元スレシャル「幸せになりたい」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
51 = 1 :
箒(…嘘はついてないようだな)
箒「分かった。余計な詮索だったな。無礼を詫びる」
シャル「え…う、うん…」
箒「…シャルロット」
シャル「な、何かな?」
箒「…正直言って、私はお前のやり方はあまり感心できない」
シャル「―――ッ」
箒「恋は戦争というのは確かに最もだが、かといってある程度の慎みや礼節はあって然るべきだと私は思う」
箒「隙あらば抜け駆けをし、一夏を手篭めにしようとする様は…はっきり言ってしまえばはしたない」
シャル「……」
箒「…すまない。責める言い方になってしまったな。そんなつもりはなかった」
シャル「あ、うん…」
箒「これからはいつも通り顔を出せ。一夏や私を含め、皆心配していたぞ」
シャル「うん…ごめん、箒」
箒「私こそすまない。長話が過ぎたな。戻ろう」
52 = 1 :
シャル(やり方が感心できない…? はしたないって…?)
シャル(そんなの…分かってるよ。だから、こうしているんじゃない)
シャル(でも、それが返って裏目に出ていたなんて計算違いだよ…何で上手くいかないんだろう)
シャル(じゃあ、どうすればいいの? いつもらしく振舞えって言ったって、今更どんな顔していいか分からないよ…)
シャル(ならいっそのこと…一夏を嫌いになったり嫌われるを努力してみる? そうすればこんなにも苦しまずに――)
シャル(………)
シャル(……)
シャル(…)
シャル(…いやだぁ)
シャル(嫌いになれるはず、ないよぉ…)
シャル(箒たちに嫌われるのは…我慢できるけど…)
シャル(一夏に嫌われるのだけは…いやだぁ…)
シャル(いやだよぉ…)
53 :
気を引くためじゃないって思ったのにその叱責はあんまりだと思います
54 = 1 :
――休み時間――
一夏「おーいシャルー。この間の遊園地の土産を――」
シャル「あ、ごめん一夏!ちょっとトイレ!」ガタッ
一夏「え? お、おいシャル!?」
シャル「……」タッタッタ…
一夏「…どうしたんだ一体」
――昼休み――
一夏「おーいシャル。皆と一緒に飯…」
シャル「ご、ごめん! 今日もちょっと無理!」
一夏「え? だって、今日は何もないって」
シャル「急用なの! ごめんね一夏!」ダッ
一夏「あ、おい!」
一夏「…おーい」
一夏「……」ポツーン
56 = 1 :
~屋上~
一夏「なぁ…俺、シャルに何か怒らせるようなことしたか?」
セシリア「はい?」
鈴「何かあったの?」
一夏「いや、なんかさ…前々から距離を置かれてるような感じはしてたけど、今日は露骨に避けられてる気がするんだよ」
箒「……」
ラウラ「うーむ…特に思い当たる節はないが」
一夏「そっか…何でかなぁ。ハァ…」アム
セシリア「確かに見ていて、何か変でしたわね」
鈴「そんなに?」
ラウラ「そうだな。あれは避けているというか…何というか、逃げてるみたいだったぞ」
一夏「えぇ、やっぱりそうか…ハァ、どうしたものか」パクッ
箒(私のせい、だよな……どうしたものか。さすがに言い過ぎてしまったようだ…)
57 :
モッピー知らないよ!何にも知らないよ!
58 = 1 :
ラウラ「そういうことなら私がシャルロットに聞いてみよう。同室だしな」
一夏「本当か? 助かる」
ラウラ「気にするな。私も最近シャルロットの様子が気にかかっていたところだ」
鈴「うーん…でもシャルロットに限って一夏を避けるなんて考えにくいんだけどねぇ」
セシリア「ちょ、鈴さん!」
一夏「ん? それってどういう――」
鈴「わわわ! な、何でもないわよ!」
一夏「?」
箒(私からもフォローを入れるべきだろうな…しかし言うタイミングが掴めん…)
箒(さりとて今言ってもおそらく余計こじれるだけだし…ここはラウラに任せたほうが賢明か)
箒(うーむ…どうもこういうのは器用に振るえないものだな…)パクッ
59 = 1 :
――その日の夜――
~シャルロットとラウラの寮室~
ラウラ「シャルロット」
シャル「な、何…? どうしたの、改まって」
ラウラ「話してくれ」
シャル「え?」
ラウラ「お前、何があった?」
シャル「…ええと、意味がよく分からないんだけど」
ラウラ「何故一夏を避ける?」
シャル「ッ…」
ラウラ「今日のことで確信した。お前、一夏を避けてるな?」
シャル「え、ええと…それは…」
60 = 1 :
ラウラ「喧嘩でもしたのか?」
シャル「ううん…」
ラウラ「では何だ。一夏のせいではないのか?」
シャル「そんなことないよ。一夏は全然悪くない」
ラウラ「…ますます意味が分からないな。なら何故そうまでして一夏から逃げる?」
シャル「そんな…逃げてるなんて」
ラウラ「お前まさか…」
ラウラ「一夏のこと…嫌いになったのか?」
シャル「……」
ラウラ「…おい黙るな。本気にしてしまうではないか」
シャル「……」
シャル「やっぱり、ダメだね。嘘でもそんなこと言えないや」
ラウラ「一夏が好きなんだろう?」
シャル「当たり前じゃない。大好きだよ」
61 = 1 :
ラウラ「なら何故だ。尚更不可解だ」
シャル「そう、かな…ちょっと普通に振舞おうとしていただけなんだけど…でも、やっぱりボクには出来ないみたい」
ラウラ「…どうも今日のお前は要領を得んな。普通とは何だ?」
シャル「普通って、そりゃ…箒たちがしているみたいな、普通に一夏と関わることだよ」
ラウラ「箒や私たちの普通? それがお前にとって何の益がある。何故周りとあわせる必要がある?」
シャル「どうしたの? 今日のラウラ変だよ。質問ばっかり」
ラウラ「変なのはお前だ。本当にどうした。らしくないぞシャルロット」
シャル「…ねぇ」
ラウラ「何だ」
シャル「ボクらしいって…どういうことかな?」
ラウラ「…お前らしい、か。そうだな。いつものお前ならもう少し積極的に一夏に接すると思うが」
シャル「そういうのが…嫌なんだよ」
ラウラ「は?」
62 = 1 :
シャル「そうやってさ。一夏に取り入ろうとしていたボクが…何だか嫌になったんだよ」
ラウラ「お、おいシャルロット…?」
シャル「ボクらしいってさ、やっぱそういうことだよね。ラウラもボクのこと、そういう風に見てたんだ」
ラウラ「何を、言ってるんだ…?」
シャル「だからボク、変わろうとしているのに…やっぱ上り手くいかないね。血筋のせいかな」
ラウラ「おいシャルロット! さっきから何のことを言っている!?」
シャル「うるさいな! もうほっといてよ!!」
ラウラ「ッ……」ビクッ
シャル「…とにかく大丈夫だから。今は上手くいってないだけだから。ちゃんとするから…」
ラウラ「……」
シャル「…怒鳴ってごめん。もう寝よ?」
ラウラ「あ、ああ…私こそすまなかった」
シャル「ううん…おやすみ」パチッ
ラウラ「ああ…」
63 = 1 :
シャル(…最低だなボク。明日は改めてラウラに謝らないと…)
シャル(ホント…何やってんだろ)
シャル(出来ればラウラや皆にも嫌われたくないけど…)
シャル(一夏にだけは絶対に嫌われたくない…)
シャル(……)
シャル(…でも)
シャル(やっぱりこんな自分が…一番嫌いだよ)
シャル(何でだろ…普通がいいよ…普通だったら、もっと皆みたいに一夏と…)
シャル(ボク、どうしたらいいの…? 分からないよ…)
シャル(どうすることもできないの? そんなの、ひどすぎるよぉ…)
シャル「うぅ…うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…」
ラウラ「……」
64 = 1 :
――翌日の朝――
シャル(…結局あまり眠れなかったな)
ガチャッ
ラウラ「シャルロット。まだ寝ていたのか」
シャル「あ、うん。今起きたとこ。ラウラはまた一夏のとこ?」
ラウラ「ああ。夫婦の朝の営みは大事だからな。まぁまた軽くあしらわれてしまったが」
シャル「ははは…ラウラはいいなぁ。それほど素直になれたらボクも…」
ラウラ「は?」
シャル「あー、ごめん。何でもないよ」
ラウラ「?」
シャル「寝ぼけて変なこと言っちゃった。行こうか、ラウラ」
ラウラ「あ、あぁ…」
65 = 1 :
~教室~
山田「では、ここの問いを…デュノアく、いえ、デュノアさん。お願いします」
シャル「……」
山田「あ、あのぉ…」
シャル「あ、はい…すみません…ちょっとボーっとしてました」
山田「しょ、しょうがないですね…じゃあ隣の織斑くん。ここをお願いしますね」
一夏「え」
一夏「お、おいシャル! 助けてくれ!」ゴニョゴニョ
シャル「ごめん一夏…ボクも聞いてなかったよ」ヒソヒソ
一夏「そ、そんなぁ…」
山田「あのぉ…目の前で相談されても、先生困ってしまうのですが…」
一夏「あぅ…」
アハハハハハハハハハハハハ…
相川「デュノアさん、大丈夫? 顔色悪いよ?」ヒソヒソ
シャル「うん…ちょっと寝不足気味で…」コショコショ
66 = 1 :
~アリーナ~
千冬「よしっ。ではこれより、ISの模擬戦を行う。専用機持ちのデュノア、オルコット。前に出ろ」
セシリア「はい!」
シャル「はい…」
千冬「どうしたデュノア。不服か?」
シャル「はっ…あ、いえ、すいません…そういうわけでは」
千冬「さっさとISを展開させろ。皆に手本を見せてやれ」
シャル「はい…」
千冬「どうしたデュノア! 弛んでいるぞ!」
シャル「は、はいぃ…」
セシリア「ほらほらほらほら! どうしましたの! 歯ごたえがありませんわ!」ドウ! ドウ! ドウ!
シャル「うわ、ちょっと! セシリア本気出しすぎだよ~!」
67 = 1 :
セシリア(これではワンサイドゲームですわね…。何だかシャルロットさんもボーっとしてますし)
セシリア(私との模擬戦で気を抜かれるなんて屈辱ですわ! 眠気覚ましに威嚇射撃を…)
<スターライトmkⅢ>
セシリア「はッッ!!」
ドゥ!!
シャル「へ?」
チュドーン!!
セシリア「う、嘘!? 当たってしまいましたわ!」
一夏「おいおい…いつものシャルならあれくらい楽に避けられるだろ?」
千冬「仕方ないな。おい誰か! デュノアを運び出せ!」
68 :
お前らが妾だ妾の子だって言うからシャルが悩んでるじゃないか!
69 = 1 :
~保健室~
シャル「う、う~ん…」
一夏「お、気が付いたかシャル」
シャル「い、一夏! どうしてここに!?」ガバッ
一夏「おいおい。一応病人なんだから、起きてちゃダメだ」グイッ
シャル「あ、うん…」ポスッ
一夏「まったく。まぁ大事じゃなかったから良かったけどな。倒れたのも、寝不足のせいだってさ」
シャル「そうなんだ…アハハ」
一夏「珍しいよなぁ。シャルが寝不足だなんて。何かあったのか?」
シャル「ええと…まぁ色々とだよ」
一夏「うーん、そっか。まぁ何ともないようで良かったぜ」
シャル「心配かけてごめんね」
一夏「気にすんなよ。友達だろ?」
シャル「…うん、そうだね」
70 = 1 :
シャル「そろそろ行ったら? ボクはもう大丈夫だから」
一夏「え?」
シャル「何?」
一夏「いや、その…心配だからさ。もうちょっと居たいんだけど」
シャル「心配性だなぁ。ただの寝不足だよ。夕飯までには戻れるから」
一夏「だけど…」
シャル「ほら。箒たちも心配してるよ。早く行ってあげて」
一夏「いや何言ってんだよ。今はあいつ等は関係ないだろ」
シャル「…そう、だよね。一夏はそう思うよね」
一夏「…なぁシャル」
シャル「何?」
一夏「俺さ…何かシャルを怒らせるようなことしたか?」
シャル「え?」
71 = 1 :
一夏「いや、なんかさ…最近、シャルが俺に距離を置いているように思えるんだけど」
シャル「……」
一夏「情けない話だけど、俺にはまったく覚えがない。だから、ラウラに訊いてくれるように頼んだんだ」
シャル「そういうことだったんだ…」
一夏「どうもラウラにもよく分からないって言われて…で、やっぱり面と向かってお前に謝りたくて」
シャル「……」
一夏「その、さ…。知らないうちに怒らせたのなら謝るから。ごめん!」
シャル「…一夏は何も悪くないよ」
一夏「え?」
シャル「誰が悪いとしたらボクだよ。ボクが、今まで散々ズルい手を使ったから」
一夏「は?」
72 = 1 :
シャル「あのさ。今までボク、その…一夏にひっつきすぎだと思わない?」
一夏「そうか? どんな時だ?」
シャル「えっと…アポ無しで家に来ちゃった時とか、お風呂に一緒に入った時とか」
一夏「友達なら充分スキンシップの範疇だと思うけどな。まぁ大浴場でのときはちょっとビックリしたけどな」
シャル「うん…一夏がそう思ってくれるのはいいんだけどね。でも、そう思わない人もいる」
一夏「どういうことだ?」
シャル「教えてあげない。でも、そういう人たちがいるのは事実なの。
だからそういう人たちに今まで悪いことしたかな、って。ちょっと反省して慎んでいるだけなの」
一夏「…意味分からないな。お前が気を使う相手っていうのはよく分からないけど、お前が無理していい理由にはならないと思うぞ?」
シャル「一夏は気にする必要ないのに。これはボクへの罰みたいなものなんだよ?」
一夏「は?」
シャル「あはは…また余計なこと言っちゃった。まだ眠気が取れてないみたい」
一夏「…おいシャル。さっきから何を言ってるんだ。話が見えないぞ?」
シャル「うん。一夏には分からないよね。一夏は優しいから…だから気づかないんだと思う」
シャル(でも…それでもいつか、絶対に知る時がくる…)
73 = 53 :
シャルは可愛いなぁ
74 = 1 :
一夏「…なぁ。やっぱり俺が悪いんじゃないか?」
シャル「違うよ。一夏は何も悪くないって」
一夏「…お前が何に悩んでいるかよく分からないけどな。でも本気で困っているようなら、やっぱり助けたいよ」
シャル「…どうして、さ」
一夏「え?」
シャル「ボクなんかに優しくしてくれるの?」
一夏「…何言ってんだお前」
シャル「一夏がそんなんだから、ボクには一夏しかいなくなって、それでこんな…」
一夏「いい加減にしろシャル! 俺のせいならそうだって、ハッキリ言えよ!」
シャル「うるさいな! 一夏のせいじゃないって言ってんじゃん! 何で分からないの!」
一夏「どう聞いても俺が悪いような口ぶりじゃないか! 俺が悪いっていうなら謝るから!」
シャル「そんなにボクに構わなくていいよ! ボクは皆とは違うんだよ!」
一夏「お、おいシャル! 落ち着――」スゥ…
シャル「―――!」
パシン!!
75 = 6 :
いじらしい
76 = 1 :
一夏「え…」
シャル「あ…」
一夏「シャ、シャル…?」
シャル「本当にやめてよ…これ以上構われたら、本当に離れられなくなっちゃう…」
シャル「これ以上一夏に依存したくない…一夏以外の居場所、見つけられなくなるから…」
一夏「…俺は、別に―――」
シャル「いい加減気づいてよ! もう関わりたくないの!!」
一夏「―――ッ」
シャル「とにかくボクはもう大丈夫だから! 一夏は悪くないから! 分かったら出てって!!」
一夏「……」
一夏「…わかった。ごめんなシャル」
シャル「………」
一夏「じゃあ…行くから」
シャル「…うん」
ガララッ…ピシャッ
77 :
それはないわ
78 :
あざとい
さすが妾の子やでぇ
79 :
妾!妾!妾の子!やる事なす事ビッチ臭い!
80 = 1 :
シャル「……」
シャル「う…うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
シャル(嫌われた…嫌われたかな、ボク…一夏に、嫌われたかな…)
シャル(優しくされるのが嬉しいはずなのに…なのにどうして、こんなに怖いの…?)
シャル(離れたくないよぉ…ずっと傍にいたいよぉ…でも、それは無理だから…)
シャル(一夏に依存したくないよ…でも、嫌いになんてなれないよぉ…)
シャル(いやだよぉ…一夏ぁ…触れて欲しいよぉ…優しくして欲しいよぉ…)
シャル(こんなの…もう嫌だぁ…いやだぁぁ…誰か助けてよぉ…)
シャル「いぢ、がぁ…ぐすっ」
シャル「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
一夏「……」
81 = 1 :
~廊下~
箒「あ、戻ってきたな。どうだった?」
一夏「…やっぱ分からない。結局、あいつを困らせちまったみたいだ」
鈴「そっかぁ…」
セシリア「心配ですわね…」
ラウラ「…すまない。私の力が足りないばかりに」
一夏「いや…俺のほうこそごめんな、世話かけたのに」
鈴「ねぇ。具体的に、シャルロットどんな様子だった?」
一夏「どうって…何かについて、酷く悩んでいた感じだったな」
セシリア「何かって、何ですの?」
一夏「それが分かれば苦労しないって…」
ラウラ「もしかして…それは泣くほどのことか?」
一夏「え? どうして分かったんだ?」
82 :
さすが妾の子
83 = 36 :
もう少し時間が要ります
84 :
シャルちゃん悪くないんやでぇ
85 = 1 :
鈴「分かったって…シャルロット、泣いてたの!?」
一夏「あ、あぁ…俺が出てってから、堰を切ったように泣き始めたんだよ…本当にどうしちまったんだ」
ラウラ「…実はな。昨夜もシャルロットは泣いていたんだ」
一夏「そ、そうなのか!?」
ラウラ「あぁ…シャルロットに悪いと思って黙っていたが…すまない。もっと早く言うべきだったな」
箒「それは…私のせいかもしれないな」
鈴「え?」
一夏「ど、どういうことだ箒! まさかお前、シャルになんかひどいことを!」
箒「お、落ち着け一夏! 遊園地の翌日に、少し注意と心配をしただけだ!」
セシリア「注意と、心配?」
箒「あ、いや、その…お、お前はちょっと、一夏と不埒なことをしすぎる、といったことをだな。注意したんだ…」
セシリア(ああ…)
鈴(そういう…)
一夏「もしかして風呂場のこと言ってんのか? もう済んだことだろ! 何でそんな前のことであいつを責めるんだよ!」
箒「べ、別に責めるつもりはなかった! 事実、私だって心配していた! 本当だ!」
86 = 1 :
ラウラ「おい一夏。その辺にしておけ」
一夏「ラウラ…」
鈴「うーん。多分箒のしたこともちょっとは反省すべきだろうけど…でも、それが大本の原因ってわけでもなさそうよ?」
セシリア「そうですわよね。シャルロットさんの様子が変だったのは、その随分前からですし」
箒「…しかしシャルロットの今の落ち込みようは私にも非がある。
皆、すまない。シャルロットにもちゃんと詫びるから許してくれ」
ラウラ「いずれにせよ、その大元の原因とやらをはっきりさせなければなるまいな」
鈴「…ねぇ一夏。シャルロット、何か言ってなかった?」
一夏「いや…何を訊いても、俺は悪くないの一点張りで」
鈴「そういう事じゃないわよ。アンタが気になったこととか、言ってておかしかった一言とか。
些細なことでもいいの。何かない?」
一夏「ん…? そう言えば…」
ラウラ「何か言っていたのか?」
一夏「いや、ボクはズルい手を使ったとか、皆とは違うとか言ってたな…。何が何やらさっぱりだけど…」
ラウラ「…妙だな。私も似たようなことを聴いたぞ」
一夏「え?」
87 :
箒って作中通して束の妹である以外の良い所って無いの?無謀なことして邪魔してるしモッピーの方がマシじゃね?
88 :
>>87
おっぱい
89 = 1 :
鈴「似たようなこと?」
ラウラ「さっき話していた昨夜のことなんだけどな」
一夏「聞かせてくれ」
ラウラ「ああ。変わろうとしているのに上手くいかないとか、血筋のせいかな、とか…。私としてもどうも要領が得れない感じだ」
鈴「シャルロットって、確かデュノア社の社長子息…じゃなかった、ご令嬢でしょ? それが何か関係あるの?」
一夏(あ、そっか…皆はシャルの事―――)
一夏「!!」
箒「どうかしたのか、一夏?」
一夏「そういう、ことかよ…くそッ! そんなことで悩んでいたのか! 何で俺が一番最初に気づいてやれなかった!」
ラウラ「わ、分かったのか!?」
一夏「…ああ、でもこれはシャルのプライベートに関わることだから――」
ラウラ「そんなこと関係あるか! 苦しんでいるのは私の友人だ! 見過ごせるはずないだろ!!」
ラウラ「隠し立てするようなら、いくらお前とて容赦しないぞ!」ガシッ
鈴「お、落ち着きなさいラウラ!」
90 :
箒は相変わらずゲスだな
91 = 1 :
ラウラ「す、すまない…興奮しすぎてしまった」
セシリア「でもラウラさんのお気持ちも分かります。
事情がどうあれ苦しんでいるレディを放って置けるなんて事、私たちに出来るとお思いで?」
箒「同感だな。友人であるなら、出来るだけすべてを打ち明けて欲しい。
特に私はこの一件の当事者でもある。事情を知った上でシャルロットに謝りたい」
鈴「プライベートだか何だか知らないけどね。そんなみみっちい理由で引き下がれるわけないじゃない!」
ラウラ「頼む一夏! 教えてくれ! シャルロットを想う気持ちは、私たちだって同じだ!」
一夏「…分かった。話すよ」
一夏「正直ちょっとビックリするかもしれない…でも、俺はお前たちだから話す」
一夏「あいつがどんな奴でも、お前たちなら軽蔑なんて絶対にしないって信じてる。それを前提で聴いてくれ」
ラウラ「無論だ。聞かせてくれ」
一夏「あぁ…」
――――――――――
――――――
――
92 = 1 :
箒「…そんなことが」
セシリア「確かに気にするのも分かりますが…」
鈴「それであたし達が差別でもすると思ってんの? 見くびられたものね」
ラウラ「私に相談してくれなかったのは軽くショックだな…。生まれなど私も似たようなものだろうに」
一夏「ああ。でもそれでシャルが悩んでいたっていうなら、俺たちで解消してやればいい」
セシリア「しかし、どうすれば…」
一夏「決まってる。あいつに俺たちはお前の味方だって教えてやるんだ」
一夏「シャルがどんな奴かなんか関係ない。俺たちはあいつの友達だ。
それが分かってもらえないって言うんなら、目を覚まさせてやればいい」
鈴「…で。具体的には?」
一夏「シャルの所に行く。無論、今からだ」
セシリア「また直線的な…」
箒「…いや、ここは一夏に任せよう」
鈴「え?」
93 = 1 :
箒「おそらく、それが一番いい。一夏以外に適任はいまい」
セシリア「そうですわね。一夏さんの言うことなら、シャルロットさんにも効くと思いますし」
ラウラ「そうだな。それが最善だろう」
箒「私の責任の一端を尻拭いしてしまうことになるがな…すまない、一夏」
一夏「気にするな。任せておけ」
鈴「いやいや…やっぱりあんただけじゃ不安だから」
一夏「え?」
鈴「あんたじゃ何か喋らなくてもいいようなことを言って、余計に傷つけるかもしれないし」
箒「それはまぁ…」
セシリア「否定できませんわね…」
ラウラ「ふむ…」
一夏「え…? な、何でだよ?」
鈴「だからさ。こういうのはどう? 始めに一夏が行って、それから―――」
――――――――――
――――――
――
94 = 1 :
~シャルロットとラウラの寮室~
ガチャッ
シャル「ただいまー…って、ラウラ? いないの?」
シャル「いない…何処に行ったんだろ? 茶道部の部活も終わってるはずなのに…」
シャル「嫌われちゃったかなぁ…それもそうか。あれだけ酷いこと言ったんだもん」
シャル「……」
シャル「こんなんじゃ、ダメなのに。ちゃんとしなきゃ、駄目なのに…」
シャル「…もう寝ようかな」
コンコン
シャル「ん? こんな時間に誰だろ? ハーイ、どちら様ー?」
一夏『シャル。今、いいか?』
シャル「―――!?」
95 = 1 :
シャル「な、何かな一夏?」
一夏『具合はどうだ?』
シャル「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。それと、さっきはごめん。ボク、酷いこといっぱい――」
一夏『そのことで話がある。入っていいか?』
シャル「い、今は…ちょっと…」
一夏『頼む、シャル』
シャル「……」
シャル(…ここで断ったら流石に不自然かも)
シャル「分かった。いいよ。今開ける」
一夏『ああ、ありがとうシャル』
カチャ
キィ…
96 = 1 :
シャル「その辺に座って。ラウラがちょっと何処かに行ってるけど」
一夏「ああ」ドサッ
シャル「で、話って?」ポスッ
一夏「…さっきの事だけどさ。お前、やっぱり悩んでいるんだろ?」
シャル「…別に悩んでないって」
一夏「いや、間違いない。特にここ最近のお前はおかしい」
シャル「あはは…一夏にも分かっちゃうくらいなんだ」
一夏「あんな様子なら誰だって感付くさ。皆だって心配してたぞ」
シャル「そっか…でも、心配するようなことは何もないよ。ちょっと体の調子が悪かっただけだから」
一夏「…シャル。何でそうまでして、自分1人で抱え込もうとしているんだ?」
シャル「…何のこと?」
一夏「俺たちって、そんなに信用ないか? だとしたら悲しいぜシャル」
シャル「ちょっと待って。話を進めないでよ。ボクは本当に何とも――」
一夏「俺さ…お前が何で悩んでいるか、分かったと思うんだ」
シャル「―――!!」
97 :
しえん
98 = 1 :
一夏「…まぁ俺1人の力で分かったわけじゃないけどな。皆の協力があって、ようやく分かったことだ」
シャル「皆も…知ってるの?」
一夏「ああ。皆お前の事を本当に心配してる」
シャル「…そっか」
一夏「それでお前…」
シャル「……」
一夏「生まれの事を気にしてるのか?」
シャル「……」
一夏「…そっか。やっぱりな」
シャル「……」
一夏「…確かにさ。本妻の娘じゃないっていうのは、世間的には冷たく見られるかもしれない。
とても自慢できることじゃないかもしれないよな」
シャル「……」
99 = 1 :
一夏「でもやっぱり俺たちにとっては、そんなもんは全然些細な事なんだぜ?
そんなことで俺たちがお前の事を軽蔑するとでも思っていたのか?」
一夏「だとしたら、それはとんでもない誤解だ。生まれとか家族がどうとかなんて、それはただの特徴だ。
黒子があるとか、人より背が高いだとか、それくらいのことしかない」
一夏「友達っていうのはそういう特徴だけで成り立つもんじゃないだろ?
お前がどんな奴だって、俺たちはお前が優しくて、明るくて、すっげぇいい奴だって知ってる。だから友達なんだろ?」
シャル「……」
一夏「俺だって家庭の環境とかあまり人に言えたモンじゃないけど、それを引け目に思ったことなんかないぜ。
そんなもんどうでも良くなるくらい、俺はいい友達に巡りあえたから―――」
シャル「…ちょっと違うよ」
一夏「え?」
シャル「確かに愛人の娘、っていうことについてはコンプレックスを感じてる」
シャル「…でもね。それは半分だよ」
一夏「半分?」
シャル「うん…何だか疲れちゃった。もう全部話して楽になるよ。正直もう、どうにもならなそうだし」
一夏「シャル…そんな悲しいこと言うなよ。それを何とかするために俺は来たんだぜ?」
シャル「あはは、ごめんごめん。じゃあ、話すね」
100 = 1 :
お腹すきすぎ
ちょっとタバコと飯を買って来たいので30分ほど保守頼んでもええかい?
みんなの評価 : ★★
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