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    元スレ男「ただいま」 猫「ああ、お邪魔してるぞ」

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    タグ : - メイド + - 妖怪 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    「ああそうです・・・か?」

    「・・・」

    「・・・ええと、どちらさまで?」

    「いや猫だが」

    「いや猫は喋らないと思いますが」

    「化け猫だが」

    「・・・化け猫ですか」

    2 :

    しゃべったあああああああああ

    3 :

    猫が♂なら期待

    4 :

    人間の姿にならないなら評価しよう

    5 = 1 :

    「猫って喋る・・・わけないしなぁ」

    「現実を見ろ若者よ。現にこうしてコミュニケーション取れているだろうに」

    「いやそうはいっても、猫だし」

    「猫『さん』だたわけ。目上に対してそれくらいはしろ」

    「目上・・・?」

    「こう見えて、もう何百年も生きてるからの」

    「妖怪レベルじゃないですか」

    「だから妖怪なんだというのに」

    6 :

    >>4
    >>4
    >>4

    8 = 1 :

    「いや妖怪なんてそんな」

    「バカな、などと抜かすなよ人間。勝手に我々を忘れたのはお前たちの方だ。最近の人間は礼儀を知らん」

    「はぁ・・・?」

    「ここ数百年の間に随分と我らも忘れられたものよ。やれ雪女だやれ天狗だと騒いでいたあの人間が」

    「ええと、それで、その化け猫さんが、なんで俺の家に?」

    「戸締りくらいちゃんとしておくんだな。窓が開いておった」

    「ああ、そういえばそうだったかも・・・」

    「今回は猫で助かったやも知れぬが、次はくせ者かも知れぬ」

    (何で猫に説教されてるんだろ・・・)

    9 = 1 :

    「まぁ勝手に入った私も褒められたものではないがな」

    「はぁ・・・」

    「・・・しかしお前、なぜ驚かぬ」

    「は?」

    「人間の常識的に考えて、猫が喋ったら驚くか気絶するものじゃないのか」

    「いや驚いてますけど・・・。驚きすぎて振り切れてるというか」

    「ふうむ。存外、人間というのは感情豊かだと思っておったが・・・。そうでもないのやもしれぬな」

    「うーん、どういう状況だろう、これ」

    10 :

    ソファの上でもったりしながら説教してると思うと萌ゆる

    11 = 1 :

    「猫に話しかけ続ける人間の図というのは、面白いのかも知れぬな」

    「まぁ・・・他に話相手もいませんし。どうやらホントに喋れるようなので」

    「む・・・?一人暮らし、というやつか」

    「そうです」

    「妙な話だ。つい数十年前まで、家族と家を共有するのは当然のことだったのにの」

    「あー、今もそれ割りとメジャーですよ」

    「ではなぜお前は一人だ」

    「なぜ、といわれても・・・。大学生の一人暮らしなんて、珍しくもないですよ」

    「大学生・・・。確か、学生の一つの位だったな」

    「ええまぁ。このアパートなんて学生しか住んでませんし」

    12 = 1 :

    「若者が勉学をすることが出来る環境・・・。いい時代になったものよ」

    「そうですか?」

    「つい数十年前は、お前のような若者が戦っていたのだ。それもあちこちでな」

    「見てきたようにいいますね」

    「見てきたさ。そういう若者も、今の若者もな」

    (しかし、夢にしては随分リアルな話だな・・・)

    「ところで、私は少し小腹が空いたのだが」

    「小腹が」

    「何か食べ物はないかの。いや、あつかましい願いかも知れぬが、ここ数日、何も食べていないのじゃ」

    13 :

    話進まねえなー

    14 = 7 :

    どこにどうやって進めるんだよw

    15 = 1 :

    「ええと、さすがにキャットフードはないですけど・・・」

    「あれはどうも好かぬ。なにやら飼いならされている気がしてならん」

    (いやそうなんだと思うけど・・・)

    「ああ、鰹節ならあったかと」

    「鰹節とな。鰹は好物じゃ」

    「ああ、あと今日食べようと思っていた刺身が少し」

    「刺身・・・。久しぶりに聞いた言葉じゃ。分けてくれるのか」

    「ええまぁ・・・。どうせ夢だしな・・・」

    「何か言ったか?」

    「いえ別に」

    16 = 1 :

    「しかし、随分毛艶のいい猫ですね」

    「褒めているのか?私を誰だと思っておる」

    「猫『さん』」

    「なにやら納得がいかぬがまぁよいか。神格化を遂げれば、毛並みなど乱れようもない。保たれたままよ」

    「・・・?」

    「まぁ分からずともよい。しかし、この刺身はなかなかいけるの。まともにこんなものを食べたのはいつ以来だったか」

    「スーパーの安物ですけど」

    「変わらぬさ。命は命だ」

    (難しいこという猫だな・・・)

    17 = 1 :

    「馳走になった」

    「いえいえ」

    「人間に物を捧げてもらうなど、久しいからの。腹も膨れた」

    「そんな大げさな・・・。俺はただ分けただけで」

    「人間もまだ捨てたものではないということよな。そうでなくては私が報われぬ」

    「?」

    「なぁ人間。お前は妖怪を信じるか?」

    「さぁ・・・。考えたこともないです」

    「だろうな。我々も忘れられてしまって久しいからの・・・。他の連中が躍起になるのも分からんでない」

    「・・・」

    「お前が私のことを夢だと思うのは勝手だぞ」

    「!」

    「だがそれはお前たちの勝手な理屈だ。忘れるなよ、我々はこうしてまだ生きているのだから」

    18 = 1 :

    「・・・」

    「なぜ分かった、といいたげな顔をしておるな。分かるさ、人間の考えることだ」

    「・・・」

    「夢と現実、科学と妖怪。私は何百年も生きて、人間を学んだからな」

    「夢ではない、と」

    「どう思うかはお前の勝手だ。だが私はしばらくここに居候させてもらう。明日目を覚ましても、喋る猫はここにおるわ」

    「・・・居候」

    「迷惑かの?それでも構わんさ、だがこちらにも事情がある。追い出されても、この近辺にはい続けるぞ」

    19 :

    俺んちにもこんな猫さん来ないかな

    20 = 1 :

    翌朝

    「なんだかすごくひどい夢を見ていた気がする」

    「そうか?随分安らかな寝顔だったと思うが」

    「」

    「夢ではないといったろうに。現実のギャップに拒絶するのはもう止したらどうだ」

    「あー・・・。おはようございます、ネコさん」

    「うむ。今日はいい天気だぞ。勉学に励むがいい若者」

    21 = 1 :

    大学

    「・・・」悶々

    「随分深刻な顔してるぞ。どうかしたのか」

    「なぁ、猫ってさ、喋るかな」

    「・・・。ああ、喋るんじゃないか?お前の中では」

    「まぁそういう反応だよな普通」

    「どうしたんだよ、また妙な夢でも見たのか?」

    「・・・」

    「なんだっけ?この前は雪女が暴れる話で、次は吸血鬼が血をすう話だったか?メルヘン名夢見るよなお前は」

    (今回のは現実なんだけどな・・・)

    「夏目漱石の読みすぎ、かもな・・・」


    「・・・」

    22 = 1 :

    「ああそう、そういえばチャラ男のやつ、また彼女できたんだってさ」

    「へぇ、じゃああいつ今付き合ってるのか」

    「ああ、でもあいつは遊び人だからな、また女泣かせるに違いない」

    「なんでそんなやつに引っかかるかな」

    「顔はいいし背もでかい。オマケにファッションセンスや髪型も今時だからな。そういうもんだ」

    「ふうん」

    「お前はどうなんだよ、そういう話」

    「皆無だね。そもそも人と話をしないし」

    「寂しい大学生だぜ」

    「お前が言うか」

    23 = 1 :

    「じゃ、俺次講義だから」

    「ああ、じゃあな」

    (彼女ねぇ・・・。いやそれより、あの喋る猫の方が先か・・・)

    (図書館に行けば、そういう文献あるかもしれないな。行ってみるか)


    図書館

    史書「化け猫についての資料?」

    「ええ、ちょっと調べたいので」

    史書「化け猫ねぇ・・・。閉架書庫にあるかもしれない」

    「閉架書庫に・・・?」

    史書「古い文献は基本的にあそこにあるから。入場手続きしてみたらいいと思うよ」

    24 = 1 :

    図書館B1 閉架書庫

    「古い本ばっかり・・・。妖怪関連の本は・・・随分奥の方にあるな」

    「ここか。埃たまってる、誰も見てないって事か」

    ぺら・・・

    「よ、読めない・・・。いつの本だこれ・・・」

    『明治三十六年・・・』

    「ダメだこりゃ」

    25 :

    ニャンコ先生の声で再生中

    27 = 1 :

    男 自宅

    「ただいま・・・」

    「む、帰ったか。ちょうどよかった」

    「ああ、まだいたんですねネコさん」

    「当然だ。それよりこのテレビとかいうやつを点けてくれ。どうやればつくのか分からぬ」

    「ええと、このリモコンのここを押すんです。チャンネルはここで変わりますから・・・」

    「なんと、そんな便利なものが・・・。私はてっきり、故障かと思って叩いてしまっていた」

    「・・・画面が肉球のあとだらけなのは、それだからか・・・」

    「むかし人間の女がばしばし叩いているのを見ておったからてっきり・・・」

    28 :

    しえん

    29 :

    自己主張はほどほどにしとけよ

    30 = 1 :

    「でもネコさんテレビなんて見て、分かるんですか?」

    「うむ。人間社会の今が見えるのは楽しいものだぞ。よくもまぁ、こんなに毎日ニュースが絶えないものだ」

    「まぁ、事件とか経済とかの話が大半ですから」

    「経済ね・・・。何がしたいのかよくわからぬよ私には」

    「そうなんですか?」

    「そうだろう」

    「・・・?」

    31 = 1 :

    「ま、そんなことは人間が考えればよい。私には知らぬ」

    「はぁ?」

    「猫に金は必要ないからの。ほれ、飯はまだかの?」

    「ああ、今日は缶詰を買ってきましたよ。これならネコさんの口に合うかと」

    「ほう、楽しみだの」

    「ところでネコさん、化け猫ってなんなんですか」

    「何、とは?」

    「ええと、どういう存在なのかな、って」

    33 :

    フェイ

    34 = 1 :

    「見た目は猫、しかし中身は化け物だ。ただそれだけだ」

    「化け物」

    「そうだろう。まともな猫なら口を利いたり化けたりできぬ」

    「化けれるんですか」

    「疲れるからやらんがの。人間に化けるくらい造作ない」

    「他には何が出来るんですか」

    「さぁな。お前は自分の能力、才能を把握しておるのか?それと同じよ、私にだってそんなこと分からぬ」

    「そういうものなんですか」

    「ああ、口は利ける。化けることも出来る。あとは長寿だ。そのくらいしか知らぬ」

    36 = 1 :

    「私とて昔は普通の猫だったのだがな。何の因果か、こんな風になってしまった」

    「こんなふう?」

    「存外退屈なのだよ、この身も。昔は随分祭られたものだが、今はそんなことまったくないしの」

    「祭る?」

    「ええい、質問ばかりだのお前は。私はテレビに出る人間とは違うのだぞ」

    「はは、そうでしたね」

    「私からも質問をさせろ。お前、なぜそういう目をしておる」

    「は?」

    「満たされぬというか、退屈というか。目の奥で、不満がたまっておるぞ」

    「・・・さぁ、何のことでしょう」

    37 = 1 :

    「閉塞した目をしておる」

    「そう見えますか」

    「何がそんなに不満なのじゃ」

    「いえ、そんなことないですよ。特に何も思ってませんから」

    「・・・」

    「さ、出来ましたよ。食べましょうか、今日の晩飯」

    「・・・うむ」

    39 :

    雪女が暴れる話って、雪娘「そろそろ本気出すね」ってやつ?

    40 = 1 :

    テレビ『今日午前、X市で身元不明遺体が発見され・・・』

    「なぁ人間」

    「なんですか」

    「なぜこういう、暗いニュースしか流れぬのじゃ?さっきから明るいニュースがまったく流れんぞ」

    「明るいニュース・・・?ああ、そういえばないですね」

    「やれ殺人、やれ背広着た人間同士の揚げ足の取り合い、やれ誘拐事件・・・。嫌な話題しかない」

    「明るいニュースなんてないですよ。あっても、報道されません。誰も気にしませんから」

    「ほぉ、ならお前は昨日起きた事件など覚えておるのか?それも気にしてないのではないか?」

    41 = 1 :

    「それは・・・」

    「ま、猫には関係のない話よ。それよりこのカンヅメとやら、なかなかいけるぞ」

    「それはよかった」

    「刺身もいいが、これもいける。認識を改めねばの」

    かりかり・・・

    「?」

    「む・・・、来たか」

    白猫「なー」

    「友達ですか?」

    「仲間だ。すまぬが少し出てくる。窓を開けておいてくれ」

    「構いませんけど・・・?」

    「会合があるのだよ。我々にも色々あるのだ。ではの」

    白猫「なー」

    「・・・いってらっしゃい」

    42 :

    ミーちゃんです

    43 = 1 :

    某所

    「ふむ、皆集ったの」

    猫一同「・・・」

    「さて、雪女の決起、そして吸血鬼の進入。天狗の一派や狐どもも妙な動きを見せておる」

    隻眼の猫「どうされるつもりで?」

    「どうもせぬ。我らは彼らの決起には関係がない。好きにさせるがいい」

    隻眼の猫「しかし、それでは我らの存在が忘れられるばかりではないですか」

    「かもしれぬな」

    トラ猫「ニャーッ!!」

    ブチ猫「うにゃあ」

    白猫「なー」

    隻眼の猫「人間が我らを忘れれば、我らだけでなく妖怪全体が滅びてしまいます」

    「・・・」

    隻眼の猫「神格化を遂げる猫も減少する一方ではないですか」

    44 = 1 :

    「人間との共存は不可能ではあるまいよ」

    隻眼の猫「・・・」

    「人間が我らを忘れるというのなら、それも仕方のないことじゃ。ここで我らが人間に歯向かうことに意味はない」

    猫たち「・・・」

    「ひっそりと生きるのもまた一つの手だとは思うが」

    家猫「・・・うなー」

    子猫「?・・・?」

    親猫「・・・なー」

    隻眼の猫「しかし・・・」

    白猫「なー。うなうにゃ。なー」

    隻眼の猫「それはそうだが・・・」

    「シロの言うとおりじゃ。どちらにせよ人間には勝てぬよ。ならうまく生きるのが猫本来のいきかたじゃな」

    46 = 7 :

    しえん

    47 = 1 :

    隻眼の猫「・・・」

    「マサムネ、確かにお前の言い分も分かるのじゃ。二百年前にお前が神格化してから、化け猫は現れぬ」

    白猫「うなぁ・・・」

    「人間は嫌いか?」

    隻眼の猫「・・・いえ」

    「なら、それでいいだろう」

    白猫「・・・」

    「シロ、マサムネを頼むぞ」

    白猫「なー」

    隻眼の猫「・・・俺は・・・」

    白猫「・・・なー」

    隻眼の猫「・・いや、あの方は正しいよ。それは間違いないさ・・・」

    48 = 1 :

    「ただいま」

    「ああ、おかえりなさい」

    「少しくたびれたの・・・。すまぬが横にならせてもらうぞ」

    「ああ、どうぞ」

    「なぁ人間」

    「なんでしょう」

    「お前は、誰かに忘れられたら嫌かの?」

    「・・・?難しい質問ですね」

    49 = 1 :

    「確かに嫌ですけれど・・・。仕方のないことだと思います」

    「ふむ?」

    「いつか忘れちゃうものですから、人間なんて」

    「・・・そうかもしれんな」

    「さて、そろそろ寝ますか」

    「ああ。おやすみ」

    「はい」

    ・・・深夜

    「・・・ん?」

    「zzz」

    (重いと思ったら・・・。俺の上で寝てるし)

    50 = 1 :

    翌日 大学

    「そうそう、三丁目にタバコ屋あるじゃん?」

    「あの古くて、片目の無い猫のいる?」

    「そうそう、そこのばあちゃんさ、入院するんだってさ」

    「じゃあタバコ屋は?」

    「息子がやるらしいんだけど、あそこも古いだろ?店畳んじゃうって話だ」

    「そうなのか」

    「昔から世話になってる店だから、残念なんだけどなぁ」

    「ふうん・・・」


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