元スレ岡部「俺が、バーナビーに?」
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1 :
フェイリス「そうニャン。バーナビー・ブルックスJrの代役、やってほしいのニャン」
岡部「一体何故俺がそんなことをせねばならんのだ!」
フェイリス「世界に選ばれし英雄バーナビー……彼は今自分と戦っているのニャン。その間、彼の居場所を守れるのは凶真だけなのニャン!」
岡部「なぜお前はそんな話を知っているんだ?」
フェイリス「実はフェイリスは先祖代々ヒーローに協力してきたのニャン!」
岡部「ここははぐらかさずに答えて欲しいポイントなんだがな? 個人的な付き合いでもあるのか」
フェイリス「もう、乙女のプライベートを詮索する男はモてないニャン」
フェイリス「それにタダなんて言わないニャン。やってくれるなら凶真の領域(テリトリー)に極寒の息吹(ヘルブリザード)を与えるニャン」
岡部「何ッ!? 極寒の息吹を、だと」
フェイリス「もちろん、それとは別に日給を支払うニャン」
岡部「うーむ……」
岡部「いいだろう。結ぶぞ、その契約!」
3 :
虎徹「コイツがバニーの代役ですか? どんな能力を持つNEXTなんです?」
岡部「別に俺はNEXTじゃ……」
ロイズ「いや、君はNEXTだよ。検査結果も出ている」
岡部「馬鹿な!?」
ロイズ「しかし肝心の能力は、本人が使ってみないと分からないね」
虎徹「でもこいつ、今まで自分がNEXTだって知らなかったんですよね。戦えるとは思えませんよ」
岡部「俺はバーナビーのスーツを着ろとしか聞いてませんよ。戦うなんて無理です」
ロイズ「分かってる。バーナビーの体格にあって、かつNEXTという条件だけで探したから……戦闘に出てもらうつもりはない」
ロイズ「あくまでバーナビーが復帰するまでのつなぎだから」
虎徹「なんか不安だなぁ……」
ロイズ「文句言うならやめてもらっても……いや、今は困るか」
ロイズ「とにかく、よろしく頼んだよ」
虎徹「ちょ、ロイズさん!」
4 = 3 :
岡部「行ってしまいましたね」
虎徹「ったく……あ、俺は鏑木・T・虎徹。まぁ分かってるだろうけど、ワイルドタイガーだ」
岡部「岡部、じゃなくて鳳凰院凶真です。よろしくお願いします」
虎徹「いや、この資料には岡部倫太郎って書いてあんだけど」
岡部「それは"機関"を欺くための偽の情報です」
虎徹「"機関"?」
岡部「おっと、"機関"に興味を持ってはいけません。いくらヒーローといえども奴らには勝てない」
虎徹「おいまさかその機関ってのは……」
岡部(待てよ? ヒーローってことは本物のやばい組織について知ってるんじゃ? これはマズイ)
岡部「あ、いや! なんでもないです! 気にしないでください!」
虎徹「? 変な奴だなぁ」
6 = 3 :
虎徹「とりあえず明日ヒーローショーがあるから、頼むぜ」
岡部「なっ! しかし声でバレるんじゃ」
虎徹「大丈夫だ、スーツにはボイスチェンジャー機能がある。あとは台本通り読めばいい」
岡部「え、明日までに台本覚えるんですか!?」
虎徹「その必要もねーな、スーツ内に台本のデータが入ってる。ま、流れを掴むためにひと通り読んでおいてくれ」
虎徹「今日は特にやることないから、解散ってことで。何か聞きたいことはあるか?」
岡部「ふむ……バーナビーに一体何があったんですか?」
虎徹「悪ィ、それは企業秘密って奴だ。まぁ何日かすれば復帰するだろうよ」
岡部「そう、ですか。分かりました」
虎徹「これが俺の電話番号だ、何かあったら連絡くれ」
岡部「ありがとうございます」
岡部「ヒーローの電話番号……ククク、これさえあれば奴らもおいそれと手は出せまい」
虎徹「……本当にコイツで大丈夫なのか?」
7 = 3 :
ラボ――
岡部「鳳凰院凶真、ただいま帰還したぞ!」
ダル「なんか臨時のバイトだっけ?」
岡部「そうだ。しかも報酬は最新式の極寒の息吹(ヘルブリザード)! 設置料も込みだ!」
まゆり「なんかすごそうだねぇ」
紅莉栖「ただのエアコンでしょjk」
ダル「さすがオカリン! 僕たちにできない事を平然とやってのけるッ! そこにシビれるあこがれるゥ!」
まゆり「どれぐらいの間お仕事するの?」
岡部「わからん」
紅莉栖「はぁ? アンタ何やってんのよ! いくら最新式のエアコンもらえるって言っても、何日働くか決まってないって……」
8 = 3 :
岡部「あぁ、それなら問題ない。エアコンとは別に日給も出るからな」
ダル「何それうますぎ……どんだけヤバイ仕事なん?」
岡部「簡単にいえば、きぐるみきていろいろやる感じだ」
まゆり「本当? オカリンがきぐるみ着た姿、見てみたいなぁ」
岡部「残念ながらこれは極秘任務なのだ。誰にも見せられん」
まゆり「えー、ラボメンでも?」
岡部「いくらラボメンでもダメなものはダメだ」
まゆり「残念なのです……」
9 = 3 :
次の日――
虎徹「よう、来たか」
岡部「おはようございます」
ブルーローズ「へぇ、あなたがバーナビーの代わり?」
岡部「ブ、ブルーローズ! 氷河の大地を支配する女王……なんてオーラだ!」
ブルーローズ「は、はぁ?」
虎徹「気にすんなブルーローズ。こいつちょっと変わってるんだ」
ブルーローズ「ちょっとじゃないけど……まぁいいわ、よろしく」
岡部「よろしくお願いします、クイーン」
ブルーローズ「だれがクイーンよ!」
虎徹「たはは……んじゃ、スーツに着替えてくるか」
11 = 3 :
ワイルドタイガー「倫太郎、スーツのサイズはどうだ?」
岡部「問題ないですね、ある程度は伸縮性ありますし」
岡部「それにしてもすごいスーツだ……ダルが見たら発狂しそうだな」
斎藤『ほほう、このスーツのよさが分かるか!』
岡部「どぅわぁああっ!」
ワイルドタイガー「斎藤さん、マイク通すと本当に声でかいですね……」
斎藤『細かいことはいいんだよ! 私は斎藤、このスーツを作った者だ』
岡部「あなたがこの素晴らしいスーツをっ!?」
斎藤『あぁ、私のノウハウをつぎ込んだ自信作だ』
岡部「あなたにはぜひ我がラボの方に来ていただきたい!」
斎藤『ラボ……君も科学者なのかい?』
岡部「はい! 狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真です!」
斎藤『鳳凰院凶真……どっかで聞いたような』
岡部「すでに俺のことを知っているとは光栄です!」
12 = 3 :
ワイルドタイガー「あんまり時間ないんで、通信切りますよ」ブチッ
斎藤『ちょっと待て、タイ――』
ワイルドタイガー「あの人話し始めると長いからなぁ。それにしても、斎藤さんがお前のことを知ってるなんてな」
岡部「しかしあまりに俺の存在を知られると"機関"の連中が……」
ワイルドタイガー「はいはい。んで、台本データの出し方なんだが」
岡部「大丈夫です、すでに起動しました」
ワイルドタイガー「近頃の若い奴はメカに強いんだなぁ。俺なんかコンソール操作覚えるのに何ヶ月かかったことか」
岡部「なにせ俺は狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真ですから!」
斎藤(鳳凰院凶真……うーむ、どこで聞いたんだったか)
斎藤(あぁ、@ちゃんの糞コテにそんな奴がいたな)
14 = 3 :
悪者たち「ウケケー!」
岡部「がはっ……!」
ワイルドタイガー「ぐわぁっ! だめだ、敵が多すぎる」
岡部(バーナビーがやられ役。しかもこんなザコみたいな奴にぼろ負けだと!)
岡部(というかこの鳳凰院凶真が、こんな連中にぼろ負けとか納得いかん!)
悪者たち「ウケケ、トドメだー!」
ブルーローズ「そこまでよ!」
悪者たち「!?」
ブルーローズ「私の氷はちょっぴりCOLD。あなたの悪事を――」
岡部「キサマらァ! 調子にのるなァ!」ドガーン
悪者たち「ウギャーーーー!!」
ブルーローズ「ちょ、ちょっと! 私の見せ場だったのに!」
15 :
全く予測の付かんクロスSSだ
支援
16 = 3 :
岡部「すみませんでした、つい……」
ブルーローズ「つい、じゃないわよ! 私の出番なくなっちゃったじゃない!」
虎徹「まぁまぁ、お客さんのウケはよかったし。お前は歌でステージ独占できただろ?」
ブルーローズ「まぁそうだけど……次からは気をつけてよね」
岡部「も、申し訳ない」
虎徹「いやー、お前面白いなぁ」
岡部「ふっ、なぜなら俺は狂気の」
虎徹「それなげーから!」
17 = 3 :
数日後――
岡部「今日は……ゴミ拾い? 何か地味ですね」
虎徹「ルナティックのおかげで、ヒーローのイメージがた落ちだからな」
アントニオ「お前がバーナビーの代理か? 俺はロックバイソンだ、よろしくな」
岡部「あなたが牛角さんの中の人でしたか!」
アントニオ「そのあだ名定着しすぎだよなぁ……はぁ」
岡部「あ、もしかして嫌でしたか?」
アントニオ「スポンサー様のイメージが大きいってのは良い事なんだが、個人的にはな……」
岡部「では呼び方を変えましょう、ミスタードリラー」
アントニオ「おぉ、なんだかかっこいいな!」
虎徹(どこがだよ!)
19 = 3 :
キース「君がバーナビー君の……はじめまして、スカイハイだ」
岡部「あ、あなたが……キングオブヒーロー、スカイハイ! お会いできて光栄です!」
キース「ハッハッハ、ありがとう。私も君に出会えてうれしい、そしてうれしい!」
岡部「で、でた! スカイハイの迷言! しかしあなたの能力は実に素晴らしい……さしずめ、風の魔術師と言いましょうか」
キース「風の魔術師か……実にステキじゃないか!」
アントニオ(あれ、俺の時と扱いが……)
虎徹「ドンマイ」
20 = 3 :
ワイルドタイガー「結構ゴミ落ちてんなぁ」
岡部「そうですね。普段あまり意識してないから気づきませんでしたよ」
ロックバイソン「こういう地味な作業、嫌いじゃないぜ」
キース「む……こ、こんな所にヒーローカードが捨てられている。悲しい、そして悲しい……」
ロックバイソン「誰のだ? こ、これは……」
ワイルドタイガー「お、俺のカードじゃねぇか! だーっ、最近結構活躍してるってのによぉ」
ロックバイソン「自分で言うなよ」
21 :
牛角さん虐めはいい加減にしろよ!
22 :
岡本はまだか
23 = 3 :
女の子「バーナビー様! マスクとってくれませんかぁ!」
岡部(な、何っ!? まさかこの小娘、"機関"の工作員……?)
ワイルドタイガー(最近ずっとマスクだからな、怪しまれるに決まってんじゃねーか!)
岡部(と、とにかく虎徹さんに相談だ……通話機能、オン)
岡部『虎徹さん、聞こえますか?』
ワイルドタイガー『お、おう!』
岡部『この状況、どうすれば……』
ワイルドタイガー『ど、どうしような? 斎藤さんに聞いてくれ!』
岡部『そんな無茶な……いや、それでも斎藤さんなら何とかしてくれる! 斎藤さん、何とかしてください!』
斎藤『普通にマスク外していいぞ』
岡部『はい?』
24 = 3 :
斎藤『なにウジウジしている。めんどうだな、こっちから操作して外すぞ』
岡部『ま、待ってくださ――』
岡部(とうとう俺の素顔が全世界に!? このあと俺は"機関"の連中にあんなことやこんなことを……)
女の子「きゃー、バーナビーかっこいい!」
岡部(どういうことだ?)
斎藤『こんな事もあろうかと、お前の顔にバーナビーの顔テクスチャを貼り付ける機能、追加しておいたのさ』
岡部『さ、さすが斉藤さん!』
25 = 3 :
数日後――
バーナビー「ご迷惑をおかけしました」
虎徹「もういいのかバニー」
バーナビー「いい加減バニーって呼ぶのやめてください……おや、あなたは?」
虎徹「あぁ、こいつはこの数日間お前の代役をやってたんだ」
バーナビー「そうでしたか。ありがとうございます」
岡部「いや、こちらこそありがとうございます。貴重な体験ができました」
虎徹「短い間だったが楽しかったぜ、倫太郎」
岡部「俺もですよ」
虎徹「何かあったら、いつでも電話してくれよ?」
岡部「はい、ありがとうございました」
26 = 3 :
岡部「鳳凰院凶真、ただいま帰還した」
ダル「オカリンお帰りー。いやー、エアコンがあるってマジ最高すなぁ」
岡部「な、26度だと!? 馬鹿者、電気代は俺たちで払うんだぞ。28度に変更だ」
ダル「ちぇー。タイムリープマシンの制作、かなり汗だくになるんだぜ?」
岡部「28度でも十分だろう。あー、それとだな……今日で臨時のバイトは終了した」
ダル「乙! んじゃオカリンのおごりで飯食いに行こうぜ」
岡部「フッ、いいだろう。タイムリープマシンが完成した暁には、いくらでもおごってやろうではないか」
ダル「マジっすか! さすがに厨二病患者は格が違った」
岡部「ところで、まゆりと紅莉栖の姿が見えないが……」
ダル「飯の材料の買い出しに行ったお。もうすぐで完成しそうだから泊まりがけで作業するってさ」
岡部「ほほう、それは楽しみだな」
27 :
ハイハハーイ
28 = 3 :
次の日――
紅莉栖「これでオッケー、かな」
ダル「ふぅ。さすがに徹夜はキツイっす」
岡部「完成、したのか?」
紅莉栖「えぇ……私達、とんでもないものを作っちゃったんじゃない」
ダル「実験するのかい、オカリン」
岡部「実験したい。なぜならこれは俺たちが作ったものだからだ」
岡部「だが、実際にタイムリープをするのは多くの問題がある」
紅莉栖「そうね。過去に例がないし、何が起きるか分からないわ」
岡部「…………」
岡部「実験は中止。マシンはしかるべき研究機関に託して、世間に公表しよう」
29 = 15 :
技術水準が釣り合ってねーからなんとも言えねぇ
30 = 3 :
まゆり「ただいまー、買い出し行ってきたよー。うわぁ、お寿司にピザ……豪華だねぇ」
岡部「Lサイズのピザを5枚とか気が狂っとる……」
ダル「ま、いざとなったら僕が全部食べるからおk」
まゆり「あ、フェリスちゃんは来れないみたい」
岡部「そうか……ルカ子も来れないようだし、食べ物が少々余りそうだな。指圧師も連絡がこない」
鈴羽「おーっす。今日店長が早めに店閉めたから遊びにきたよー。うわっ、すごい豪華じゃん」
岡部「フッ、すべてこの鳳凰院凶真の極秘任務の報酬によるものだ」
鈴羽「……極秘任務?」
岡部「悪いが質問には答えられんぞ。極秘だからな」
鈴羽「まぁ、いいけどさ」
岡部「それでは、タイムリープマシンの完成を祝って――乾杯!」
「乾杯!」
31 :
お前を見ているぞ
支援
32 = 3 :
ダル「うえっぷ、さすがに食い過ぎたお」
まゆり「ピザ3枚も食べるなんてすごいねぇ」
岡部「これ以上ブクるなよダル?」
ダル「そういうオカリンだってドクペ8本目ですよねそれ?」
岡部「フッ……狂気のマッドサイエンティストだからいいのだ!」
ダル「イミフにもほどがあるんですけど」
鈴羽「岡部倫太郎」
岡部「何だ、鈴羽?」
鈴羽「タイムリープマシンは完成してるんだよね?」
岡部「あぁ……今日完成した」
鈴羽「私、ちょっと外行ってくるね」
紅莉栖「……何なのかしら?」
33 :
にゃ、にゃがい・・・
34 = 3 :
まゆり「何か面白い番組やってないかなぁ……って何これ!?」
クリーム『我々はウロボロス。我々は、この街に囚われている同志ジェイク・マルチネスの解放を求めます』
クリーム『ご賛同頂けないようでしたら、この街の主要な柱を破壊します。そうしたら、この街は瓦解しますわ』
クリーム『脅しでないということを証明するために、この街につながらう交通網を爆破して差し上げましょう』
少し離れた場所で大爆発が起き、床が大きく揺れる。
ダル「ちょ、爆破テロ!?」
岡部「ど、どういうことだ……」
クリーム『これで脅しでないと御理解いただけましたでしょうか』
クリーム『良い返事を期待しておりますわ』
35 = 31 :
なるほどこうきたか
36 = 3 :
岡部「こんなに大きな犯罪なんて初めてだぞ!? どうなっているんだ……」
岡部がそうつぶやいた直後、ラボの扉が蹴破られた。
侵入してくるのは銃を構えた五人の男。
「動くな。両手を上げろ」
岡部「なっ……なななな!」
「声を出すな」
岡部「……」
蹴破られた扉の向こうから足音が聞こえる。まさかこんな時に、ラボメンの誰かが来てしまったのだろうか?
どうやらその予想は当たっていたらしい。
しかしそのラボメンは黒いライダースーツをまとい、手には拳銃を握っていた。
37 :
タイバニ見てないからよく分からんが面白い
38 = 3 :
岡部「桐生、萌郁……!?」
萌郁「タイムマシンは回収させてもらう」
萌郁「岡部倫太郎、橋田至、牧瀬紅莉栖は我々に着いてきてもらう」
岡部「お前らは……SERNなのか」
萌郁「そう。SERNの実行部隊、ウロボロス」
岡部「ウロボロス……テレビでやってたテロ組織か! SERNはそんな奴らともつながっていたのか……」
隊員「M4、余計なことはしゃべるな」
まゆり「じょ、冗談だよね。萌郁さんはラボメン仲間、だよね?」
萌郁「…………」
萌郁「椎名まゆりは、必要ない」
萌郁はまゆりに拳銃の狙いを定め、そのトリガーを引いた。
まゆりの額に小さな穴が空いて赤い液体が飛び散る。糸が切れた操り人形のように、まゆりの身体は地面に崩れ落ちた。
岡部「まゆり、まゆりぃいいいいいい!」
ダル「う、うわあああああ!」
紅莉栖「そ、んな……」
岡部「まゆり、しっかりしろ! まゆり、まゆりぃいいいっ!」
40 = 3 :
萌郁「分かった? これ以上抵抗するのなら、あなたたちも殺す」
岡部「桐生萌郁……殺す、殺してやる! うぉあああああああああっ!」
紅莉栖「岡部、ダメェエエエエッ!」
岡部「まゆりを殺したこいつだけは、絶対に殺してやる!」
萌郁「……それ以上近づくなら、撃つ」
岡部「俺も殺すか、まゆりを殺したように。やってみろよ!」
鈴羽「伏せて!」
ラボの入り口から鈴羽の声がした。鈴羽は萌郁の手に向かって銃を撃ち、拳銃を弾き落とす。
そして銃を持つ男たちを拳と蹴りで次々となぎ倒していった。
隊員「ぐわぁああああっ!」
41 = 3 :
五人の男をなぎ倒した鈴羽が突如その動きを止めた。萌郁が予備の銃を鈴羽の額に押し付けていたからだ。
しかし鈴羽も即座に萌郁の額に銃口を押し付ける。
萌郁「あなた、何者なの……」
鈴羽はその問いには答えず、岡部の方を向く。
鈴羽「42型」
鈴羽「テレビ」
鈴羽「点灯済み」
岡部「!」
42型テレビ点灯済み……ラボの1Fにある大きなブラウン管テレビの電源が入ってるということだ。
そしてそれはタイムリープマシンを使う条件でもある。つまり、過去に戻れということだろう。
岡部(しかしあのマシンには多くの問題が……って俺は馬鹿か!?)
岡部(まゆりが殺されたんだぞ! こんな、こんな馬鹿な話があってたまるか!)
岡部と紅莉栖、ダルは開発室に駆け込み、タイムリープマシンの準備を始める。
紅莉栖「私が行くわ」
岡部「いや、俺が行く。俺がまゆりを助ける」
紅莉栖「でも、失敗したら……」
42 = 3 :
鈴羽「チッ、そっちに一人いった!」
ダル「だああああっ!」
ダルは叫びながらその男に体当たりをかます。
隊員「ぐっ……邪魔だ」
しかし男はどこからか取り出したナイフでダルの身体を刺した。
ダル「ガハッ……」
岡部「ダルゥウウウッ! クソッ……!」
隊員「死ねぇえええ!」
ダルの血のついたナイフを岡部に向かって振りかざす男。この位置では避けられない。
しかし、その男と岡部の間に紅莉栖が身を挺して割り込む。
岡部「紅莉栖ゥウウッ!」
紅莉栖「岡、部……」
岡部「クソォッ……!」
ナイフで切られた紅莉栖の身体は男へと倒れこんだ。それによってわずかに隙ができる。
その隙に岡部は、ケータイの発信ボタンを押した。
岡部「跳べよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
43 = 3 :
岡部(タイムリープには成功した)
岡部(しかし再び桐生萌郁にまゆりが殺されてしまった)
岡部(そして再度タイムリープ)
岡部(だが、どこへ逃げてもSERNの連中は追ってきて……)
岡部(次も、次も……次も次も次も次も次も! まゆりは死んでしまった!)
岡部(何なんだこれは!? SERNはそんなにまゆりを殺したいのかよ!?)
岡部(あんな奴ら相手にどうやって戦えというのだ)
岡部(警察に話してみたが頭がおかしくなったと言われるし……)
岡部(誰か、誰かまゆりを助けてくれ)
45 = 3 :
岡部(未来から来ただなんてことを信じてくれる人なんて、いるのか?)
岡部(いるわけがないだろ、ははっ)
岡部(俺はどうすればいいんだ)
岡部(…………)
沈み込む岡部の脳裏に、ふとある壮年の男性の顔が浮かび上がる。
虎徹『何かあったら、いつでも電話してくれよ?』
岡部(!)
岡部(あの人なら、もしかしたら……)
47 = 3 :
岡部「頼む、出てくれ……」
虎徹『もしもーし、どちらさん?』
岡部「虎徹さん! よかった」
虎徹『その声、倫太郎か? どうした、いきなり』
岡部「虎徹さん! お願いします……俺の大切な人を、助けてください!」
虎徹『……何があった?』
岡部(あと数時間でSERNの連中がラボに襲撃にくる、時間がない)
岡部「すみません、ラボの方に来ていただけないでしょうか?」
虎徹『ラボ……あぁ、研究者だったな。場所を教えてくれるか?』
岡部「はい! 住所は……」
48 = 3 :
虎徹「おーい、虎徹だ。開けてくれ」
岡部「虎徹さん! よかった、間に合った」
虎徹「それで、何があったんだ?」
まゆり「この人がオカリンが言ってたボディガードさん? はじめまして、椎名まゆりです」
虎徹「こりゃどーもご丁寧に。俺は鏑木・T・虎徹……ってボディガードぉ?」
岡部「はい。にわかには信じられないでしょうが、聞いてほしいことがあるんです」
虎徹「その顔……マジなようだな。分かった、話してくれ」
岡部「実は……」
49 :
面白い、そして面白い
50 = 3 :
虎徹「何だってぇ!?」
虎徹「2時間後、爆破テロによりシュテルンビルトの外に出る手段がなくなる」
虎徹「そしてお前のラボが襲撃され、そこのお嬢ちゃんが?」
岡部「はい……」
虎徹「よく話したな、お嬢ちゃんに」
岡部「まゆりに押し切られてしまいまして……」
まゆり「隠し事はよくないのです」
まゆり「でも……まゆしぃはね、嬉しかったよ。オカリンが何度も何度も、まゆしぃを助けようとしてくれたこと」
岡部「まゆり……」
まゆり「でも、なんで萌郁さんが」
岡部「俺にも分からないよ」
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