元スレ紅莉栖「メールで告白しちゃう男の人って…」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
1 :
電話レンジ(仮)の爆発事件から1週間。
Dメールを研究していた頃の熱気は過ぎ去り、俺たちはただ
ダラダラと夏休みを過ごしていた。
ガランとしたラボ内。
今日は、まゆりが補習授業、紅莉栖は講習会、ダルはメイクイーンで行われているイベントに行ってしまい
ラボの中には俺だけが残されていた。
となれば、一人残された俺がやる事といえば一つしかあるまい。
談話室に置かれたティッシュ箱から、ティッシュを3枚ほど抜き取る。
岡部「…うむ、準備は万端だ…」
2 = 1 :
俺はX68000の前に座り、ネットの海から、女の子達のあられもないあんな画像やこんな画像を探した。
ほどなくして、我が頼れる息子が反応する画像が見つかり
俺はズボンからなにを取り出し、画面を見ながら手で刺激し始める。
岡部「うっ……くうっ……」
刺激を始めて数分、俺は今にも達してしまいそうだった。
この画像…けしからんな……。
実にけしからん…。
あ、もうダメだこれ……。
3 = 1 :
岡部「うっ……ううっ…」
そんな時、背後でラボのドアが引き開けられ―――。
鈴羽「うーっす。 岡部倫太郎、いるー?」
突然鈴羽が入ってきた。
岡部「え……?」
しまった…! カギを掛け忘れていたなんて…!
岡部「ちょおっ!!おおおおおまおまおま…!」
なんたる失態…。 己の不用心さに呆れて物も言えない。
岡部「待てえええっ! 待ってくれ…っ!」
慌てて我が頼れる息子をズボンに仕舞おうとするが、大きくなっているためなかなか収まらない。
鈴羽は、顔に?マークを浮かべて歩み寄ってくる。
4 :
世界一かわいいよおおおおおおおおおおおおおおお
5 = 1 :
やめろ……くるな……っ!
鈴羽「なになにー? 何してんの~?……あ」
どうやら鈴羽は、俺の様子を見て察してしまったらしい。
終わった。 俺、エル・プサイ・コングルゥ…。
鈴羽「…岡部倫太郎さ~。 そーゆー事するときは、ちゃんとカギ閉めた方がいいよ?」
岡部「…え?」
……しかし、鈴羽の反応は意外なものだった。
鈴羽「まぁ、急に開けたあたしも悪いんだけどねー」
岡部「あ、いや…」
6 :
3枚って少なくね?
7 = 1 :
鈴羽「ん? ああ、そうそう。 店長が、預かってたブラウン管が直ったから取りに来いってさ」
岡部「あ、そうですか……じゃなくてだ」
鈴羽「え?」
岡部「女の子ならば、普通こういう時“いやーん!HENTAI!”とか“きゃー!近寄らないで!”とか言うもんじゃないのか…?」
鈴羽「あー…。 いいんじゃない?べつに。 男の子だもんね」
なん…だと…?
岡部「そ、そうですか。 すみませんでした」
鈴羽「じゃー、下で待ってるからさ、終わったら取りに来てよね。 あと、ほどほどにしとけよ~。あっはは」
鈴羽はそう言ってはにかむと、再びラボのドアを開けて行ってしまった。
8 :
家でやれよ
9 :
>>6
貴様には想像力というものはないのか
10 = 1 :
岡部「あの……女」
理解のある幼なじみキャラ……だと?
漫画やネット上だけの存在だと思っていた。
聖女か?
あれが聖女…。
岡部「あの………女ああああぁぁぁぁぁ!!」
正直、どストライクすぎるだろう。
こうして、女に免疫のない、DTの俺は何とも妙ちくりんな理由で恋に落ちてしまったのだった。
11 = 1 :
どうにか落ち着いた俺は、一階に降りてブラウン管を受け取ると、足早に店を出た。
もちろん店内には鈴羽もいて、はたきで埃を掃除していたが、さっきの事もあり目を合わす事が出来なかったのだが…。
それにしても見たか、おい。 はたき掃除の時は三角巾にエプロン姿だったぞ…。
けしからんな…。 ため息が漏れる。
岡部「はぁ……まさかこの俺が、あのバイト戦士の事を気にする事になるとはな…」
阿万音…鈴羽か…。
そして、ラボへと続く階段を見上げて、俺は再びため息をついた。
12 = 4 :
よし全裸になったぞ
13 = 1 :
そんな時、不意に――――。
鈴羽「手伝おっか?」
岡部「うおおわっ! ってうおおっ!」
急に鈴羽がヒョイと視界に入って目をあわせてくる。
俺は思わず、持っていたブラウン管を落としそうになるが、鈴羽がそれを支えた。
鈴羽「うわー…危ないなぁ。 ねー、そんなに驚く事ないじゃ~ん。ちょっと傷付くよ?」
岡部「す…すす……すまん」
鈴羽「…ありゃ、どしたの? いつもの威勢はどこ行ったのさ」
岡部「いや、た…たたす…たすかった…うん」
鈴羽「なに~? あっはは。岡部倫太郎、動揺しすぎ。 今の君、ちょっと可愛いよ?」
岡部「あ………ええ?」
14 = 1 :
鈴羽「……ああもう、調子狂うなー。 もういいや、さっさと運んじゃおーよ」
岡部「あ、あり……」
鈴羽「ん?」
岡部「……がとぅ…」
鈴羽「お、おーう…」
15 = 1 :
何とか二人してブラウン管テレビをラボに運び込む。
岡部「ぜぇ……ぜぇ……」
鈴羽「なんだー岡部倫太郎。 はぁ、だらしないぞー。はぁ…はぁ」
見ると、鈴羽が額の汗を拭っている。
ぐう…っ!!
岡部「な、なぁ、バイト戦士よ…」
鈴羽「ん? なに~?」
岡部「…運んでくれた礼だ。 ちゃ…茶でも飲んでいかないか…?」
ああ、俺は何を言ってるんだ…。
16 = 1 :
鈴羽「…あ、もしかしてさっきの事で気ぃつかってんの? 大丈夫。誰にも言わないって~」
岡部「あ、いや、そういうわけじゃないんだが…」
さっきの事を思い出して、思わず赤面してしまう。
鈴羽「うーん、でもあんまり遅くなると店長が怒るからなぁ…」
岡部「じゃ、じゃあ…この後飯でも食いにいくとか…。せめて何かご馳走したいというかだな…」
いや、本当はちょっと話がしてみたいだけなんだが…。
鈴羽「えっ? 岡部倫太郎、奢ってくれんの?」
岡部「も…もも…もちろんだす!」
噛んだ。 しかし、これは好感触…いけるか?
17 = 4 :
しえん
19 :
スレタイは関係あるのか?
20 = 1 :
鈴羽は、腕を組んで考えている。
なんだ…? これはどういう事だ…?
鈴羽「うーん……。 今日はやっぱやめとく」
なに? 今なんて言った?
冷静に思い返してみる。 やっぱやめとく?
止めておく?
岡部「な、なぜだ…?」
鈴羽「なぜって…何ででもぉ~。 だけど、うん。 また今度誘ってよ」
岡部「お、おうふ」
やった。 次のチャンスがあるという事でいいんだよな?これ。
っていうか、恋だよなこれは。
21 = 1 :
その後、一人になってひとしきりそわそわしている所でダルが帰ってきた。
早速、さっきの事を話し、会話の内容も伝えて、どうだろうかと尋ねてみる。
ダル「わかんね」
岡部「え?」
ダル「いや、だからわかんねって。 そもそも、何で僕に聞いちゃったん?」
ああ、たしかに…。
岡部「そうか…すまなかったな。 今の話…忘れ―――」
ダル「られる訳ねーよ! ってか、オカリンがいきなりナニの話しだすから」
ダル「いつ逃げようかとドキドキしちゃったじゃねーか。 謝罪と賠償を要求する!」
岡部「ならば俺は遺憾の意を表明する! …というか、大事なところはそこじゃなくてだな…こ、ここ…」
ダル「もうやめて! オカリンのライフポイントは0よ!」
岡部「恋しちゃったって事なんだよおおおおおおぉぉぉぉぉ!」
ダル「はい、言ったああぁぁ!」
ダルと、その場でハイタッチを交わす。
22 :
ダル「」
24 = 1 :
紅莉栖「ほ、ほぉ~? お、岡部がこここ、恋…だと?」
岡部「なん…」
ダル「…だと?」
談話室で座って話していた俺とダルの隣に、いつの間にか紅莉栖が佇んでいた。
紅莉栖は、俺たちを氷のような表情で見下ろしてくる。
紅莉栖「その話…詳しく聞かせてもらおうかしら」
岡部「だ、だが断る」
ダル「残念牧瀬氏、だが断られたわけだが」
紅莉栖「ちょ、いいから話せっつってんのよ!殺すぞ」
…ふざけるな! 紅莉栖なんぞに話してみろ…。
こいつ、きっとふれ回る友達がいなくてもふれ回るに違いない。
最悪の場合、@ちゃんねるにコテハン・鳳凰院凶真の誹謗文章スレが立つことだろう。
それだけは避けねばならん。
25 = 1 :
岡部「だ、ダルよ、助けて…」
我が頼れる右腕、ダルに助けを求めて手を伸ばす。
すると、急に伸ばした腕に鈍痛が走った。
メキリ…と骨が軋む。
カバに咬まれたら、きっとこんな感じなのだろう。
岡部「うぐぅ!?」
腕の方に目をやる。 まゆりだ。
まゆり「トゥットゥルー♪ オカリンオカリン、まゆしぃもその話、聞きたいなぁー」
まゆりが、俺の腕を掴んでいた。
まゆり「いいよね?」
岡部「わかった……全て…話そう……」
26 :
安定のまっちょしぃ
27 :
面白い、支援しよう
28 = 1 :
岡部「…と、言うわけだ」
俺は仕方なく事の顛末を説明した。
紅莉栖「…それは間違いなく勘違いね。 恋じゃない。 断じて」
まゆり「まゆしぃも、紅莉栖ちゃんに全面的に同意だよぉ」
岡部「な、なんでだ!? っていうかまゆり、お前全面的とか言わないだろう! そして助手よ!どういう事か説明してもらおうか…ぜぇ…」
一気に話して息が上がってしまった。
紅莉栖「そ、それは…そう、吊り橋後悔よ」
吊り橋…? ってあの吊り橋か?
ダル「ああ、男女が一緒に吊り橋を渡ったドキドキを、恋だと勘違いしちゃうアレか」
岡部「なっ!」
29 = 1 :
ダル「※ただし(以下略)だけどな。 ほんまかいなTVでやってた」
ああ、あの腐女子御用達の眉唾情報ご紹介番組か…。
紅莉栖「そう。 あんたは短時間の内に…オ、あ、アレを起点として…っ! 何度もドキドキする場面があった」
ダル「なんで言い直すん? もっかいちゃんと言ってよ。 そこ一番重要なとこだろ常考」
紅莉栖「やかましいわ! つまり、岡部のそれは、吊り橋のドキドキを恋のドキドキだと勘違いしてるって事」
まゆり「なぁーんだ~♪ えっへへー。 オカリン、よかったね」
岡部「な…に?」
まゆり「早めに勘違いだって気付けて」
岡部「ふ、ふざけるなっ!」
30 = 9 :
後悔しちゃったかぁ…
31 :
鈴羽可愛すぎる…
鈴羽ぺろぺろ^^
32 :
自重しろまゆクリ
33 = 1 :
ダル「お、オカリン!?」
岡部「これが例え吊り橋のドキドキであったとしても…俺にとっては恋のドキドキと何ら代わりはない!」
むしろ、吊り橋から恋へクラスチェンジしたのだ。
ネズミが白馬に。
カボチャが馬車に、っていうアレだ。
そうに違いない。
紅莉栖「こいつ…早く何とかしないと…」
やかましい!
紅莉栖「でもさ…」
紅莉栖が残念そうな顔になり、更に反論してくる。
紅莉栖「それって、あんたが自分勝手にドキドキしてるだけで、阿万音さんはむしろ引いてるんじゃない?」
なん…だと…?
34 = 19 :
どう見ても鈴羽がかわいいから仕方ないな
ほかと比べて性格もいいし
35 = 32 :
女はこええなぁ
36 = 1 :
ダル「あー、あるある。ってか、もし僕が阿万音氏の父親だったら、そんな動機の奴が近寄ってきた時点で殺しちゃうかもしんね」
岡部「だ、ダルまで…」
紅莉栖「それは無いから安心して、橋田」
ダル「即答かよ!ってかさすがに失礼だろ」
まゆり「そうだねぇ。 まゆしぃもちょっと引いちゃうかもしれないのです…」
くっ……こんな事、話さなけりゃ良かった。
紅莉栖「これはもう…実況検分しか無いわね」
岡部「はい?」
37 = 31 :
ジョッシュと特にまゆりが黒い…
鈴羽Loveになってしまたのも分かるなw
38 = 1 :
まゆり「なるほどぉ、発生当時の状況を再現してみようってわけだねぇ♪ さっすが紅莉栖ちゃん」
岡部「おいまゆり、今日はやけに物わかりがいいな」
ダル「うは、これなんてエロゲ? 待ってて、今カメラ用意するから」
ダル!悪のりするなよ!
紅莉栖「さあ岡部、早くやりなさい。 ってか早くやれ早く」
岡部「い、いやだ…!」
まゆり「オカリン、時間がもったいないよぉー」
ダル「よしよし…シーン1、テイクワン…アクション!」
岡部「い、いやだ! お前らふざけるな!」
俺は、靴も履かずにラボから逃げ出した。
39 = 32 :
このオカリン総受け度たけぇ
40 = 26 :
41 = 1 :
急いで実家に帰り、昼間の事を思い出してみた。
あれは…恋だ。 間違いない。
俺は…阿万音鈴羽が好きになってしまったのだ。
そこで、紅莉栖に言われた事を思い出す。
俺は……俺はそうだとしても…鈴羽は?
やつは、本当はどん引きしてしまっていたんじゃないのか…?
そんな時、携帯がけたたましく着信音を鳴らした。
紅莉栖かメール魔に違いない。 くそっ。こんな時に…。
岡部「…ってうおっ!」
42 = 31 :
岡部っていうよりカオヘ主人公っぽいw
鈴羽ぺろぺろ…!
44 = 1 :
frm.バイト戦士
sub.おなかすいたー
『どっかに草とか虫が一杯採れる場所ないかなー? そうすれば、あたしのサバイバル技術が生かせるんだけど』
草とか虫?
おなかすいた?
虫?
岡部「鈴羽…。 お前、一体どんな生活をしているんだ…?」
俺の…鈴羽に対する興味は、ますます深まっていくばかりだった。
45 :
別に気にしないんだが、これはα世界線?
46 = 1 :
翌朝ラボに来ると、ブラウン管工房の前では鈴羽が掃き掃除をしていた。
ふ、フフフ……フゥーッハハハ! なんたる偶然! ここで巡り会ったのも奇跡に違いない!
岡部「よ、よう。バイト戦士」
鈴羽「あ、おっはー。 岡部倫太郎、今日早いじゃーん」
岡部「う、うむ。 それよりバイト戦士よ、朝から掃除か?大変そうだな?」
鈴羽「いや~、他にする事無くってさー。 このお店暇でしょ?あっはは」
鈴羽がはにかむ。
岡部「どれ……俺が、て、てて、手伝おうか?」
ここは、鳳凰院凶真流のやさしさアピールと洒落込むか。
鈴羽「え? いいっていいって。あたしの仕事だし、他にやる事なくなっちゃうよー」
岡部「で、でも…」
そう言うと、鈴羽は首を横に振って、ばつの悪そうな顔で頭を掻いた。
しまった。 これは残念な選択肢を選んだようだぞ…。
47 = 32 :
オカリンが特定人物にこんだけベタボレるSSって初めて見た気がする
48 :
わりと再現度高いからあり
49 = 1 :
岡部「そ、そうか。 いらぬ気遣いをしてしまったようだな」
鈴羽「ううん。 っていうか岡部倫太郎さ、昨日から様子が変だよ? 大丈夫~?」
まずい…挙動不審に見られていたか。
岡部「そうか? そんな事は無いと思うが…」
鈴羽「ふーん。 じゃ、あたし…」
あ、まずい。 鈴羽が掃除に戻ろうとしている。
なにか話題を…。
岡部「あっ。 …時にバイト戦士よ。 お前、昨日のメールだが…」
鈴羽「えっ? あー、あれね。 どう? いい場所あるかな?」
50 = 1 :
鈴羽は、チラチラとこっちを見ながらと目を輝かせている。 メールの内容が内容だけに、複雑な気分だ。
岡部「いや…そうじゃないんだが…。 お前、普段どんな物を食べているんだ?」
鈴羽「え?」
岡部「いや、草とか虫とかって書いてあったから…」
鈴羽の表情が少し険しくなる。 これは…まずいか…?
鈴羽「…うん。 あの…ね? あの…色々あんだって」
小さくなってしまった。
しかし、聞かずにはいられない。
岡部「色々ってお前、どこに住んでるんだ? 両親は――――」
そこまで言ったところで、鈴羽が急に目を見開いた。
鈴羽「しっつこいなー!もう! それは君には関係ないじゃん!」
岡部「うぐっ…!」
今まで、どこかとぼけていたような鈴羽が、急に感情を顕わにする。
鈴羽「あ、ゴメン…」
岡部「…いや、俺の方こそすまん…」
みんなの評価 : ★
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