私的良スレ書庫
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元スレあかり「君と好きな人が百年続きますように」

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>>438から再開
本当はもう、とっくの昔からわからなくなっていたのに。
結衣先輩への気持ちを、私はどうしたいのか。
確かに私の中にあったのは、結衣先輩を好きでいなくちゃいけないという妙な思いだけだった。
ちなつ「……っ」
雪が目に入って、少しの痛み。
それでも私の足は止められない。
京子先輩なんていつもいつも、面倒臭いし結衣先輩に迷惑ばっかりかけてるし――!
ついこの間の、私の言葉。
京子先輩に対しての、苛立ちや妬みがきっと、爆発してしまった瞬間。
けれど本当にあんなふうに思われているのは、私なんだと思う。
結衣先輩にも、京子先輩にも、たぶん、あかりちゃんにも。
結衣先輩への気持ちを、私はどうしたいのか。
確かに私の中にあったのは、結衣先輩を好きでいなくちゃいけないという妙な思いだけだった。
ちなつ「……っ」
雪が目に入って、少しの痛み。
それでも私の足は止められない。
京子先輩なんていつもいつも、面倒臭いし結衣先輩に迷惑ばっかりかけてるし――!
ついこの間の、私の言葉。
京子先輩に対しての、苛立ちや妬みがきっと、爆発してしまった瞬間。
けれど本当にあんなふうに思われているのは、私なんだと思う。
結衣先輩にも、京子先輩にも、たぶん、あかりちゃんにも。
あかりちゃんはでも、どんなときでも私の味方でいてくれた。
私がどんなに嫌な子でも、ずっとずっと傍にいて笑ってくれていて。
私はそんなあかりちゃんに、離れてほしくなかった。
ずっと一番近くに、いてほしかった。
あかりちゃんは結衣先輩のことを相談してくれるのが嬉しいんだぁと、
一度、そんなことを言ってくれたときがある。
あかり、なんでも協力するからね。
ずっとずっと、ちなつちゃんの味方だよ。
だから私も。
結衣先輩をずっとずっと好きでいなくちゃいけないし――
私がどんなに嫌な子でも、ずっとずっと傍にいて笑ってくれていて。
私はそんなあかりちゃんに、離れてほしくなかった。
ずっと一番近くに、いてほしかった。
あかりちゃんは結衣先輩のことを相談してくれるのが嬉しいんだぁと、
一度、そんなことを言ってくれたときがある。
あかり、なんでも協力するからね。
ずっとずっと、ちなつちゃんの味方だよ。
だから私も。
結衣先輩をずっとずっと好きでいなくちゃいけないし――
今日はクリスマス。
奇跡なんて、起こるわけもないけど。
あかりちゃんの「いってらっしゃい」が、私を急かした。
走りながら、ポケットを探る。
取り出した携帯を開け、感覚の無い指で結衣先輩の番号を押した。
もうすっかり覚えてしまっているのだ。
三回目の呼び出し音で、カチャリと音がした。
結衣『はい、もしも』
ちなつ「結衣先輩……!」
電話に出た先輩の声を遮るように、私は早口で用件を告げる。
「今から結衣先輩の家、行っていいですか!」
結衣『え、いいけど……』
ちなつ「あの……待ってて、待っててくださいっ!」
結衣『ちなつちゃん?』
ちなつ「すぐ、行きますから……!」
切らした息のままそう言って、一方的に電話を切った。
雨のような雪はいよいよ強くなっていた。
取り出した携帯を開け、感覚の無い指で結衣先輩の番号を押した。
もうすっかり覚えてしまっているのだ。
三回目の呼び出し音で、カチャリと音がした。
結衣『はい、もしも』
ちなつ「結衣先輩……!」
電話に出た先輩の声を遮るように、私は早口で用件を告げる。
「今から結衣先輩の家、行っていいですか!」
結衣『え、いいけど……』
ちなつ「あの……待ってて、待っててくださいっ!」
結衣『ちなつちゃん?』
ちなつ「すぐ、行きますから……!」
切らした息のままそう言って、一方的に電話を切った。
雨のような雪はいよいよ強くなっていた。
―――――
―――――
結衣先輩に会って、なにを言えばいいかなんて決めていない。
ただ、すっかりびしょびしょになってしまったプレゼントが、なぜかあかりちゃんのことを
思い起こさせて。
好きです、結衣先輩。
そう言ってしまえば、きっと、結衣先輩は悲しそうな顔をして「ごめんね」
そう答えるだろう。
一緒にいさせてください。
そう言えばきっと、結衣先輩も京子先輩も、にこにこと私を受け入れてくれるはずだ。
二人とも、本当は京子先輩だって、優しい人だから。
けれど、どちらにしても。
好きですと言ってしまえば私の恋は終わってしまう。
きっと、あかりちゃんは私といてくれなくなるだろう。
一緒にいさせてください、そう言ったとしたって。
あかりちゃんは、悲しそうな顔をするのだ。
―――――
結衣先輩に会って、なにを言えばいいかなんて決めていない。
ただ、すっかりびしょびしょになってしまったプレゼントが、なぜかあかりちゃんのことを
思い起こさせて。
好きです、結衣先輩。
そう言ってしまえば、きっと、結衣先輩は悲しそうな顔をして「ごめんね」
そう答えるだろう。
一緒にいさせてください。
そう言えばきっと、結衣先輩も京子先輩も、にこにこと私を受け入れてくれるはずだ。
二人とも、本当は京子先輩だって、優しい人だから。
けれど、どちらにしても。
好きですと言ってしまえば私の恋は終わってしまう。
きっと、あかりちゃんは私といてくれなくなるだろう。
一緒にいさせてください、そう言ったとしたって。
あかりちゃんは、悲しそうな顔をするのだ。
あかりちゃんの傍にいたい。
あかりちゃんといれば、私は安心できた。
でも、だからあかりちゃんが悲しそうな顔をするのは見たくなかった。
だったら私も、あかりちゃんも、離れればいいのだと。
わかってる。
大きく息を吐いて、私はようやく立ち止まった。
結衣先輩が私に気付いて「ちなつちゃん!」と名前を呼んでくれる。
その横に京子先輩もいて、手すり越しに「はやくはやく!」と。
濡れた髪からぽたぽたと冷たい雫が落ちていく。
あかりちゃんといれば、私は安心できた。
でも、だからあかりちゃんが悲しそうな顔をするのは見たくなかった。
だったら私も、あかりちゃんも、離れればいいのだと。
わかってる。
大きく息を吐いて、私はようやく立ち止まった。
結衣先輩が私に気付いて「ちなつちゃん!」と名前を呼んでくれる。
その横に京子先輩もいて、手すり越しに「はやくはやく!」と。
濡れた髪からぽたぽたと冷たい雫が落ちていく。
いつまで経っても階段を上ろうとしない私に、痺れを切らしたのか京子先輩のほうから
私へ走りよってきた。
京子「ちなつちゃん、どうしたの!?」
ちなつ「……京子先輩」
その後ろから、傘を持って走ってくる結衣先輩。
「京子、滑るぞ!」と。
ちなつ「……」
私は、弱虫だ。
肝心なところで何も言えなくなる。
ちなつ「クリスマスプレゼントです!京子先輩と、結衣先輩に!」
京子「へ?ちょ、ちょっとちなつちゃん!?」
私へ走りよってきた。
京子「ちなつちゃん、どうしたの!?」
ちなつ「……京子先輩」
その後ろから、傘を持って走ってくる結衣先輩。
「京子、滑るぞ!」と。
ちなつ「……」
私は、弱虫だ。
肝心なところで何も言えなくなる。
ちなつ「クリスマスプレゼントです!京子先輩と、結衣先輩に!」
京子「へ?ちょ、ちょっとちなつちゃん!?」
戸惑う京子先輩に、濡れてしまったプレゼントの袋を押し付けると、私はくるりと
踵を返した。
もう、走る元気もなかったけれど。
結衣先輩には、あかりちゃんに選んでもらったマグカップ。
京子先輩には、私が選んだ、もう一つのおそろいのマグカップ。
私ってば、なんて中途半端なんだろう。
結局、結衣先輩への気持ちを諦めることもあかりちゃんから離れることも、
できないのだ。
じわりと歪んだ視界で、滑った身体が前へ倒れる。
痛かった。
踵を返した。
もう、走る元気もなかったけれど。
結衣先輩には、あかりちゃんに選んでもらったマグカップ。
京子先輩には、私が選んだ、もう一つのおそろいのマグカップ。
私ってば、なんて中途半端なんだろう。
結局、結衣先輩への気持ちを諦めることもあかりちゃんから離れることも、
できないのだ。
じわりと歪んだ視界で、滑った身体が前へ倒れる。
痛かった。
ちなつ「……」
奇跡なんて、起きるわけもない。
結局私はこのままで。
誰を傷付けているのか、何に傷付いてるのかもわからないまま。
こんなとき傍にいてほしいと、頭に浮かんだのはあかりちゃんだった。
あかりちゃんのあったかな笑顔が見たかった。
立ち上がって、足を確認する。少しずつ積もっていた雪のおかげか、痛みのわりには
怪我は一つもない。
なんて悪運よ。
最低……。 ――ちなつちゃん?
ぼそりと呟いた私の声と、別の声が重なった。
奇跡なんて、起きるわけもない。
結局私はこのままで。
誰を傷付けているのか、何に傷付いてるのかもわからないまま。
こんなとき傍にいてほしいと、頭に浮かんだのはあかりちゃんだった。
あかりちゃんのあったかな笑顔が見たかった。
立ち上がって、足を確認する。少しずつ積もっていた雪のおかげか、痛みのわりには
怪我は一つもない。
なんて悪運よ。
最低……。 ――ちなつちゃん?
ぼそりと呟いた私の声と、別の声が重なった。
出来ればスレタイの補完も頼む!
>>424だけじゃ寂しいだろ
>>424だけじゃ寂しいだろ
ばっと顔を上げた。
あかりちゃんが、いた。あまりにもぼろぼろな私に、神様が同情でもして幻でも
見せてくれたのかと疑ってしまったけれど、確かに、あかりちゃんだった。
あかり「ど、どうしたの……?」
ちなつ「あかりちゃんこそ……!」
言いかけて、辺りを見回した。
自分でも気が付かないうちに、あかりちゃんの家の近くまで来てしまっていたらしい。
私ってばまるで、無意識に京子先輩を追いかける結衣先輩みたい――
あかり「あ、風邪、引いちゃうよ!」
一瞬の間のあと、あかりちゃんははっとしたようにそう言って、鞄から何かを取り出した。
折り畳み傘だった。
「もってきといて良かったよぉ」と笑いながら、あかりちゃんは小さなその傘を私に
差しかけてくれた。
あかりちゃんが、いた。あまりにもぼろぼろな私に、神様が同情でもして幻でも
見せてくれたのかと疑ってしまったけれど、確かに、あかりちゃんだった。
あかり「ど、どうしたの……?」
ちなつ「あかりちゃんこそ……!」
言いかけて、辺りを見回した。
自分でも気が付かないうちに、あかりちゃんの家の近くまで来てしまっていたらしい。
私ってばまるで、無意識に京子先輩を追いかける結衣先輩みたい――
あかり「あ、風邪、引いちゃうよ!」
一瞬の間のあと、あかりちゃんははっとしたようにそう言って、鞄から何かを取り出した。
折り畳み傘だった。
「もってきといて良かったよぉ」と笑いながら、あかりちゃんは小さなその傘を私に
差しかけてくれた。
しとしとと降り続いていた雪が、途切れた。
その代わり、今まで全身を包んでいた冷たさが急に存在感を発してきたようだった。
ちなつ「ありがと……って、なんか今日はお礼言ってばっかだね、私」
あかり「えへへ……」
ちなつ「……あかりちゃんも濡れちゃうよ」
ただ笑っただけのあかりちゃんの手を、私はぐいっと引っ張った。
小さな傘で二人とも濡れないようになんてとても無理だろうけど。
「あかりはいいよぉ」と慌てるあかりちゃんに、ふるふる首を振る。
傘が小さくてよかった、そんなことを考える。
すぐ近くにあかりちゃんの存在を感じられて。
その代わり、今まで全身を包んでいた冷たさが急に存在感を発してきたようだった。
ちなつ「ありがと……って、なんか今日はお礼言ってばっかだね、私」
あかり「えへへ……」
ちなつ「……あかりちゃんも濡れちゃうよ」
ただ笑っただけのあかりちゃんの手を、私はぐいっと引っ張った。
小さな傘で二人とも濡れないようになんてとても無理だろうけど。
「あかりはいいよぉ」と慌てるあかりちゃんに、ふるふる首を振る。
傘が小さくてよかった、そんなことを考える。
すぐ近くにあかりちゃんの存在を感じられて。
あかり「……ちなつちゃん、結衣ちゃんたちは」
ふいに、あかりちゃんが言った。
傘にも雪が積もり始めたのか、雪の重さで私たちを守っている傘が小さく揺れた。
ちなつ「……プレゼントあげて」
あかり「うん……」
それで。
その後の言葉が、続かなかった。
あかりちゃんはもう、なにも聞かなかった。
ただ、「帰らなきゃ」
そうあかりちゃんの声が聞こえたときには、私はあかりちゃんの背中に、縋っていた。
ふいに、あかりちゃんが言った。
傘にも雪が積もり始めたのか、雪の重さで私たちを守っている傘が小さく揺れた。
ちなつ「……プレゼントあげて」
あかり「うん……」
それで。
その後の言葉が、続かなかった。
あかりちゃんはもう、なにも聞かなかった。
ただ、「帰らなきゃ」
そうあかりちゃんの声が聞こえたときには、私はあかりちゃんの背中に、縋っていた。
あかり「……ちなつちゃ」
私は結衣先輩が好き。
あかりちゃんは。
ちなつ「もし、私が結衣先輩に振られても」
あかり「……へ?」
ちなつ「振られちゃったとしてもね、あかりちゃんは」
あかりちゃんは、私から離れない?
私と一緒に、いてくれる?
私は結衣先輩が好き。
あかりちゃんは。
ちなつ「もし、私が結衣先輩に振られても」
あかり「……へ?」
ちなつ「振られちゃったとしてもね、あかりちゃんは」
あかりちゃんは、私から離れない?
私と一緒に、いてくれる?
あかり「……ちなつちゃんは、振られないよ」
あかりちゃんは言った。
縋りついたあかりちゃんの背中は、冷たかった。
あかり「だって、ちなつちゃんが振られるわけないもん」
ちなつ「なんで……」
あかり「そうじゃなきゃあかりは……!」
あかりちゃんは言った。
縋りついたあかりちゃんの背中は、冷たかった。
あかり「だって、ちなつちゃんが振られるわけないもん」
ちなつ「なんで……」
あかり「そうじゃなきゃあかりは……!」
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