元スレP「あと二ヶ月…」千早「プロデューサー?」

みんなの評価 : ★★★
1 :
末期癌、医者に宣告された時は頭の中が真っ白になった。
最近身体の調子が悪い、ただの疲労だと思いながらも確認の為に社長に休みを貰って行った病院で言われた一言。
「肝臓癌……末期です」
その時の事はあまり思い出したく無い、あの時程神様を恨んだ事も無い
冗談かと思った、冗談だと思いたかった。
医者の深刻そうな顔……嘘をついている顔じゃなかった
余命二ヶ月…いや……もしかしたらもっと早く死ぬのかもしれない
もしかしたらもう少し長く生きられるのかもしれない
P「…あと二ヶ月か」
今ままだ受け入れられていない…当たり前だ
信じたくなんか無いし……それに
P「……まだ死にたく無い」
あと58日
2 :
よっしゃ!
3 :
来ましたか
4 :
待ってたぞ
5 :
癌来た!
6 :
明日休みだし思う存分書いてくれ
7 = 1 :
P「……」
重い身体を無理矢理起こす、まだ頭がぼーっとする。
癌を宣告されてからまともに食事をとっていない
ゆっくりとベッドから起き上がり冷蔵庫へと向かう
フラフラする…頭がぐらぐら揺れてるのが分かる
P「うぇ…気持ち悪い」
冷蔵庫を開けてお茶を取り出す
凄く重く感じた…こんな事今まで無かったのにな
コップにお茶を注いで一気に飲み干す
喉が潤され少しだけだが力が漲る
P「はぁ…」
P「今日も頑張りますか…」
8 :
ガーンだな
9 :
待ってたスロス先生
がんばれ
10 :
┃ ┃━┓ ┃┃┃
┗┓━ ┃━┓ ┗━━━━━(゚∀゚)━━━━ ┃┃┃
┗┓━ ┗ ┃ ┗┗┗
┗ ┃ ┗┗┗
11 = 1 :
顔を洗いに洗面所へ向かう、頭痛に襲われ倒れそうになるが無事たどり着く。
情けない…歩くだけなのに、ただ歩くだけなのに……
当たり前が当たり前じゃなくなっていく
確実に…死へと向かっている
怒りが込み上げて来る、目の前のガラスを思い切り殴ろうかとさえ思った。
でも……そんな事しても変わりはしない
分かってる……分かってるから辛いんだ
P「……早く洗って…事務所に行くか」
両手に水を溜めて顔に掛けてやる
気持ち良かった、鏡で自分の顔を確認。
あはは…ヒゲが生えてきてる
P「剃らないとなぁ…皆に笑われちまう」
12 :
おお!待ってたぞスロス
13 :
スロスちゃんちゅっちゅ
14 = 1 :
顔を整え終えると服を着替えに部屋に戻る
やっぱり…少しだけ歩き辛い
でも今はそんな事を考えないでいよう
P「今は仕事の事だけ…考えよう」
スーツに右腕を通した時に携帯が鳴る
慌てて携帯を手に取り確認……美希からだった
めんどくさい奴……お前、今日学校だろ
P「…おはよう」
美希『ハニー?ミキだよ』
分かってるさ…つーかお前しかいないだろ
P「で…朝っぱらからなんなの?」
美希『ミキからのモーニングコールなの』
P「……切るぞ」
美希『ハニー…』
17 :
作品を重ねるごとに確実に文章力が上がってるスロス先生
18 = 1 :
鬱陶しい…今すぐにでも切りたかった
電話越しでも分かる美希の姿、わかりやす過ぎ。
P「お前…学校なんだろ?」
美希『うん!もう学校だよ?』
こいつ……学校に携帯持ってってるのか
いや、今はそれが当たり前なのかな
P「お前なぁ…学校に持ってくなっていったろ?バレて取り上げられたらどうすんの?」
美希『だ、大丈夫なの』
何が大丈夫なんだか…このわがまま姫には困ったもんだ
その後美希と他愛も無い話で15分だろうか
それ位経った時に美希の方から俺に言ってきてくれた
美希『じゃあ先生が来ちゃうからお別れなの』
P「はいはい…学校頑張ってくださいね」
美希『ハニーもお仕事頑張ってね』
当たり前だろ…適当にやって良いなら適当にやるっつーの
P「じゃあな」
美希『うん!またかけるね』
19 :
響「はいさいwwwwww」
20 = 16 :
P「お願いがあります…」あずさ「プロデューサーさん?」
春香「響ちゃんの誕生日だね!チキン取って千早ちゃん」千早「えぇ」
誰か上のとズンチのURLください!
22 = 1 :
P「うっわ…もう時間無いし」
慌ててスーツを着て戸締りの確認
全て確認し終え深呼吸
大丈夫…大丈夫だから
頼むから今日も皆の前では今までの俺でいてくれ
バレたら全てが終わる、コレは俺の…俺だけの戦い
彼女達を巻き込むわけにはいかない、巻き込んじゃいけない
そう自分に言い聞かしドアノブに手を掛ける
お願いします、またこのドアノブを握るまでは
身体に何も起きませんように…
P「……行ってきます」
自分以外、誰も居ない部屋に一言呟く。
ドアノブに力を込めドアを開ける……やっぱり重く感じた
25 = 1 :
車に乗り込み深呼吸、別にしなくても良いのだが、こうしないと何か落ち着かなかったから…
P「早く事務所に行かないとな…もう時間無いしなぁ」
鍵を差し込みエンジンを掛ける、同時に車内に響く綺麗な歌声
彼女……如月千早の曲
俺が初めて作詞、作曲を務めさせて貰った自慢の一曲
P「そういや今日千早とだったかなぁ…」
P「うひひ…この曲かけてからかってやるか」
ゆっくりとアクセルを踏み車を動かす
事務所まで20分もかからない、だけど今の時間帯は少しだけ混む
だから早く出たかったんだよ…
P「あーもーあの金髪があぁ!」
苛立つ俺の心を落ち着かせてくれる彼女の歌声、でもその歌声もあと二ヶ月で聴けなくなる。
P「……」
26 = 19 :
響「……wwwwww」
27 = 16 :
>>23
マジサンクス
28 = 1 :
P「おはようございまっす」
小鳥「あっ、おはようございます」
決まって最初に声を掛けてくれるのが彼女
何時になったら結婚するんだか…まぁどうでもいいか
お前の花嫁姿なんてなぁ…
P「なぁ…」
小鳥「はい?どうしました?」
P「……いつ結婚すんの?」
小鳥「ぴっ!?」
そんな驚かなくても良いだろ…俺は彼女を無視して席に着く
パソコンを立ち上げ今日の予定表に目を通す
やっぱり千早と一緒だった、ラジオの収録。今日の予定はそれだけ…
P「情けないねぇ……スケジュール表ほぼ真っ白だ…」
29 = 17 :
もっと美希に優しくした方がいいと思うの
30 = 4 :
美希のターンはもう終わっただろ
31 = 1 :
小鳥「ぷ、プロデューサーさん…」
彼女が俯きながら俺に近づいて来る、お茶を持って…
小鳥「おっ…お茶です」
P「ありがと」
彼女にそう言い放つと再びパソコンに目をやる、律子達の活躍をみて見たかったから
竜宮小町…それだけで幾つもヒットするサイトの量にほくそ笑みながらも悲しくなった
P「律子は凄いよな…」
小鳥「あっ、竜宮小町ですか?」
P「あぁ……俺はこんな風に彼女達をプロデュース出来なかったからさ」
ふと漏らしてしまった言葉に寒気を感じた
しまった……なに変な言い方してんだよ俺
彼女を横目で見るがどうやら気づいては無いみたいだ
良かった……バレなくて
33 :
風呂敷を広げすぎてどれも終わりが見えないキガススロス
34 = 1 :
千早「あの、プロデューサー」
P「あっ、おはよう」
千早「おはようございます」
素っ気ない…つーか冷たすぎ
千早は未だに俺に心を開いてくれてない
一言で片付けようとする言い方、俺もそうだが相手に使われると良い気はしないな
P「今日のラジオ…まぁ何時も通りにやれば良いから」
千早「……はい」
そう言うと彼女は俺から離れる
えっ?それだけ?幾らなんでもそれは無いだろぉ…
俺どんだけ嫌われてんだよ…
P「…小鳥」
小鳥「ぴよ!?」
P「俺ってさ……そんなに近寄り難いかな?」
小鳥「そそそっ!そんな事無いですよ!」
耳が痛くなった…そんな声張り上げて言うなよ馬鹿
でもありがとう、嬉しい。
彼女が淹れたお茶を啜る……薄い
35 :
サッカー始まるまで仮眠とるからそれまで持ちこたえてくれよ…
37 :
MAXコーヒーはどうなったんだよ
最近どれがどれだかわからなくなってきたわ
38 = 1 :
アイドルになって二年…私はプロデューサーに色々な事を教えてもらった
合唱部で燻っていた私をプロデューサーはアイドルの世界に引き込んでくれた
空っぽだった私に、入りきらない位プロデューサーは詰め込んでくれた。
本当は……仲良くなりたい、もう少しだけ…プロデューサーに近づきたい。
でもプロデューサーは私だけのプロデューサーじゃない…
だからかしら……何時からか私はプロデューサーと距離を置くようになったのは
千早「…」
小鳥さんとパソコンの画面を食い入る様に見てる…挨拶しないと
今日はプロデューサーと二人きりでのお仕事、久しぶりね…
プロデューサーに近づく度に心臓の鼓動が早まるのが分かる
恥ずかしい…胸が苦しい
千早「あの、プロデューサー」
39 = 21 :
んあ?
41 = 1 :
P「あっ、おはよう」
言葉に詰まる、プロデューサーの顔を見るといつもそう。
素直になれたらどれだけ楽なんだろう、言いたい事が言えたらどんなに楽なのかしら…
千早「おはようございます」
そう言うしか出来なかった、必要最低限の言葉…
馬鹿みたい…なんで私はいつもこうなのかしら……
プロデューサー、本当は…本当はもっと話しがたい……
私がその場を去ろうとすると、プロデューサーは私を見ながら言ってくれた
P「今日のラジオ…まぁ何時も通りにやればいいから」
千早「……はい」
耳たぶが熱い、きっと私、顔が赤くなってるわね…
そんな顔、プロデューサーに見せられない。幻滅されそうだから…
私は早足でプロデューサーから離れた
……また、何時もと同じ私を演じる為に
44 = 12 :
紫艶
45 = 1 :
P「えーっと、もう少しだけ時間があるな」
小鳥「そういえばプロデューサーさん」
P「は?なんだよ」
小鳥「ジュピターってアイドルグループ、知ってますよね?」
知らない筈が無いだろ
ジュピター…961プロの主力アイドル
三人組の男性ユニット、デビューして以来テレビの引っ張りだこの売れっ子アイドル
P「ジュピターがどうしたんすか?」
小鳥「いえ…最近良くない噂を聞くので」
良くない噂……まぁ売れっ子にはつきものだろう
しかし、961プロと言うとあまり良い噂は聞かない
裏で色々やっているとこっちの業界でもよく言われている
P「別に…関係無いだろ、家には」
小鳥「……それが」
46 :
響の台詞で草生やしてる奴最近見かけるけど新手のコピペ?
クソつまんねえのにしつこいんだけど
48 :
>>46
響「ごめんさーwwwwww」
49 :
>>48
ごめんじゃねぇだろゴマ味噌野郎ッ!!
50 = 1 :
小鳥「律子さんが言ってたんですけど」
小鳥「昨日、ジュピターと一緒にお仕事した時に奇妙な事が起きたって…」
P「奇妙な事?」
律子の奴…他人になすりつけるなんてな
自分の非を他人のせいにするのは良くねぇだろ
小鳥「はい…彼女達のメイク担当が急に来れなくなったり衣装担当の人が倒れて現場に来れなかったりって」
P「…はぁ?」
あり得なかったメイクと衣装担当が来れない……
長い事プロデューサー業をやっているから言えるがそんな事は絶対に起きない筈
それなのに彼女はそれが起きたと言う
P「嘘だろ?じゃ、じゃあ律子達はどうなったんだよ」
小鳥「…ステージは中止になって、ジュピターのソロで収録を終えた……と」
P「マジかよ…」
みんなの評価 : ★★★
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