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元スレP「あと二ヶ月…」千早「プロデューサー?」
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スロスは一時期の勢いが無くなったな。あの時期が異常だっただけか?
数分の沈黙、彼女は俺のついた嘘が気に入らなかったのかときおり俺を見てはそっぽを向く。
やっちまったな…千早の奴、完全に拗ねてる。
P「な、なぁ…嘘位誰だってつくだろ?」
当たり前だが俺の問いかけは彼女の耳には入る筈もなく車内に虚しく響き渡る
き、気まずい…無視は無いだろ無視は
ハンドルを握る手が滑る、確認はしないが間違いなく汗ばんでる
P「じゃ、じゃああそこ行こうか、あそこ」
千早「……何処ですか」
P「落ち着ける所…?」
そう言うと目の前の信号が黄色に変わる
くっ…タイミング悪過ぎだろ、質問責めされるの確定じゃねぇか
俺の考えを裏切ってはくれず彼女は口を開き俺に問いかける
千早「…プロデューサー」
千早「プロデューサーは、迷った時はどうしてますか?」
P「……は?」
迷った時?突然過ぎる質問、意外過ぎる質問。
彼女は俺を見ないで前だけ見つめている
ただ……俺の答えを待っているのだけは伝わった
P「迷った時って……突然どうしたんだよ」
千早「……答えてください」
くあぁ…完全に主導権握られてる
迷った時って言われてもなぁ…俺なんて毎日迷走してるから答えなんて出せないぞ
信号が赤から青に変わるまでの間、凄く長く感じた。
千早は相変わらず前だけ見つめてる、俺の事を横目ですら確認しなくなった。
全然分からない…彼女が全く見えてこない
頭を掻き毟りアクセルを踏み込む
答えが出ない……それに、今向かってるのは事務所。
このままじゃ答えを出せないまま事務所に着いてしまう
P「……迷った時」
P「迷った時………」
P「……顔洗う」
自分でも驚いた、コレが言いたかった訳じゃない。
脳で考えてこれを口に出そうと思った訳じゃ無い
ただ…無意識の内に口からこぼれた言葉
彼女の方を見る、彼女も俺の方を見ている。
千早「か、顔を…ですか」
P「あっ……あ、あぁ」
もう良い、これを通そう。
実際の所間違いじゃ無いしな…ここ数日、何か有る度に顔を洗って心を落ち着かせてたし。
……そうだよな、俺って何か壁にぶち当たる度にトイレに駆け込んで顔を洗ってたっけ
P「うん、とにかく洗う」
P「水をな?顔面に叩きつけてさ、そのままうがーっ!……みたいな感じで」
千早「…」
あはは…駄目だったかな
俺なりの答えだったんだけど、千早、お前に届いたかな
先ほどまでの考えが嘘の様に言葉が口から出てきた。
今はこれを千早にぶつけよう、俺を知ってもらう為に、千早に俺を見せよう。
P「ま、前髪をびしょ濡れにしてさ」
P「鏡で自分の顔を見るんだ」
P「そしたらさ、前より明るい自分が映ってるんだよ!鏡に」
千早「前より明るい自分……ですか」
ここ数日、顔を洗ったら鏡を見ていた
どんなに辛くても、どんなに苦しくても
死にたいって思った時も、心が折れそうになった時も
顔を洗って鏡を見たっけ……
千早「……」
千早「ありがとうございます」
P「へ?あ、ありがとう?」
彼女の不意打ちに心を揺さぶられた
ありがとう?ま、まぁ答えてやったんだからお礼を言ってくれたんだよな…?
そんな俺の考えをよそに彼女は俺を見て一言
千早「帰りましょう……事務所に」
俺なりの答えだったんだけど、千早、お前に届いたかな
先ほどまでの考えが嘘の様に言葉が口から出てきた。
今はこれを千早にぶつけよう、俺を知ってもらう為に、千早に俺を見せよう。
P「ま、前髪をびしょ濡れにしてさ」
P「鏡で自分の顔を見るんだ」
P「そしたらさ、前より明るい自分が映ってるんだよ!鏡に」
千早「前より明るい自分……ですか」
ここ数日、顔を洗ったら鏡を見ていた
どんなに辛くても、どんなに苦しくても
死にたいって思った時も、心が折れそうになった時も
顔を洗って鏡を見たっけ……
千早「……」
千早「ありがとうございます」
P「へ?あ、ありがとう?」
彼女の不意打ちに心を揺さぶられた
ありがとう?ま、まぁ答えてやったんだからお礼を言ってくれたんだよな…?
そんな俺の考えをよそに彼女は俺を見て一言
千早「帰りましょう……事務所に」
P「は?事務所に?」
千早「はい」
千早「学校……もう授業が始まりますから」
予想外だった、まさか学校に行きたいなんて言い出すとは
でも…千早、お前いま良い顔してる、笑顔じゃ無いけどさ
多分……いや、絶対、心の中じゃ笑顔なんだろうな
P「良いのか?俺とのドライブ、もう少し楽しみたくないのか?」
冗談混じりの一言、俺もいつしか彼女に気兼ねなく当たっていた
千早、少しだけだけどさ…分かった気がする
ありがとうな?見せてくれて……千早の新
しい顔を
千早「授業の方が大切ですから」
左手をハンドルから離し彼女の額に近づける
中指を曲げて親指で固定する……デコピンの形を作り力を込め、彼女の額を当てる
バチンと鈍い音が車内に響き俺は彼女に言い放つ
P「じゃかましい」
千早「…つぅ…ぷ、プロデューサー…」
P「ほら…もうすぐ着くぞ、事務所に」
P「着きましたぜい、千早殿」
まだ額を押さえてやがる…そんなに痛かったのかなぁ
俺は彼女に近づき右手で額を押さえている手をどける
P「oh…」
千早「…許しませんから」
真っ赤に腫れていた、多分あの鈍い音
爪が直撃したんだろうな、あはは…
俺を振り解き事務所に向かう彼女を追いかける、すっごい怒ってるよ
P「わ、悪かったって」
千早「許しません…」
怒ってる筈なのにな…千早の顔が緩んでる
それが嬉しくなった俺は彼女の額に軽いビンタを浴びせる
千早「ぷ、プロデューサー!いい加減にしてください!」
P「うひひひ、悔しかったら捕まえてみろよぶぅわ~か」
そう言うと俺は駆け足で事務所へ向かう、もちろん…後ろから彼女も俺を追いかけてきてくれてる。
その時だった……一瞬、一瞬だけ意識が飛んだ
身体から力が抜けるのが分かった、視界がグラつき
俺はその場に倒れこんだ
http://www.youtube.com/watch?v=YQTgnWXlZ3Q
これでも聞いて待ってろよ
これでも聞いて待ってろよ
目を覚ますとそこは事務所
あれ……俺、確か外で倒れた筈なんだけどな
頭が割れる様な痛みに襲われ顔を歪める
P「いっつうぅ…」
俺の声に気づき彼女達が俺に駆け寄ってくる
あぁ…そっか、俺…千早と小鳥に運ばれたんだっけ
薄っすらと思い出す、倒れ込んだ時の事を
千早の声がして……それから小鳥の声が聞こえたんだっけ
そのまま二人に担がれて事務所に…
千早「プロデューサー」
小鳥「プロデューサーさん!だ、大丈夫なんですかぁ!?」
うぅ、脳に響くから…黙れ
小鳥が俺の肩に手を添えて俺を揺らす
痛い、身体中に痛みが走る……つーか、少しは丁寧に扱えっつーの
P「あぁああ!小鳥!!俺に触るな」
小鳥「ぴっ…」
P「ああぁ……頭いってぇ」
千早「プロデューサー、お水です」
千早から差し出されたコップを受け取りそのまま流し込む
P「ありがとう…千早」
千早「それより大丈夫なんですか?」
大丈夫じゃ無いから倒れたんだけどな
いや…多分千早も分かってる。ただ安心を得たいんだろうな
笑顔を作り千早の頬に右手を当てる
温かい……うん、落ち着いた、ありがとうな千早
千早は冷たい俺の手を驚く様子も無く受け止めてくれた
指に湿り気を感じた…千早の涙だった
俺の右手を両手で握り千早は俺に言い放つ
千早「……バカ」
千早「…バカですよ……プロデューサーは」
P「あはは…ご、ごめん」
千早「許しま……せんからっ…」
俺を握る手に力が込められるのが伝わってきた
痛いよ……力込め過ぎだっての
事務所の窓から外を見る
おかしい……外が赤みを帯びている
……ま、まさか
P「ち、千早…いま何時だ」
千早は泣いてるだけで俺の質問に答え様としてくれない
仕方なく空いてる方の手で携帯を取り出し時間を確認
17:26分……やっちまった、俺、5時間近く気を失っていたみたいだな
無理やり身体を起こし千早に両手を離す様に指示を出す
ゆっくりと千早は握っている両手を離し俺を見つめる
P「…お前、なんで待ってたんだよ」
P「せっかく学校行くって言ったのに」
瞬間、胸に衝撃が走る。
千早が俺の胸に顔を埋めて来たんだ
相変わらず千早は軽いな……いや、有る意味凄く重いけど
P「なぁ…どうして小鳥に頼んで連れてって貰わなかったんだ」
そう言うと次は背中に痛みを感じた
痛い……爪を尖らせて俺を握り潰そうとするなよ
小鳥「千早ちゃん、プロデューサーさんが起きるまでここを動かないって…」
小鳥が俺の疑問の答えを運んで来てくれた。
なるほど……俺を待っててくれたのね、でもそれは間違いだろ
俺は千早の肩に手を掛けて彼女に呟いた
P「何処にも行かねぇからさ…」
P「離してくれないかな、い、痛いんだよ…背中」
千早は俺の言葉が気に食わなかったのだろう、よりいっそう力を込めて俺にしがみつく
背中が熱くなる、間違い無く血が出てるな。感触で分かった
スーツを脱いでるからだろうなぁ…つーか誰だよ、スーツ脱がしたばかちんは
P「…千早」
P「……顔、洗いに行きたいんだけど」
その一言が千早には理解できる筈、俺が千早にだけ教えた秘密の合図
迷ってる時…辛い時、苦しい時は顔を洗う
なぁ千早……お前も洗いに行ってこいよ
今のお前、すっげー情けないぞ
背中に掛かっていた負荷が徐々に失われて行く、千早が俺から手を離し、ゆっくりと俺から離れて行く
顔洗って毎回鏡を見てたのが伏線だったとは
この>>1出来る…
この>>1出来る…
千早「……」
P「ごめん…心配かけて」
俯いて、俺を見ようとしない千早
少しだけ悲しい、少しだけ嬉しい。
今の千早の顔……見たく無いから、今は嫌われてる位が丁度いいから……
P「俺、ちょっとトイレに行ってくるから」
小鳥「あっ、は、はい」
一歩、また一歩、ゆっくりとトイレに向かう。
また突然気を失う訳にはいけないから、もしこの場で倒れちまったら本当に終わってしまう気がする。
誤魔化しきれる自信も無いし……でも、今はトイレに行きたい
後ろを向くと千早が佇んでいる
ったく、お前が一番迷ってる筈だろ……いい加減にしろ
苛立ちを言葉に込めて千早にぶつける
P「ほらっ!お前も来るんだよ、千早!」
そう言うと千早は俺同様、ゆっくりと歩いて俺に歩み寄る。
そう……それで良いんだよ、素直になるが宜しい
トイレのドアを開け、目の前に有る鏡に近づく
鏡を見て、俺は驚いた
自分の顔…酷く青ざめてる
P「あ……あはは」
当たり前、それは分かってた。
ここ数日水分以外は全くと言っていい程とっていない
倒れたのも多分それが原因…
冷たい手で自分の頬に触れる
……冷たかった
自分自身が怖くなる、なんだよこいつ…骸骨じゃねぇか
なんでだ?確かに朝、俺はここで顔を洗った筈なのに
その時は………その時は…
多分…まともな筈……だっただろ?
恐怖が俺の心を締め付ける、吐き気に襲われその場で思い切りぶちまけた
P「う"っぐ……ぷっ…」
胃液と黄色い液体が口からこぼれ落ちる
昼間飲んだミルクセーキ、結局吐いちまった
次は喉元が熱くなる…吐いてる途中に咳き込んだ為口を手で覆ってはいない
P「ごほっ!げっ…っごほっ!お"っ」
苦しさが消え、顔を上げる
もう一度自分の顔を鏡で確認、もちろん良くはなっていない。寧ろ悪くなっていた
P「…は、ははっ」
虚しさが俺を襲う、切なさで涙が溢れ出す。
下を見ると、やっぱり赤かった。吐血、俺の血……俺の現状
蛇口を一番右まで捻り勢い良く水を出す
両手でその水に触れるも水圧に耐え切れず慌てて手を離す
蛇口を少し締めて水圧を弱める、水を両手に溜めてそれを口に持っていく。
口に含め、少しだけ何もせずに立ち尽くす
数十秒後、うがいを開始する。
P「がっ!?」
喉元に痛みが走る、含んだ水を吐き出しまた、咳き込む。
P「ハァァ……はあぁ…」
ゆっくりと息継ぎをする、喉元を押さえ気持ちを落ち着かせる。
大丈夫…大丈夫だ、大丈夫、大丈夫大丈夫
心に言い聞かせ自分に暗示を掛ける
P「……はあぁ」
息を吐いてその場に停止、今はコレが一番良い気がしたから。
瞳を閉じて深呼吸、吸って、吐いて…吸って、吐いて
P「……よし」
両手で自分の頬を思い切り叩く
痛快な音がトイレに響く、頬に痛みを感じてまだ自分は生きているんだと身体に実感させる。
P「今日は…このまま千早を送って行って…帰りますか」
ゆっくりとドアに手を掛ける、朝と同じ
いや……今の方が少しだけ、重かった
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