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元スレほむら「幸せのまどか様」

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みんなの評価 : ★★
タグ : - 暁美ほむら + - 美樹さやか + - 魔法少女まどか☆マギカ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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1 :

◆◇◆◇

ほむら「全て―― 終わったのね」

 世界は救われたのだ
 まどかの願いによって、魔法少女が魔女になることはなくなった
 
ほむら「……」

 開け放たれた窓から、桜の花びらが病室へ舞い落ちる

ほむら「私はまたここに戻ってきたのね……」

 魔力を込めて変身しても、かつてのように時間を止めることができなかった
 契約は失効してしまい、二度と時間を跳躍することはできないようだ


 護りたかった大切な友達は、この世界のどこにもいない

 
 まどかは、私の手の届かないところに行ってしまった――

2 = 1 :

QB「奇妙な反応を感じてきてみれば…… キミは魔法少女なのかい?」

ほむら「ええ、そうね……」

 いつものように穏やかな口調でキュゥべえは話しかけてきた
 恐らく、私という存在がどのようなものかを確かめるためにきたのだろう
 
QB「どういことだい? ボクはキミと契約を交わした覚えはないよ」

ほむら「貴方のほかにも、魔法少女と契約を結ぶことのできる存在がいるのかもね」

QB「ありえない話じゃないけれど、非現実的だね
   この惑星はボクの管轄だ―― 人が文明を手に入れて以来、ずっとね」

QB「魔法少女ということなら、キミも魔獣と戦ってくれるという認識でいいんだよね?」

ほむら「……魔獣? 魔女じゃなくて?」

 まどかの祈りによって、魔法少女が魔女にならなくなった世界では
 魔獣というものと戦っているのだろうか……?
 
QB「魔女……? 君は一体何を言っているんだ」

ほむら「……その話、詳しく聞かせてほしいわ」

3 = 1 :

――高層ビル屋上――

QB「なるほどね 確かに君の話は、一つの仮説としては成り立つね
   だとしても、証明しようがないよ」
   
QB「君が言うように、宇宙のルールが書き換えられてしまったのだとすれば、
   今の僕らにそれを確かめる手段なんてない訳だし」

QB「君だけがその記憶を持ち越しているのだとしても――
   それは、君の頭の中にしかない夢物語と区別がつかない」
   
ほむら「……」

 私は覚えている、まどかのことを――
 彼女から託されたリボンを指に絡ませて、彼女のことを思い出す

QB「それじゃあ、頭の中の世界と現実の区別がつかなくなった
   妄想癖の魔法少女に、この世界のことを説明するよ?」

QB「……と言っても、キミの話した世界と大差はないんだけどね」
   
QB「大きな違いといえば、キミの言っていた魔女というものは存在せず
   人の世の呪いが具現化した存在である魔獣と戦っていることだけだよ」

ほむら(世界の歪みは形を変えて、今も闇の底から人々を狙っている――)

ほむら(悲しみと憎しみばかりを繰り返す、救いようのない世界……)

4 :

何だ?宗教系か?

5 = 1 :

QB「ボクたちの世界では、魔獣から得られるエネルギーでバランスを保っているわけだ」

QB「だからボクはキミの妄想世界のインキュベーターとは違って
   魔法少女同士の戦いなんて求めていないからね」
   
ほむら(キュゥべえがこんなことを言うなんて信じられない……
    コイツの言っていることを鵜呑みにするのは危険すぎる)

QB「っと、他の魔法少女が呼んでいるみたいだ……」

ほむら「そう、だったらこの話は終わりにしましょう」

QB「そうだね…… キミがボクたちの敵でないかどうかは、
   今すぐに見極めることは難しそうだし――」


 世界は変わった―― 魔法少女が魔女にならなくなった
 でも、ただそれだけではないようだった
 
 
 キュゥべえの話を信じるとすれば、インキュベーターは人に歩み寄り
 共生といっていいほど関係を築いている 
 
 
 魔獣という存在は、魔女が存在しなくなった矛盾を解消するために現れた……
 彼女のたった一つの願いが、この世界のあり方に影響を与えているというの?

6 :

明日まで残ってくれ!

7 = 1 :

 雲のように消え去さったキュゥべえを見送って、私は夜の街を見下ろす
 彼女が護った世界―― それを私は覚えてる


 私は再びリボンを自分の髪に結び、立ち上がる
 同時にソウルジェムが微かに震えるのを感じとった


ほむら「……キュゥべえの言っていた瘴気というヤツかしら
    なんだか魔女の気配と似ているわね」

ほむら(この世界での始めての戦いになりそうね)

ほむら「全く、惨澹たる世界だこと……」


 それでも―― それでもここは――


 かつてあの子が守ろうとした場所なんだ
 決して忘れたりしない だから私は――


 あの子の護り抜いたこの世界で戦い続けてみせる

8 = 1 :

――学校――

ほむら「暁美ほむらです、これからよろしくお願いします」

さやか「うわーっ、すっげー美人……」

仁美「素敵な方ですわね」

 教室を見渡してもまどかの姿がどこにもない
 当然だ…… 彼女はもうこの世界には――

早乙「貴方の席は美樹さんの隣よ」

さやか「おっす転校生、あたしの名前は美樹さやか これからよろしくね」

ほむら「えぇ、よろしく頼むわ……」

 何度も繰り返したやり取りだが、今回ばかりは少し勝手が違う
 いつもならば、私達の間にはまどかがいたはずなのだ

早乙「それじゃあ授業を始めたいと思います テキストの――」

ほむら(退屈ね……)

ほむら(学校なんて辞めてしまおうかしら……
    学校に通っていなくても魔獣退治はできるわ)

9 :

ほむ

10 = 1 :

――――

さやか「おーい、転校生ー ちょっと待ってー」タッタッタ

ほむら「何かしら?」

さやか「一緒に帰ろうよ」

ほむら「べつに構わないけど……」

仁美「まっ…… 待ってください…… さやかさん」ハァハァ

さやか「だらしないぞぉ、仁美」

仁美「そんな…… さやかさんが急に走り出すから……」

ほむら「志筑さん、大丈夫?」

仁美「だ、大丈夫です お気遣い有難うございます」

――――
さやか「しっかし、転校生は凄いよっ 文武両道才色兼備……」

ほむら「そんなことないわ……」

仁美「謙遜なさらないでください…… 事実、高飛びでは県記録更新だと先生が――」

さやか「くぅ~ その才能の一つでもあたしにあればなぁ」

11 = 1 :

 3人で他愛のない話をしながら、私達は帰路に着く

仁美「それではお二人とも ごきげんよう」

さやか「おー、それじゃあまた明日ねー」

ほむら「さようなら」

――――
さやか「それじゃ、あたしはこっちだから」

ほむら「ええ、美樹さん さようなら」

さやか「んー、また明日ー」

ほむら「……」

 彼女の後姿を見送りながら、少し考える――
 この世界でも美樹さやかは魔法少女となるのだろうか?

ほむら(そうなったら、まどかは悲しむかな……)

12 = 1 :

――数日後――

さやか「ほーむらっ、そろそろ学校には慣れた?」

ほむら「気安く名前で呼ばないで」

さやか「そんなつれないこと言うなよー」

ほむら「……はぁ」

 これは彼女なりの気の使い方だ
 クラスに馴染めない私を思って、気にかけてくれている

ほむら(正直うんざりすることもあるけれど……)

さやか「仁美のヤツ、今日は稽古事ないんだってさ
    だから一緒に駅前のハッキンビーフバーガーいこうよ」

仁美「私も暁美さんとお話がしたいですわ……」

ほむら(放っておいて貰えるのが一番楽だけど……
    まどかの友達だった人の誘いは無下にできないわね)

ほむら「分かったわ」

さやか「おお、いつもクラスメイトのお誘いを断るほむら姫の了解が得られたぞっ!」

仁美「さやかさん、やりまわしたわね」

ほむら(やっぱり断っておけばよかったわ……)

13 = 1 :

――ファーストフード店内――

さやか「あー、ほむらのそれ新作?」

ほむら「そうみたいね……」

さやか「私にヤツと半分こにしない?」

ほむら「もう一つ注文してくればいいでしょうに」

さやか「流石のあたしもバーガー二つは食べきれないわー」

――――
さやか「それでさぁ、ウチの馬鹿犬がね――」

仁美「その話、前にも聞きましたわよ……」

さやか「あれ? そうだっけ…… ごめんごめん」テヘッ

――――
仁美「そういえばさやかさん、中間考査の対策は進んでますの?」

さやか「そんなこと聞かなくても分かるでしょ……
    ほむらはどうなの? 前の学校と違って勉強が難しかったりは―― 」

ほむら「何も問題ない」

さやか「……今度あたしに勉強教えてよー」

ほむら「本当にやる気があれば、教えてあげないでもないわ」

14 :

ほむほむ支援

15 = 1 :

 女子中学生らしい会話に花を咲かせて店を後にする
 店の外に出たとき、私達は雨が降っていたことにようやく気がついた

さやか「うわっ、振ってきたか……」

仁美「私は折りたたみ傘がありますけど」

さやか「このくらいの雨なら、走っていけば平気だよっ」

ほむら「美樹さん」

さやか「なに?」

ほむら「そんなことをしては風邪を引いてしまうわ」

さやか「でも――」

ほむら「私の傘は大きいから、一緒に入っていけばいいわ」

さやか「……ほむらからそんな事言ってくれるなんて」ウルッ

仁美(キマシタワァ-)クネクネ

ほむら「志筑さん…… どうかしたの?」

仁美「い、いえっ 何でもありませんわよっ」

16 = 1 :

――――
仁美「甘いひと時を~」

さやか「……ごめんねー、仁美のヤツたまにあーなっちゃうんだよね」

ほむら「そう……」

さやか「悪いやつじゃないんだけど…… あの変な癖がなければなぁ」

ほむら(変わらないわね―― )

さやか「ん? 今なんか言った?」

ほむら「いえ、なんでもないわ」

さやか「ほんと~?」

ほむら「しつこいわね…… そんなことだから――」

 ……ソウルジェムが震え出し、瘴気の気配と魔獣の存在を感じとった
 私がこの世界にやって来てから、魔獣は引っ切り無しに現れている

ほむら「ごめんなさい美樹さん、急用ができたわ
    傘は持っていっていいからっ」
    
さやか「ちょ、ほむらっ どこいくんだよ――」

さやか「いっちゃった…… なんなのよアイツ……」

17 = 1 :

――路地裏――

QB「早かったね」

ほむら「近くをいたから―― 貴方こそ既に現場にいるだなんて仕事熱心ね」

QB「ボクは魔獣を感知して魔法少女たちに知らせなくちゃならないからね
   ……キミが駆けつけ来たから、その必用はなかったわけだけど」

魔獣「ティヒヒヒヒヒ――」
魔獣「イーヒヒッヒhッヒ――」
魔獣「アンマウェーーー」

ほむら「うじゃうじゃと目障りね……」

QB「ここのところ見滝原近辺で魔獣が大量発生している……
   いったいどうなっているだ……」

ほむら「ぼやいていても仕方がないわ」

ほむら(彼女の世界を乱すものは、私が排除する――)

18 = 1 :

――――
ほむら「ふぅ…… これでお終いかしら」

 私は最後の一体に矢を放つ 使い慣れた得物とは違うため
 以前よりも上手く立ち回れていないと実感させられる……

QB「どうやら魔獣は引いたみたいだ…… キューブを回収しよう」

魔獣「ティヒヒヒヒヒ」

ほむら(――!?)

QB「生き残りがいたのか!? ほむら、伏せてっ」

 咄嗟の事だったので、いつものように左手に意識を集中させてしまう
 今の私には時間操作の能力はなくなっているにも関わらず――

**「――詰めが甘いよ、ほむらっ」ザシュッ

魔獣「ギャズビゴー!」

 藍色の閃光とともに、見慣れた格好の少女が現れる
 白いマントを翻し、蒼の衣を纏い長剣を振るう魔法少女――

さやか「愛と正義の死者―― さやかちゃん、見参っ!」

ほむら「美樹……さやか……!?」

19 = 1 :

QB「さやかっ!」

さやか「間に合ってよかった」

ほむら「貴女…… 魔法少女だったなんて――」

さやか「んー? ま、ついこの間なったばっかりなんだけど」エヘヘ

QB「ボクは散々止めたんだけどね…… 
   何不自由ない人間が魔法少女になったって、いいことなんてないからって」

さやか「あたしは感謝してるよ? 恭介の腕が治ってさ……」

QB「ゾンビとなって、魔獣を退治する石ころにされたのにかい?」

さやか「恭介の腕に比べたら、あたしの価値なんて石ころにも満たないもの」

QB「ったく、本当に人間ってやつは愚かだよ
   どうして自分をもっと大事にできないのかなぁ……」

ほむら「貴女は最初から私が魔法少女だと知っていたの?」

さやか「……キュゥべえが暁美ほむらはイレギュラーだから気をつけろって言っていたけど
    同じクラスメート同士で魔法少女なんて、すっごい偶然だと思ってさ」

さやか「なんつーかこれって、運命ってヤツじゃないかと思って――」

ほむら「運命って…… 呆れたわ 貴女は正真正銘の馬鹿よ」

20 = 4 :

さやかちゃんまだ生きてるよ!

21 = 9 :

見届けたいが眠いさようなら

22 = 1 :

さやか「そいうわけだから、よろしく頼むよ―― 先輩?」」

ほむら「何よそれ……」

さやか「あたしよりずっと前から魔法少女やってるんでしょ? だから、先輩」

QB「彼女は新人だからね…… ベテランのキミが面倒を見てあげてよ」

ほむら「何を言ってるの? 魔法少女同士はキューブを奪い合って――」

QB「そうだね、魔法少女同士が衝突することは珍しくない
   でも今この街は異常な数の魔獣に狙われているから、獲物の心配は必要ないよ」

ほむら「……」

QB「そもそも美樹さやかみたいな何不自由ない少女と
   契約はしたくなかったのだけれど、猫の手も借りたい状況だからね……」
   
QB「戦力増強のため、泣いて馬謖を切ったわけだ――
   だからボクからも頼むよ、彼女を一人前の魔法少女に鍛えてほしい」
   
ほむら(この世界のキュゥべえは本当に何を考えているのか全然分からないわ……)

23 = 1 :

さやか「というわけで、魔法美少女コンビ結成ってわけで、おけ?」

ほむら「勝手にしなさい…… 足手まといになるようなら、見捨てていくわよ」

さやか「今さっきあたしに助けられてた癖にぃ~?」ニヤニヤ

ほむら「……」スタスタ

さやか「あれ? 怒った? ごめんごめん、まってよ~」

ほむら「…あ…り……と」

さやか「え?」

ほむら「助けてくれてありがと」

さやか「……」ニヤリ

ほむら「それじゃ、私帰るから…… 貴女も早く――」

さやか「待ってよ、ほむら~」ダキッ

 降り続いていた雨で冷やされた体に、彼女の体温が触れて妙にくすぐったく感じる
 彼女のぬくもりにあてられて―― 思わず悪態をついてしまう

ほむら「ちょっと、抱きつかないでよ鬱陶しいっ」

さやか「別にいいじゃん、照れんなよー」ウリウリ

QB「うんうん、仲良きことは美しき哉……」

24 = 9 :

どこでそんな故事知ったんだよこのキュゥべえはww

25 = 1 :

――数週間後――

さやか「美樹妙見流、奥義―― 魂削りっ!」

魔獣「ティッヒィィィィー」

さやか「また…… つまらぬものを斬ってしまった」ドヤッ

ほむら「そういう無駄な動作がなければ合格ね…… 
   (美樹妙見流って…… 語呂が悪過ぎないかしら)」

さやか「えー、さやかちゃんのチャームポイントを全否定ですかっ」

ほむら「無駄口叩いてないでさっさとキューブを回収しなさい」

さやか「はいはい、わかりましたよー」

――――
ほむら「思った以上に上達が早くて安心したわ」

さやか「そ、そう? ほむらがあたしを褒めるなんて珍しいわね」

ほむら「……でも、あなたはもう少し状況判断できるようになったほうがいい――
    この前だって、魔力が底を突きそうな状況で人助けを優先していたわよね?」

さやか「この街の平和を護るのがあたしたちの仕事なんだから、当然っしょ」

ほむら「……あのね あなたが倒れてしまったら、誰がこの街を護るの?」

さやか「代わりなんていくらでもいるから大丈夫だって」

26 = 1 :

ほむら「私が言いたいことは、そういうことじゃなくて
    貴女が死んでしまったら、悲しむ人がいるっていうことを――」

さやか「あたしのことを心配してくれてるの?」

ほむら「そうね…… 貴女の両親や上条君や、志筑さん、貴女の友達がみんな悲しむわ」

さやか「……ほむらも?」

ほむら「当たり前よ…… さやかは私のともだ――」


 さやかが眼を輝かしながら私を見つめている
 私はバツが悪くなり、言いかけた言葉を飲み込みコホンと咳払いをする 

ほむら「――大事な戦力だからね…… いなくなると困るわ」

さやか「え゛ー 何よそれ さっき言いかけてた言葉は?」

ほむら「さてと、パトロールの続きに出かけましょうか」

さやか「ちょっと、待ちなさいよ!」

ほむら「さっさっとついてこないと、置いていくわよ?」

27 = 1 :

――ゲームセンター――

ほむら「この辺りに魔獣の反応はなさそうね……」

さやか「ねぇねぇ、ちょっと遊んでいかない?」

ほむら「遊びに来ているわけじゃないのよ」

さやか「デートでしたか……」

ほむら「違うわ」

さやか「えー、ちょっとくらい遊んでいこうよ」
    このガンシューティングで勝負っ」

ほむら「……本当に置いていくわよ?」

さやか「何? 負けるのが怖いって?」

ほむら「言ったわね…… 私が射撃の名手だとも知らずに――」

さやか「ふふふ、さやかちゃんはこのゲームをやりこんでいることも知らずに
    挑戦を受けるとは―― 飛んで火に入る夏の虫とは、あんたのことだっ」

28 = 1 :

さやか「え…… ハイスコア更新?」

ほむら「ざっとこんなものね」

**「おー、やるじゃん」

ほむら(ダンスゲームが置いてある方向から、聞き覚えのある声が――)

**「んじゃ、もうちょっと難易度上げていこうか」

ほむら(そういえばここは佐倉杏子がよく通っていた店だったわね)

さやか「どーした? ぼけっとして」

ほむら「いえ、なんでもないわ」

ほむら(この街に発生している魔獣を駆除するために
    キュゥべえが呼びよせていても不思議じゃないか……)

杏子「よっ、ほっ」タンタンタン

ほむら(態々こちらから声をかけて面倒を起こすのは避けた方がいいわね)

さやか「ほむらっ、次あれやらない?」

ほむら「だから、遊びに来てるわけじゃないって言っているじゃない……」

29 :

改変後SSは好きよ

30 = 1 :

――ほむホーム――

さやか「いやぁ…… 遊んだ遊んだ」

ほむら「貴女には緊張感が足りない…… きっといつか痛い目を見るわ」

さやか「そのときはよろしく」

ほむら「よろしくって何よ……」

さやか「そして今晩とまっていくからよろしく」

ほむら「……そんなこと聞いてないわよ?」

さやか「うん、今言った」

ほむら「そのマイペースすぎる性格、どうにかならないの?」

さやか「無理だねー」

ほむら「はぁ…… これじゃあ誰も貰い手が見つからないわね……」

さやか「そのときはよろしく」

ほむら「着払いで送り返すわ……」

31 = 1 :

――バスルーム――

ほむら(美樹さやかの相手は疲れるわ…… 
    まどかはよくあの子と仲良くやっていけていたわね……)


 少し馴れ合いが過ぎているかもしれない――
 でも、純粋に彼女と一緒にいる時間が楽しいとも感じてしまう


ほむら「ねぇ、まどか…… 貴女のいない世界なんて、
    ユメもキボーもないと思っていたけれど」


 どうしてもまどかが美樹さやかのことを助けたかったのか、今なら分かる気がする
 一途で思い込みの激しい、優しくて正義感の強い、どこまでも真っ直ぐな子――


ほむら「それなりにうまくやっていけそうよ……」


 私の最高の友達が護ったこの世界を、そこそこの友達と歩んでいくわ


さやか「ほむらー、一緒に入っていい?」

ほむら「蜂の巣にされたい?」

さやか「……ああっ、愛が激しい!」

32 = 1 :

――――
ほむら「ずっと気になっていたんだけど、上条恭介との仲はどうなってるの?」

さやか「へ? 何よそれ?」

ほむら「貴女、彼のために願いを使って――」

さやか「あー、ほむらもあたしのことをそんな風に思っていたわけ? ちょっとショックだなぁ」

ほむら「……?」

さやか「別にアイツとはそんな関係じゃないし、望んでなんかないよ
    腐れ縁で親友、それ以上でそれ以下でもない」
    
さやか「強いて言うなら、あのバイオリンの音に恋をしていたのかもしれないなぁ……
    ほむらもね、アイツの音楽を聞いたら絶対に感動するんだから――」

ほむら「貴女がそこまで言うんだから…… きっとそうなのね……」

さやか「あー、信じてないでしょ…… いいよ、恭介が完全復活したら
    コンサートに連れて行ってあげるから覚悟しておきなさいっ」

ほむら「ええ、楽しみにしてるわ……」

さやか「……ん」

ほむら「どうしたの?」

さやか「なんかこいうの、懐かしいなぁって」

34 = 1 :

さやか「こうやって友達の家で一つの布団で寝泊りすることなんてなかったはずなのに
    どうしてだろう、なんだかとっても懐かしい気がして」

ほむら「……」

さやか「ごめん、訳分からないこと言っちゃって」

ほむら「貴女が意味不明なのはいつものことでしょ……」

さやか「そうそう、いつもの―― っておいっ」ビシッ

ほむら「程度の低い乗り突っ込みね……」

さやか「あーあー、いつになく真面目に話をしていたのになぁ」

ほむら「ごめんなさい……」

さやか「素直に謝られるほどのことでもないんだけどさー」


 まどかの存在は、綺麗さっぱりなくなったかと思っていた


 曖昧だけど―― 其処此処に残っているものなのかもしれない


 さやかの懐かしさの原因は、私の―― 私たちの大切な友達のことだろう

35 = 1 :

――――
ほむら「電気、消すわよ」

さやか「うん」

さやか「ありがとね……」

ほむら「何よ藪からスティックに」

さやか「恭介の腕のためとはいえ、やっぱり化け物と戦うなんてできるか不安だったから
    ほむらが居てくれて本当に助かった 一人じゃ心細くてやっていけてなかったと思う」

ほむら「いつになく弱気ね……」

さやか「小さい頃から、女だって舐められるのは嫌いだったし、
    男には負けないぞーって頑張ってきたから……」

さやか「だから本当のあたしは弱虫で――」

ほむら「貴女は強いわ 私なんかよりもずっとね」

さやか「そんなことないよ」

ほむら「ねぇ、さやか…… 私ね、貴女のこと疑っていたわ」

さやか「……?」

ほむら「キュゥべえと何か企んで、私のことを嵌めようとしているじゃないかって」

さやか「どうしてそんなことを?」

36 :

いいね
とても

37 = 1 :

ほむら「イレギュラーである私に近づいてくる魔法少女なんて怪しいじゃない」

さやか「そう…なのかな…… 私は魔法少女になったばかりだから良く分からないけど」

ほむら「そんなのことは杞憂だったわけだけど」

さやか「信用してくれるの?」

ほむら「もちろん これからもよろしく頼むわよ」

さやか「おうっ、最高の相棒を手に入れたんだから、大船に乗ったつもりで居なさいっ」

ほむら「超ドレッドノート級?」

さやか「いや、流石にそこまでは……ちょっと自信ないかも……」

ほむら「ふふ、期待してるわ」

さやか「ぜ、善処します……」

ほむら「ねぇ、さやか ちょっと昔話、してもいいかしら?」

さやか「うん、聞かせてほしい」


 私は訥々とかつての世界について語った さやかは一言も聞き漏らすまいと真剣に頷いてくれる
 全てを語り終えるには時間が余りにも足りなくて、気がつけば既に朝日が昇っていた――

39 = 1 :

――数日後、学校――

さやか「ごめん、付き合わせちゃって」

ほむら「別に構わないわ」

さやか「それじゃ、とってくるからここで待ってて」

 休校日、私はさやかに付き添って彼女の忘れ物をとりにきた
 ついていく必用なんてなかったけれど、ここのところ常に一緒に行動していため
 なんとなくついてきてしまった

――――
 彼女の帰りを昇降口で待っていると、一人の少女が近づいてきた
 砂糖菓子のようにふわふわとした見た目とは裏腹な、鋭い視線を向けてくる――

ほむら(巴マミ……?)

マミ「ロングの黒髪に(奇抜な)桃色のリボン―― 
   貴女がキュゥべえの言っていたイレギュラーね」

ほむら「……だったら?」

 巴マミは私を舐めるように、頭から足のつま先まで念入りに睨み付ける

マミ「私達に危害を加えるようなら、何か手を打とうかと思っていたけど……」

40 = 1 :

マミ「一目見ただけでは、なんともいえないわね……」

ほむら「私は貴女たちと戦うつもりなんてないわ」

マミ「それは喜ばしいわ…… その言葉に偽りがなければね」

ほむら「嘘なんてつかない―― できることなら協力して魔獣を退治したいくらだわ」

マミ「素性のわからないイレギュラーさんとは共闘するつもりはないの……」

 ごめんなさいね そう付け加えて巴マミはその場から立ち去ろうとする
 しかし少し歩いたところで突然その足を止め、頭だけをゆっくりと振り向かせて――

マミ「そうそう、大事なことを訊きそびれていたわ」

ほむら「何かしら?」

マミ「貴女…… 聞いたことある?」



―――――――――――― 『幸せのまどか様』って ――――――――――――

42 :

こっくりさんSS思い出した

43 = 1 :

ほむら「……」

マミ「何も言いたくないって顔ね……」

さやか「ごめんごめん、遅くなったー」タッタッタ

さやか「……ってあたし、お邪魔だった?」

マミ「いえ、そんなことはないわ……」

ほむら「それでは、私達はこれで失礼します」スタスタ

マミ「ごきげんよう、暁美ほむらさん」

さやか「ご、ごきげんよう……」スタスタ

――――
さやか「はぁ…… なんか緊張したー」

ほむら「……」

さやか「ほむら、あの人知り合い?」

ほむら「私達と同じ、魔法少女よ」

さやか「じゃあ味方なの?」

ほむら「それは―― 私にも分からない……」

44 = 1 :

――数日後、ファーストフード店内――

 何故、どうして? 頭の中に次々と疑問が浮かび上がる
 巴マミがどうしてまどかのことを知っている?

ほむら(いえ、知っていたようには思えない――)

ほむら(どちらかというと、探りを入れてきている…… そんな感じだった)

さやか「おーい、聞こえてるかー?」

ほむら「ご、ごめんなさい、考え事をしていて――」

さやか「ちょっとしっかりしてよー 最近ずっとこんな感じじゃない……
    そんなんじゃ魔獣退治のとき、あっという間にやられるわよ?」

ほむら「ええ、その通りね……」

さやか「本当にどした? あたしの忠告を素直に受け入れるなんて―― 熱でもある?」

ほむら「大丈夫よ…… 大丈夫……」

さやか「心配だなぁ」

ほむら「心配性ね」

さやか「パートナー想いなだけだよ」

ほむら「恥ずかしい台詞禁止……」ホムッ

45 = 36 :

何故か吹いてしまった
マミさんだから仕方ないな

46 = 1 :

――――
ほむら「そろそろ出ましょうか」

さやか「そだねー 今日は早く家に帰って休もう」

さやか「っと、その前に…… お花を摘んで参りますわー」

ほむら「黙っていきなさい、黙って」

さやか「はいはーい」タッタッタ

ほむら「ふぅ…… 本当に賑やかな子」

 彼女の帰りを待つ間に、トレイに乗っていた容器をゴミ箱に放り込む
 再び席に戻って、巴マミのことを考えながら時間を潰す

ほむら(一体どうして彼女はあんなことをいったのかしら)

ほむら(まどか―― 巴マミは、はっきりとそう言った
    でも、幸せってどういう意味かしら……)

さやか「おまたー」

ほむら「……さやか、念のために聞いておきたいんだけど」

さやか「何さ、改まっちゃって」

47 = 1 :

ほむら「私が話した与太話、誰かに言った?」

さやか「言うわけないじゃん」

さやか「……どうしてそんなこと聞くの?」

ほむら「……」

さやか「話してくれないんだ……」

ほむら「ちょっと、気になったから」

さやか「あたしが言うわけないじゃん…… 二人だけの秘密だもの」

ほむら「……ごめんなさい」

さやか「なんで謝るのよ……」

ほむら「貴女が、他の人に話してしまったのかと思って――
    ちょっとでも疑ってしまった自分が情けないわ……」

さやか「悩んでることがあるなら、何でも相談にのってあげるから――」

ほむら「ありがとう…… でも、これは私が解決しなくちゃいけないことだから……」

さやか「そっか、じゃあ深く追求しないであげる……
    でも、本当に辛くなったらいつでも話してよね?」ニコッ

ほむら「ええ、そうさせてもうらわ…… 本当にありがと、さやか」

48 = 1 :

――数日後、路地裏――

さやか「美樹妙見流、 秘技―― 鬼斬りっ」ズバッ

魔獣「ティヒヒヒヒヒィィヤアアアアアアア」

さやか「ふふふっ この程度の雑魚、さやかちゃの敵ではなぁ~いっ」

ほむら(この数日間、まったくといって手がかりを得られなかった……)

さやか(ほむらのヤツ、やっぱり元気ないな……)

さやか「元気出してよ――」

QB「美樹さやか! 随分上達したようだねっ」

ほむら「キュゥべえ……」

ほむら(コイツに聞いてみるのは……危険ね 何を企んでいるかわからないわ)

さやか「まぁね、師匠が優秀だからかな」

ほむら「実力よ…… 誇っていいと思うわ」

さやか「だってさ~ 聞いた、キュゥべえっ」

QB「うん、ほむらのお墨付きを得たわけだから、
   次からは別々に行動してみるのはどうだい?」

49 = 1 :

さやか「別行動を?」

QB「そうだね…… 原因は分かっていないんだけど
   魔獣の増殖速度が加速しているみたいなんだ」

QB「手分けして魔獣を退治したほうが、住人の被害も抑えることができる」

ほむら「……」

さやか「でも…… ちょっと自信ないかも」

QB「最初は、ほむらから少し離れた場所で活動すれば大丈夫だ
   そうすれば直ぐに援護に迎えるからね 少しずつ慣れていこうよ」

さやか「それなら…… やってみてもいいかな」

ほむら「私は反対よ……」

QB「どうして? さっきキミは言っていたじゃないか
   十分な実力がついているって――」

さやか「……あたし、やってみたい」

ほむら「さやか、本気なの?」

50 = 36 :

安定のきゅっぷい


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