待って!!(誤解を解く方法…誤解を解く方法…)」

    「(…やばい…今回ばかりは思いつかないよ…とりあえず、気をそらさせよう…)」

    「そ、それにしても中多さん、絵がうまいなぁ!僕も暇なときよく落書きしてるんだけど、全然及ばないや!僕は女の子しか描けないし!」

    中多「えっ?そ、そうですか?えへへ…こ、この作品は自信があるんです…特にこのシーンとか…」

    「あ、あーね!(おえぇぇ……僕と梅原がチョメチョメしているシーン……よりによって…)」

    中多「…それと、このシーンが…」

    「う、うん(…このままじゃ僕の精神と胃がもたないよ……)」

    ガララッ

    梅原「…ただいま、大将……」

    「お、おう………!?」

    「やっほー橘くん!」

    「か、香苗さん!?」

    「(なぜ香苗さんが?…それに梅原が香苗さんに支えられているぞ!?どういうことだ?)」

    84 = 66 :

    ホモが嫌いな女の子なんていません!

    85 = 1 :

    伊藤「さっき廊下で梅原くんに会ってさ、なんだか気持ち悪そうにしてたからここまで連れてきてあげたの」

    梅原「…ちょっと刺激が強すぎてな…吐けないわ、気分悪いわで……はは…情けないな」

    伊藤「あはは!もっとしっかりしなさい!」バシバシ

    梅原「ひ、ひどいぜ…香苗さん」

    「(ー僕は今、爆発しろ!と言いたい衝動にかられたー………ってそんなことはいい……今は誤解を……)」

    「(あっ…そうだ、この二人を利用して!)」

    「み、見てみなよ中多さん!梅原が女の子と仲良く肩を組んでるよ?」

    伊藤「えっ?」

    梅原「えっ?」

    伊藤「あっ///ご、ごめん梅原くん///もうよかったよねっ///」ススッ

    梅原「あ、ああ///ありがとうな香苗さん///」ススッ

    「ほらほら!青春カップルのような恥じらい!これで僕らが女の子のほうが好きだって証明できたよね?」

    中多「…っく…確かに……そうですね…」

    中多「でも……」

    中多「…橘先輩の証明にはなりません」

    88 = 1 :

    「あ…(くそっ……女の子好きを証明できるもの…何か…)」キョロキョロ

    「!!」

    「(BL本…男同士の恋愛に対する想い…………女同士の恋愛に対する想い……百合本)」

    「…中多さん…BLに対する想いはどのくらいある?」

    中多「えっ?そ、それはもう誰にも負けないくらいに!!」

    「そうか…それじゃあもし、その想いより
    僕の百合に対する想いが上回っているとしたら、それは証明にならない?」

    中多「!?」

    中多「………そうですね、証明になります」

    「それじゃ、僕は百合漫画、中多さんはBL漫画を描いて誰かに優劣をつけてもらう、ってのはどうかな?」

    中多「………わかりました、でも私の想いに勝てるわけありません!」

    「…それはやってみないとわからないよ。さて、じゃあ誰に見てもらおうか?」

    伊藤「………ずっと話聞いてたけど、なんだか面白そうなことしてるわね!よし!私が審判してあげる!」

    「香苗さん!?」

    中多「…で、でもBL、百合がわからない人ではちょっと………」

    90 = 87 :

    早くしてくれ風ひく

    91 = 1 :

    伊藤「………乳運命」ボソッ

    中多「ど、どうしてその名を!?」

    伊藤「私、パソコン部なの。だからネットで話題になる有名な作家のことならだいたいわかるわ。それに…どんなえげつないBL、百合にも耐性ついてるしね!」

    中多「…そうですか…それじゃあお願いします伊藤先輩」

    伊藤「ついでにルールも決めてあげる!そうね…時間は2時間!それまでに5ページ完結で仕上げること!」

    「に、2時間…5ページ………キツくない?」

    伊藤「なにも完璧に仕上げろ、とまでは言わないわ。しっかり読めて、想いが伝わってくればそれでよし!」

    「わ、わかったよ」

    伊藤「中多さんも、これでいいわね?」

    中多「はい!大丈夫です」

    伊藤「……それじゃあ…スタート!」


    橘vs中多、開始!


    「………」カリカリカリ

    中多「………」カリカリカリ

    92 = 1 :

    梅原「…さて、始まったな」

    伊藤「そういえば橘くんって絵がうまいのね。この前落書きを見たんだけど、かなりのクオリティだったわ」

    梅原「…それに関しちゃ俺も心配してない」

    梅原「…あれは、小学校の頃だったか……まだお宝本を手に入れるのが難しかった頃、橘はひたすら妄想のみをオカズにしていた」

    伊藤「しょ、小学校から!?なんてマセガキなの……」

    梅原「まぁ、男なんてそんなもんさ…………ただ、奴だけは違った……」

    伊藤「…それはどういう……」

    梅原「………橘は妄想のみをオカズにすることに限界を感じたんだ……そこで奴は自分で女の子を描き、それをオカズにすることを思いついたんだ!」

    伊藤「………」

    梅原「………それだけじゃない。橘は、女の裸なんて見たこともないのに妄想だけでリアルな描写ができる…」

    梅原「…正直、俺も何度かお世話になったよ…」

    伊藤「………///」

    93 = 1 :

    梅原「そんな奴がお宝本を読むようになって女の体の仕組みを知った………描写力も格段に増しただろう………今の橘の力、俺でも計り知れない!」

    伊藤「…橘くんにそんな力が……でも相手の中多さんも負けていないわ…」

    梅原「そういや、あの子、漫画なんて描けるのか?」

    伊藤「ふふっ、甘いわね梅原くん。描けるなんてものじゃないわ。『変態紳士と寿司屋の息子』って漫画、知ってるわね?」

    梅原「………あ、ああ…名前だけなら田中さんが話しているのを聞いたことがある……巷じゃけっこう有名らしいな」

    伊藤「…その作者が中多さんよ!!」

    梅原「な、なんだってー!?」

    梅原「と、ということは……素人vsプロってことか!?………完全に負け試合じゃねぇか!」

    伊藤「………そうとも限らないわ」

    梅原「え?」

    伊藤「まぁ、時間になるまで待ちましょうか!」

    94 = 1 :

    2時間後


    伊藤「…はい!終了!」

    「ふぅ~~!」カタッ

    中多「……よし!」カタッ

    伊藤「さて、じゃあどっちから読みましょうか?」

    中多「わ、私からで!…出来にじ、自信あります!」

    伊藤「ほー、すごい自信ね。わかったわ…タイトルはっと…」

    伊藤「『変態紳士と寿司屋の息子~アガリは濁り茶~』………なんだか、そそられるタイトルね…」

    梅原「………香苗さん、俺は見なくても…いいよな?」

    伊藤「ええ……MF先生の自信作……きっとゲロだけじゃ済まないわ」

    梅原「………」

    伊藤「…さっそく読ませてもらうわね…」ペラッ

    伊藤「………」ペラッ………

    95 = 1 :

    ーーー

    伊藤「…さて、すべて読んだわ…さすがMF先生………絵も格別にうまく、性描写もすばらしい!2時間で描いたとは思えない…正直持って帰りたい!」

    中多「あ、ありがとうございます!」

    梅原「…マジかよ…こりゃ大将負けちまうんじゃ…」

    「………」

    伊藤「…さて、次は橘くんよ?」

    「うん」

    伊藤「…タイトルは…『もじゃ子と腹黒委員長』…」

    梅原「………」

    伊藤「…読ませてもらうわね?」ペラッ

    伊藤「………」ペラッ………

    96 = 1 :

    ーーー

    伊藤「…なるほど」

    梅原「え?お、おい大将!香苗さんなんか納得しちゃったぞ!?…大丈夫かよ!?」

    「………」

    梅原「黙ってないでなんとか言ってくれよ!……大将が負けちまったら…あの写真……本物だと認めちまうってことなんだろ!?」

    「……大丈夫だ、梅原。僕の女の子への想い、一番よく知ってるのは梅原だろ?…僕を信じろ」

    梅原「…お、おう…だがしかし…」

    伊藤「………」

    伊藤「…決まったわ」

    中多「………」

    「………」

    伊藤「…この勝負の勝者………橘くん!!」

    中多「!?なっ!?」ガタッ

    98 :

    まさかまた猿か?

    99 = 42 :

    猿臭いな

    100 = 4 :

    飛ばしすぎたか


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