元スレ澪「ねかふぇ!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
52 = 1 :
澪(しまった、今日のはハズレだ)
集合場所に着いた途端、顔から血の気が引いていくのが分かった
持ち物に耳栓とマスクを2枚以上なんて言うから
これは絶対おかしいとは思っていたけど、ここまでとは…
作業長「それでは各自にハンマーを支給しますから…」
ハンマーを支給って、なんだそれはコントか!
いや違う、これは決して笑いごとではない
ビルの解体作業なんて未経験もいいとこだが
とてつもなくヤバい、ということだけは分かる
澪(もう…帰りたい)
54 = 1 :
解体の対象となるビルは、かなり昔に建てられたものらしかった
なんでも、去年までそこに本拠地を構えていた大会社が
不況の煽りを受けて倒産したがために、必要でなくなったらしい
当時は大ニュースとして国中を騒がせたらしいが
なにぶんテレビを見ていない、と言うか見られないので知らなかった
作業長「解体時にでる粉塵は絶対に吸い込まないで下さい」
作業員A「規定に従わなかった場合、命の保証はありません!」
ほらきた、絶対に危ない仕事だと思っていた
それにしても、命に関わる作業なのに市販のマスクで大丈夫なのか?
正規の作業員はちゃっかりガスマスクとか装着してますけど…
気にはなったが、考えると怖くなってくるので
なるべくこの件には触れないでおこうと誓った
澪(要は、吸い込まなければ大丈夫なんだから…)
55 = 1 :
作業長「それでは、作業を始めます!まずはこの鉄筋を…」
来たか!マスクを二重にセットし、死の粉塵に備える
背中には早くも冷や汗をかいていた
澪(うぅどうして私がこんなこと…)
あの作業員の言葉が、脳内で何度もリピートされる
死ぬかもしれないと考えると、今にも逃げ出したいのが本音だ
澪(…途中でこっそり、抜けてしまうかなぁ)
確かに仕事は大切だが、命には変えられない
56 :
また欝展開()を言い訳にした題材の意味が無いSSですか(^-^;
57 = 1 :
作業員B「おらぁ!そこぉ!」
澪「ひいっ!す、すすすいませぇっん!」
ヤバい、逃げようとしていたのがバレたかな…?
やっぱり途中で抜け出すのは無理がありそうだ
そうなるとなにか、仮病でも使うしかない
とにかく、この仕事はしたくない、しちゃいけない、とにかく!
澪(気分が悪いとかが、妥当かな…)
58 = 1 :
澪「すいません、すいません」
防護服とヘルメットにガスマスクを装着した正社員に話しかける
こっちは市販のマスクとワケの分からない制服なんだから、大した待遇だ
作業員C「なんだ?派遣の人?」
明らかに派遣を見下した態度が尺に触るが
これから仮病を使って逃げるのだから、文句は言っていられない
まあ、女だと言うことをアピールすれば、そう難しくも無いだろう
澪「気分が悪くなってしまって…早退したいんです」
作業員C「あ~、気分?そんなもので決められても困るわ」
ううむ、そう甘くは無いんだな…
こうなれば、マスクをとって女ということを知らせるしかない
59 :
即死はないから大丈夫だよ
62 = 1 :
澪「あの…、すいません、でも…」スッ
マスクを取って、猫撫で声で訴えた
これでもダメなら、もう走って逃げるしかない
作業員C「………」
作業員はにわかに驚いた顔に変わった
いや、正確には、ガスマスクを着けているので表情は伺えないが
それでもなんとなく、驚いているんだと言うことは分かった
作業員C「お前……………」
騒音とガスマスクのせいで、相手の声が良く聞こえない
でも取りあえず、いけないと言っているわけではなさそうだ
私はぺこりと頭を下げ、早々にその場を後にした
64 = 59 :
>>63
ss的に梓か律だろな
65 = 1 :
その時だった
全く予想もしていなかった出来事が起こった
作業員C「待て!」ガシッ
澪「!!!?」
心臓が止まるかのような衝撃だった
昔の私なら、確実に気絶していただろう
澪(なにか、気に障ることでも言ったのか…?)
作業員C「……澪、秋山澪、だよなっ?」
またも心臓が止まりかけた
どうして私の名前を知ってるんだコイツは!?
派遣先では番号で呼ばれるから、名前なんて伝えてないのに…
おそるおそる後ろを振り向くと、なおも予想外のことが起きた
澪「律…?」
66 :
>>63
さよなら
68 = 66 :
>>67
チャオズーーーーーー
69 = 1 :
気がつくと、私はまたマクドナルドに居た
澪(夢だったのか…?)
一瞬そう疑ったが、そうでは無いことはすぐに分かった
懐かしい顔が隣で座って笑っていたから
律「やっと目が覚めたかあ」
律がまだ作業服であることから察するに
おそらく、私はあの場で気絶してしまったのだろう
まあ、自分のことながら、無理もないと思う
…きっと、律がここまで運んできてくれたのだろう
澪「…すごく、驚いた、から、、、」
私はようやく言葉を発した
律「変わらないな、澪は」
70 = 59 :
>>67
無茶しやがって…
71 = 1 :
澪「…律は、最近、どんな感じなんだ?」
聞かれる前に、聞いた
律「私か? どんな感じも何も、あんな感じさ」
はぐらかすような言動から見るに、多分言い辛いんだろう
でも、これで最後になるかもしれないんだ。聞いておきたい
澪「大学出てから、どんな風に進んだのかなっ、て」
律「うん、まあ、そうさな…」
律は恥ずかしそうに眉の上を掻いた
学生時代から自慢のおデコは、今でも健在だ
やがて、決心したように真剣な顔つきになる
律「…なあ、澪、甘い言葉で誘う男には、ロクな奴が居ないな」
72 = 59 :
>>71
ヤり逃げされた挙げ句シングルマザーか
73 :
ネカフェ関係ねーじゃん
74 :
カオスは好きだけど
好きなキャラが中古になってしまったとあっちゃ
1を潰すしかないな
お前等全力で行くぞ
76 = 1 :
どういうことかは、聞かずとも、なんとなく、分かった
澪「…騙されたりしたとか?」
律「騙されたって言うか、…要はアレさ」
澪「アレ?」
律「…逃げられた、かな」
なるほど、それであんな仕事をしていたのか
いくら正規雇用だからと言って、あれをやりたくてやってる人は居ない
澪「でも、律は偉いよ、私なんて仕事すら…」
ここまで来たら、見栄を張らずに話してやろうと思った
77 = 1 :
しかし、それを制止したのは、他ならぬ律だった
律「止めろよ、辛気くさいのは面白くないってぇ!」
律は私に気を使ってくれたのだろうか
詮索しないどころか、話を遮るなんてよっぽど…
澪(でも、そういうところが律の良いところなんだよな…)
さらに、律が話を続ける
律「そう言えば澪、最近さ、楽器、触ってないだろ?」
澪「…う、うん、社会に出てからはいろいろ忙しくてな」
本当は、お金に困ってすぐ売っちゃったんだけど
そんなところで無駄に話を長くする必要はない
律「んっじゃちょっと付いてきてん♪」
78 = 66 :
りっちゃん可愛い
79 = 1 :
律が連れて行ってくれたのは、小さな楽器店のようなところだった
澪「…ここ、楽器店だよな?」
律「ご名答!でも、ただの楽器店じゃあないんだぜー」
澪「…?どういうことだ?」
律「まあ、中に入れば分かるって」
澪(…律が経営してるのか?)
80 = 1 :
律が中に入れば分かると豪語していた割には
入っても大して変わったものは無かった
店員さんも普通だし、店内もいたって普通だ
強いて言うなら、店内にあるポスターや置物、サインなんかが
私が昔好きだったロックアーティストのものが多い気がした
あとは、規模の割にレフティ仕様の楽器が多く販売されていた
澪(でも、別にそこまで変わっているものは無いよなあ…)
律「…どうだ?ビックリして声もでないか?」
まったく分からない
なぜ律はこんなにニヤニヤしているんだろう?
81 = 74 :
いくらなんでも投下遅くないか
質が下がってもいいから5分おきぐらいにしてくれ
82 = 1 :
澪「…なあ、律」
律「なんだ?」
澪「…この店の、どこがどう凄いんだ?」
聞いてしまうのは恥ずかしい気もしたが
まったく分からないのだから仕方無い
律「え~、分かんないのかよぉ」
澪「分かんないから聞いてるんだろ?」
律「ヒントは店員さん」
澪「店員さん?」
83 = 6 :
書き溜めじゃないと10分ペースでも結構大変なんだぜ
84 = 1 :
澪「店員さんならさっきも見たよ、普通の人だったろ?」
律「そうじゃないんだって、これは」
律はやれやれと首を振った
律「もう一度、きちんと見て見ろよ」
ワケが分からなかったが、言われた通りにやってみた
栗毛のゆるいパーマのロング、茶色い瞳、落ち着いた身のこなし
背は高くも低くもないけれど、すっきりした顔立ちで大人らしい…
確かに美人だが、絶世の美女と言うほどでもないし…
澪「やっぱり普通の女の人じゃないか?」
85 :
むぎゅうううううううううう
86 :
まさか倒産して解体されたてたビルの会社って、、、
87 = 1 :
律「んだよぉ、分かんないのか…」
「分かるもなにも、変なところなんてどこにも無いだろ?」
そう言おうとして、ハッと気づいた
店員さんのことではない、レジの後ろの棚を見たのだ
澪「…写真、、、」
そこには、高校の軽音部で一番初めに撮った写真が置かれていた
律「…写真? あ、本当だ」
気づいてなかったのかお前は
88 :
むぎちゃんカター!!!!
90 = 1 :
澪「あ、あれが飾ってあるってことは、このお店ってもしかして…」
律「そうだぜ~」
澪「じゃ、じゃあ、あの店員さんはもしかしてムギ…」
律「唯な」
澪「!!?」
なんともまあ、人は変わると言うけれど
ここまで劇的に変わるもんだなんて、信じられない
91 = 85 :
>>89
おいこらミンチにすっぞ
93 = 85 :
瞳の色的にムギちゃんミスリードのさわちゃんかと思ったけど、唯か
95 = 1 :
その晩は、三人で飲み明かした
近くのスタジオを借り、お店の楽器でセッションしたり
高校・大学時代の思い出話に花を咲かせたりした
久しぶりにシャワー浴びたり
きちんと横になって眠ることも出来たので
文句無しに楽しいひとときだった
そんな中で、唯が時折寂しそうな目で遠くを見つめているのを
私と律はまったく気づいていなかった
96 = 74 :
ああ、憂が死んだもんな
97 :
澪が風俗はじめないのは不自然
書き直せ
98 = 1 :
翌朝は、前日にも増して体調が良かった
この調子だと、ビルの解体工事もいけそうな気がしたが
日雇いだし、今日も同じところへ派遣されることは無いだろう
私は二人に別れを告げ、携帯を見ずにハローワークへ向かうことにした
それにしても、どうしてこんなに立て続けに
高校時代の思い出が甦るような出来事ばかり起こるのだろう
澪(ここまで来ると、もう偶然では済まされないよな)
なにか、これは運命のような気がする
何が起こるかは分からないけど、きっとなにかが起こる
そんな気がして、ならなかった
99 :
不思議に思うんだが、
日雇い派遣やるくらいならアルバイトした方がよくね?
ある程度歳くったらバイトすらみつからないん?
100 = 74 :
常に同じメンバーと絡む苦痛を味あわずにすむだろ
むしろ治験とかすればいいのに
みんなの評価 : ☆
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