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元スレ岡部 「紅莉栖とまゆりに告白された!」
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AD 2010.10.10 15:32:07:59
しばらく泣いた後、まゆりは家に帰って行った。
泣き腫らした目を直視出来なかった。
まゆり「えへへ、ごめんねオカリン。困らせちゃって」
まゆり「まゆしぃも明日からちゃんと何時もどおりにするから……」
まゆり「明日からもまたヨロシクお願いしますなのです」
まゆり「ばいばい」
まゆりが家に帰ってからも、ラボから動くことが出来ずにいた。
少女漫画のヒロインにでもなった気分だ。
浮ついたり、沈んだり……大変なことだ。
岡部「これで……良いんだよな」
岡部「クリスティーナも生まれない」
岡部「紅莉栖もまゆりも殺されない」
岡部「これで……良いんだよな」
ヴー ヴー
ヴー ヴー
ヴ- ヴ-
岡部「電話……」
岡部「すまんが、今は出る気になれん」
ヴー ヴー
ヴー ヴー
ヴ- ヴ-
岡部「……えぇいうるさい!」
岡部「人が感傷している時に!」
スチャ
岡部「うるさい!! 誰だ!!」
──傷ついているな、俺よ……。
俺だ。岡部……倫太郎だ。
岡部「……まだ、何かあると言うのか……」
そう、身構えるな。
岡部「身構えもするだろう!!」
岡部「解ってるのか!? 昨日今日で俺がどれだけ──」
解っているよ。
俺は、お前だからな。
岡部「……ッ」
お前の、俺の選択のお陰で今の世界は平和だ。
お前の選択で世界は平和を手に入れた。
岡部「……そう、か」
俺は、生涯をかけて三つの発明をした。
一つはこのDテレフォン。
出来るはずだった娘がサクっと作った発明に何十年もかけた……。
岡部「……」
そしてもう一つが、ダイバージェンスメーターΩ。
これは、過去の世界線を観測することが出来る。
岡部「過去の……?」
そうだ。
お前の今いる世界線は……3%を越えている。
岡部「3%……」
今、お前は岐路に立っている。
俺はダイバージェンス3%のままここまで歩んでしまった。
俺は疲れてしまった。
もう振り回されたくなかった。
このまま、世界が壊れないようにと見守るただの観測者に成り下がってしまった。
数多に立ったフラグをへし折り続け、今に至る。
言いたいことは解るな?
岡部「45にもなってまだ童貞なのか……?」
……。
言ったはずだ、俺はただの観測者だ、と。
俺は何者にも与してはならなかったのだ。
紅莉栖に注意を払い続けた、期待を持たせつつ、期待に応えない。
見ようによっては最低だが……必要な行為だった。
紅莉栖が発表する予定だった論文が鍵となり、世界の裏側でロボット工学が発達し『ロボティクス・ノーツ』が引き起こった。
しかし、今俺が居る世界線ではAD 2019に『ロボティクス・ノーツ』は起きていない。
俺は待った、全ての選択から分岐し繋がるAD 2036年まで。
成功した。俺は成功した。
何も起きない、緩やかに進んでいく未来を勝ち取った。
俺は最後の分岐まで辿り着いたのだ。
岡部「最後の……分岐?」
岡部「ちょっと待て」
岡部「成功した? 成功したんだろ?」
岡部「では、何故……今俺に話しかけているのだ」
岡部「このまま、この世界線を維持すれば良いのだろう?」
岡部「何故にお前がしゃしゃり出て来る!」
いや違う。
この成功は俺のものであって、お前のものではない。
俺の時は、このような通信……出来事は無かった。
これは全く完全に俺の、今の俺が始めた俺の選択だ。
岡部倫太郎。
お前は今、岐路に立った。
ダイバージェンス3%を越えろ。
やり方はもう知っているはずだ。
世界を──騙せ。
最終章
境界面上のユーフォリア-The Perfectly Euphoria-
岡部「世界を──騙す……」
簡単なことだ。
お前は既に、世界を騙しとおした男なのだからな。
岡部「……」
一つ目の可能性。
岡部クリスティーナは天才少女だ。
タイムマシン理論の断片を読んで、理論を完成させてしまうほどの。
そして、今よりネットが発達し意味を成す時代。
クリスティーナ、論文完成、ネット発表。
この事実を捻じ曲げてはいけない。
後は……解るな。
岡部「……」
岡部「クリスティーナに論文を書き上げさせても良い……」
岡部「ネットに発表させても良い……」
岡部「偽の……間違った論文を載せれば良い」
岡部「一度失われた信用を取り戻すのは現在のネット社会でも難しい」
岡部「仮に、クリスティーナが間違いに気付いたとしても」
岡部「いや、天才少女だ気付くのだろう……」
岡部「訂正したところで、ネットはそれを肯定しない」
フェルマーの最終定理だって、解かれたという第一報の時点ではまだ間違いがあったと聞く
……っふ。
二つ目だ。
AD 2019 『ロボティクス・ノーツ』
これは、極秘裏に開発されていたロボット研究の情報が世界中に漏洩。
その後、牧瀬紅莉栖が“スカイクラッド”と言う名の人口AIを開発する。
岡部「……くくくっ」
岡部「フゥーハハハハ!!」
岡部「これも同じだ」
岡部「AD 2019年に極秘裏に開発されてたロボット研究の情報を漏洩すれば良いのだ」
岡部「この俺、鳳凰院凶真がな!」
……。
岡部「滅茶苦茶に発表しまくれば良い」
岡部「木は森にかくれ、かくて本丸は霧に霞む」
岡部「そういった行為は俺の十八番だ……!!」
上手くやることだ。
……解っているな?
岡部「容易に想像がつく」
岡部「その時代、そういった嘘八百を並べれば罪になるのだろう?」
岡部「頼れる左腕」
岡部「マイフェイバリットライトアームに活躍して貰おうではないか」
岡部「そして、紅莉栖に……なんでも良い」
岡部「AIを作らせ」
岡部「“スカイクラッド”と名付ける」
そう……簡単なことだ。
お前は、俺は一度そうやって世界を騙した。
お前が二人の内、どちらを仮に選んだとしても……対処出来る。
俺の言った方法じゃなくても良い、思いつくものを試せば良い。
対処してしまえば良いのだ。
さぁ、動け岡部倫太郎。
俺の三つ目の発明……タイムリープマシンを作るのだ。
コイツの発明がもっとも苦労したよ、紅莉栖とダルにそれとなく少しずつ聞いてな……。
まぁ良い。
作り方はこの電話が切れた一秒後にメールが届く。
それを見れば、一日と掛からず完成するはずだ。
作りながら良く考えろよ……。
どちらを選ぶのか。
どちらが好きなのか。
愛してるのはどちらか……。
もうお前に未来の俺から、連絡が来ることはあるまい。
良いか忘れるな。
お前の強さは。
──未来を知っている。
その一点だ。
リーディング・シュタイナーなど付属物にすぎん。
岡部「……あぁ」
健闘を祈る。
エル・プサイ──
岡部「コングルゥ」
ツーツーツーツー。
岡部「フハハ、45にもなって厨ニとは……」
岡部「さすが魔法使いなだけはある」
ヴー ヴー
岡部「……」スチャ
AD 2010.10.11 16:03:10:47
タイムリープマシンを作るのにさほど時間はかからなかった。
朝一番、秋葉原の町が目覚めると同時に必要なパーツの買出し。
組み立て。全て組み終わるった頃は11日の夕方だった。
デネーズランドをすっぽかした俺の携帯には大量の着信とメールが届いていたが全て無視した。
行きのみ現地集合にしたのが功を奏したな。
岡部「出来た……完成だ」
スチャ
岡部「……セット、完了」
岡部「……行くぞ」
ジー バチバチバチバチ!
ギュゥゥゥゥゥゥゥン。
AD 2010.10.08 23:03:08:10
ダル「んごごごご……んががががっ」
ルカ子「すーすー……」
岡部「んっ……」クラッ
岡部「成功……だ!」
ダル「んがが? ……んごごー」
岡部「よし、俺がラウンジに飲み物を買いに行くところだな」
岡部「……よし」
─ラウンジ─
岡部「(そろそろ紅莉栖が来る頃だ)」
岡部「(マウンテンヂューを買っておくか……)」
岡部「(席は……確かココだ)」
紅莉栖「隣、良い?」
岡部「(来た)」
岡部「うむ」
紅莉栖「よっす」
岡部「……風呂上りか?」
紅莉栖「そ。皆寝ちゃってね、一人で湯浴みよ」
岡部「ほれ」
紅莉栖「……随分気が利くじゃない」ビックリ
紅莉栖「ありがと。ん、マウンテンヂュー? 珍しいの飲んでるわね」
岡部「ドクペを置いてないのだ。ここの自販機は」
紅莉栖「ふぅん……」ゴクッ
紅莉栖「ん、結構美味しいわね」
岡部「……」
紅莉栖「……」
紅莉栖「──ね」
岡部「なぁ、紅莉栖」
紅莉栖「え、えええ……うっうん?」コホン
岡部「(よし、タイミングは潰せたな)」
岡部「今日は、どうだった」
紅莉栖「えっ……うん、楽しかった……かな?」
岡部「そうか、それは良かった」
紅莉栖「何よ、なんか……らしくないじゃない」
岡部「俺だって、そんな夜もある」
岡部「今日は……最高に楽しかった!」
紅莉栖「……」
岡部「俺は、友達が欲しかった」
岡部「こんな性格だ、友達と呼べる者達が殆ど居なかったからな」
紅莉栖「鳳凰院を辞めれば良いと思います」
岡部「フハハ! まさに、そうだな」
岡部「だが、鳳凰院凶真も俺だ」
岡部「それに……」
岡部「それにお前達には、関係無いんだろ?」
紅莉栖「──えっ?」
岡部「俺が岡部でも、鳳凰院でも」
岡部「友達でいて……くれるんだろ」
紅莉栖「えっ、えと……まぁ──もう慣れたってか」
岡部「ありがとう」ペコリ
紅莉栖「っちょ! なっ、なんかキャラおかしいぞ!?」
岡部「っふ。許せ、助手よ」
紅莉栖「誰が助手か! もう……」
岡部「俺は今のこのラボの雰囲気が心地良い」
岡部「壊したくない……」
岡部「そのためには俺は何だってする……」
紅莉栖「……」
岡部「紅莉栖、お前も協力してくれるか?」
紅莉栖「……」
紅莉栖「まっ、まぁ私も一応? ラボメンだし……」
紅莉栖「やぶさかではない……」
岡部「話せて良かった」
岡部「明日も一日遊ぶぞ! 寝ておけよ!」スック
岡部「俺は寝る! フゥーハハハハハ!」スタスタ
紅莉栖「あっ、ちょ!」
紅莉栖「行っちゃった……」
紅莉栖「壊したくない……か、そりゃ私だって……」
紅莉栖「はぁ」
紅莉栖「しばらくは、おあずけですかな」トコトコ
岡部「(よし! 上手く行った)」
岡部「(賢い紅莉栖のことだ、こうすれば向こうが深読みしてくれると信じていた)」
岡部「(次はまゆりだな)」
岡部「(確か、ドクペを探しに……外へ)」
岡部「(玄関を張るか)」
AD 2010.10.08 22:58:12:45
岡部「(来た……!)」
まゆり「……」トットコトコトコ
岡部「まゆり!」
まゆり「ふぇっ!」
まゆり「お、オカリン?」
岡部「こんな時間にどこへ行くんだ?」
まゆり「あぅ、ええっと……ちょっと」
岡部「何かを買いにか?」
まゆり「えへへぇ、そんなとこ……」
岡部「もう夜も遅い」
岡部「止めておけ」
まゆり「う……うん」シュン
岡部「まゆり」ポン
岡部「心配させるな」ナデナデ
完走してくれよ>>1
寝落ちだけは気を付けてくれ
寝落ちだけは気を付けてくれ
まゆり「わっわ」
岡部「まゆり、お前は俺の人質だ」
岡部「だから危険な目に合わせたり、一人にさせたり、置いていったりは絶対にしない」
岡部「良いな?」
まゆり「うっ、うん……うんっ!」
まゆり「……」
まゆり「うんっ!!」ニコォ
岡部「よし、部屋まで送るぞ」
まゆり「はーい。えへへぇ」
岡部「おかしなヤツだ」
まゆり「そう言えば、オカリンはどうしてあそこに?」
岡部「ん?」
岡部「ドクペを買いにちょっとな」
まゆり「……」ニコォ
これで良い。
俺のとった行動はただの遅延行為と言えるだろう。
未来の俺が見たらガッカリするだろう。
でも、俺の本心は紅莉栖やまゆりに言った通りなんだ。
なりたいのは恋愛漫画の主人公じゃない。
俺は俺で居たい。
時間に任せて、成り行きに任せて。
その時の心に俺を任せたい。
対処方はもう解ってるんだ。
選択を迫る2010年10月10日はもう来ない。
スパで遊んだら次はデネーズランドだ。
楽しむぞ。俺は楽しむ。謳歌してやる。
岡部「これが……」
岡部「シュタインズ;ゲートの……」
岡部「いや」
岡部「岡部倫太郎の選択だ」
おわり。
長々とお付き合いくださりありがとうございました。
途中で長すぎんだろ、ってことでイベント幾つかバッサリしました。
ネズミーランド書きたかったけど、これで80kbなんだぜ? SSじゃねーよ。
岡部「この記憶は一体……」
↓
岡部「第1回、男だらけの円卓会議を開催する」
↓
岡部「……俺が“天使な小生意気”だと?」
を過去に書かせて頂いてます、良ければ見つけて読んでみてください。
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