元スレ紅莉栖「メールで告白しちゃう男の人って…」
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201 = 104 :
岡部「やめろこのHENTAIめ!」
ダル「オカリンひでー。 僕はHENTAIじゃないよ? HENTAIという名の紳士だよ」
岡部「前から言おうと思っていたがな……HENTAIもHENTAI紳士も一緒だ馬鹿者!」
一同「アハハハハ」
そんな話をしていると、鈴羽がシャワーを終えて出てきた。
いつもは、おさげにしている髪を、頭の後ろで結ってである。
こ、これもたまらん…。 か、かか、かわいい。
鈴羽「誰が覗くって~?」
岡部「おわっ…ちがっ…!」
鈴羽「倫太郎、あたしの風呂を覗くなんて、いい度胸してんじゃーん?」
岡部「違うんだっていてててててててて!あーー!ダル!ダル!助けて!」
ダル「だが、断る!」
そんな、賑やかな会話が夜遅くまで続いた。
203 = 105 :
しえん
204 = 104 :
紅莉栖「ふふ、阿万音さん…疲れてたのか真っ先に眠っちゃったわね」
意外にも、この集まりを楽しみにしていた鈴羽が真っ先に眠ってしまっていた。
安心しきったような寝顔だ。
俺は、これが見られて、満足に思う。
フェイリス「寝顔が、かっわいいニャー♪ ニャウ~ッ」
岡部「うむ…フェイリス、解っているとは思うが……いたずらするなよ」
フェイリス「ニャニャ、凶真ってば、そんな妄想するんだ。 やらしー」
ダル「うは…たまらん」
まゆり「ダルくん、自重」
ダル「は、はい」
ルカ子「あはは、みなさん、もう少し静かにしましょう…。阿万音さん、起きちゃいますし」
岡部「そうだな…」
ラボの中には、暑さとは違った、とても暖かい空気が流れていた。
鈴羽、お前の言うとおりだ。
こいつらと居ると暖かいな。
205 = 104 :
鈴羽「…ううん、父さん……」
沈黙を破って、鈴羽が寝言を呟く。
また、父親の夢でも見ているのだろうか。
会わせてやれなくてすまなかったな…。
でも、明日はきっと会える。
そうに違いない。
ふと―――。
紅莉栖「ちょ、ちょっと橋田」
何かに驚いた紅莉栖が声をあげる。
ダル「え?」
岡部「なっ…んだと?」
見ると、ダルの頬には涙が伝っていた。
堰を切ったように、ぽろぽろ、ぽろぽろと。
ダル「ん? なんなん…? って、え? なに? なんぞコレ?」
どうやらダル自身は涙を流していた事に気付いていなかったようで、慌てて涙を拭っている。
206 = 105 :
しえん
207 = 104 :
岡部「…大丈夫かダル。 お前…塩分の取りすぎなんじゃないか?」
ダル「ぼ、僕はウミガメかお…」
紅莉栖「ふふっ…ウミガメってよりウミウシだけどな」
ダルめ、ここでそんなボケをかますとは面白いやつだ。
さて、と改めて皆に向き直る。
紅莉栖「? どうしたの、岡部」
岡部「みんな…今日は本当にありがとう」
ダル「うおっ!」
まゆり「ええっ!」
紅莉栖「驚いた…。 狂気のマッドサイエンティストが珍しいわね。 明日は雪かしら」
岡部「茶化すな…。 お前たちには、きちんと礼を言っておきたかった」
ありがとう。
208 :
眉しぃ
209 :
紅莉栖に罵倒されるスレかと思ったら良スレだった
211 = 202 :
どうした?
212 = 104 :
紅莉栖「べ、べつに礼などいらんわ。 私達は私達で来たいから来ただけ…げふんえふん」
紅莉栖…。
ダル「うん、オカリン。 牧瀬氏の言うとおりだお。 こっちこそ、呼んでくれてありがとうなのだぜ?」
ダル…。
まゆり「…そうだねぇー。まゆしぃも、そう思う。 ありがとう、オカリン」
まゆり…。
みんな、ありがとう。
ダル「さーて、おまいら? 朝までマリオカートとボンバーマン大会やるけど異存はないかお?」
…親戚の子供同士で集まるとやるよな。
紅莉栖「異議なし」
フェイリス「みんニャ、フェイリスのドラテクで翻弄してやるのニャ」
るか「凶真さん、あの…その……やり方…教えて下さい…っ!」
お、おうふ…。 その切ない顔はやめろ…。
214 = 104 :
まゆり「んー、いいよぉ、るかくん。 今のもう一回リピートだよぉ」
なんだそれ…。 思わず笑ってしまう。
涙が出そうなほど、胸の中が暖かさで満たされるのを感じた。
岡部「…ああ、教えてやろう。 ただし、キノピオはもらったぞ」
紅莉栖「プッ……キノピオとか、いかにも狂気のマッドサイエンティストらしいな」
岡部「貴様……キノピオを馬鹿にするのか…?」
紅莉栖「えっ、いや、そんな訳じゃ…」
岡部「紅莉栖……お前はどうせピーチ姫とか使っちゃうんだろう?」
スイーツメリケン処女にはお似合いだな…。
紅莉栖「なっ……私はマリオ派……! って、今あんた、名前で…」
岡部「あ、間違えた…」
紅莉栖「この野郎…」
この、お馬鹿で優しい時間は、ゆっくりと過ぎていった。
215 = 104 :
タイムマシンオフ会当日。
その日は、昼まで皆がラボで雑魚寝をして過ごした。
昨夜はマリオカートが大いに盛り上がり、ダルが運転に合わせて身体が左右に動く事から
それに突っ込んだ紅莉栖の大声で鈴羽も起き出してしまい、結局ラボメン全員で朝8時まで遊び倒してしまった。
全員が目覚めたのは昼頃。
フェイリス達がコンビニにそうめんを買いに行き、全員でそれをすすった後
ラボに集まったメンバー達はそれぞれ解散していってしまった。
ガランとしたラボの中。
ラボには今度こそ、俺と鈴羽だけが残されていた。
217 = 104 :
談話室に置かれたソファに並んで座る。
鈴羽「あー、すごく楽しかったよ。 ゲームなんて初めてやったからね」
岡部「そうか。 まあ、あれはかなり古いやつだったからな。今のゲームはすごいらしい」
鈴羽「へぇー。 あたしのいたところじゃ、ゲームなんて無かったから」
岡部「そうなのか? 随分寂しいところだな」
鈴羽「うん…」
沈黙。
でも、以前ほどギクリとするような感じの静けさではない。
鈴羽「ね、倫太郎」
またもや沈黙を破ったのは鈴羽だった。
岡部「なんだ?」
鈴羽「ちょいと膝枕してくんないかなー? いつもしてあげてばっかりだったじゃん」
うむ、そうだったな。
218 :
これは、、、ゴクリ
219 = 104 :
岡部「…べ、別にいいぞ」
鈴羽「やったー、ありがと。 それじゃ…よいしょ」
鈴羽が、ポフッと横になる。
両腿の上には、鈴羽の頭。
岡部「…お父さん、会えるといいな」
鈴羽「うん」
岡部「いや、会えるか。うん、きっと会える。 二人であんなに頑張ったんだ。俺が保証する」
鈴羽「あー、そうやって泣かそうとするの禁止ー! 次やったら50円ー」
岡部「まじか…」
鈴羽「ん…まじ」
50円て…。 小学生かよ。
俺は、鈴羽がたまらなく愛おしくなり、髪をすいてやったり、鈴羽のおさげを振り振りする。
220 = 104 :
鈴羽「くすっ…倫太郎、何やって…」
そう言って、笑って見上げてきた鈴羽と目が会う。
膝の上の鈴羽と、まるで呼び合ったかのように、見つめあう瞳。
窓からは、夕方のキツい西日が射していた。
ふと
鈴羽「…倫太郎、いーよ。 はい、んーっ」
鈴羽が目を閉じて、こちらに頭を浮かしてくる。
唇が微かに開く。
む、むう…。
いや、し、しかし……。
いきなり来られても…なあ?
岡部「……ぐぅ……ぐぅ……」
チキン…。 俺のチキン!
221 = 106 :
むっはー
222 = 104 :
鈴羽が目を開ける。
鈴羽「あ、またねたフリ…」
…すまん。
鈴羽「ずっるー。 ここまで好きにさせといて…」
軽く、指で鼻をピンとしてくる。
いたっ…。
鈴羽「岡部倫太郎、あたしは……君が好きだ」
あ………うん。
――――俺も。
言おうとして、鈴羽が起き上がる。
鈴羽「それじゃ、行ってくるよ」
完全に、目を開けるタイミングを逃してしまった。
223 = 105 :
きーす!きーす!
224 = 119 :
鶏にも程があるだろ
225 :
般若デレ胸熱
226 = 104 :
鈴羽は、鏡の前で髪をチョイチョイと直して、玄関で長いソックスを履いている。
俺が、今言ってやれるのはこれくらいだろう。
なんせ、俺だしな。 チキンの。
あえて寝たふりをしながら声をかける。
岡部「…いってらっしゃい」
しばらく間をおいて、鈴羽がこたえた。
鈴羽「……うん、いってくるよ」
ドアの閉まる音がすると、今度こそ俺はラボに一人残された。
228 :
とてもロマンチックで切ない
229 = 208 :
ちゅっちゅっ
230 = 104 :
岡部「ハアッ……ハアッ……」
走り疲れて息が切れる。
真夏の夕方はひどく暑い。
岡部「くそっ……どうしてこんな事に…」
ついさっき、鈴羽から届いたメールが信じられず、再び目を通す。
frm.鈴羽
sub.ごめんね
『さよなら』
くそっ……なんだよ……これっ!
一向に電話は繋がらず、メールの返信もない。
…父親に会えなかったのか?
だとしたら、ショックなのには違いない。
しかし……それにしても、何で突然こんなもの送って来るんだ……!!
再び走り出す。 どこだ? どこにいるんだ…鈴羽!
さよならってなんだよ! お前、どこに行く気なんだよ!
お前がいないと…、お前がいてくれないと……俺は……俺は……。
231 = 218 :
とぅっとぅるー、、、、
232 = 104 :
運動不足のせいか、過度に酸素を要求してくる脳と肺が鬱陶しい。
苦しい……死ぬ……。
……鈴羽、どこにいるんだよ。
俺は、2時間ちかく秋葉原の街を走って回ったが、鈴羽の姿を見つける事は出来なかった。
もう、この街にはいないのか…?
疲れ果てて、立ち止まる。
街頭のビルに取り付けられたビジョンでは、ラジ館の屋上に墜落した人口衛星が
先ほど突如として消失したという報道がされていた。
街角に座り込む。
もう……ダメだ……。
これだけ探しても見つからないなんて…。
恨むぞ…。
この街の広さを。 この街を…。
233 = 104 :
座り込んで膝に顔を埋めて、どれくらい経っただろうか。
ふと、顔を上げると紅莉栖が立っていた。
紅莉栖「あ、あんた……こんな所で何やってんだ…」
随分走り回ったのだろう。
髪は乱れ、汗が滲んでいる。
目が赤い。
岡部「なにやってるって……? …もう…無理。 見つからない…見つけられないんだ…」
紅莉栖「なっ…!」
岡部「俺は……俺が、鈴羽の願いを叶えてやれなかったから……」
岡部「鈴羽の気持ちに…ちゃんと向き合わなかったから……」
……神様が罰を与えたんだ。
全部無くなってしまえ。
そんな酷い仕打ちをする神様も、この街も。
234 = 105 :
しえん
235 = 189 :
鈴羽「……“しえん”だよ」
236 = 104 :
……それに、鈴羽が何もいわずに俺の前から消えたのが一番の証明だ。
だって、そういう事だろ?
俺を置いていなくなるほど、大事な用事があったんだろ、始めから。
俺なんて…。
居ても居なくても一緒だったんだ。
紅莉栖「あ、あんた…阿万音さんが、本当にそう考えてたって思うの…!?」
岡部「ぐうっ…!」
見ると、紅莉栖が俺の胸ぐらを締め上げている。
く、紅莉栖…?
紅莉栖「この期に及んで、何いってんだ! この馬鹿! 唐変木!」
岡部「…なん…だと?」
紅莉栖「…これ、阿万音さんからの手紙! 読め!早く!」
鈴羽からの、手紙…?
238 = 104 :
紅莉栖「ラボの郵便受けに入ってたんだよ! ちゃんと確認しろ、馬鹿!」
なん…だと…? ってか、読んだのか?これ。 封が切られてるぞ。 先に読むか?普通。
え? なんで読んじゃったのよ先に。
岡部「か、貸せっ!!」
俺は、紅莉栖の手から手紙を奪い取る。
手が震えて、なかなか切り口を開けられない。
…やっとの事で手紙を取り出す。
岡部「なん…だ…これ…」
239 = 218 :
ホーホケキョ
240 = 136 :
人の手紙を勝手に読むのは流石に引くわ
241 = 105 :
鈴羽の手紙ってアレしか考えられん
242 = 104 :
『岡部倫太郎へ。』
『倫太郎がこれを読んでるって事は、もうあたしが居なくなった後って事だね。
ごめん、倫太郎。
あたしは、父さんに無事に会えたのかな。 それとも、会えなかったのかな…。
倫太郎には、父さんをあんなに一生懸命探してもらったのに、結果報告すらせずに去るなんて、あたし最低だよね。
でも、顔を見ると離れられなくなりそうだから、このまま行きます。
卑怯なあたしを許して下さい。
いつも、倫太郎には辛い思いばかりさせてしまいました。
最後の最後まで、本当にごめんなさい。
243 = 104 :
『さて、急な話になるのですが、あたしには、どうしても行かなきゃいけない所があります。
それは、父さんに会えても会えなくても、行かなきゃならないところです。
行ったら、きっと倫太郎とはもう会えないと思います。 でも、あたしは倫太郎に会えなくなるのが、つらい。
とてもこわい。 こわいです。
せっかく、倫太郎に会えたのにね。
本当は、行きたくない。
また、いつもの朝みたいに声をかけてもらいたい。
また、かっこつけて逆に変になってる倫太郎が見たい。
また、悪い奴からあたしを守って欲しい。
また、一緒に街を歩き回って、帰りにサンボに行きたい。
また、倫太郎のきったない部屋に遊びに行きたい。
また、あたしの料理を食べて欲しい。
また、一緒に星を眺めたい。 また、一緒に歩きたい。
また、一緒に笑いたい。
行きたくないよ。
倫太郎、迎えにきてくれないかな? なんちゃって。
最後にこんな、愚痴みたいな手紙になっちゃってごめんね。
でも、岡部倫太郎がなかなか好きって言ってくれないから、これはそのお返しなのだー!わはは。
ありがと、あたしの大好きな岡部倫太郎。
ありがとう。
ごめんね。
244 = 104 :
膝から力が抜け、崩れ落ちる。
何も考えられない。 目の前が真っ暗になった気分だ。
岡部「すず…は………」
崩れ落ちた俺に、紅莉栖がカツカツと歩み寄る。
紅莉栖「…岡部、ちょっとこっち来い」
岡部「…え?」
紅莉栖「いいから、来い!」
恐る恐る、紅莉栖に近づく。
岡部「うおっ…!」
急に、紅莉栖に抱き締められる。
思わず、ポカンとしてしまい、力が抜ける。
岡部「く、紅莉栖…なんで?」
紅莉栖「はぁ……あんたって、本当に罪作りな男だな…」
岡部「え?」
紅莉栖「解らないならいい。 でも、もうしばらくこうさせて。 阿万音さんが居ると遠慮しちゃうから…」
245 :
肆
246 = 145 :
みんなかわいい
247 = 104 :
岡部「それは……どういう意味だよ…」
紅莉栖「…黙ってろ、馬鹿。 いつもの頼れるアドバイスやらんぞ」
岡部「…す……すまん」
そのまま、数分が経過する。
どうすりゃいいんだ、これ。
俺の両腕が泳いでいる。
抱きしめ返せばいいのか?
いやいや、ダメだろそれは……。 ダメダメ。
何故か紅莉栖は、俺にしがみついたまま何度もため息をついている。
ふと、紅莉栖が耳元で小声で囁いた。
紅莉栖「この世に神なんていない……あんたは、まだやり直せる」
岡部「な…に…?」
248 = 105 :
ぺったんこ
249 :
ゴリゴリ
250 = 104 :
紅莉栖は、そう言うと俺を突き放した。
紅莉栖「電話レンジ、修理しておいたから」
岡部「…えっ!」
あれは……爆発したはず。
確かに俺は見た。
ルカ子を女の子にするためのDメールを送ろうとした瞬間、まゆりが何かをしたと思ったら
急に電話レンジは煙を吹いて爆発したのだ。
修復不可能なほどに。
紅莉栖「お前らがイチャイチャしてる間に、いくらでも修理する時間はあったわ」
あ………。
岡部「そう……だったのか」
紅莉栖「全く、ラボの象徴()ともあろうマッドサイエンティストさんが、毎日ふらふら出歩いてて世話無かったぞ」
みんなの評価 : ★
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