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    元スレ美也「にぃにー! あっさだよ-?」

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    151 = 87 :

    中多(……とりあえず、そろそろ戻ろう…美也ちゃんも心配してるだろうし…)こそこそ…

    中多「……このネタも、忘れないうちにメモっておこうっと」にこにこ

    教室

    森島「──うん、そろそろ離していいよ。橘君」

    「え? あ、ああすみません…! まだ抱きついたままでしたね……!」ばっ…

    森島「え、私もっと抱きついてもらってても構わないけどなぁ?」

    「か、勘弁してください…! 僕だってはずかしいですよ…!」

    森島「冗談よ。本気にしちゃって……かーわい」

    「からかわないでくださいよ先輩……!」

    森島「ふふ……えっとそれで、どうして急にカチューシャが欲しいっていってきたの?
       女装が嘘だったなら、何か別に意味があったのかしら?」

    「え、ええっとそれは……その…」

    森島「?」

    152 = 87 :

    「と、特に意味は無かったりするんですけど───」


    「きゃあああああああ…!!?」


    森島「──え、橘君これって…っ」

    「どこかで悲鳴が、聞こえましたよね……?」

    森島「近くだわ! 行きましょ橘君!」だっ

    「は、はい……!」だっ

    階段

    中多「え、だだだ大丈夫ですか……っ?」

    「う、うう……」

    「──あ、あれっ? 紗江ちゃん……!?」

    中多「しぇ、しぇんぱっぁあああああい…! あ、歩いてたら…そこに人が倒れてて…!」

    「じゃ、じゃあさっきの悲鳴は紗江ちゃん……?
       でも誰が倒れてて───」

    「──どうやら、貴方は無事のようね……橘君……っ」

    「──え、あ、絢辻さん……!?」

    153 = 87 :

    「え、どうしたのさ!? 具合でも悪いの!?」

    絢辻「ち、ちがうわ……ちがうの、橘君……っ」

    「何が違うっていうんだよっ……先輩、どうか保健室の人を……っ」

    森島「わ、わかったわ……えーと保健室は……っ」

    「このまま下りて一階の廊下の突き当たりです!」

    森島「ありがと橘君! じゃいってくるね!」だっだっだ…!

    「──あ、絢辻さん……!本当に大丈夫……!?」

    絢辻「大丈夫に見えるの貴方は…っ? ものすごく大変よ……」

    「みえないよ! 絢辻さん、顔が真っ青だもん…!」

    絢辻「だから、そうじゃないの……あ、あたしが大変なんかじゃない……
       …おかしいわけじゃない…そんなの、貴方でも分かってるはず…っ」

    「そ、そりゃそうだけど……!絢辻さんは強い子だけど、それでも…!」

    絢辻「──とにかく、きいて……たちばなくん…っ!
       どうかあたしが忘れないうちに……貴方に伝えておくわ……!」

    155 :

    「つ、伝えておく…?わすれないうちに…?
       何をいってるの絢辻さん……?」

    絢辻「黙って聞いて──今ここで、森島先輩を外させたことは行幸よ…橘君。
       あの人のおかげで気付いたし…それに、あの人には聞かせてはだめ…」

    絢辻「良く考えて聞いてちょうだい……貴方は、この一カ月の間…
       なにかがおかしいと思わなかった…?」

    「え……おかしいことだらけで、むしろ普通のことがなかったきがするけど…?」

    絢辻「──正解よ、橘君…ほんとうにここ最近は…おかしいことばかりだった。
       貴方にとってはそうだったし…あたしにとっても、それは正解…」

    絢辻「でも、でも……あたしたちは見逃していた……いちばん身近なことを…
       あたしでさえ気付けないでいた──いや、気付かせないようにされていた…」

    絢辻「……この世界の、不具合……」

    「不具合…? なにをいってるの…?」

    絢辻「はぁっ……はぁっ…うっ……な、なるほど…すこしわかってきた…
       ──あの歌は、誤差をなくすためのものなのね……っ…」

    「あ、絢辻さん…!?大丈夫?!」

    156 :

    どうなってんだよ

    157 = 70 :

    まだロミオ受けの可能性は残った…

    158 = 155 :

    絢辻「はぁっ……たちばなくんっ……ちゃんと森島先輩の記憶は取り戻したの…?
       それと、その記憶は色んな事を含まれてた……っ?」

    「う、うん…そうだよ。確かにそういった記憶だったけど…!」

    絢辻「そう、そうなの……橘君…貴方は最後の一人…」

    絢辻「──桜井さんの……フラグを絶対にたてなさい……!!」

    「最後のって……しかも、梨穂子……?」

    絢辻「あたしがわかるのは……この世界の不具合は、桜井さんのせい……だと思ってる…っ
       予想が正しければ、ちゃんとこれはあってるはず……うっ……」

    「絢辻さん……!?」

    絢辻「うろたえないの……いい、きいてね橘君…この世界は、おかしい。
       誰かが望んでそうなってると思うほどに、都合がいい風になってる…!」

    絢辻「貴方はなぜ、色んな人と会話できたのか……それと…」

    絢辻「貴方がなぜ、そうやって頑張れるのかを……考えて…………」

    絢辻「……信じてるから……そうでしょう…?……大好きな、橘君なら……絶対に………」かく…

    「あ、絢辻さんっ? 絢辻さんってば!?」

    159 = 155 :

    絢辻 すぅー…すぅー……

    「ね、ねてる…? どうしたんだよ絢辻さん……急に変なこと言って…」

    中多「──せ、せんぱい……」

    「え……?あ、紗江ちゃん…どうしたの…?」

    中多「こ、この人が言ってた……不具合って……あるじゃないですか…?」

    「え、うん…それがどうしたの…?」

    中多「──わたし、その…日記を付けてるんですけど…少し、きになることがあって…
       ……自分が、あの趣味にハマりこんだきっかけが……書いてないんです…」

    「え、それってどういう…こと…?」

    中多「だ、だって……日記ですから、素直に思ってることをかいてるはずなんです…!
       で、でも……こんな大事な趣味を、その始めをかいてないだなんて…おかしいっておもってて…」

    中多「でも、今……その絢辻先輩の言葉を聞いて思いました……わたし、記憶がぬけおちたように……」

    中多「ある部分の期間の記憶が……ないような気が、します……」

    中多「しぇ、しぇんぱい……私はどういうことなのか…さっぱりで……」

    「さ、紗江ちゃん……そんな、気のせいじゃないよね…?」

    160 = 155 :

    うんこごめん

    161 :

    残ってたか

    支援

    162 = 139 :

    梨穂子黒幕ルートだと…!

    163 :

    そういや後編の最後に梨穂子に命令してたやついたな

    164 = 155 :

    中多「はい……気のせいじゃないと───」

    『はい、それでは今日はお昼の放送を始めたいと思います~』

    「──え、お昼の放送……?どうして、今はまだ朝じゃ…」

    『今日ならせていただくのは、桜井リホの新曲〝恋は何時でもとらぶりゅ~〟です!』

    ちゃらら~……

    「どうなってるんだ…確かにさっきまでは───」

    中多「……………」

    「──さ、紗江ちゃん…?どうしたの…?急に黙って……」

    中多「──えっ、あっ……なんでもないです……あれ? 私なんでここにいるの…?」

    「え、なにをいって───」

    中多「あ~! お、お昼の放送始まってる……美也ちゃんとご飯食べる約束が……!
       しぇ、しぇんぱい…!すみません!わたしはこれで…!」たったった…

    「え、あ、ちょっと紗江ちゃん……!?」

    「ど、どういことなんだ…?いきなり、紗江ちゃんがおかしくなったような…」

    「……くそ、よくわからないよ…絢辻さん。
       ──とりあえず…絢辻さんを保健室に連れて行かないと…」

    165 = 139 :

    166 = 155 :

    保健室

    「──よし、これでいいや……後はちゃんと布団をかぶせて…」

    絢辻 すぅー…すぅー…

    「……。先輩、森島先輩どこいったんだろう……保健室に行ったと、
       思ったんだけどな……」

    (……これは、どういうことなんだ…?
       みんななんだか急におかしくなって……いきなり変わってしまった…)

    (なにかが原因でそうなったのかな…?いや、でもそう感じるモノは無かった気がする…)

    「──絢辻さん、どうしたっていうのさ…馬鹿な僕じゃ、さっぱりだよ…」

    「なにも、なにもわからない……どうしてこうなったんだ…絢辻さん、どうか起きて僕を、
       こんな馬鹿な僕を怒ってよ……」

    「……………………」

    「……だめだよ、橘純一……これじゃだめだ…何を弱気になってる……!」

    「なにも僕だけじゃできないわけじゃない……そうだよ、僕は絢辻さんに言われていたじゃないか」

    167 = 155 :

    「『だから貴方がしっかりしないと、わかることもわからない』──そうだよ、僕は託されたんだ。
       絢辻さんはたぶん、決死の思いで僕にまで伝えに来たんだ……そのことを、ちゃんと思い出そう…!」

    「まっててよ、絢辻さん…僕は必ず、君が伝えようとしてくれたことをわかってあげる。
       ──そして、どうにかして答えを見つけるから!」

    「──それと、大好きって言ってくれてありがとう。僕も絢辻さんのこと大好きだからね…」

    「……よし、じゃあいっちょ気合入れて行くかなっ!」

    数十分後

    「…………」

    「うーん……」

    「そうだなぁ………うんうん───」

    「───ぜんぜんわからないよ……僕の脳みそじゃわかることも、分からなくなってる気がするよ…!」

    「──あ、そうだ!ここは頼りになるあいつがいるじゃないか!」

    「……でもなぁ、なんだかちょっと聞きにくいけど…」

    絢辻 すぅー…すぅー…

    「…うん。そんなこと言ってる暇なんてないよ、行かなくちゃいけないんだから」たったった…

    168 = 70 :

    さるよけ

    169 = 155 :

    教室

    「……なに、あんた。いっきなり土下座して」

    「……………すみませんでした」

    「いっみわかんないわよ。ちゃんと説明して」

    「何もご説明する事はありません。
       本当に心から謝罪の言葉しかないんです」

    「それが意味が分からないっていってんのよ。
      なに? あんた周りが見てんのに恥ずかしくないの?」

    「棚町さんに謝罪の気持ちに敵う感情は、今は持ち合わせていません。はい」

    「へー…そうなの。そしたらなに?あたしが命令で、女装しろって言ったら
      あんたはこの場ではじめてくれるの?」

    「ご命令であれば」

    「じゃあやりなさいよ」

    「…………」いそいそ…

    「ば、ばか!!ほんとうにするやつがある!?」ごん!

    「いだっ!?ええ!?」

    170 :

    紳士なら寝込んだ絢辻さんを嗅ぐとかあったろ!!

    171 = 155 :

    廊下

    「はぁー……ほんとってアンタ、羞恥心ってものを持ち合わせてないの?
      あたしまで教室に居られなくなったじゃないっ」

    「だ、だから言っただろ…? 僕は謝罪の気持ちしかないって。
       それが薫からの命令だったら、僕はなんだってするよ」

    「そうだとしても限度があるでしょ! ったく……もう、それでなんなの?
      いきなり土下座って事は、そうとうなことをがあったんじゃないの?」

    「……絢辻さんが、倒れたんだ…」

    「え? 絢辻さんが……? どうしてよっ?」

    「それは……僕にも分らないよ。でも、急に変なことを僕に言い伝えて、
       それで意識を失ったんだ……」

    「なによそれ……もうちょっと詳しく聞かせないさいよ純一」

    数分後

    「──なるほど、ね。世界の不具合……」

    「うん、そうなんだ。こればっかりはよくわからなくて…
       紗江ちゃんも気になることを言ってたし…なにかそれについてわかることある?」

    172 = 155 :

    「……そうね、特には無いけれど…でも、なんで急にそんなことを言ったのかしら?」

    「わからないよ…僕はたぶん、この記憶のことと関係があるんじゃないかって
       思ってるけど……でも、よくはわかってないし…」

    「──そうね、とりあえずはそこは置いといて。その周りの人たちの不具合を話し合いましょ」

    「え? ああ、紗江ちゃんとか…森島先輩とか?」

    「そう、あたしが知ってる限りじゃ……
      その二人共は、倒れてる人を見過ごすような性格じゃないって思ってる。そうでしょ純一」

    「当たり前だよ!そんなの!」

    「怒らないの。ちゃんとわかってるって言ったでしょ?だからとりあえず、その原因を調べるの」

    「なにかしらの原因があるはずだから……とりあえず、その時の状況をもっと詳しく教えなさい」

    「ええっとその……あの時は、森島先輩は保健室に行って…紗江ちゃんと僕はその場に残った。
       そして絢辻さんが気を失って…お昼の放送が鳴って、紗江ちゃんがおかしくなって……」

    「改めて聞くと、凄い状況ねそれって……それで、アンタはなにか気にかかることでもあった?」

    173 = 155 :

    「いや、特には……でも、紗江ちゃんの変わりようを直に見てたから…それがちょっと」

    「ふむふむ……変わりようね。その変わった瞬間って、なにかしら起こってたかしら?」

    「えっと……その──そうそう! なんで忘れてたんだろう…あれだよあれ。
       朝だと思ってたら、急にお昼の放送が鳴ったんだった!」

    「……? まぁとりあえず、放送がなったと…そしたら中多さんが変わったってワケね…」

    「そ、そうだな……なんでだろう。よくわからないよ薫……」

    「………………」

    「薫…? どうしたんだよ」

    「ねぇ、絢辻さんって『最後の一人の桜井さんのフラグ』って行ったのよね?
      それと、桜井さんが不具合の原因とも……」

    「う、うん……言ってたね。絢辻さんが嘘を言うわけないし、
       僕もびっくりしたけど…それがどうかしたの?」

    「──さっきの放送で流れたあれ、確か桜井リホの新曲じゃなかったかしら?」

    「え? ああ、そうだね確かに……」

    「あたしは自分のウォークマンで曲を聞きながらご飯食べてたから、
      あんまり聞こえはしなかったんだけど……なるほどねぇ。いや、全然なるほどじゃないけど」

    174 = 155 :

    「どういうことだよ薫…?」

    「──とりあえず、アンタが聞いたその絢辻さんの言葉と、人が変わった原因は一つ」

    「桜井さん──ってことにならないかしら?」

    「……た、確かに…頭いいな薫…
       曲を聞いてから、紗江ちゃんはおかしくなったきがするよ…」

    「でしょー! ──いや、あたしだっていみわかんないけど、それでも真面目に考えたら
      そうじゃないかって思うしかないわ」

    「そうか、そうか……原因は、絢辻さんが言いたかったことは……その梨穂子か…」

    「それにまだ世界の不具合ってのもまだ、わかってないわよ?
      桜井さんとその不具合ってのが、どんなふうにかかわっているかなんて思いつかないわ」

    「──たぶんだけど、この原因を見つけ出すには……
      そうね、実際に桜井さんに会いに行かなくちゃいけない気がする」

    「梨穂子に…? でも、あいつはアイドルでそうそう学校になんか───」

    「……ん? どうかした純一?」

    「──待てよ、確か今朝にみたテレビで…あいつ、ライブやってたな…」

    175 :

    うん

    176 = 155 :

    「そうなの? 最近、テレビ見てないからわかんないけど……」

    「そうなんだよ。それで、どうにかそのライブに行ければ──梨穂子とも会えるかもしれない…」

    「いい案ね──って言いたいところだけど、アンタ……チケットどうすんのよ?」

    「そうだよな。今、僕も考えてた……でも」

    「でも?当てがあるの?」

    「──ああ、ある。あるというか、あるようにさせるつもりだ」

    「なにそれ…?とりあえず、あてがあるならあたしの分まで用意してね」

    「え、お前もくるつもりなのか?」

    「はいー? ここまで巻き込んでおいて、それはないってもんでしょ純一」

    「──ちゃんと、最後までアンタについて行くわよ。安心しなさい」

    「それ、付きまとってるだけじゃ……」

    「あ"あ"ん…?」

    「な、なんでもないです…はい…」

    177 :

    薫は頼もしいな

    178 = 161 :

    やっと梨穂子の登場か

    179 = 155 :

    テラス

    「──あ、いたいた…おーい!」

    「え……あ、先輩」

    「よう───路美雄、今朝ぶりだな」

    樹里「そ、そうですね……いやーこうやって何度も先輩と出会えるなんて、
       嬉しい限りです!」

    「う、うん……そうだね、うん…」

    (今さらだけど、森島先輩が言ったことがとても気になる……
       まさかだとは思うけど、うーん……いや、そんなことはないよね!)

    樹里「それでそれで! 先輩はぼくに御用でもあるんですかっ?」

    「……え? あ、うん──そうなんだけどさ……」

    「あの〝約束〟……覚えているか路美雄」

    樹里「えっ……あの、約束ですか……?」

    「そう、あの約束だ………」

    樹里「…………えへへ」

    (わらった!? なんで笑うの!?)

    180 = 155 :

    「と、とりあえず思い出してくれた……?」

    樹里「は、はい!あれですよね!
       ……その、ぼくと先輩は…いつまでたっても一緒に居るって!」

    「何を勝手に言葉を変えてるんだお前…!そこは親友に言葉はいらないってところだったろ!
       それに約束した所違うよ!そこじゃないから!」

    「助けが欲しかったら、遠慮なく言うつもりだよ。お前の力がひつようだったら、
       僕はなんだってお前に頼るつもりだ」

    「確かお前にはそう言ったはずだった気がするけど──ちゃんと覚えてる?」

    樹里「はい…そうでしたね…」

    (あれ、落ち込んでる!? なんだよこいつ…はっきりいってめんどくさい!)

    「ぐっ……」

    (ここで諦めたらだめだ純一……っ!今頼りになるのはコイツだけなんだから…!!)

    「──そ、それで路美雄……どうか僕を助けてほしいんだよ…」

    樹里「せんぱいが……ぼくに助けを、ですか…?」

    「そ、そうそう。助けてほしいんだよ!」

    181 = 155 :

    樹里「──これほど光栄なことはありません…!
       なんだっていってください!むしろいってください!」

    「あ、ありがとう……そしたらその、とあるチケットをだな───」

    次の日

    「おおう…これがライブってやつか……凄い人だよ」

    「そうねぇ。確かに人が多いわね」

    「……なんだよ薫。なんだか感想が薄いなぁ」

    「そお? でもまぁ、これでも結構ライブとかいってるしね」

    「え、そうなの?」

    「そうよー? ほら、バイトの子とか……あとはよく恵子といったりするわね~」

    「へー…知らなかったよ。というか今度行く時、僕も誘えよな」

    「だってアンタ、人ごみとか苦手でしょ?
      ちょっとはこっちも遠慮してあげてんのよ」

    「え、そうでもないんだけど──それってただ、体よくチケットを準備するのが
       めんどくさいだけじゃ……」

    「さ、行きましょ! はやく並ばないとだめよ純一ぃ!」だっ

    182 = 155 :

    ライブ会場室内

    「う、うおおお……でかい!」

    「こ、こらあんた! なにはしゃいでるの…! 恥ずかしいじゃない!」

    「でもでも薫…! これは凄いよ!凄すぎるよ!」

    「ガキかあんたは……それよりもほら、こっちこっち!」ぐいぐいっ

    「うわぁー…すごいなぁー…」ずりずり…

    「──よし、ここのようね。なんてvip席なのかしら…会場が丸見えね」

    「え? こういったもんじゃないのか?」

    「ばかいわないでよ、ほら……あそこの立見席あるでしょ?
      普通のお客はたいがいあそこで立って見るべきなの。座って見るなんて相当ないわよ」

    「へー……じゃあ僕らは、凄いんだね!」

    「だからはしゃがないでよ……あんた、気付いてないの…?」

    「え、どうしたの…?」

    「あたしたちと同じように座ってる人たち…みんなテレビで見たことのある顔ばっかよ?
      どんだけ凄い所に居るか、ちょっとは考えなさい!」

    183 = 161 :

    路美雄すげぇな

    184 = 177 :

    ロミオ△

    185 :

    梨穂子はかわいいなあ~

    186 = 155 :

    「そ、そうなのか……路美雄の奴、なんだか張り切ってたからなぁ…」

    「しょーじきにいって、楽しみにしてたライブだったけど……
      なんかちょと気まずくて素直に楽しめないわあたし…」

    「ま、まぁそういうなって……ただで見られるんだし、よかったじゃないか!」

    「まぁそうだけど。それよかアンタ……ここ、大丈夫なの?」

    「え? なんで?」

    「なんでって……そこを思い出してないなら、別にいいけど……
      けっこうこの場所、高い場所にあるわよ?」

    「え……?」

    「──高所恐怖症のアンタは……平気なのかってきいてるの」

    「………………」ちら

    びゅぉおおお……

    「…………ごめん、薫。かえろっか…」

    「だめ」がし

    「や、やめてくれ…! 今、思い出した…!僕って高い所苦手だったよ…!」

    187 = 155 :

    「しったこっちゃないわ! もうここまできてるんだから!
      大人しく座りなさい!ほら!」

    「な、なんだよ薫…! さっきまで全然乗り気じゃなかったくせに…!」

    「いやーなんだか楽しくなってきちゃったっ」

    「……なんて良い笑顔なんだ…! 
       それ、確実に僕をいじめることが楽しいってことだけだろ……!!」

    「いーからほら! すわりなさいって!」ぐいっ

    「わぁあ!?」どしん

    「──ほら、もう始まるわよ純一……」

    (ふ、ふとももが目の前に……!!)

    「──きゃー!!桜井さーん!!かっわいいー!!」

    (ちょ、ちょっと匂いでも……だめだだめだ!なにやってんだ僕は………)

    「………くんくん…」

    「ほら、あんたいつまでつっぷしてんの! ちゃんとみなさいって!」

    「──ああ、見させていただきます。ふふ、ちゃんとね…」きりっ

    188 = 155 :

    『会場のみんなぁ~! 今日もごはんたべてるぅ~?』

    タベテルーワーキャー

    「──ほう、あれが梨穂子……なんだか大分、痩せたなぁ」

    「そうね! 学校で見たときよりも、だいぶすっきりしてるわねぇ」

    「──なるほど、な。今の薫とは違って体調管理がきっちりし」

    「フンッ!」ぶぉん!

    「──あ、あああぶないじゃないか薫……絶対に当たってたら、
       鼻の骨折れてたと思うぞ…?」

    「今日はライブに連れてきてくれたってことで、許してあげる。
      でも、それ以上の失言は危険よ純一。それともう、その口調はやめなさい」

    「は、はい……わかりました…」

    「それじゃ、楽しむわよ! いぇーいたべてるー!!」

    (なんだかんだいって…楽しんでるじゃないか薫…まぁ、そんな奴だって
       知ってたけどさ)

    189 = 177 :

    橘さん楽しんでやがるな

    190 = 55 :

    美也でないならもういいって頼むからまじで

    191 = 155 :

    (それにしても……梨穂子。だいぶ変わったなぁ)

    リホ『らんらら~♪ 今日はみんなで焼肉パーティ~♪
       焼肉のたれを零して服汚す♪』

    (そういえば、梨穂子って歌を歌うのがすきだったなぁ。
       昔からよくわからない歌詞で歌ってた気がするよ……うん)

    リホ『でもでもぉ! それは場スクリーンがあればだいじょうぶ!
       え、ちがうちがうそれじゃだめだめ!』

    ダメダメー!

    リホ『そうだよぉー!それならこれがあるから心配ご無用!
       あたしの愛の洗剤でよごれをおとすぅー!キラ☆』

    キラ!!

    (でも、それはアイドルになってもかわってないな…
       何だろう、最近はこういうのがはやりなのかな…?)

    数分後

    リホ『っじゃあーつぎのきょくいっくよぉ~!』

    「いっくよー!!リホリホ~!!」

    192 = 155 :

    リホ『食べ残しはだめんだよー! それはだっていけないこと!
       ちゃんとたべて、元気になろうよ!』

    「げんきになろうよぉー!!」

    リホ『食べ物すべては命の源、元気は食事からわっしょい!』

    「わっしょい!!!!」
    「わっしょいー!!」

    数分後

    リホ『ららら~……がんばれるからぁー…』

    「ううっ…なんて良い曲なんだ……」
    「そうね……そうよね…ぐす」

    数分後

    リホ『じゃあ、最後に新曲の歌をうたうよぉ!みんなきいてねぇ!』

    「リホリホー!!いやだわかれたくないよぉー!!」

    「──あ、やばい…ちょっと素に戻ってきちゃった…
      ちょ、ちょっと純一……やめなさいってば…」

    193 :

    りほりほって言われると某寝バック思い出すwwww

    194 :

    最初から入れなかったのが悔しい良ssだな
    梨穂子無意識黒幕ルートとか斬新

    195 = 155 :

    「なんだよ薫ぅ!? そんなしけたかおして!!」

    「何か急にさめちゃったのよ…さっきまでのあたし、まるでどうにかなってたみたいな…」

    「なにいってんだこいつぅ!!最後までちゃんと楽しもうぜ!!」つんつん!

    「なんか、うざいわねあんたのノリ……ま、いいわ。とりあえずちょっとお手洗いに行ってくるから」

    「ああ、いってこい!!トイレが長くても僕は気にしないから!!」

    「う、うるさいわね!!ちょ、ちょっと手を洗いに行くだけよ……っ」

    「おう!!いってら!!」

    「何だよ薫の奴……ノリが悪いなぁ。あんなノリが悪い奴だって思わなかったよ。
       ──ま、いいや。ここは僕だけでも楽しんで──」

    ばばっ!

    「──あれ? なんだろう、急に会場がまっくらに……」

    ばっ!

    「あっ……急に明るく───」

    196 = 155 :

    リホ『とつぜんごめんなさぁーい……みんなびっくりしたよね~?
       実は今日は、新曲に入る前に──飛び入りゲストをよんでまぁ~す!』

    「え、飛び入りゲスト…一体誰だろう……?」

    リホ『それはねぇ~! なんとそれはねぇ! KBT108アイドルから私を推薦してくれて、
       こうやってソロで活動をさせてくれた人で~!』

    リホ『そして、新曲の〝恋は何時でもとらぶりゅ~〟を作曲してくれた人なのぉ~!
       みんな気になるよねー!』

    キニナルー!!

    「きになるぅううううう!!」

    リホ『だよねだよね~!! じゃあ登場してもらいうね───どうぞ!!』ばんっ

    リホ『──金の仮面さんです~!!!』

    すたすた…

    「え……」

    すたすた…

    金の仮面「──はい、ご紹介に受けたまった……わたし、金の仮面です」

    ワァアアアアアアア!!!

    197 = 177 :

    ここで仮面か

    198 = 193 :

    金なら一枚

    200 = 155 :

    「──どう、して……貴方が、そこに……」

    「貴方は、僕が記憶失った時に……謎の手紙をくれた……人物……」

    リホ『あのねぇ~!みんなが気になってると思うからさきにいっておくとね~!
       金の仮面さんは、とっても恥ずかしがり屋さんで~こうやって何時も仮面をつけてるの~!』

    リホ『でもかっこいいよね~! なんかこう……えじぷと? でありそうな奴だね~』

    「……そう、だな…確かに、金というよりは……ミイラの仮面…?」

    リホ『それではぁ~! なんとなんと、金の仮面さんから重大はっぴょうがあるみたいですー!』

    ワァアアアアアア…

    金の仮面『……はい、みなさま。今日は桜井リホのライブに来ていただき、ほんとうにありがとうございます』

    金の仮面『今日はとても皆さまを幸せにできたことを──深く喜びを感じている所存です』

    ワァアアアアア!!

    金の仮面『…ありがとうございます。それで今回、わたしから重大な発表をさせていただきます……それは』


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