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    元スレ杏子「どこにも無い……!」

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    202 = 75 :

    ほむら「ええ。ええと、まずは……ごめんなさい」

    マミ「ごめんなさい、佐倉さん」

    杏子「ん? は? え? 何か謝るようなことやったのか?」

    マミ「いえ、ポッキーぐらいならいくらでもあげられるのに、
       ずいぶんと気落ちしているあなたの様子に気づかず、ちょっと悪ふざけをしすぎたかもしれないなと思って」

    言いながら、塩ミルクチョコ味のポッキーを取り出して渡す。

    ほむら「私も、ポッキーはまだ別の箱があったのよ。それなのにその、変に煽って悪かったとは思ってるわ」

    ほむらは、赤いノーマルポッキーを取り出して渡す。

    杏子「お、おう……。なんだなんだ、この二人が優しいと気味悪いんだけど……」

    マミ「失礼ね。本当に悪かったなと思ってるのよ」

    杏子「それに、ポッキー不足はもう解消したっつーか……」

    ほむら「え?」

    まどか「はいっ、ほむらちゃんもマミさんもこっち向いて?」

    ほむら「へ?」 マミ「はい?」クルッ

    振り向いた口に、まどかがポッキーを押し込む。

    ほむら「もがっ」 マミ「むぐっ!?」

    203 = 74 :

    まどまど

    204 = 200 :

    マミサン!

    205 = 75 :

    ほむら「なるほど、これは良くできているわね……」モグモグ

    マミ「本当、美味しいわね」モグモグ

    まどか「ティヒヒ、パパに教わって杏子ちゃんと二人で作ったんだよ!」

    ほむら (………佐倉杏子ォ! ……いや、でも私にも多少責任はある……のかしら?)


    結局、これだけ人が集まってしまっては、ほむらの希望も叶うはずはなく。

    まどか「ほむらちゃん、これがわたしの味だよー。あ~ん」

    ほむら「あ~ん……///」

    ほむら (こ、これでも……結構幸せ度高い……っ!)

    今はまだポッキーゲームは早いかも知れないなと、ちょっとした触れ合いで幸せをかみしめる。


    マミはといえば、

    マミ「ふふふ、これはなかなかオススメのお茶なんです。いかがですか?」

    知久「いや、とても美味しいね。僕もそんな紅茶は詳しくないんだ、一体なんて言うお茶なんだい?」

    知久とちょっとした飲み物の談義を交わしたり。


    杏子 (ふーん、何か、これが……まどかん家の空気なんだな。ぬるいけど暖かくて、落ち着くや)

    206 = 74 :

    ほむっほむっ

    207 = 75 :

    そんな和やかなポッキーパーティに、最後の来訪者が訪れる。

    brrr... brrr...

    まどか「あ、電話……? さやかちゃんから?」ピッ

    杏子「さやかから?」

    ほむら「そういえば、青毛だけ居なかったわね」

    まどか「はい、もしもーし。………え? うん、居るよ?」

    まどか「うん、いまわたしの家で……え、あ、わかった。待ってるねー」

    パタン

    杏子「何だって?」

    まどか「良く分かんないけど、大慌てで杏子ちゃんいるかなって聞かれた」

    杏子「え、またあたし?」

    まどか「うん。今から来るらしいから、引き留めといてって」

    マミ「美樹さんにもポッキー、頼んでいたの?」

    杏子「いや、頼んだっつーか騙されたっつーか、ううん……なんだ?」

    208 = 75 :

    そして10分後。

    ピンポーン…

    まどか「あ、さやかちゃんだね、行ってくる」トタタ…

    杏子「適当に追い払ってもいーんだぞ」

    まどか「そ、そんなことできないよー!」

    またまどかが応対に出る。と、

    さやか「杏子ー!!」ドドドドドッ

    そのまどかが戻るよりも速く、さやかがダッシュでリビングに姿を現した。

    さやか「さやかちゃんただいま参上!」

    ほむら「うるさいわねー、人様の家でぐらい静かに出来ないのかしら」

    マミ「それより美樹さん、その大きなカバンは一体……」

    さやかはその身体の大きさには似合わない、登山にでも行くかのようなどでかいリュックを背負っていた。

    さやか「え、これ全部ポッキーだよ! 杏子欲しがってたからさ!」

    杏子「………はぁ?」

    さやか「ほらほら、一杯あるぞー?」ドサドサ…

    209 = 75 :

    言いながらリュックをひっくり返すと、本当に山ほどポッキーが詰まっていた。

    さやか「どう? すごいでしょ!」

    杏子「………さやか。正直に言え、どっから盗んできた?」

    さやか「え」

    マミ「……美樹さん、まさかあなたまで犯罪に手を染めるなんて」

    さやか「ちょっと?」

    ほむら「ええ、あの子ならやりかねないと思ってました。普段からおかしな言動をしていて……」

    さやか「おいほむら!」

    まどか「さやかちゃん、一緒に行ってあげるから、謝りに行こう?」

    さやか「まどかまで!? 違うって、ちゃんと許可を得て貰ってきたんだって!」

    杏子「はぁ? おいこっちは真剣な話してんだぞ」

    さやか「あたしも真剣だってば! これは、仁美から貰ってきたの!」

    まどか「……え? 仁美ちゃん?」

    210 = 175 :

    あんこちゃん?

    211 = 75 :

    さやか「全ての事件の犯人は仁美だったのよ」

    杏子「あーっと、さやかの治癒魔法って脳みそまでは治んねぇとかそういう」

    さやか「聞けって!」

    さやか「あんたがビックリするほどポッキー欲しがってたからさ、さやかちゃんとしても協力したくてさ。
        でもまぁ特にいいアイデアがあるわけでもないし、仁美に電話したのよ」

    さやか「そしたら『ごめんなさい、わたくしのわがままのせいで……』とか言われて、何かと思ったらあやつ、
        自宅でポッキーパーティしてたのよ。ポッキーの日記念に」

    マミ「……? それがなぜわがままなの?」

    さやか「それが、ただのパーティじゃなくて、政財界のお偉いさんを呼んでの大パーティらしくって。
        1が6つも並ぶなんて素敵な日ですわー! とか父親に言ったら、なんかいつのまにか勝手にそうなったって」

    ほむら「……まさか、ポッキーが売ってなかったのは」

    さやか「うん。志筑家の財力で、見滝原中のポッキーを買い占めていたそうです」

    杏子「ンな……アホな………」

    まどか (……う~ん、仁美ちゃんのパパなら………無いとは言えないなあ………)

    212 = 170 :

    ポッキーの日終了

    213 = 175 :

    全員さやか

    214 = 75 :

    ほむら「……でも、いくらなんでもパーティするためだけにポッキーを買い占める?」

    さやか「あー、ほらこの画像見てよ」

    言いながら、自分のケータイで撮影した画像を皆に見せる。
    そこにはなにやら茶色で描かれた人の顔が写っている。

    まどか「あれ、これって……仁美ちゃんの顔?」

    さやか「そうそう、ポッキーで作った仁美の顔アート。隣に写ってるおじさん、実物大だよ。
        大体縦が10mぐらいあるって言ってたかなー」

    マミ「10m!?」

    さやか「総計何十万本だか忘れたけど……。それが作りたかったらしい。仁美のパパが」

    マミ (やだ、ちょっと私のも作って欲しくなるじゃない……)

    杏子「………おいおいおい、ちょーっと待てよ、そんだけ迷惑な買い占めしといて、しかもその食べ物で遊んで無駄にしてるだと?」

    さやか「いや、無駄にはしてないって。食べてたよ」

    杏子「え?」

    さやか「参加者の紳士なおじさま方が、『ひとみんぺろぺろ! もぐもぐ!』とか言いながらちゃんと食べてたから、無駄にはしてないと思う」

    杏子「……それホントに参加者か? 紛れ込んだ不審者じゃねーか?」

    さやか「不審者じゃないと思うけどなぁ……。仁美のパパも一緒に食べてたし」

    215 :

    紳士だな

    216 = 75 :

    さやか「そういうわけで、犯人は仁美! あたしも盗んだ訳じゃなく、分けて貰っただけなのだ!」

    ほむら「………」

    マミ「何というか」

    まどか「うん……」

    杏子「なぁ………」

    さやか「……あれ? ちょっとちょっと、事件解決の上に物資確保に成功したさやかちゃんに、
        もうちょっと賞賛の反応があってもよくない? あれ?」

    残念そうに戸惑うその口に、

    杏子「まあ、くいなよ」

    お手製ポッキーを押し込む。

    さやか「むぐっ……。これは……ポッキー? え、あんた手に入れてたの!?」

    杏子「いや、作ったんだよ。まどかと一緒に」

    さやか「へ、へぇー……。あ、結構おいしい」モグモグ

    さやか「あれ、じゃあこの重ったいリュック背負ってちょっと恥ずかしく道を駆け抜けてきたあたしの苦労は一体!?」

    ほむら「そうね、無駄骨だったわね」

    さやか「そんなー!」

    218 = 75 :

    まどか「で、でも、さやかちゃんの気持ちは伝わったから、全部が無駄ってわけじゃないんじゃないかなって」

    マミ「そうよ。美樹さんの優しさが、凄く分かりやすい形で見られたもの」

    杏子「ま、そうだな。正直、ここまでしてくれるとは思ってなかったかな。
       ……ありがとな、さやか」ニッ

    さやか「え! あー、うん。どういたしまして……///」

    さやか (おおう、ちょっと不意打ちだったかも………)

    まどか「ティヒヒ、それじゃみんなそろったところで、改めて……ポッキーパーティー開催だよ!」


    知久がずいぶん大量に用意してくれたおかげで、まだまだ手作りポッキーは尽きそうにない。
    さやかの持ちこんだポッキーも含めれば、あと何時間だってポッキーを食べ続けることが出来るだろう。

    さやか「だからこれはどうみてもさやかちゃん味でしょーが!」

    ほむら「違うわよ。これは私の色よ、そう言ってくれたもの。ねえまどか?」

    まどか「あ、えっと、その……」アセアセ

    杏子「おいやめろって、まどか困ってんじゃねえか……」

    マミ (色が被って無いことをどう受け止めるべきなのかしらね……)

    時々、喧嘩のようなじゃれ合いをしながら、その日遅くまで5人のパーティは続いたのだった。

    219 :

    ポッキーの日に気づかなかった…

    シエンダァ

    220 = 75 :

    ――夜、鹿目邸前――

    さやか「いやー、楽しかったね!」

    ほむら「貴方のおかげで無駄に賑やかだったわ」

    さやか「相変わらず一言多いな!」

    マミ「ちょっとポッキー、食べ過ぎちゃったかも……」

    杏子「……まどか、その。今日はありがとな。親父さんにもよろしく言って置いてくれ」

    まどか「え、ううん。こちらこそ、ありがとう! 杏子ちゃんとポッキー作って、とっても楽しかったよ!」

    杏子「あー、うん、あたしも、楽しかったよ」

    杏子「………」

    杏子「その。………友達、でいいんだよな、あたしたち……」ヒソヒソッ

    恥ずかしそうに、杏子が耳元にささやいて確認する声を、

    まどか「……もっちろん!」ダキッ

    まどかが満面の笑顔で杏子を抱きしめて肯定する。

    杏子「うおっと……///」

    222 = 75 :

    さやか「おやおやー? あたしの大事な嫁のまどかが誰かに奪われてる気配がするぞー?」

    まどか「な、何言ってるのさやかちゃん……///」

    杏子「………そうだよさやか。まどかはな、あたしの嫁なんだから」

    まどか「……え!?」

    さやか「なんですと!?」

    杏子「いやー、こんな素敵な子はなかなか居ないよ。ほら、さやかにゃ勿体ねーから手を引きな」シッシッ

    さやか「ぬぁにをー! 幼い頃から育て上げてきた、あたしの光源氏計画をどうしてくれる!」グイッ

    杏子「はっ、ホントにさやかが育ててたら、もっと粗暴で雑な子になってるはずじゃねーの?」グイッ

    まどかの両手を引っ張り合う。

    まどか「ちょっと! 二人とも……///」

    ほむら「そこの二人、今すぐ手を離さないと、こめかみにいいかんじの穴を空けるわよ」

    マミ「大岡裁きじゃないんだから……。美樹さんも佐倉さんもやめなさいって、もう」

    さやか「あ、いやちょっとした冗談ですってばー……」パッ

    杏子「ちっ……!」パッ

    223 = 75 :

    さやか「ま、杏子がまどかと仲良くなってくれたみたいで、正直うれしくはあるんだけどね?」

    杏子「な、なんだよそりゃ。さやかにゃ関係ねーだろ……///」

    マミ「あら、私たち、ずっと思ってた事よ? 実現したらいいなって」

    まどか「マミさんまで……///」

    ほむら (敵がどんどん増えていく……。まどか、恐ろしい子……!)

    さやか「さて、そろそろ帰んないとね。明日は休みだけど、いつまでもここいたら日付変わっちゃうし」

    マミ「ええ。それじゃ、また会いましょう。さようなら」

    ほむら「またね、マミ」

    さやか「まったねー!」

    杏子「それじゃ、また……来るよ。じゃーな」ノシ

    まどか「うん、またね!」ノシ

    お互いに、また会うことを確かめ合って、挨拶を交わして帰る。

    仁美パパの暴走から始まった、杏子のポッキーを求める長い一日もこれでおしまい。

    その後、杏子が知久さんのお菓子講座に足繁く通うようになったのは……
    また、別のお話。

    ~fin~

    224 :


    ポッキー食いたくなった

    225 :

    オツカレー
    面白かった

    226 = 75 :

    はい、もし読んでくれた方居たらお疲れ様でした。ごめんなさい。
    ポッキーの日なのに杏子ちゃん×ポッキーなSS無くて寂しいなぁ、と思って適当に立てて慌てて書いたもんで、
    オチもなく特に後半ぐだぐだと長いだけになって申し訳ない。反省は若干している。
    おやすみなさい。

    228 :


    いい話だった

    231 = 75 :

    <おまけ>

    ――深夜――

    ギィーッ

    詢子「うぃ~っ、たっだいま~……」フラフラ

    しんと静まった家の中に、帰宅を知らせる声が響く。

    知久「あ、おかえり。今日も……結構、飲んでるね」

    薄暗いリビングのテーブルで、コーヒーを飲みながら応える。

    詢子「そりゃー飲まなきゃやってらんないよ。あンのハゲ、いつかとっちめたる……」フラフラ

    知久「はは、変わらず相性悪いみたいだね」

    詢子「悪いなんてモンじゃないね、きっとこりゃ生まれ持っての因縁だね」

    いつもの調子で、いつもの相手のいつもの悪口。

    詢子「……あれ? これ、ポッキー?」

    知久「うん。まどかのお友達が来てね、ポッキーの日にポッキー食べたいって話になったみたいで。
       久々に作ったんだよ」

    詢子「へぇー、なっつかしいなーこれ。何年前だろ……」

    知久「どうだったかな? 結婚前だったと思うけど」

    232 = 75 :

    詢子「ふうん、ポッキーの日か。……ポッキーゲームもやったっけなぁ、若い頃は」

    知久「詢子が恥ずかしがって負けてばっかりだったけどね」

    詢子「このっ、いらんことばっかり覚えてるな……」

    詢子「……よし、じゃあアタシがそんなのは過去だと教えてやるよ」

    言って、テーブルの上のポッキーを口に咥える。

    知久「え?」

    詢子「………」ボリボリ…

    それをほとんど、数センチを残してかみ砕いてしまうと、

    詢子「んむっ……」

    知久「!」

    わずかばかりの残り知久の口元に差し込み、口づけを交わした。

    知久「ん……」

    詢子「………」

    言葉を交わすこともなく、詢子が咀嚼したポッキーを唾液ごと交換する。

    二人はじっくりと時間をかけ、お互いを味わってそれを飲み込んだ。

    233 = 75 :

    詢子「っは……」

    時間ももう忘れた頃、ようやく詢子はその唇を離した。

    詢子「っと」グイッ

    垂れ落ちそうな唾液の雫を、シャツの袖でぬぐう。

    詢子「………ほら。これで証明できたろ?」

    知久「……でも顔が赤いよ?」

    詢子「こ、これは酒のせいだよ、酒のな」

    知久「お酒じゃ顔が赤くならないってこと、知ってるからね」

    詢子「フン………///」

    ちょっとだけ倒錯的な夜を過ごす二人。

    それを、物陰から覗く娘の姿。

    まどか (ほ、ほむらちゃんの言ってたポッキーゲームって……あんなことするの!?)

    まどか (さすがに、わたしたちには早いんじゃないかな……? ほむらちゃん………///)

    誰も得も損もしなさそうな勘違いが、また一つ生まれていた。

    ~fin~

    234 = 227 :

    乙乙

    大人の愛っていいよね
    なんていうか、安定感がある

    235 :

    乙乙
    こんなにポッキーが食いたくなるSSは初めてだったぜ

    236 :

    乙乙
    ちょっちポッキー買ってくる

    237 = 74 :

    乙乙乙

    238 :


    いいすごくいい

    239 :

    乙でした
    ポッキー食いたい

    240 = 229 :

    乙乙ファンタズマ


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