元スレ綯「みんなで遊園地……?」岡部「そうだ!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
1 :
このSSは
綯「1日ラボメン見習い……?」岡部「そうだ!」
の続きです。
前作を読んでない方は先にこちらから読むことをお勧めします。
あんまり長くない作品でサクッと読めると思いますので。
2 = 1 :
岡部「綯……お前は俺のこと、どう思ってるんだ?」
その言葉に、私は耳を疑ってしまいます。ここは……ラボ?
綯「えっと……キライじゃ、ないです」
とてもあいまいな答え。……ホントは、正直に言えないだけなのに。
岡部「そうか――それならいいんだ」
オカリンおじさんの顔が、だんだん私に近づいてきます。
動こうと思っても、体は全然いうことを聞いてくれません。
ま、まさかこれ――キス!?
綯「あの! 待って、オカリンおじさ――」
3 = 1 :
ジリリリリリリリ!
綯「――!」バッ
ゆ、夢か。
皆さんおはようございます、天王寺綯です。
……なんだか、すごい夢を見てしまった気がします。
目覚まし時計が鳴ってなかったらどうなってたんだろう?
天王寺「綯! そろそろ起きねえと遅刻するぞ!」
お父さんの声……大変! 早く朝ごはん食べないと!
5 = 1 :
天王寺「綯、なんだかうなされてた見てえだが、怖い夢でも見たのか?」
綯「だ、大丈夫だよ、心配しないで」
正直に言ったら、多分オカリンおじさんがとばっちりを食らうだろうし。
『お前にも、感謝しなければな――ありがとう』
オカリンおじさんの声が頭の奥で響いています。
あれからまだ1週間も経ってないのか……今でも、あの日のことを思い出しては顔が熱くなります。
天王寺「おい、なんか顔が赤いぞ。バイトの風邪がうつったのか?」
綯「そんなことないって! わ、私は元気だよ」
……ちょうど、今みたいに。
7 = 1 :
綯「萌郁お姉さん、もう大丈夫なの?」
天王寺「休んだ分もバリバリ働くって息巻いてたぜ。まあ、大して仕事はねえがな」
そうなんだ。風邪で具合が悪そうだった萌郁お姉さんも、すっかり元気になったようです。
天王寺「なんだったら、今日店に来るか? 迎えに行ってやるが」
綯「ホント!? じゃあ学校が終わったらお店に行く!」
私は急いで朝ごはんを片付けて、学校へと向かいました。
8 :
萎えさん!
9 = 1 :
――――――――――――――――――――――――――――――
「「先生さようならー!!」」
ホームルームも終わり、校門の前で待っていると、すぐお父さんの車がやってきました。
綯「お父さん!」
天王寺「悪いな、待たせちまったか?」
綯「ううん、さっき終わったばっかりだよ」
お父さんのことを見てみんな怖がるけど、私にとっては優しいお父さんです。
天王寺「そうか、じゃあさっそく出発するぞ!」
ブロロロロ・・・
天王寺「そういえば、今日は上が騒がしかったな」
綯「上って……ラボのこと?」
どうしたんだろう、何かあったのかな?
10 = 1 :
――大檜山ビル――
キキッ ガチャ
綯「萌郁お姉さん!」
萌郁「……綯ちゃん、こんにちは」
少しぎこちないけど、私に笑顔で答えてくれる萌郁お姉さん。
綯「萌郁お姉さん、もう風邪は大丈夫?」
萌郁「うん……綯ちゃんたちのおかげ」
ありがとう、とポツリと呟いて、また私にほほえみます。
初めて会ったときはあんまり表情が変わらなかったけど、今はだいぶ色んな顔が見れて私もうれしいです。
11 = 1 :
天王寺「なあ、今日は何騒いでたんだ? 岡部のバカがまたなんかやらかしたか」
萌郁「……岡部くん、福引を当てたみたい」
福引――もしかして、海外旅行とかかな?
萌郁「私も、詳しくは聞いてない……」
萌郁お姉さんも、不思議そうにしています。
でも、下まで響くほど騒いでたなら、余程いいものが当たったのかもしれません。
綯「私、ちょっと聞いてくる!」
私はどうしても気になって、階段を駆け上っていきました。
12 = 1 :
岡部「うーむ……」
ダル「オカリン、散々騒いでもう賢者タイム? 早漏乙!」
岡部「うるさい――冷静に考えたら、こんなの一体どうすれば……」
ダル「ラボメンみんな誘えばそれでいいじゃん! ブラウン氏たちも入れれば丁度じゃね?」
綯「あ、あの……」
玄関のドアをノックして開くと、2人が何か話していました。
岡部「む、小動物ではないか」
わざと乱したみたいな髪型に、よれよれの白衣。
オカリンおじさんはいつも通りの姿で、私を出迎えます。
綯「こ、こんにちは」
少しだけドキドキしてしまうけど、なるべく普段通りに。
13 = 1 :
岡部「どうした? 何か用か」
綯「あの、オカリンおじさん、福引が当たったって……」
ダル「あれ、桐生氏から聞いたん? 実はさ、遊園地の招待券が当たったんだお」
……遊園地?
ダル「この前オープンした遊園地に団体10名様1日フリーパスでご招待!」
「大盛況らしいからこれはかなりお買い得!」
綯「へえー」
オカリンおじさん、結構くじ運いいんだなあ。
14 = 1 :
岡部「フン、遊園地など……人ごみに紛れて機関のエージェントが潜伏してるかもしれないのだぞ!」
ダル「オカリンまたそんなこと言って。福引当たったのも機関の罠だとか……動揺しすぎ」
素直に喜べばいいのに。でも、オカリンおじさんらしいです。
綯「いいんじゃないですか? 紅莉栖お姉ちゃんも喜ぶと思いますけど」
岡部「なっ――!」
オカリンおじさんは耳まで真っ赤になってます。
15 :
マグマ持って来い
17 = 1 :
ダル「そういえばオカリン、あれから牧瀬氏とはどうなったん?」
鈴羽お姉ちゃんのあの発言で、2人は少なくとも2036年にはイチャイチャしてる関係だと分かってしまいました。
……でも、なんだか複雑な気分です。
ダル「牧瀬氏も最近は顔赤くしてばっかだし、リア充爆発しろ!」
ガチャ
鈴羽「おいーっす!」
19 = 1 :
ラボのドアが勢いよく開かれ、元気なあいさつが聞こえてきました。
この人は鈴羽お姉ちゃん。未来から来たタイムトラベラーです。
岡部「お前、どこに行っていたのだ?」
鈴羽「いやー、自転車でいろいろ走り回ってたんだよ! 今日は有明の方まで」
ダル「有明!? わが娘ながらスゴイ体力」
鈴羽お姉ちゃんはその言葉が嬉しかったのか、何だか照れくさそう。
鈴羽「今度父さんもどう? すっごく気持ちいいよ!」
ダル「僕はパス。有明につく前に死んじゃうお!」ドヤァ
……いばって言うことじゃないと思いますけど。
20 :
期待だ
21 = 1 :
綯「そういえば、鈴羽お姉ちゃんってどこに泊まってるんですか?」
鈴羽「ああ、テキトーにタイムマシンの中にマット敷いて寝てるよ!」
ま、マットか……。野性的な気がしないでもないです。
このビルの屋上には、ちょうど人工衛星みたいな形をしたタイムマシンが置いてあります。
私は1度しか見てないけど、紅莉栖お姉ちゃんは何度も調べているようでした。
鈴羽「あんまりいじられて帰れなくなったらイヤなんだけど」
岡部「うむ、俺からも注意しておこう」
22 = 1 :
ガチャ
紅莉栖「はろー」
岡部「噂をすれば……今日は遅かったな」
紅莉栖「しょうがないでしょ。私もそろそろアメリカに帰らないといけないから、いろんなところに連絡しないと」
岡部「……まあ、夏に帰る予定をここまで引き延ばしたのだからな。やむを得まい」
紅莉栖お姉ちゃん、アメリカに住んでるんだっけ。そういえば、読んでる分厚い本は全部英語でした。
23 :
またお前かよ氏ね
VIPで当然のように続き書いてんじゃねえよ
よっぽどの良作ならともかく、前作見てたけどつまんなかったからやめろ馬鹿
24 :
髪も長くてきれいだし、何だか大人っぽくて私も憧れちゃいます。
……オカリンおじさんが好きになるのもわかるなあ。
紅莉栖「……どうしたの、私の顔に何かついてる?」
綯「い、いえ! なんでもないです」
ちょっと見とれてたなんて言えない……。
ダル「いつの間にかオカリンが牧瀬氏を名前で呼び捨てにしてる件について」
岡部・紅莉栖「「う、うるさい!」」
ぴったり同じタイミング。今日も仲がよさそうです。
……でも、少しだけ寂しいな。
25 = 24 :
――――――――――――――――――――――――――――――
鈴羽「へー、遊園地か! 私もそろそろ未来に帰るつもりだったし、最後のいい思い出になるよ!」
まゆり「うん、まゆしぃも行きたいなあ」
紅莉栖「でも、あんたが福引でねえ。変な時だけ運がいいというか」
あれから少しして、まゆりお姉ちゃんと萌郁お姉さんもラボへとやってきました。
まゆり「あとでるか君とフェリスちゃんにも聞かないとねー」
萌郁「私も……いいの?」
岡部「お前もラボメンだろ。拒む理由などない」
萌郁お姉さんも、それを聞いてほっとしたようです。
27 :
いいよいいよ
28 = 24 :
綯「あの、ホントに私も行っていいんですか?」
岡部「招待券は10人分あるんだぞ。ラボメンだけで行っても余らせてしまうし、ミスターブラウンには世話になっている」
「それに、お前はラボメン見習いだしな。参加資格は十分だ」
まゆり「そうだよねー。綯ちゃんも一緒じゃないと!」
まゆりお姉ちゃんもなんだかうれしそう。
みんなで遊園地……楽しみです!
29 = 24 :
――――――――――――――――――――――――――――――
というわけで、その週の日曜日。
ラボメンのみんなとお父さん、私の10人で、遊園地にやってきました。
天王寺「おお、こりゃあすげえ」
岡部「フフ、人がゴミのようだな!」
紅莉栖「……あんた、なんだかんだでテンション上がってんじゃないの?」
まゆり「オカリン、こういう賑やかなところすきだからねー、えっへへー」
31 :
シュタゲSS久しぶりに見たわ
32 = 24 :
フェイリス「それにしても、まさか凶真があのチケットを当てるとは思ってなかったのニャ」
「やはり、にじみ出るカリスマがそうさせてしまうのかニャ……」
フェイリスさんは、この前メイド喫茶でつけてた猫耳をつけています。この人、猫耳好きなのかな?
綯「フェイリスさん、何か知ってるんですか?」
フェイリス「知ってるも何も、あの福引を主催したのはうちなのニャ!」
まゆり「フェリスちゃんの家、お金持ちだもんねー」
そ、そうだったのか。……でも、それならバイトなんてする必要ない気がします。
33 :
いいね 期待してる
34 = 24 :
るかお姉ちゃんは大きな風呂敷包みを持っていて、何だか大変そうです。
るか「でも、何だか素敵ですね。あの観覧車もすごく大きいですし」
フェイリス「ルカニャンなかなか分かってるニャ。あれがこの遊園地の目玉、1周20分の巨大観覧車ニャ!」
確かに、入り口前でもすごく大きく見えます。
夜にライトアップされたりしたらすごくキレイそうだなあ。
鈴羽「うわー! 父さんと遊園地なんて小学生の時以来だよ!」
ダル「まさかこの歳で娘と遊園地に行けるとか、胸熱すぐる!」
ダルおじさんと鈴羽お姉ちゃんもすごく楽しそうです。
35 = 31 :
この静かな感じはSS速報向きだよなぁと思わなくもない
36 = 24 :
綯「あの――今日はありがとうございます。お父さんも誘ってくれて」
岡部「気にするな。お前も親子で来た方がいいだろうしな」
まゆり「オカリン、優しいねー」
岡部「茶化すな。これは、機関の陰謀を調査するという隠れた目的もあるのだ!」
紅莉栖「はいはい厨二病乙。そんなことより、さっさと入りましょうよ」
紅莉栖お姉ちゃんは呆れたようにスタスタと行ってしまいます。
岡部「おい、紅莉栖!」
それに続いて、みんなもどんどん入場していきました。
37 = 24 :
――――――――――――――――――――――――――――――
まゆり「やっぱりすごく広いねー。地図がないと迷っちゃいそう」
紅莉栖「ねえ、最初はどこに行くの?」
フェイリス「もっちろん、アレに決まってるのニャア!」
フェイリスさんが得意げに指差しているのは――。
綯「ジェットコースター?」
フェイリス「遊園地と言えばコレ! 観覧車やお化け屋敷と肩を並べる定番中の定番ニャ!」
萌郁「……楽しそう」
……言われてみれば確かにそうかも。
でもよく考えたら私、ジェットコースターに乗ったことないなあ。
39 = 24 :
お父さんと2人で遊園地に行ったときは、コーヒーカップやメリーゴーランドぐらいしか乗った記憶がありません。
天王寺「だ、ダメだぞ綯! 何かあって、振り落とされでもしたら……!」
お父さんが急に慌てだします。もしかしてお父さん、私のことが心配で今まで乗せてくれなかったのかな?
そうこうしてるうちに、お姉ちゃんたちは列に並んでしまいました。
綯「だ、大丈夫だよ! 私だってもう子供じゃないもん!」
人生初のジェットコースター。怖い気持ちもあるけど、乗ってみたいです!
ダル「……綯氏綯氏、さっきのセリフもう1回お願いできる? できれば挑発するように」
40 :
ダルってオカリンよりブラウン氏に殺されそうだよな
42 = 24 :
綯「え――?」
子供じゃないって言っただけなのに……どういうこと?
岡部「い、言わせるなHENTAIロリコン野郎!」
ダル「YESロリコンNOタッチ! 僕だってちゃんと線引きはしてるお、失礼な!」
オカリンおじさんがあきれ顔で、さらに口を開こうと――。
天王寺「――おい」
地獄から聞こえるような低い声。
それがお父さんだと気付くまで、たっぷり3秒かかってしまいました。
43 = 24 :
天王寺「他人の娘に何言わせるつもりだてめえ。……ちょっと来いや」ガッ
ダル「え、あ、ちょオカリン! 救援プリーズ!!」
岡部「……ダル、骨は拾ってやろう」
そのままダルおじさんはお父さんに引きずられて、人ごみの中へと消えてしまいました。
綯「あの……大丈夫でしょうか?」
岡部「今回は自業自得だからな。むしろ少ししぼられた方がいいのかもしれん」
それでどうにかなるとは思えませんけど……。
46 = 24 :
岡部「ほら、行くなら今のうちだぞ。ジェットコースターに乗りたいんだろう?」
綯「そうですけど、オカリンおじさんは?」
岡部「お、俺は、機関の奇襲に備えて周囲の警戒をだな」
綯「……もしかして、怖いんですか?」
岡部「な、何を言っているのだ! 俺は狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真だぞ!」
……その言葉を、そっぽを向かずに言えば少しは信用できそうなのに。
でもオカリンおじさんが絶叫マシン苦手なのは、なんとなくイメージ通りです。
47 = 24 :
まゆり「綯ちゃん、こっちこっち!」
まゆりお姉ちゃんが手招きしています。私も手を振って答え、みんなと合流しました。
まゆり「あれ、そういえばオカリンはー?」
紅莉栖「あいつ、逃げたな――!」
フェイリス「クーニャン、凶真と一緒に乗れなくて残念ニャね」
紅莉栖「べ、別にどうでもいいわよ!……正直、私も逃げたいんだけど」
ぼそりと、紅莉栖お姉ちゃんが本音をつぶやいています。
紅莉栖お姉ちゃんも、こういうのは苦手みたいです。
49 = 24 :
るか「あの、綯ちゃんって身長は何センチ?」
綯「えっと……137センチくらいだったと思います」
どうして、そんなことを聞くんだろう? るかお姉ちゃんはすごく申し訳なさそうです。
るか「あの――あれ」
るかお姉ちゃんが指差した先には、L字を逆さまにしたような形の看板と、大きく書かれた注意書き。
《このバーより身長の低い方は乗ることはできません》
《※このバーの高さは140cmとなっています》
鈴羽「綯お姉ちゃん……足りないね」
50 :
13センチもあれば日本人としては平均よりちょっと大きいくらいなんじゃないの?
みんなの評価 : ★★
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