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元スレ岡部 「紅莉栖とまゆりに告白された!」
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シュタゲSS
ネタバレあり
比翼恋理未プレイ
災厄降誕のホーリーデイ未読
凄く……長いです。
さるさん回避嬉しいです。
世界線:シュタインズゲート
AD 2010.10.01 13:05:10:28
月日が経つのは早いものだ。
俺がシュタインズゲートに辿り着き、紅莉栖を救ってから二ヶ月が経過した。
紅莉栖が正式にラボメンとなってから一ヶ月。
前ほど……とは言えないが少しずつ慣れてきている、と思う。
まゆりは女の子のラボメンが増えたと今でもニコニコしながら紅莉栖を見ている。
ダルもダルで……何時も通り賑やかなラボだ。
紅莉栖には全て説明するつもりだ。信じてくれるかは別だが……。
いや、きっと紅莉栖なら信じてくれるさ。
何時だってそうだったんだからな。
それともう一つ。
俺はあの日、まゆりに言われたんだ。
言ってくれたんだ。
もう、その口調続けなくて良いんだよ。と。
そう──だから俺は……。
岡部「どぅーわから何度も言ってるではないか!!」
岡部「この鳳凰院凶真の活躍により、SERNによる全世界ディストピア化を防ぎッ!!」
岡部「紅莉栖、お前の父である中鉢博士が盗んで発表しようとした論文……」
岡部「それが引き鉄となり、起こるはずだった第三次世界大戦」
岡部「それを俺が、この鳳凰院凶真が全て無かったことにした──と!!」ビシィ
紅莉栖「はいはい、妄想乙乙」
岡部「妄想ではぬぁぁぁい!!」
岡部「くそっ……何故信じない!!」
岡部「もう一ヶ月……一ヶ月だぞ」
岡部「一ヶ月も説明しているのに……」orz
ダル「オカリンの説明の仕方が超絶下手糞なんじゃね? に91000ペリカ」
まゆり「わぁ、ダル君一か月分も!」
岡部「えぇい! 茶化すな!!」
岡部「と言うか、貴様らもちょっとはこの助手ことザ・ゾンビことクリスティーナことセレセブに説明しろ!!」
ダル「えー、もう見てる方が面白いっつーかー」
ダル「ぶっちゃけダルいってオカリン。ボクらも完璧に把握してる訳じゃないし」
まゆり「まゆしぃも実は良く解ってないのです」テヘヘ
岡部「くそっ……なんというラボメンだ……」
紅莉栖「岡部」
岡部「……なんだ、助手よ。まだ文句が──」
紅莉栖「助手って呼ぶな! ザ・ゾンビって言うな! ティーナ付けんな! セレセブ辞めろ!」
紅莉栖「誰がメリケン処女だ!」
岡部「お前以外に誰がいる!」
岡部「(……あれっ?)」
紅莉栖「はいはい童貞乙!」
紅莉栖「(……ん?)」
ダル「っつーか……今、牧瀬氏すげぇ爆弾発言しなかった……?」
まゆり「わわわっ」
岡部「……」
紅莉栖「あっ、あれ?」アセアセ
岡部「……」カスカニホホエム
紅莉栖「っちょ! 笑うな!」
紅莉栖「あぁもう、何なのよ……なんであんなこと口走っちゃったんだろ……」ハァ
ダル「な、なんか良く解らないけどかなりの僥倖だった事だけは確かだお」
ダル「牧瀬氏牧瀬氏、ぐっじょーぶ」
紅莉栖「うるさい! 黙れHENTAI!」
岡部「紅莉栖……」
紅莉栖「なっ、なんだよ……」
岡部「さっきの台詞は……さっきの掛け合いは、違う世界線の会話だ」
紅莉栖「えっ……」
岡部「したんだよ、俺達は」
岡部「違う世界線でも同じような掛け合いをさ……」
ダル「マジかよ……なんて会話してんだ!!」
ダル「ちきしょおお! リア充のばかぁぁん!!」
まゆり「えっへっへぇ、オカリンと紅莉栖さんは仲良しだったんだねぇ」
紅莉栖「まっ、全く」
紅莉栖「なに言ってんだか」プィ
岡部「少しずつで良いさ……」
紅莉栖「あぁもう!」
紅莉栖「急に口調換えんな! もうっ、はぁ……本当に」
紅莉栖「どっちが本当のあんたなのよ」ボソッ
まゆり「オカリンはオカリンだよ~?」
まゆり「優しいオカリンもー、強引なほーほーいんさんも」
まゆり「どっちもオカリンだよ」ニコ
紅莉栖「う……」
紅莉栖「ぁぅ……別にそういう意味じゃ……」
紅莉栖「はぁ……ごめんね、まゆり。変なこと言った」
まゆり「んーん」
まゆり「それに、オカリンもオカリンなのです」
岡部「えっ、俺?」
まゆり「何かねー、紅莉栖ちゃんと話す時ってなぁんか落ち着きが無いのです」
ダル「あっ、それボクも思ったお」
ダル「なんつーか、女子と話したこと無い童貞かっ! って感じだお」
岡部「どっ、どどどど童貞ちゃ……童貞だな、うん」
ダル「何故なんだぜ?」
まゆり「ぜー?」
岡部「む……」
紅莉栖「……」
まゆり「オカリンがそーやって、変に説明するから」
まゆり「紅莉栖ちゃんも、なんだかもやもやしちゃってるのだと思うのです」
図星だった。
俺が退院して、秋葉原の町で紅莉栖を見つけて……。
ラボメンに加えて……。
これで元に戻る。
前みたいに馬鹿言い合って、論破されて……そう言った日常が戻ってくると確信していた。
だが、違った。
完璧にリーディング・シュタイナーを発動させられない紅莉栖の記憶はまちまちで。
でも、それで良いと思っていた。
少しずつで良い。思い出してくれさえすれば問題ない。
問題があるとすれば……。
俺だった。
紅莉栖に上手く、話せない。
考えてもみろ。
他世界線の記憶が多少なりともあれど、この世界線での紅莉栖と俺はほぼ初対面同士の人間だ。
そう……有体に言い表すのであれば……。
紅莉栖と話しをするのが気恥ずかしいんだ。
何とも情けない事に、鳳凰院凶真のペルソナを被らなければ紅莉栖を直視することすら恥らう始末。
再会当初は大変だった。
なぜ助けた、どうして消えた、助手ってなんだ、ティーナってなんだ。
なぜあれやこれを知っている、どういうことだ。私のこの記憶はなんだ。
質問攻めだったな……。
生きている紅莉栖と再会を果たせた俺はそれだけで感涙していた。
そんな状況で言葉なんて、そうポンポン出てくる訳無いじゃないか。
俺は紅莉栖の手を引っ張りラボへと連れて来た。
そしてダルやまゆりの前で堂々と、ラボメンNo.004の称号と共にピンバッヂを与えたんだ。
ここまでは良い。ここからが……大変だった。
再会の興奮と、紅莉栖を前にした緊張でしどろもどろな説明になってしまった。
信じて……貰えなかった。
AD 2010.09.XX XX:XX:XX:XX
紅莉栖「……気持ち悪い」
岡部「……へ?」
紅莉栖「Dメール? タイムリープマシン? タイムマシン?」
紅莉栖「科学を舐めないでくれます?」
紅莉栖「そんな、妄想の産物がこんな小汚いラボで作れるなんて本気で思って?」
紅莉栖「はぁ……厨二病も良いところだわ……ナンセンス」
紅莉栖「しかも、違う世界線? で、私は仲間でタイムリープマシンを作って……」
紅莉栖「しかもしかも、私のことを気持ち悪い位知ってる……」
紅莉栖「ストーカー……?」
紅莉栖「もう、サイエンス誌になんて載るんじゃなかったかな」ハァ
紅莉栖「頭痛くなってきた……」
紅莉栖「……」ガタッ
再会当初は大変だった。
なぜ助けた、どうして消えた、助手ってなんだ、ティーナってなんだ。
なぜあれやこれを知っている、どういうことだ。私のこの記憶はなんだ。
質問攻めだったな……。
生きている紅莉栖と再会を果たせた俺はそれだけで感涙していた。
そんな状況で言葉なんて、そうポンポン出てくる訳無いじゃないか。
俺は紅莉栖の手を引っ張りラボへと連れて来た。
そしてダルやまゆりの前で堂々と、ラボメンNo.004の称号と共にピンバッヂを与えたんだ。
ここまでは良い。ここからが……大変だった。
再会の興奮と、紅莉栖を前にした緊張でしどろもどろな説明になってしまった。
信じて……貰えなかった。
AD 2010.09.XX XX:XX:XX:XX
紅莉栖「……気持ち悪い」
岡部「……へ?」
紅莉栖「Dメール? タイムリープマシン? タイムマシン?」
紅莉栖「科学を舐めないでくれます?」
紅莉栖「そんな、妄想の産物がこんな小汚いラボで作れるなんて本気で思って?」
紅莉栖「はぁ……厨二病も良いところだわ……ナンセンス」
紅莉栖「しかも、違う世界線? で、私は仲間でタイムリープマシンを作って……」
紅莉栖「しかもしかも、私のことを気持ち悪い位知ってる……」
紅莉栖「ストーカー……?」
紅莉栖「もう、サイエンス誌になんて載るんじゃなかったかな」ハァ
紅莉栖「頭痛くなってきた……」
紅莉栖「……」ガタッ
岡部「おっ、おい……」
紅莉栖「助けて頂いたことには感謝してます」
紅莉栖「ありがとう。そして、さようなら」
紅莉栖「帰ります」スタスタ
まゆり「……」
ダル「……」
岡部「くっ、紅莉栖……!!」
紅莉栖「……」スタスタ
岡部「お前はラボメンNo.004だ。何時でも……来い……」
岡部「待って、る、から……」
紅莉栖「……」キィ ガチャ
ダル「帰っちゃたお」
まゆり「帰っちゃったねぇ」
岡部「あぁ……」
まゆり「今の人が、くりすさん? だよね?」
ダル「写真より可愛くて、ナイスでした」
岡部「あぁ、牧瀬……紅莉栖だ」
まゆり「うーん」
まゆり「不思議なのです」
まゆり「まゆしぃは、そのナントカって雑誌も読んだことないから初めて会ったのに」
まゆり「初めてな気がしなかったの」
まゆり「んーん、むしろソファーに座ってる光景がとっても似合ってると言うか……」
まゆり「ソコにぴたっ! とフィットする感じだったのです」
まゆり「これが、オカリンの言ってたー、えぇっと……」
岡部「リーディング・シュタイナー」
まゆり「りたーなーさん? なのかなぁ」
岡部「あぁ、そうだ」
岡部「強弱はあれど、リーディング・シュタイナーは誰もが潜在的に持っているものだ」
ダル「なぁなぁオカリン」
ダル「牧瀬氏ガチで帰っちゃったみたいだけど……この先どうするん?」
岡部「ん……待つさ」
岡部「何百日と同じ日をループした俺だ」
岡部「待つことなど、容易いさ」
岡部「(来てくれなかったらどうしよう……)」
まゆり「今度こそ、信じてもらえると良いねぇ♪」
ダル「あの剣幕じゃ望み薄……って気がするお」
ダル「“気持ち悪い”って言った時の表情マジやばかったっす」
-翌日-
コッコッ
コッコッ
紅莉栖「嘘……何で、私ここに……」
紅莉栖「ぼーっとしてたら足が勝手に……」
岡部「飲み物が切れた。ドクペを買って──」
岡部「……紅、莉栖」
紅莉栖「やっ、違っ、こっこれは」
岡部「フゥーハハハハ! やって来たなクリスティーナよ!!」
岡部「これこそがシュタインズゲートの導き!!!」
岡部「解は導き出された……っ!!」
紅莉栖「……えっ」
スチャ
岡部「もしもし、俺だ」
岡部「くくくっ……計画は順調に進んでいる」
岡部「あぁ、牧瀬紅莉栖も着々と……」
紅莉栖「……またそれ」
紅莉栖「はぁ……」ツカツカ パシッ
岡部「あっ」
紅莉栖「やっぱり、独り言」
紅莉栖「あなた、ラジオ会館であった時もこんなことしてたけど」
紅莉栖「癖なの? 厨二病?」
岡部「えぇい! 何時まで携帯を取り上げているつもりだ助手よ!」
岡部「それに厨二病ではない……」
岡部「その携帯は、この鳳凰院凶ry」
紅莉栖「あーはいはい、返します返します」ポイ
岡部「わっ、っちょ、投げるなっ」パシッ
岡部「全く……携帯を投げるとはなにご……どうした紅莉栖」
紅莉栖「──ねぇ、何で私ココに立ってる……の、かな」
岡部「えっ……」
紅莉栖「気付いたら、ここに向かって歩いてた」
紅莉栖「ここまでの道のりなんて……昨日が始めてだったはずなのに」
紅莉栖「何度も何度も通った気がするの」
紅莉栖「昨日は……その、ごめんなさい」
紅莉栖「あの後ホテルに帰ってからおかしいの……」
紅莉栖「色々な感情が溢れてきちゃって……」
紅莉栖「懐かしいはずも無いのに、あのラボの空気がとても懐かしく感じて」
紅莉栖「あなたのトンでも話しなんてとても信用出来るものじゃないのに!」
紅莉栖「信じたくなって……」
紅莉栖「足が勝手にココへ向かってた」
岡部「紅莉栖……」
紅莉栖「変なの」
紅莉栖「あなたに名前で呼ばれると……何かむずむずするし」
紅莉栖「こそばゆいと言う……か」
岡部「ずっと助手だとか、クリスティーナなどと呼んでいたからな」
紅莉栖「あっ……うん」
紅莉栖「腹立つんだけど、なんかしっくり来る……」
紅莉栖「なんで、今は紅莉栖って呼んでるの?」
岡部「……ぬっ」
岡部「(言える訳無いではないか)」
紅莉栖「ねぇ……なんで……?」
岡部「ぐっ……」
岡部「フ、フフ……フゥーハハハハハ!」
岡部「そんなもの、お前をココに召喚するために決まっているではないーっか」
紅莉栖「…………は?」
岡部「貴様は昔から反抗的な女だったからな」
岡部「俺が助手と呼んでも、クリスティーナと呼んでも返事をしなかったのだ」
岡部「ツゥーまり! 紅莉栖と呼ぶことによって、お前は無意識にも体が反応してしまい!!」
岡部「このラボへと辿り着いた訳だ……」
岡部「これこそ、ブラッディナイオ・シャドゥ(闇を操りし人形遣い)の力」
紅莉栖「……また、それ」
岡部「」ビクッ
紅莉栖「まともに、話しは出来なさそうですね」
紅莉栖「帰ります」ツカツカ
岡部「あっ」
岡部「(やってしまった……他世界線の紅莉栖なら突っ込んでくれるだろうが)」
岡部「(俺との日が浅い、この世界線での紅莉栖からすれば……)」
紅莉栖「……」クルッ
紅莉栖「また……来ます」ツカツカ
岡部「!」
岡部「行ってしまった……」
岡部「お、落ち着け俺……」
岡部「どうも紅莉栖の前だと緊張してしまう」
岡部「ちゃんと……ちゃんと1から順番に全部綺麗に説明するんだ」
岡部「そうすれば、信じて貰える」
岡部「どんなに世界線が変動したって紅莉栖は紅莉栖なんだ」
岡部「信じてくれるさ……!」
AD 2010.10.01 13:11:39:09
まゆり「──ん?」
まゆり「……──ン!」
まゆり「オーカーリーン!」
岡部「うわっ! どうしたんだ、まゆり。急に大声なんてだして……」
まゆり「もー! まゆしぃはさっきからずぅっとオカリンに話しかけていたのです!」
まゆり「なのにオカリンはぼへーっとしちゃってたんだからぁ」
岡部「あっ、あぁ……すまん」
岡部「考え事を……な」
ダル「オカリンがそんなんじゃ話し進まないってレベルじゃねーぞ!」
ダル「ボクとまゆ氏だけじゃ説明出来ないっつーの」
紅莉栖「まゆりさんと橋田さんの説明は、とっても丁寧で解りやすかったわ」
紅莉栖「サンクス」ニコッ
まゆり「えへへぇ、どういたしましてぇ」ニヘラ
ダル「ちゅーても、ボクらも当事者じゃないから全部は解ってない訳だが……」チラッ
まゆり「……」チラッ
紅莉栖「……」チラッ
岡部「……うっ」
ダル「オカリンオカリン」
ダル「もう10月に突入した訳ですしおすし」
ダル「キリ良く1から丁寧に説明したほうが良くね?」
まゆり「まゆしぃもそう思うのです!」
まゆり「オカリンッ! 今日はほーほーいんさん禁止!」
岡部「なっ……っちょ」
ダル「おー、まゆしナイスアイディア!」
ダル「オカリン説明に困ると最近すぐに鳳凰院に逃げるから困る」
ダル「それじゃ捗るもんも捗らないお」
紅莉栖「私としても、そろそろ納得したい訳ですが?」
岡部「解った……」
岡部「ならば、今日は俺が質問を受けよう」
ダル「ほう」
ダル「何時もはオカリンが一方的に訳ワカランチンな説明をしていた訳ですが……」
ダル「今日はこちらの疑問に答えてくれるってことですな?」
岡部「あぁ、その方が手っ取り早いかもしれん」
岡部「一応今までで全てのことは話したつもりなんだがな」
ダル「んじゃぁ一個質問」
ダル「オカリンと牧瀬氏の関係ってどんなんだったの?」
岡部「黙秘する」
ダル「んだよそれっ、答えになってねーし!」
岡部「ダルよ……その話しは関係な──」
紅莉栖「無くは、無いと思うんだけど」
岡部「え」
紅莉栖「岡部はその話題になると何時も話しを逸らす」
紅莉栖「一体、私とあなたはどんな関係だったの?」
紅莉栖「(気になって仕方ないじゃない)」
まゆり「……」ジィー
ダル「……」ジィー
岡部「ただの……マッドサイエンティストとその助手だ」
岡部「だから俺は、お前のことを助手と呼んでいた」
紅莉栖「だがしかし、私はそれを全力で否定している」
紅莉栖「あんたに“助手”と呼ばれると反射的に否定してしまうのがその理由ね」
岡部「どの世界線でも反抗的なやつだ」
岡部「(このようなタイミングで俺達の関係……)」
岡部「(キッ、キスをし合った仲などと言えるはず無いじゃないか)」
紅莉栖「はぁ……まぁ良いわ(良くないけど)」
紅莉栖「先に、タイムマシン理論」
紅莉栖「その当りから煮詰めて行きましょう」
紅莉栖「申し訳ないけど、私の質問主体でいかせて貰うわね」
紅莉栖「いい加減、一ヶ月も謎が完璧に解消されないまま鬱憤が溜まってたから」
紅莉栖「まず──」
……。
…………。
………………。
紅莉栖「ふむん」
紅莉栖「興味深いわね……」
まゆり「はへぇ……まゆしぃにはチンプンカンプンでした」
ダル「牧瀬氏の適度な合いの手の影響でオカリンがすげぇ賢く感じてしまったお」
岡部「(つ、疲れた……)」
紅莉栖「しかし、さすが私ね」
紅莉栖「タイムリープマシン……それだけの装置で世界線を行き来することが出来るだなんて」
岡部「あぁ……お前は天才だったよ」
紅莉栖「なにそれ? 過去形?」クスッ
紅莉栖「でも……よく、脳が壊れなかったわね」ブツ……
紅莉栖「リーディング・シュタイナーの能力を持つ岡部だからかしら」ブツブツ
紅莉栖「そもそもその能力が無ければリープしても世界線変動の際に記憶が──」ブツブツブツ
紅莉栖「まって、でもそれじゃ……」ブツブツブツブツ
ダル「牧瀬氏すとーっぷ!」
紅莉栖「っは」
ダル「牧瀬氏がトリップしたら話しがまた止まっちゃうお」
紅莉栖「ソ、ソーリィ。つい……」
ダル「ねぇねぇ」
紅莉栖「うん?」
ダル「ボクもオカリンに一個質問して良いかお?」
紅莉栖「あっ、えぇ……どうぞ」
紅莉栖「私の質問攻めだったし、冷静に考えたら橋田やまゆりも聞きたいことあるわよね」
紅莉栖「こいつの事だから今までキチンと全部説明しきれてなかっただろうし」ギロッ
岡部「うっ……」
ダル「オカリンオカリン」
ダル「す、鈴羽たんは一体何者だったんだお?」
岡部「あぁそれは──」
ダル「な、何かわわ忘れられないんだ」
ダル「いい一瞬しか顔見てないし、ほとんど会話らしい会話もしてないけど」
ダル「この締め付けられるような胸の感覚は……」
ダル「ももも、もしや恋!」
岡部「」
ダル「おお教えて欲しいお!」
岡部「あー……ダル、すまない。鈴羽は未来人だ」
岡部「これ以上のことを言うと、世界線に影響が出る恐れがある……」
岡部「答えてやりたいが……すまん」
ダル「はぁ、この恋煩いを解消する手管が無くなってしまったお……」
まゆり「ダル君元気だして?」
岡部「(ダル、それは恋心ではなく)」
岡部「(きっと親心と言うものだ)」
岡部「(2017年になったら、その話しの続きをしよう)」
紅莉栖「さて」
紅莉栖「これで大体の疑問は溶けたわね……」
紅莉栖「しかし、セクハラが原因でラボメンになったとは……」
岡部「ちっがーう! 何度も説明してるではないか」
岡部「あれは誤解だと! しかも原因ってなんだ原因ってぇ!」
紅莉栖「はいはい、HENTAI乙乙」
紅莉栖「と言うか……最初からこうしてれば良かったんじゃない?」
紅莉栖「一ヶ月間も無駄にしてしまった」
紅莉栖「記憶が真っ白な状態の私にあんな強引な説明されても、理解出来る訳無いしね」
岡部「ぐぬ……」
紅莉栖「まっ」
紅莉栖「この一ヶ月もそれなりに楽しかったけど」ボソッ
紅莉栖「んー!」セノビ
紅莉栖「もうこんな時間」18時
ダル「いやー説明長すぎっしょ」
ダル「ボクもうお腹ぺこちゃん」
まゆり「まゆしぃもお腹ぺこぺこだよぉ」
岡部「説明に大分時間が掛かってしまったな」
紅莉栖「よっし、今日は岡部の奢りで“さんぽ”の牛丼を食べましょ!」
紅莉栖「一度食べてみたかったのよね」
ダル「マジで!? オカリンかっくいー!」
ダル「ボク、牛皿卵味噌汁で」
岡部「なっ、何を勝手に──」
セリフの間にスペースを入れればさるよけしてやらんこともなきにしもあらず
まゆり「オカリンありがとー♪」ニコニコ
紅莉栖「さ、行きましょ?」
ダル「れっつごー!」
まゆり「しゅっぱーつ!」
岡部「……」
こうして、10月1日は終わった。
牛丼位安いものじゃないか。
ラボメンNo.004の復帰記念としてはな。
紅莉栖、お前ここの牛丼好きだったもんな。
明日からまた何時もの毎日が……俺が焦がれた毎日が始まる。
牛丼を奢らされたと言うのに俺の口元はニヤけっぱなしだった。
AD 2010.10.04 16:11:09:62
紅莉栖「だーかーらー」
紅莉栖「この発明は一体何!?」
紅莉栖「何を考えて作ったの!? 馬鹿なの? 死ぬの?」
岡部「えぇい黙れ黙れ!」
岡部「未来ガジェット2号機:「タケコプカメラー」 」
岡部「動力無しで空中から撮影出来る夢のガジェットではないか!」
紅莉栖「無 意 味 !」
紅莉栖「取れた映像は激しく回転されてて、見たら吐き気催すし……」
紅莉栖「何の為に作ったわけ!?」
岡部「理由など──無いっ!!」
岡部「それに、これはお前と別れる際にやった大事な──」
紅莉栖「そこが気に食わないってのよ!」
紅莉栖「なんでこんなもの渡す訳?」
紅莉栖「他にもっと気の利いたもん渡せんのか!」
紅莉栖「しかも貰って少し嬉しがってる記憶もあるのが尚許せないっ!」キー
ダル「あれからと言うもの毎日毎日牧瀬氏がラボに来てる訳ですが」
まゆり「賑やかになってまゆしぃは嬉しいのです」
ダル「未来ガジェットに難癖を付ける簡単な作業をしております」
まゆり「仲良くなるのは良いことだよー」ニコニコ
ダル「はぁ、っつか……あの二人……」
ダル「もう良いや、リア充は爆発しろとでも言っておきますね」
まゆり「……」ニコニコ
──コンコン。
ダル「おろ?」
まゆり「お客さんかな?」
──ガチャ。
ルカ子「こ、こんにちわ」
まゆり「わールカ君だぁ! いらっしゃーい」
岡部「貴様、未来ガジェットを馬鹿にするために毎日来て──」
岡部「む、ルゥカ子ではないか。久しいな」
岡部「ピンバッジを渡した以上、お前もラボメンだ」
岡部「毎日でも通って良いのだぞ」
ルカ子「あっ、岡b……凶真さんこんにちわ」
ルカ子「中々足が伸びなくて、ごめんなさい」ペコリ
岡部「ふっ、気にするな」
岡部「未来ガジェット研究所の扉は何時でも開いている」
紅莉栖「(ちょっちょ、ちょっと岡部)」
岡部「(なんっだ、人が話してる最中に)」
紅莉栖「(誰よ、この……か、可愛い子は)」
岡部「(ん……あっ、あぁそうか、お前はまだルカ子と知り合ってなかったな)」
ルカ子「あの、そちらの方は?」
岡部「助手だ」
紅莉栖「待てい! なにその適当な紹介の仕方は!」
紅莉栖「つーかそもそも助手じゃないし」
岡部「まぁ良い。ルカ子よ、紹介しよう」
岡部「ラボメンNo.004こと、我助手。クリスティーナだ」
紅莉栖「だから助手でもティナーでも無いと言っておろーが!」
紅莉栖「初対面なんだから、勘違いされたらどうするのよ!」
ルカ子「え、えと?」
紅莉栖「牧瀬紅莉栖です。えーっと……色々あってここのラボメンになったと言うか……」
紅莉栖「よろしくね?」
ルカ子「あ、はっはい。僕は──」
岡部「ラボメンNo.006。漆原 るか子だ」
紅莉栖「お前に聞いとらん!」
紅莉栖「漆原さん……ね? ヨロシク」アクシュ
ルカ子「ど、どうも……。ヨロシクお願いします」アクシュ
紅莉栖「おいくつなの?」
ルカ子「今年で17歳です」
紅莉栖「一個下かぁ」
ルカ子「えっ、そうなんですか?」
ルカ子「牧瀬さん、大人っぽいですね。綺麗だし」
紅莉栖「あっ、そんな。あなたの方こそとってもキュートよ」
ルカ子「あぇっ……きゅ、きゅーとだなんて僕……」
岡部「……助手よ」
紅莉栖「あぁもう何よ、人が話してる最中に」
岡部「ルカ子は女ではない。男だァ」
紅莉栖「なんの冗談だ」
岡部「お前も科学者なら自分の目でしっかりと確かめてみろ」
紅莉栖「こんな可愛い子が男の子のはず……ちょっとごめん」ペタペタ
紅莉栖「……」ドクン
ルカ子「///」
紅莉栖「 orz 」
岡部「さて、ルカ子よ」
岡部「今日は何かの用があって来たのか? それとも遊びに?」
ルカ子「あっ、そうだ」
ルカ子「ええっと……」ゴソゴソ
ルカ子「これを……皆さんに」スッ
岡部「む?」
まゆり「おー」ヒョコ
まゆり「スパリゾート招待券だぁ!」キラキラ
まゆり「しかも一泊二日って書いてあるよぉ!」ワフー
岡部「すぱむ? む?」
まゆり「スパだよオカリン!」
ダル「スパってなんぞ?」
まゆり「もー、オカリンもダル君もこういうの知らないんだからー」
まゆり「えーっとねぇ」
紅莉栖「spa 鉱泉。温泉。また、それを中心としたリラクゼーション施設」
まゆり「はぇ……あうーまゆしぃが説明したかったなぁ」ショボン
紅莉栖「あっ、ごめんね……まゆり、つい」
まゆり「んーん」フルフル
まゆり「まゆしぃもそこまで詳しく無かったから良いのです」エヘヘ
岡部「聞いた事がある。つまり、温泉プールの遊園地みたいなところか」
ダル「リア充スポットってやつね、知る訳ねーだろがおらぁ!」
まゆり「ルカ君もしかしてこれ、くれるのぉ?」
ルカ子「うん。お父さんがお友達から貰ったんだけど」
ルカ子「良かったら皆さんでって」
まゆり「やったぁ! 凄いよオカリン、スパだよリゾートだよぉ」
岡部「うむ、しかし……四枚しか無いではないか」
ルカ子「あっ、それペアチケットなんで一枚で二名まで無料招待になるんです」
岡部「ほう、つまり八人まで行けると言う訳だな」
岡部「俺にまゆり、ダル、助手、ルカ子……丁度一枚分、あと三人誘えるな」
まゆり「どうする?」
ルカ子「(僕も数に入ってる……嬉しいな)」
紅莉栖「私も行くこと決定してるわけ?」
岡部「なんだ、行かないのか?」
紅莉栖「行かないなんて一言も言ってないでしょうが!」
紅莉栖「いっ、行くわよ……」
岡部「素直じゃないやつめ」
紅莉栖「ふんっ」プィ
岡部「そうだ、まゆり。フェイリスを誘ったらどうだ」
岡部「あいつもラボメンだ」
まゆり「らじゃー☆」
ダル「オカリン、あんた今すっげー輝いてるぜ」キラキラ
岡部「あと一人……萌郁を誘うか」
岡部「Mr.ブラウンも許可してくれるだろう」
紅莉栖「ちゃんと全員紹介してよね」
岡部「無論だ! 未来ガジェット研究所・慰安スパ旅行へ行くぞ!」
岡部「フゥーハハハハハ!!!」
岡部「まゆり! カレンダーを!」
まゆり「はいっ!」
岡部「今日が10月4日(月)」
岡部「9、10、11日(土日月)と三連休か……」
岡部「だがしかし、ここで問題だ」
岡部「この招待券の期限に注目して貰いたい」
岡部「そう、9日までなのだ」
岡部「つまり一泊二日する場合は8日の金曜日に出向かなければその効力をフルに発揮し得ない」
紅莉栖「三連休だものね。招待券だし当然っちゃ当然じゃない?」
岡部「俺とダルと紅莉栖、萌郁はともかく他はみな高校生だ」
岡部「休ませる訳にも行かないからな……」
岡部「……決まりだ。9日、時刻ヒトナナマルマルにラボへ集合!」
岡部「少し遅めの時間だが平日だ。仕方あるまい」
岡部「集まり次第、計7人でスパへと直行」
岡部「いいな!?」
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