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元スレP「あと二ヶ月…」美希「ハニー?」
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P「えっ?」
医者からの宣告、俺は頭の中が真っ白になった
ここ数日、仕事中に襲い掛かる吐き気に頭痛、目眩に脱力感
それに耐えきれず、高木社長に無理言って会社を休ませて貰った、貰ったのに…
会社を休んでまで来た病院で言われた一言
医者「癌ですね」
癌?癌って、あの癌だよな?手術をすればどうとでもなるあの癌だよな?
P「あの…手術すれば良いんですよね」
医者は顔を渋め、少しして俯いた
数秒後、俺の顔を見て重い口を開けて一言
医者「肝臓癌……末期です」
地獄の底へ叩き落された
P「末期癌…」
頭の中がぐしゃぐしゃになった…末期癌?
助からない、俺、終わり?もう終わり?
医者「良くて二ヶ月かと…」
二ヶ月?た、たった二ヶ月?適当言ってんじゃねーぞ爺い
なんでこんな時に?せっかく765プロが波に乗ってるこの時に?
P「…助かる方法は」
本心だった、今ここで倒れる訳にはいかない
今ここで俺が倒れたら誰がアイドル達の面倒を見るんだ?
律子一人じゃとてもじゃないが無理だ、俺と律子でなんとかやっていけてるのに…
医者「……」
なんで黙るんだよ、答えてくれよ、頼むよ
なぁ爺い……俺、今死ぬ訳にはいかないんだよ
P「助かる方法、有るんですよね!」
医者「…抗がん剤を出します」
抗がん剤、分かってる、あの禿げる薬だろ?
病室に篭って、いつ死ぬか分からない恐怖と戦わなきゃならないのか?
P「……ふ、ふざけんな」
身体が震えてる、もう、何となくだけど理解してる
受け入れちゃってる…目の前の爺いの言葉を
医者「……残念です」
何が残念なんだ?なぁ、お前医者だろ!?医者なんだろ!
だったら俺を救えよ!俺を救って見せろよ!!
P「あっ……ぁ」
俺は医者の話を鵜呑みに聞き、病室を後にした
P「……」
目の前の自販機にお金を入れる、途中何枚か銀貨を落としたが関係無かった
P「おれ……どうすればいい」
自販機からコーヒーを取り出す、俺が毎日飲んでるコーヒー
甘ったるいと皆からは嫌われているが、俺はコーヒーと言えばコレしか飲めない
P「…」
缶の蓋を開け、コーヒーを流し込む
味がし無い…甘ったるい筈なのに、胃がも垂れる筈なのに
全然、味を感じなかった
P「あ、あはは……はっ」
半分程しか飲んでいないコーヒーをゴミ箱に捨て、立ち尽くす
P「……どうすればいいんだ」
携帯が鳴る、律子からだ…俺を心配してくれて掛けてきてくれたんだろう
P「…もしもし」
律子『おはようございますプロデューサー』
この声もあと二ヶ月で聞こえなくなるんだろうと思うと胸が張り裂けそうになった
P「なんだよ律子…あれか?俺の声が聴きたいから電話してきたんだろぉ?」
何時もの様に明るく振る舞う、そうしないとやってられなかった…
律子『はいはい、あっ、明日の事なんですけどね』
律子、俺、もうすぐ死ぬんだ
そう言えたらなんて楽っ…なんて楽なんだろう……
P「あはは、明日の予定がなんだって?」
律子『じゃあ、明日はちゃんと来てくださいよ?』
P「はいはい、じゃあ切りまっせ」
律子には、軽い披露と嘘をついた
薬を貰ったから大丈夫、明日からちゃんと事務所に行くからと…
P「……」
虚しかった…苦しかった、俺は残りの二ヶ月、一人でこの病と戦わなくちゃいけない
P「はは……なんくるなくねぇよ…」
冗談混じりで言う彼女の言葉
沖縄出身の我那覇響、彼女の口癖の『なんくるないさ』
P「帰るか…家に」
あと60日
P「ただいま…」
誰も居ない家に着くと俺はそのままベッドに向かう
今は何も考えたく無い、辛い現実から逃げ出したいから
P「はあぁ…」
ベッドを揺らし俺は服も脱がずにうつ伏せになる、一番落ち着く姿勢
寝ようにも寝れない、ただただ先程の医者との会話を思い出す
「肝臓癌…末期です」
医者からの死の宣告、もう助からない
それに、余命まで言われた
残り二ヶ月……二ヶ月で何が出来る?二ヶ月で何が変わる?
P「……」
枕に頭を押し付けそのまま深呼吸
枕が濡れていた
携帯が鳴り響く、鳴り響いてる筈なのに全く聴こえない
俺は携帯の発色で気づき携帯を開く
美希からの電話……正直取りたく無かった、これ以上他のアイドルの声なんて聴いてしまった
でも、俺が無事で有る事を彼女達に伝えるのもプロデューサーの仕事なんだろう
彼女達に心配を掛けたくない……俺は電話にでた
P「……美希か」
美希『あっ、ハニー?具合、大丈夫なの?』
大丈夫じゃないですよ~俺あと二ヶ月で死んじゃいますよ~
P「あぁ、おかげさまで、何とも無かった」
美希『本当?だったらミキ、後でハニーの家に行っても良い?』
本当なら絶対に断っている、仮にも美希はアイドル
俺の家に来ているのがバレたらそれこそ彼女のアイドル生命を殺しかねない
だけど……今は
P「あぁ、俺も……美希に会いたい」
美希『本当!?』
電話越しでも分かるっつーの、お前、今飛び跳ねてるだろ
わかりやすい…俺の大切なアイドル
P「うん…じゃあ待ってる」
美希『絶対だよ!?ミキ、頑張っちゃうの!』
頑張る、ね…あぁ、頑張れ
俺が居なくなっても、輝いていてくれ
P「じゃあまた」
美希『うん、ハニーも安静にしてるの』
プツッ
P「……安静に、ね」
無理言うなよ…ばーか
P「はぁ、だったら俺も頑張っちゃおうかね」
P「可愛い可愛いアイドルの為に」
俺は急いで部屋の掃除に取り掛かる、綺麗とは言えない男臭い部屋
彼女は別に気にしないだろうけど俺が嫌だ
せめて綺麗な部屋で美希と過ごしたい
P「えっと、掃除機は何処ですかねぇ」
身体の調子はすこぶる快調だった
いや…薬を飲んでるから身体がだらしくないのかも知れない
そう思いながらも部屋を片付ける
~♫
P「んあっ、また美希からか」
携帯を開き時間を確認する、午後3時
午前中から昼に掛けて病院内で診察を受けていたとは言え早すぎる
少し気合を入れすぎたのかな、それとも俺がとろかっただけなのか
兎にも角にも電話に出ないとな、美希様のわがままが炸裂する前に
P「へいへいこちらプロデューサーこちらプロデューサー、どうぞ」
美希『ハニー…ミキ、軍人じゃないの』
P「ノリ悪すぎ……切るぞ」
美希『ハニー…』
P「……なんだよ早く言え」
美希『えっとね、さっき収録が終わったから今そっきに向かってるの』
P「へ?歩きでか?」
美希『違うの、タクシーで向かってるの』
無駄遣い、金をなんと思ってるんだこの金髪は…
まぁ売れっ子だからそれ位余裕が有るんだろうね羨ましい
P「で、いつ頃になんの」
美希『えっとね……あっ、ここでいいの』
タクシーを停めたのだろう、じゃあすぐそこか
ほんとわがまま、せめて収録が終わった直後に電話いれろっつーの!
美希『じゃあハニー、すぐ行くのー!』
プツッ
P「なっ……きりやがった」
カブトムシ、HIPHOP、ぼっち響、オリの悪魔ちゃん
どれか一つでも完結させてくれ、佐藤大輔かよww
どれか一つでも完結させてくれ、佐藤大輔かよww
美希「ハニー!開けてほしいのー!」
ドアを叩く音が部屋中に響き渡る
力入れて叩きすぎだっつーのバカ美希、いつか本当に髪が逆立って覚醒するぞ
P「スーパーサイヤ人に…」
美希「ハニー!」
P「分かってる、聞こえてるからドア叩くな!うるっさいんだよ!!」
美希「ハニー…」
ドアを叩く音が消えた、やっと黙ってくれた
俺は鍵を開けて美希を出迎える
あはは……髪ぐしゃぐしゃ、なに慌ててんだよ
美希「久しぶりのハニーの家なのー!」
P「ほらっ、じっとしてろ、髪が馬鹿になってる」
美希「ミキ、馬鹿じゃないよ」
P「お前じゃなくて髪だよ馬鹿」
美希「ミキ馬鹿じゃないもん」
張り倒したくなった
カブトムシの作者って地の文使わなかったよな
方針転換?
違う人?
方針転換?
違う人?
>>32
最近使いだしたよ
最近使いだしたよ
美希「ハニー、身体、本当に大丈夫なの?」
P「……」
大丈夫、そう言う筈なのに…そう言わなきゃいけない筈なのに
言葉に詰まった……電話越しじゃなくて、直接本人に言う事がこれ程酷な事とは…
P「美希…」
美希になら…美希になら本当の事を言っても大丈夫なんじゃないか?
美希なら受け止めてくれるんじゃないのか?
そう思った矢先だった
美希「ハニー、ミキ、今日で16歳になったの」
P「えっ…」
美希「えへへ、後二年だよ?18歳まで」
18歳、そうだ、俺は美希と約束したんだ
18歳、18歳になったらお前を女として見てやる……だから今は仕事に集中しろと
P「…」
美希「ハニーも、他の人に浮気なんてしちゃダメだよ?ミキとの約束だもんね」
そう、もう一つ約束したんだ
美希が頑張るなら、美希がその約束を守るなら
俺は美希を待ってやる、美希が18歳になるまで俺も仕事一筋になるって
ごめんな……約束、守れそうに無い
Pがしぬと聞くと765プロが倒産した美希のようになってしまうのかと思ってしまう
P「…」
美希「ハニー?どうしたの?」
美希に嘘をついちまった…
ごめん、ごめんな?美希、俺嘘つきだ
P「…ごめん」
美希「え?なんでハニーが謝るの?」
あぁ、やっぱり呼ぶんじゃ無かった
やっぱ…耐えれそうに無い
腕が震えてるのが分かる、目頭が熱くなってるのが分かる、目から涙が零れるのが分かる
美希「は、ハニー!?」
P「ごめん……っ…ごめん」
俺はその場で泣き崩れた…美希の前で
大切な約束をした人の前で
美希「ハニー、落ち着いた?」
俺は美希にソファまで連れていってもらった
情けない…さっき思った事、アイドル達に迷惑をかけない
これも破った……俺は大嘘つきだ
P「…悪い、ちょっと婆ちゃんが死んだ時の事を思い出しちゃってさ」
美希「ハニー…ミキを見てお婆ちゃんを思い出したの?」
P「あぁ、なんか似てたから」
美希「ゔっ、喜んでいいのか悪いのか分からないの」
P「美希は馬鹿だからなぁ…」
美希「み、ミキは馬鹿じゃないの!」
P「…知ってる」
美希からタオルを受け取り俺は力強く顔を擦る
今の俺には痛い位が丁度いいから…
美希「ハニー…幾らなんでも強過ぎなの、顔真っ赤だよ?」
P「…痛い」
嘘じゃない、痛いのは本当
お前の好意一つ一つが胸を締め付ける
美希、なんつーかさ、俺、辛い
美希「ハニーは馬鹿だから仕方ないの」
P「にゃにぃ!?」
うん、正解…俺は馬鹿、大馬鹿だよ
美希「事実なの」
P「かっちーん、ムカついちゃったの~」
今は楽しみたいな、美希との時間を
誕生日は美希なのにさ、俺が願うとかおかしいけどさ
今は美希と一緒に居たい、ダメかな?美希
>>37
その人のだと思ったんだけど
その人のだと思ったんだけど
美希「ねぇハニー」
P「ん?なんだよ」
美希「ミキの誕生日、忘れてたでしょ?」
P「あぁ、忘れてた」
嘘だよ、冷蔵庫にちゃんと用意してあるから
まぁケーキじゃないけど、美希の好きな物
美希「ハニー…そんなのってないの」
P「知らないさー」
美希「響は関係無いの!」
関係無いのって…一応仲間だろうに
響…なんくるないよ
P「はいはい、嘘ですよ~」
美希「え?」
P「ちょっと待ってな」
ソファから立ち上がり冷蔵庫へ向かう途中、頭痛が襲い掛かってきた
痛みに耐え切れず俺は、その場に倒れ込んだ
これアレだろ
なんか事務所でムービー作ってんだろ?
今も小鳥さんが撮影してるんだよな…
なんか事務所でムービー作ってんだろ?
今も小鳥さんが撮影してるんだよな…
意識を取り戻した時、俺はベッドの中だった
隣には美希が心配そうに俺を見つめてくれている……なんで泣いてんだよ、馬鹿
美希「ハニー、どうしたの?本当になんともないの?」
なんともなく無かったら床に倒れないだろ?それ位別れよ馬鹿
P「なぁ美希…」
もう言おう、正直誤魔化し切れそうに無い
何より美希のストレスの元になるのが嫌なんだ…
ごめん、今のも嘘…誰かに話して楽になりたいだけ
美希「な、なに?ミキに出来る事ならなんでもする!だからハニー…隠し事はやめてほしいの」
ダメだ…やっぱり言えない、お前の泣き顔なんて見たくない
ごめん、また嘘つくから…許してくれ
P「なはは…立ち眩みってやつ」
間違いじゃないよな?誤魔化せるよな?
美希、分かったから俺の胸に顔を埋めるなっての
そこ…癌だから
なぁ美希、いい加減泣き止めって
お前今日誕生日なんだろ?ほら、冷蔵庫にあるから
美希の好きなイチゴババロア
だからさ、一緒に食べよう?祝ってやるから、お前の誕生日
だからさ、泣き止んでくれよ…俺だって辛くなっちゃうだろ?
泣きたいのは俺のほうだよ、だってさ
もうすぐ美希に会えなくなるんだぜ?こんな辛い事って無いわ…
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