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元スレ京子「ずっと…友だちでいよ…?」
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京子「……」スースー ギュー
結衣「…はい、今は隣で寝てます」
結衣「えぇ、お昼食べて、薬飲まして。熱も少しは落ち着いたみたいです」
結衣「あと食材は言われた通り、適当に使っちゃいましたけど……」
結衣「あー。……いえ、今は私が離れられないので」
結衣「あの時みたいにまた、袖を掴まれちゃってって……」
京子「……んぅ」ギュー
結衣「…あぁはい、大丈夫です。もう今更ですし……」
結衣「はい、起きたら伝えときます……じゃあ、また何かあったら……」
結衣「はいお願いします……」プツ
京子「……」スヤスヤ
結衣「……返事はしなくていいけど」
京子「……」スースー
結衣「おばさん、あと二時間くらいかかるって」
京子「……」
結衣「まぁそれまではいてやるから。安心して寝てろ」
京子「……気付いてたんだ」
結衣「寝息が整いすぎだ。あと手、ずっと握りすぎ」
京子「……」
結衣「いいから、大人しく寝てろ。返事もしなくていいって言ったろ」
京子「……」ギュウ
京子「なんで、結衣は……」
結衣「……」
京子「…友だちって、普通、ここまでやる……?」
結衣「……っ」
結衣「…友だちなら、デートもやんないだろ」
京子「するよ……友だちなら、女同士でも、デートくらい……」
結衣「それは冗談の範疇だろ」
京子「わ、私だって、冗談のつもりで……」
結衣「……」
京子「っ……」
結衣「私は、変わってないつもりだけど」
京子「……なにがさ」
結衣「京子を守るって。もう、守られるほど弱くないかもしれないけど」
京子「……」
結衣「でも、もしかすると最初から間違ってたのかもな……」
結衣「……友だちだから、とか。あの頃はそんなこと、考えてもなかったし」
京子「……好きとか嫌いとか、意識してなかったってこと?」
結衣「そうだよ。なんで京子のこと気にしてるのかなんて、考えたこともなかった」
京子「……っ」
結衣「だから私にとって、京子は京子だよ。好きとか嫌いとか、そういうの抜きにしても」
結衣「こうやって傍で見張ってないと、落ち着かないんだよ」
京子「……」ギュ…
京子「……ねぇ、結衣」
結衣「…話しすぎたな。いいから、おまえは寝て」
京子「私が好きって言ったら、どうするの……?」
結衣「っ……」ビクッ
京子「……知ってたくせに。結衣のばか」
結衣「……そんなの」
結衣「どうしようも、ないだろ……」
京子「私、結衣が思ってるほど、強くなんてないよ……」
結衣「……」
京子「ずっと、結衣に甘えたままじゃ、結衣を困らせちゃうかなって……」
京子「そう思って、だから強くなろうって……っ」ジワ
結衣「……気にしすぎだ、ばか」
京子「だ、だって……っ」
結衣「いいから。今は、風邪で弱ってるんだよ」
京子「っ……」
結衣「だから少し、人恋しくなってるだけだ」
京子「…そうやって、なかったことにするの……?」
結衣「これ以上は、どうしようもないだろ。私たちは、同性で……」
京子「なら突き放してよっ! なんで優しくするのさ……っ」
結衣「……っ」
結衣「……ごめん、な」
京子「あ、謝んないでよぉ……ばかぁ……」グス
結衣「私のせい、だよな……私が、余計なことしちゃったから」
結衣「京子を守る、とか……あんなこと……」
京子「そ、それは違うじゃんっ! 結衣と出合わなかったら、私はっ……」
結衣「私が、男だったら良かったのに……っ」
京子「っや、やだよっ! 私、結衣が女の子でも、結衣のことっ―――」
ガコッ
結衣「っ……!?」バッ
京子「え……」
結衣「……っ」
京子「……だ、大丈夫だよ。たぶん、郵便届いただけ……」
結衣「……」
結衣「……京子は、いいのか?」
京子「え……」
結衣「言えるのか……? おばさんや、おじさんに」
結衣「……私のこと、好きだって」
京子「そ、それは」
結衣「私たちじゃ、子供も産めないのに……」
京子「っ……」
京子「……結衣は、」
京子「結衣のお父さんは、絶対、許してくれないよね……」
結衣「…あの人のことはいいよ。それに、京子の方だって」
京子「わ、私の方はたぶん、大丈夫だよ……」
京子「……相手が結衣なら、ダメとは言わないと思う」
結衣「本当にそう思うか……?」
京子「……」
結衣「……私は、止められると思う」
結衣「というか、それが普通だろ……」
京子「っ……」
京子「……も、もし両親に反対されても、私はっ」
結衣「私は、わかんないよ」
京子「ゆ、結衣…?」
結衣「京子のことは、大切だけど」
結衣「でも、両親に反対されて、反発して、人目も避けて、」
結衣「それでもまだ京子のこと、大好きって……」
京子「ゆい……」ギュ…
結衣「……」
結衣「……私は、自信ないよ」ギュ
京子「っ……」ジワ…
結衣「でも、だからって離れてったりはしないから」ナデナデ
結衣「だから、おまえは安心して寝てろ」
京子「わ、私は、結衣と……っ」グス
結衣「京子の方から離れていかない限り、私は京子の傍にいるから」
京子「っ……ゆ、結衣はっ、ずっと一緒にいてくれるの……?」
結衣「ああ。京子のこと、大切だから」
京子「……私が、結衣のこと好きって言っても…?」
結衣「っ……」ズキッ
結衣「それ、は……その……」
結衣「……少し困る、けど」
京子「っ……!」ビクッ
京子「わ、わたしっ、我儘言わないから……っ!」バッ
結衣「お、おい京子っ」ット!?
京子「だ、だから私と、一緒にいて……」
京子「お願い……結衣がいなきゃ、私……っ」ジワッ…
結衣「……ばか。そんなの、当たり前だろ」ギュウ
京子「ぁ……」
結衣「……でもいつか、私の代わりになる人を、ちゃんと見つけるんだぞ?」ナデナデ
京子「ぅ……う、ん……」ズキッ
京子「……」スースー
結衣「(……寝付いたかな)」ホ…
結衣「……ほんと、私はどうしたいんだろうな」
結衣「あんなこと、言っといて……」
結衣「(本当に京子が、私の代わりを見つけたら……)」ズキッ
結衣「……嫉妬するんだろうな、私は」
結衣「馬鹿みたいに、怒鳴りつけたりするかもな」アハハ…
京子「……ん」スースー
結衣「京子……」ナデナデ
結衣「……私も、大好きだよ。バカ」ズキッ…
京子「……」スースー
ガシャ タダイマー!
ガチャ
京母「あら、お休み中?」
結衣「はい……今は大人しく寝てます」
京母「ふふ、大人しくなるまでは大変だったか」アハハ
結衣「え。えぇと……?」アレ?
京母「あはは。うぅん、なんでもないから。今日はごめんねぇ、結衣ちゃん」
結衣「あ、いえ……こちらこそ、勝手に台所弄っちゃって……」
結衣「……冷蔵庫裏のお金も、借りちゃって大丈夫だったんですか…?」
京母「あぁうん、返さなくていいから。旦那のへそくりだし」
結衣「……」ソレハイイノカ…?
京母「たまにはこうやって削っとかないと。余計なことに使っちゃうでしょ? お金」
結衣「あ、あはは……」
京母「でもまぁ……」チラ
京子「……」スースー
京母「我が子ながら、気の抜けた寝顔ねぇ」プニプニ
結衣「……」ピク
京母「ん、してみたい? ほっぺプニプニ」ツンツン
結衣「え。い、いや別に……」チョットシテミタイ…
京母「あはは。ほら、触ってみなさいよ。若いからやっぱ弾力が違うわよ?」プニプニ
結衣「……」
結衣「……」ソローッ
結衣「……」…プニプニ
京母「ね、可愛いでしょ?」
結衣「……そうですね」ツン、ツン
京母「私の子だしねぇ」ウフフ
結衣「あはは……」プニプニ
京母「あー。でもほんと、結衣ちゃんがお嫁に貰ってくれると助かるんだけどなぁ」アハハ
結衣「え……」ドキッ
京母「あ、ごめんね。結衣ちゃんもお嫁にいきたいよねぇ、やっぱり」
結衣「や、その。それは、別に……」
京母「あぁ、まだわかんないか。先のことだしね」
結衣「……そう、ですね」
結衣「…というか、」
京母「ん? なに?」
結衣「私が、京子をお嫁にくださいって頼んだら、くれるんですか?」
京母「おぉう。なに、もしかして脈アリ?」ニヤニヤ
結衣「い、いやっ。そういうつもりじゃっ……」ビクッ
京母「あは、まぁ冗談だけどね」
結衣「ぁ。で、ですよね」アハハ…
京母「でもまぁ、京子がどうしてもっていうなら、仕方ないかなぁ」
結衣「え……」ドキッ
京母「なーんて。まぁ、その時にならなきゃわかんないよ、そういうことはさ」
結衣「……そういうものですか」
京母「そーそ。子どもが思ってるほど、大人も考えちゃいないからさ」
京母「なにが正しいかなんて、結局は当人たちにしかわかんないんだし」
結衣「……」
結衣「そんなもんですか……」
京母「うん、そんなもんよ。だって、私もまだ若いし」
結衣「あ、あはは……」
京母「おっと、もうこんな時間か」チラ
京母「結衣ちゃん、夕ご飯食べてく? さっき食べ物買ってきたし」
結衣「あ、いえ。私はそろそろお邪魔しま……」
京母「子どもが遠慮しないの。今日は京子がいないから、奮発して高いお肉買ってきたし」
結衣「…な、なんかそれ違わないですか」
結衣「というか、私がそれ食べると後で文句言われそうなんですけど……」
京母「いやほら、弱ってるときこそ力つきそうなもの食べさせとこうかなって」
結衣「なら尚更、京子に食べさせてください……」
京子「ぅ……」ピク
京母「もう結衣ちゃんお堅いんだから。冗談だってば、そういうとこお父さんに似ちゃったのかなぁ」
結衣「それはあんまり言われたくないんですけど……」
京母「あら。いいお父さんじゃない、結衣ちゃん家のは」
結衣「……ちょっとツッコミが追い付かないですね」
京母「まぁ結衣ちゃんも思春期だし、難しい年頃よねぇ」
京母「でも大丈夫よ。父親と反りが合わないのは、年頃の女の子にはよくある……」
京子「ぅ……う、うるさいってばー……!」グシグシ
京母「よし結衣ちゃん。一緒にお夕飯作りましょう。そこでゆっくりお話の続きをry」
結衣「え、あ、あのっ。あ、アレ?」ズルズル…
京母「あー、そうそう」カチャカチャ
結衣「?」
京母「たまには帰ってきなさいって、お母さんから伝言」ザー
結衣「あぁ……はい」コトッ
京母「まぁ親としても寂しいのよ。こんなに早くから、子どもに自立されちゃうとさ」
結衣「……」
京母「だからまぁ、少しは向こうの顔も立ててあげなさいね?」
結衣「……はい」
京母「でも流石、一人暮らししてると違うわねぇ。京子なんか、ろくに片づけもしないけど」
結衣「いえ、私もそんな……」
京母「そんだけできてりゃ十分よ。今すぐお嫁にいっても困らないって」
京母「あぁいや、お父さんが許してくれないか」アハハ
結衣「……」
京母「ふふ。まぁ、若い子をからかうのはこのくらいにしときましょう」フフフ
結衣「……京子のお母さんも、十分若いですよ?」
京母「あら。前は私のことオバさんって呼んでなかった?」
結衣「い、いえ。……気のせいです」
京母「あははは」
京子「……」ジィィィィ
京母「あら。匂いにつられて起きてきた」
京子「……良いお肉の匂いがする」フラフラー
結衣「ほんとに匂いで起きたのかよ」
京母「あんたのぶんの雑炊も、もうできるから。待ってなさい」コトコト
京子「私のお肉は……?」
京母「雑炊に入ってるわよ。鶏だけど」
結衣「どんだけ肉食いたいんだよ……」
京母「ほんと、誰に似たのかしらねぇ」
京子「お母さんだよ……」
結衣「それじゃあお邪魔しました」
京母「えー。もうちょっとゆっくりしてけばいいのに」
結衣「いえ……明日も学校ありますし」
京母「あぁ、そりゃそうよね。なら仕方ないかぁ」
京子「……」グイ
結衣「……なんだ、その手は」
京母「ふふふ。なんかそうやってると小さい頃みたいね」アハハ
結衣「いやあの、笑ってないでなんとか……」
京子「……」ギュ
結衣「……これじゃ帰れないだろ…?」
京子「……む」ジィィィィ
結衣「……」
京母「こらこら。あんまり結衣ちゃん困らせちゃダメよ?」
結衣「多少ならいいんですか……」
京母「だって、全く頼られないのも寂しくない?」
結衣「ま、まぁ……」
京子「むぅ……」ジトォォォ
京母「ん?」
京母「…あらやだ。この子ったら、母親に焼き餅妬いてる」アハハ
結衣「え?」
京子「なっ!? やっ、妬いてないよっ!」カァァァ
京母「別に取りゃしないから安心しなさい」ポンポン
京子「だっ…! だからっ、妬いてないってばーっ!///」ポカポカ
結衣「え……え…?」アレ?
京母「おっと。それじゃ、明日は様子見て登校させるから。結衣ちゃんも帰り道、気をつけてね?」
結衣「あ、あぁ。はい、大丈夫です」ガチャ
京子「ぅ……」ビクッ
京子「……」ジー
結衣「……明日休んでても、放課後にはまた来るから」
京子「…ほんとに……?」ジィィ
結衣「ほんとだよ。だから京子も、今日はゆっくり休め」
京子「……」…コク
京母「あんまり甘やかしちゃダメよ? 弱ってるときに甘やかすと、際限なく甘えてくるから。それ」
京子「それって……。自分の娘だよ、それ……」
結衣「あはは……」
バタン
京子「……」グシグシ
京母「猫か、あんたは」
京子「……寝てる」
京母「あぁうん、それはいいけどさ」
京子「?」
京母「……あんまり、結衣ちゃん困らせちゃダメよ?」
京子「……」ピク
京子「…お母さんには関係ないじゃん」
京母「あるわよ。母さんだし」
京子「……」
京母「結衣ちゃんも、あんたと同じ中学生なんだから」
京子「……だから、なにさ」プイ
京母「できることとできないことがあるって話。いつまでも、あんたの王子様じゃいられないのよ、あの子も」
京子「そっ、そんなの、わかって……っ」
京母「まぁ、風邪で弱ってるときぐらい、甘えたくもなるだろうけどさ」
京母「今日のことは、留守にしてた私にも責任あるしね」
京子「……っ」
京子「……意味、わかんないし」
京母「ふふ。ま、結衣ちゃんがいてくれて良かったわね、って話よ」
京母「学校休んでまで看病してくれる友達なんて、中々いないわよ?」
京子「……」
京母「ふむ……」
京子「……寝る」プイ
京母「おう、寝ろ寝ろ。おやすみー」ヒラヒラー
京子「おやすみ……」フラフラー
京母「……えぇーと」キョロキョロ
京母「……」ピピ
京母「……あ、もしもし? うん、私だけど」
京母「そうそう、ちょっと前に結衣ちゃん帰したから。私が引き止めちゃってさ」
京母「んでね、さっきの話だけど……」
京母「…カマかけてみたけどさ。あれはダメかもしれんね」
京母「あぁ……う~ん、難しいところだけど……」
京母「ちょっと私らには、青すぎて立ち入れないかなぁ」アハハ
結衣「……」ボー
綾乃「あ、船見さんっ。あ、あのっ……」
結衣「…あ、綾乃。おはよ」
綾乃「う、うん。おはよう……そ、それで、歳納京子は……」
結衣「京子は今日は休むって。大事を取ってってことで」
綾乃「そ、そう……」シュン
結衣「治りかけは危ないっていうしね。でも、悪くなってるわけじゃないから」
綾乃「そう、ね……。それなら良かったわ……」ホ…
結衣「……」ボー
結衣「……」パタッ
千歳「…あ。船見さん、これ落ちたで?」ヒョイ
結衣「あ。……ごめん、ありがと」
千歳「? うぅん、ええよこんくらい」
結衣「……」
京子『お願い……結衣がいなきゃ、私……っ』
京母『でもまぁ、京子がどうしてもっていうなら、仕方ないかなぁ』
結衣「(……なに考えてんだろ、私)」
結衣「……」ハァ
結衣「(なんとなく部室来ちゃったけど……)」
結衣「(まだお昼だから、あかりたちも来ないよな……)」
結衣「……」
京子『私が好きって言ったら、どうするの……?』
京子『なら突き放してよっ! なんで優しくするのさ……っ』
結衣「京子から離れない限り、ずっと傍にいるよ、だっけ」
結衣「それって結局、生殺しだよな」アハハ…
結衣「……なにがしたいんだよ。私は」ギリッ
京子「……」ハァ
京子「(熱は下がったけど……)」
京子『……私が、結衣のこと好きって言っても…?』
京子『お願い……結衣がいなきゃ、私……っ』
京子「……私の、バカ」
京子「(……結衣は傍にいてくれるって、言ってくれたのに。あんな我儘言って……)」
京子「(……帰り際も、なんか駄々こねてたし。よく覚えてないけど)」
京子「……結衣だってあんな面倒な子、嫌だよね」ギュッ…
京子「(やっと、結衣と並んで歩けるくらい、成長したって思ってたのに……)」
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