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元スレ妹「兄さんって呼ばせて下さい」
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男『申し訳ないな……いつも、迷惑かけて』
親友『いいよ、気にすんな』
男『はは、持つべきものはやっぱり友だ』
親友『だなっ』
男『そうだ、この後どうする?』
親友『ん? どっか遊びにでも行くか?』
男『隣街のゲーセン行ってみないか? 新型色々入ってるらしいぞ』
親友『ただ、今月厳しいからなぁ』
男『それだと、無理そうだな……』
親友『……そうだ』
男『ん?』
親友『久しぶりに俺ん家来ないか?』
親友『いいよ、気にすんな』
男『はは、持つべきものはやっぱり友だ』
親友『だなっ』
男『そうだ、この後どうする?』
親友『ん? どっか遊びにでも行くか?』
男『隣街のゲーセン行ってみないか? 新型色々入ってるらしいぞ』
親友『ただ、今月厳しいからなぁ』
男『それだと、無理そうだな……』
親友『……そうだ』
男『ん?』
親友『久しぶりに俺ん家来ないか?』
男『……お前ん家?』
親友『ああ、そこなら金もかからないし』
親友『古いゲームしかないけど、昔みたいに盛り上がろうぜ』
男『あ、うん……』
親友『それにさ……』
親友『妹のやつも、最近、お前と会ってないし』
親友『この前、『兄さんはもう家来ないの……?』って、半泣きだったぞ?』
男『……いや』
親友『どうしたんだ? 何が問題だ?』
男『別に、何かあるってわけじゃないんだが……』
親友『なら、いいだろ?』
男『……気乗りしない』
親友『…………』
男『やっぱり、今日はやめとこう』
親友『ああ、そこなら金もかからないし』
親友『古いゲームしかないけど、昔みたいに盛り上がろうぜ』
男『あ、うん……』
親友『それにさ……』
親友『妹のやつも、最近、お前と会ってないし』
親友『この前、『兄さんはもう家来ないの……?』って、半泣きだったぞ?』
男『……いや』
親友『どうしたんだ? 何が問題だ?』
男『別に、何かあるってわけじゃないんだが……』
親友『なら、いいだろ?』
男『……気乗りしない』
親友『…………』
男『やっぱり、今日はやめとこう』
男『俺も、家でやることあるしな』
親友『……なぁ』
男『ん?』
親友『お前、避けてるだろ?』
男『……何の話だ』
親友『しらばっくれるなよ。こっちは分かってんだぞ?』
男『聞きたくないな、その話は』
トコトコトコ……。
親友『お、おいっ』
男『じゃあな、また明日』
親友『…………』
親友『……何でなんだよ』
親友「何で……』
親友『…………』
親友『……なぁ』
男『ん?』
親友『お前、避けてるだろ?』
男『……何の話だ』
親友『しらばっくれるなよ。こっちは分かってんだぞ?』
男『聞きたくないな、その話は』
トコトコトコ……。
親友『お、おいっ』
男『じゃあな、また明日』
親友『…………』
親友『……何でなんだよ』
親友「何で……』
親友『…………』
ここから少し長めに時間を貰いまふ。
次以降は一気に投下したいんで、申し訳ない。
次以降は一気に投下したいんで、申し訳ない。
──リビング
男性「ふぅ、今日も疲れた」
女性「いつもご苦労様です。仕事の方は順調?」
男性「ああ、今のところはな」
女性「そう、それは良かったですね」
男性「ふむ。で、どうだ。最近、お前の方は」
男「…………」
男性「……ん?」
男「…………」
妹「……お兄ちゃん」
ゆさゆさ……。
男「あっ……な、なに?」
男性「ふぅ、今日も疲れた」
女性「いつもご苦労様です。仕事の方は順調?」
男性「ああ、今のところはな」
女性「そう、それは良かったですね」
男性「ふむ。で、どうだ。最近、お前の方は」
男「…………」
男性「……ん?」
男「…………」
妹「……お兄ちゃん」
ゆさゆさ……。
男「あっ……な、なに?」
男性「いや、最近どうだと聞こうと思ったんだが……」
男性「どうした? 疲れてるのか?」
男「いや、大丈夫だよ。ちょっと……考え事を、ね」
女性「……ご飯もまだ全然食べてない」
女性「もしかして、口に合わなかったかしら?」
男「……違うんだ。いつも通り、おいしいから安心して」
妹「…………」
男「もぐもぐ……うん、やっぱり、母さんは料理上手だな」
男性「はは、そりゃそうだ」
男性「私が何度も何度も、アタックしたというのに」
男性「そうそう首を縦に振らなかったからなあ」
男性「どうした? 疲れてるのか?」
男「いや、大丈夫だよ。ちょっと……考え事を、ね」
女性「……ご飯もまだ全然食べてない」
女性「もしかして、口に合わなかったかしら?」
男「……違うんだ。いつも通り、おいしいから安心して」
妹「…………」
男「もぐもぐ……うん、やっぱり、母さんは料理上手だな」
男性「はは、そりゃそうだ」
男性「私が何度も何度も、アタックしたというのに」
男性「そうそう首を縦に振らなかったからなあ」
女性「だって、あの頃のあなたは、今みたいにお金なかったじゃないですか」
女性「やはり、家庭を築くなら、少ないよりあったほうがいいですし」
男性「でも、結局は、貧乏な私と結婚してくれたんだぞ?」
女性「あまりにもしつこいから、仕方なしです」
男性「はは、そりゃ困ったなぁ」
妹「仲いいんですね」
男性「ん?」
妹「両親が二人とも仲いいって、見てて幸せになります」
女性「そ、そう?」
妹「はい。ねっ、お兄ちゃん」
男「…………」
女性「やはり、家庭を築くなら、少ないよりあったほうがいいですし」
男性「でも、結局は、貧乏な私と結婚してくれたんだぞ?」
女性「あまりにもしつこいから、仕方なしです」
男性「はは、そりゃ困ったなぁ」
妹「仲いいんですね」
男性「ん?」
妹「両親が二人とも仲いいって、見てて幸せになります」
女性「そ、そう?」
妹「はい。ねっ、お兄ちゃん」
男「…………」
妹「……お兄ちゃん?」
男「……聞いてるよ。いいなぁ、仲良くて」
妹「う、うん……」
男「妹がそう言う訳も分かるよ」
男「家庭の幸せってこういうものなんだなって、つくづく実感する」
女性「あら、お父さん。息子が嬉しいこと言ってくれますね」
男性「……あ、ああ……」
男「もし仮に、ここに不幸な家庭しか見てこなかった子供がいたとしたら」
男「羨ましく……いや、妬ましく思う程、幸せな光景だよね」
女性「……え?」
男性「……ちょっと、席を外すぞ」
ガタン……。
男「……聞いてるよ。いいなぁ、仲良くて」
妹「う、うん……」
男「妹がそう言う訳も分かるよ」
男「家庭の幸せってこういうものなんだなって、つくづく実感する」
女性「あら、お父さん。息子が嬉しいこと言ってくれますね」
男性「……あ、ああ……」
男「もし仮に、ここに不幸な家庭しか見てこなかった子供がいたとしたら」
男「羨ましく……いや、妬ましく思う程、幸せな光景だよね」
女性「……え?」
男性「……ちょっと、席を外すぞ」
ガタン……。
男「大丈夫だよ、お父さん。僕は、正気だから」
男性「本当か? やれるのか?」
男「心配しないで。これでも、人一倍の親思いなんですから」
男「今までの人生をかけてきた、実績もありますよ」
男性「…………」
妹「……え、ちょっと、どういう……」
男「いいから、お父さん、座って下さい」
女性「あ、ええと……」
男性「……駄目だな……こっちに来──」
男「どうしたんですか? 何か、問題でも?」
男性「自分でも分からないのか?」
男「何がです?」
男「……これはもう無理だな」
女性「…………」
男性「本当か? やれるのか?」
男「心配しないで。これでも、人一倍の親思いなんですから」
男「今までの人生をかけてきた、実績もありますよ」
男性「…………」
妹「……え、ちょっと、どういう……」
男「いいから、お父さん、座って下さい」
女性「あ、ええと……」
男性「……駄目だな……こっちに来──」
男「どうしたんですか? 何か、問題でも?」
男性「自分でも分からないのか?」
男「何がです?」
男「……これはもう無理だな」
女性「…………」
男性「すまんな……気づけなかった私が悪い」
男「ちょっと待って下さい。みんなも、何か変だと思いますか?」
男性「……………」
女性「……え、えっと」
妹「お、お兄ちゃん……」
男「どうしたんだよ、妹」
男「そんな、異常者を見るような目つきで……もう困るなぁ」
妹「……うぅ」
男「お父さん、いい加減にして下さい」
男「冗談だと言っても、からかわれ続けるのはいい気分がしません」
男性「……………」
妹「……く、口調」
男「ちょっと待って下さい。みんなも、何か変だと思いますか?」
男性「……………」
女性「……え、えっと」
妹「お、お兄ちゃん……」
男「どうしたんだよ、妹」
男「そんな、異常者を見るような目つきで……もう困るなぁ」
妹「……うぅ」
男「お父さん、いい加減にして下さい」
男「冗談だと言っても、からかわれ続けるのはいい気分がしません」
男性「……………」
妹「……く、口調」
男「ん?」
妹「お、お兄ちゃん……喋り方が……」
男「なに? 喋り方?」
妹「……お父さんに、敬語使ってますよ……?」
男「は、はは……そんなことない──」
男「です、よね……お父さん?」
妹「お、お兄ちゃん……喋り方が……」
男「なに? 喋り方?」
妹「……お父さんに、敬語使ってますよ……?」
男「は、はは……そんなことない──」
男「です、よね……お父さん?」
男性「…………」
男「……っ」
男「ごめん、席を外す」
ガタン……。
男性「すまん、仕事で疲れていたみたいだ」
男性「会社での会話が、こっちまで入りこんでしまったんだろう」
男性「気にせず、食事を続けてくれ。なっ?」
女性「は、はい……」
妹「……お兄ちゃん……」
妹「……一体……」
男「……っ」
男「ごめん、席を外す」
ガタン……。
男性「すまん、仕事で疲れていたみたいだ」
男性「会社での会話が、こっちまで入りこんでしまったんだろう」
男性「気にせず、食事を続けてくれ。なっ?」
女性「は、はい……」
妹「……お兄ちゃん……」
妹「……一体……」
──親友の部屋
男「……くそっ!」
男「なんて失態だっ! 何をやってるっ!」
男「馬鹿なことを一人で考えてるから……」
男「……こんな些細なミスを置かすんだっ!」
男「……くっ……」
バタッ!
男「……何が、何が不満なんだ……?」
男「いや……」
男「……俺は、一体、何を恐れてる?」
男「…………」
男「……あ……」
男「……くそっ!」
男「なんて失態だっ! 何をやってるっ!」
男「馬鹿なことを一人で考えてるから……」
男「……こんな些細なミスを置かすんだっ!」
男「……くっ……」
バタッ!
男「……何が、何が不満なんだ……?」
男「いや……」
男「……俺は、一体、何を恐れてる?」
男「…………」
男「……あ……」
男「カメラ……」
男「……あいつの、大好きだった写真撮影」
男「でも……」
男「別に……好きじゃない……」
男「……親友……」
男「ああ……」
男「俺は……」
男「──一体、誰、なんだ……?」
男「…………」
男「……あいつの、大好きだった写真撮影」
男「でも……」
男「別に……好きじゃない……」
男「……親友……」
男「ああ……」
男「俺は……」
男「──一体、誰、なんだ……?」
男「…………」
男「……は、はは……」
男「なんてことだ……」
男「……そんな、自分を見失うなんて……」
男「……親友を演じる事で……自分が分からなくなるなんて……」
男「……はは、はははっ」
男「……うぅ」
男「なんて……滑稽なんだ……」
男「……幸せな家庭」
男「違う、違うっ」
男「俺の家には……そんなものはなかった……」
男「……なら、今は?」
男「今は……」
男「…………」
男「なんてことだ……」
男「……そんな、自分を見失うなんて……」
男「……親友を演じる事で……自分が分からなくなるなんて……」
男「……はは、はははっ」
男「……うぅ」
男「なんて……滑稽なんだ……」
男「……幸せな家庭」
男「違う、違うっ」
男「俺の家には……そんなものはなかった……」
男「……なら、今は?」
男「今は……」
男「…………」
男「分からない……」
男「駄目だ……自分が自分でないようで」
男「頭がおかしくなりそうだ……」
男「……助けてくれ」
男「おい、親友……」
男「……近くにいるなら、狂った俺を助けてくれよ」
男「もう、俺は……」
男「壊れかけているみたいんだ……」
男「…………」
男「…………」
男「……母さん」
男「駄目だ……自分が自分でないようで」
男「頭がおかしくなりそうだ……」
男「……助けてくれ」
男「おい、親友……」
男「……近くにいるなら、狂った俺を助けてくれよ」
男「もう、俺は……」
男「壊れかけているみたいんだ……」
男「…………」
男「…………」
男「……母さん」
男「母さんしか、いない……」
男「今の俺を……正気に戻してくれるのは……」
男「……俺の、たった一人の母さんしかっ──」
……ピピピピピッ!
男「……へ?」
男「か、母さん……?」
……ガバッ!
男「…………」
男「……違う」
男「……何だ? 知らない番号?」
……………。
………。
男「今の俺を……正気に戻してくれるのは……」
男「……俺の、たった一人の母さんしかっ──」
……ピピピピピッ!
男「……へ?」
男「か、母さん……?」
……ガバッ!
男「…………」
男「……違う」
男「……何だ? 知らない番号?」
……………。
………。
親友『少し話がある』
男『なんだよ、朝っぱらから』
親友『……重要な話だ。来てくれ』
男『ここじゃ、出来ない話なのか?』
親友『ああ……ここじゃ無理だ』
男『……分かったよ』
男『お前に付いて行けばいいんだろ?』
親友『助かるな……』
男『いいさ、まだ朝礼までには時間がある』
親友『ああ、それまでには終わらせるよ』
男『…………』
……………。
男『なんだよ、朝っぱらから』
親友『……重要な話だ。来てくれ』
男『ここじゃ、出来ない話なのか?』
親友『ああ……ここじゃ無理だ』
男『……分かったよ』
男『お前に付いて行けばいいんだろ?』
親友『助かるな……』
男『いいさ、まだ朝礼までには時間がある』
親友『ああ、それまでには終わらせるよ』
男『…………』
……………。
男『……さて』
親友『…………』
男『まさか、屋上が開いてるなんてな』
男『確かに、内密な話をするには絶好の場所だが……』
男『お前、このためだけに錠を壊しただなんて言うなよ?』
親友『……だったらどうする?』
男『……え?』
親友『話をしよう』
男『ちょっと待てって』
男『本当にお前が……』
親友『今は、そんなことどうだっていいさ』
男『……でも』
親友『お前に、聞きたいことがあるんだ』
親友『…………』
男『まさか、屋上が開いてるなんてな』
男『確かに、内密な話をするには絶好の場所だが……』
男『お前、このためだけに錠を壊しただなんて言うなよ?』
親友『……だったらどうする?』
男『……え?』
親友『話をしよう』
男『ちょっと待てって』
男『本当にお前が……』
親友『今は、そんなことどうだっていいさ』
男『……でも』
親友『お前に、聞きたいことがあるんだ』
男『……何だよ』
親友『俺の……妹のことだ』
男『…………』
親友『こないだは、うまく逃げられたからな』
男『今日だって、走って逃げるかもしれないぞ?』
親友『残念だったな。扉に近いのは俺の方だ』
親友『そこまで話したくないっていうなら』
親友『俺を殴り倒していけよ』
男『……そんなことするわけないじゃないか』
親友『そうか? よっぽど、話したくないことだと俺は考えてるけどな』
男『…………』
親友『どうして、あいつを避ける』
親友『俺の……妹のことだ』
男『…………』
親友『こないだは、うまく逃げられたからな』
男『今日だって、走って逃げるかもしれないぞ?』
親友『残念だったな。扉に近いのは俺の方だ』
親友『そこまで話したくないっていうなら』
親友『俺を殴り倒していけよ』
男『……そんなことするわけないじゃないか』
親友『そうか? よっぽど、話したくないことだと俺は考えてるけどな』
男『…………』
親友『どうして、あいつを避ける』
男『……避けてないさ』
親友『分かりきった嘘をつくなよ』
男『嘘じゃない。ただ、巡り合わせが悪いだけだ』
親友『違うな。あまりにも、不自然さが臭う』
男『……お前がそう思ってるだけだろ?』
親友『待て。そう、過剰に反発しないでくれ』
親友『ただ、俺は理由を聞いてるだけだ』
男『別に……怒ってないさ……』
親友『そうか? 俺には凄く、感情的に見えるが』
男『いいから、早く聞けよ』
親友『だから、避けている理由を聞いてるんだ』
親友『はぐらかしたら、また同じ質問を繰り返すからな?』
男『……ちっ』
親友『分かりきった嘘をつくなよ』
男『嘘じゃない。ただ、巡り合わせが悪いだけだ』
親友『違うな。あまりにも、不自然さが臭う』
男『……お前がそう思ってるだけだろ?』
親友『待て。そう、過剰に反発しないでくれ』
親友『ただ、俺は理由を聞いてるだけだ』
男『別に……怒ってないさ……』
親友『そうか? 俺には凄く、感情的に見えるが』
男『いいから、早く聞けよ』
親友『だから、避けている理由を聞いてるんだ』
親友『はぐらかしたら、また同じ質問を繰り返すからな?』
男『……ちっ』
男『……簡単だよ』
親友『ん?』
男『もう、幼い女の子と遊ぶ気になれないんだよ』
男『ああ……そういうことだ』
親友『……あんなにアイツに優しかったお前がか?』
男『人は変わるよ』
親友『……違うな』
男『違わない』
親友『いいか、小さい頃からの友達だった俺に嘘をつくな』
男『……別に嘘なんて……』
親友『なら、はっきりと言ってやろうか?』
男『……何を』
親友『ん?』
男『もう、幼い女の子と遊ぶ気になれないんだよ』
男『ああ……そういうことだ』
親友『……あんなにアイツに優しかったお前がか?』
男『人は変わるよ』
親友『……違うな』
男『違わない』
親友『いいか、小さい頃からの友達だった俺に嘘をつくな』
男『……別に嘘なんて……』
親友『なら、はっきりと言ってやろうか?』
男『……何を』
親友『お前が、妹を避けるようになった理由だよ』
男『なっ……』
親友『俺が分からないとでも、思ったか?』
親友『そうだったとしたら、お前は、相当な大バカ者だ』
男『……くっ』
親友『いいか、お前は……』
男『や、やめろっ!』
親友『妹のことが好──』
男『……ッ』
男『なっ……』
親友『俺が分からないとでも、思ったか?』
親友『そうだったとしたら、お前は、相当な大バカ者だ』
男『……くっ』
親友『いいか、お前は……』
男『や、やめろっ!』
親友『妹のことが好──』
男『……ッ』
バゴッ!!
親友『……くっ』
男『それ以上、言うなっ』
男『分かっていても、言うんじゃないっ!』
親友『……何でだよ……何が問題……なんだ?』
男『いいから、止めろ』
男『頼むから、やめてくれよ……』
親友『……お前……』
男『……っ』
たったったった……。
親友『…………』
親友『……くっ』
男『それ以上、言うなっ』
男『分かっていても、言うんじゃないっ!』
親友『……何でだよ……何が問題……なんだ?』
男『いいから、止めろ』
男『頼むから、やめてくれよ……』
親友『……お前……』
男『……っ』
たったったった……。
親友『…………』
──書斎
ドンドンドンッ!!
男性「……な」
ガチャ……。
男「…………」
男性「……君か……」
男「…………」
男性「ど、どうした? まだ、気分が悪いのか?」
男性「もしそうなら、数日間、仕事を休んでも──」
男「……終わら、せましょう……」
男性「……は?」
男「……もう、こんな芝居」
男「……やめてしまいましょうよ……」
男性「ま、まて……」
ドンドンドンッ!!
男性「……な」
ガチャ……。
男「…………」
男性「……君か……」
男「…………」
男性「ど、どうした? まだ、気分が悪いのか?」
男性「もしそうなら、数日間、仕事を休んでも──」
男「……終わら、せましょう……」
男性「……は?」
男「……もう、こんな芝居」
男「……やめてしまいましょうよ……」
男性「ま、まて……」
男性「……君には言ったはずだと思うが」
男性「今のあの子には、君という兄が必要で……」
男性「それに、途中でやめる事は……」
男「……昔」
男性「……ん?」
男「……酒を飲んでは溺れて」
男「暇さえあれば、煙草を吸っているような男がいましてね……」
男性「……な、何の話だ?」
男「ヘビースモーカーっていうんですか……?」
男「僕は煙草を吸わない事にしてるんで、よく分かりませんが」
男「そんな骨の髄まで腐り切った、駄目人間がいたわけですよ……」
男性「……男君」
男性「もしかしたら、私が思っている以上に、君は……」
男性「今のあの子には、君という兄が必要で……」
男性「それに、途中でやめる事は……」
男「……昔」
男性「……ん?」
男「……酒を飲んでは溺れて」
男「暇さえあれば、煙草を吸っているような男がいましてね……」
男性「……な、何の話だ?」
男「ヘビースモーカーっていうんですか……?」
男「僕は煙草を吸わない事にしてるんで、よく分かりませんが」
男「そんな骨の髄まで腐り切った、駄目人間がいたわけですよ……」
男性「……男君」
男性「もしかしたら、私が思っている以上に、君は……」
男「でも、父親だったんです……」
男性「……え?」
男「そんな駄目人間でしたけど、間違いなく、僕の父でした」
男「……愛すべき、家族だったんです」
男性「…………」
男「でも、そんな男ですから、家庭に幸せは訪れなくて……」
男「気がついた時には、遅かったんです……」
男「……既に、何もかも歯車が狂い始めていて……」
男「不思議に思いませんでしたか……?」
男性「……何を?」
男「どうして、僕が……この街に再びやってきたのか……」
男性「それは、知らない……」
男「実はですね……」
男「……仕事のあてを探しにきたんです」
男性「……え?」
男「そんな駄目人間でしたけど、間違いなく、僕の父でした」
男「……愛すべき、家族だったんです」
男性「…………」
男「でも、そんな男ですから、家庭に幸せは訪れなくて……」
男「気がついた時には、遅かったんです……」
男「……既に、何もかも歯車が狂い始めていて……」
男「不思議に思いませんでしたか……?」
男性「……何を?」
男「どうして、僕が……この街に再びやってきたのか……」
男性「それは、知らない……」
男「実はですね……」
男「……仕事のあてを探しにきたんです」
男「それも、ある程度、お金になる仕事をね……」
男性「……どういうことだ?」
男「最後に頼むのは、親友っていうでしょ?」
男「だから、何年も訪れていないこの街に……」
男「……かつての友人を頼ってきたわけです……」
男性「…………」
男「そしたらびっくり……まさか、ソイツが死んじまってて……」
男「……妹は、記憶喪失……」
男「……は、ははっ……」
男「笑っちゃいますよね……どんなタイミングだよって……」
男性「……っ」
男「でも、あなたは僕に提案した」
男性「……どういうことだ?」
男「最後に頼むのは、親友っていうでしょ?」
男「だから、何年も訪れていないこの街に……」
男「……かつての友人を頼ってきたわけです……」
男性「…………」
男「そしたらびっくり……まさか、ソイツが死んじまってて……」
男「……妹は、記憶喪失……」
男「……は、ははっ……」
男「笑っちゃいますよね……どんなタイミングだよって……」
男性「……っ」
男「でも、あなたは僕に提案した」
男「……『息子の代わりをしてくれ』と」
男「『妹の兄になってくれ』と」
男「この際だから、はっきり言いますね……」
男「……そんな大役、僕に務まるわけないんです」
男「一人でさえ精一杯になのに……どうして、そんな余裕が?」
男性「……けれど、君は承諾したぞ」
男「……その通りです」
男「……だって、仕事が貰えたから」
男「かなりの金が入る仕事が、得られたから……」
男性「いったい……どういう……」
男「僕にはいるんですよ、お金が」
男「……それも少しじゃなくて、大量に」
男「『妹の兄になってくれ』と」
男「この際だから、はっきり言いますね……」
男「……そんな大役、僕に務まるわけないんです」
男「一人でさえ精一杯になのに……どうして、そんな余裕が?」
男性「……けれど、君は承諾したぞ」
男「……その通りです」
男「……だって、仕事が貰えたから」
男「かなりの金が入る仕事が、得られたから……」
男性「いったい……どういう……」
男「僕にはいるんですよ、お金が」
男「……それも少しじゃなくて、大量に」
男性「……何のために?」
男「……手術費用です……」
男性「手術費用……?」
男「……父の話はしましたよね?」
男「ヘビースモーカーの、煙草吸ってばかりの父がいたって話」
男「それが、最悪なことに、母の病気を生みまして……」
男「医者の話によると、副流煙は非常に身体に悪いそうです……」
男「……で、それを大量に吸っていた母は……」
男「──肺ガンになった」
男性「……そうだった、のか……」
男「まあ、月々の医療費ぐらいならなんとかなったんですが」
男「……有名どころの先生に手術を頼むとなると、相当かかるらしくて……」
男「でも、母さんの残された命は僅かで……」
男「……手術費用です……」
男性「手術費用……?」
男「……父の話はしましたよね?」
男「ヘビースモーカーの、煙草吸ってばかりの父がいたって話」
男「それが、最悪なことに、母の病気を生みまして……」
男「医者の話によると、副流煙は非常に身体に悪いそうです……」
男「……で、それを大量に吸っていた母は……」
男「──肺ガンになった」
男性「……そうだった、のか……」
男「まあ、月々の医療費ぐらいならなんとかなったんですが」
男「……有名どころの先生に手術を頼むとなると、相当かかるらしくて……」
男「でも、母さんの残された命は僅かで……」
男「……たった一人の守るべき家族なんです」
男「かつて、僕は誓いました……けど、その母を救うことができない……」
男「……そんな時に舞い込んできた、不幸の中の幸運だったからこそ」
男「かつての……友人、妹のためになるという頼みだったから」
男「今まで、精一杯、頑張れた……」
男「……自分には不可能だと思える事も、やり通せた」
男性「……なら、これからも……」
男「でも、もう意味ないんです……」
男性「……どうしてだ?」
男「……さきほど電話がかかってきました」
男「母が……」
男「──死んだそうです」
男「かつて、僕は誓いました……けど、その母を救うことができない……」
男「……そんな時に舞い込んできた、不幸の中の幸運だったからこそ」
男「かつての……友人、妹のためになるという頼みだったから」
男「今まで、精一杯、頑張れた……」
男「……自分には不可能だと思える事も、やり通せた」
男性「……なら、これからも……」
男「でも、もう意味ないんです……」
男性「……どうしてだ?」
男「……さきほど電話がかかってきました」
男「母が……」
男「──死んだそうです」
男性「…………」
男性「……なっ……」
男「もう……僕には無理ですよ……」
男「こんな……自分の生きる方向性を見失った人間に……」
男「守ると約束した人を救えない、裏切り者に……」
男「……親友を演じて、その妹を救うなんて……」
男「そんな、大役……無理なんです……」
男性「…………」
男性「……なっ……」
男「もう……僕には無理ですよ……」
男「こんな……自分の生きる方向性を見失った人間に……」
男「守ると約束した人を救えない、裏切り者に……」
男「……親友を演じて、その妹を救うなんて……」
男「そんな、大役……無理なんです……」
男性「…………」
男「そもそも、これからの人生……」
男「一体、どうしていいのか……」
男「……でも、まずは」
男性「帰るのか?」
男性「母親のいる故郷の病院に帰るんだな?」
男「…………」
男「……はいっ」
男「……ごめん……なさい……」
男性「…………」
男「一体、どうしていいのか……」
男「……でも、まずは」
男性「帰るのか?」
男性「母親のいる故郷の病院に帰るんだな?」
男「…………」
男「……はいっ」
男「……ごめん……なさい……」
男性「…………」
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