元スレ刹那「IS学園?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
51 :
乙女座の隠しヒロイン説ktkr!
52 = 3 :
その名前には、刹那も覚えがあった。
単独でISの基礎理論を考案、実証し、全てのISのコアを製造した、ISの生みの親である。
参考書に名前が載るほど、有名な人物なのだが。
まさか、こんな人となりをしているとは。誰もが思わなかった事態である。
そんなことなど関係ないと、束はマイペースなま天を指差し、
「んっふっふ~。さあ、大空をご覧あれ!」
皆に促す。
釣られて空を見れば、何やら光るものが。
直後、落下。
地面に大穴を穿ったそれは、八角形のコンテナだった。
一面銀色のそれは、若干ながら浮遊しており、地面に対して垂直に直立している。
束はポケットから小型のリモコンを取り出し、親指でボタンを押し込んだ。
その操作を受け、コンテナが展開。中から、一体のISを放出する。
黒い装甲に、兜を象った頭部、両の手に装備された一対の剣。
どこか、日本の武士を思わせるデザインだ。
「じゃじゃーん! これぞブシドー専用機こと、スサノオ!
せっさんのISデータを元に製作した、束さんお手製だよぉ~ん!」
「フラッグの面影が垣間見える……見事な造形です、プロフェッサー」
「ご所望どおり、最高のスピードと最強の剣を備えたスサノオは、
現行のISを上回るスペックと、擬似GNドライヴを持つ機体……第四世代型ISなんだよお~!」
自慢げに胸を張る束と、スサノオを眺める乙女座――――いや、ブシドー。
53 :
ネタキャラじゃなかったのか乙女座…
54 = 11 :
ブレイブは出ないのか…
55 = 3 :
だが、一行が気にするべき場所はそこではない。
「第四世代……!?」
「各国で、やっと第三世代型の試験機が出来た段階ですわよ……?」
「なのに、もう……」
「そこはほれ。天才束さんだからぁ。
それじゃあブシドー。今からフィッティングとパーソナライズを始めましょうかぁ」
「はっ! スサノオを受領致します!」
束の手によって装着可能状態に持っていかれたスサノオへ、ブシドーが乗り込む。
「あらかじめ、ある程度データを先行入力してあるから。
あとは最新データに更新するだけだね!」
説明をしながら、束は空中に表示されたパネルを高速の指さばきで叩いていく。
その速さたるや、人の到達できる域を凌駕していると言っても過言ではない。
「すごい……信じられないスピードだわ……」
鈴を筆頭に、残った面々は、ただ驚嘆するほかない。
「ほいっ、フィッティング終了~。超早いねさすが私ぃ。
そんじゃ、試運転も兼ねて飛んでみてよ。ブシドーのイメージ通りに動くはずだよ?」
「了解しました」
スサノオが、起動する。
GNドライヴから赤い粒子が発生し、それを推力に、スサノオは空中へと躍り出る。
瞬きの間に、高度を保つ。早い。刹那のエクシアに並ぶ、あるいはそれを上回る速度だ。
56 = 3 :
「すごい、早い……」
「これが、第四世代のIS……」
「どうどう、思った以上に動くでしょ~?」
『ええ。この機体ならば、極みに到達できる……!』
「じゃあ、刀使ってみてよ~。右のがウンリュウで、左のがシラヌイね。
武器特性のデータを送るよ~ん」
スサノオの両手には、既に刀剣が握られている。
右の短刀、ウンリュウ。左の長刀、シラヌイ。
ブシドーが目をつけたのは、十メートルはあるだろう巨岩。
切れ味を試そうと言うのだ。
下降しつつ、シラヌイを構える。
そして、刃を立てて真っ直ぐに降下。
「切捨て……!」
岩塊に、シラヌイの白刃が差し込まれる。
「ごめえええええええええんっ!」
乾坤一擲、裂帛の気合と共に、シラヌイが閃いた。
岩が、割れる。
包丁で豆腐を斬ったかのような、手ごたえの無い切れ方だった。
中心から真っ二つに割れた岩の断面は、平らである。
ムラがないのだ。操縦者の技量と、シラヌイの性能。両者が揃ってこそ成せる業。
57 :
58 = 3 :
「いいねいいねえ! 次は、これ撃ち落してみてね!」
にっこり笑顔のまま頷きつつ、束は宙のスサノオを指差す。
応えて、束の傍らに、彼女の身長をゆうに越す設置型のミサイルランチャーが出現した。
光学迷彩か何かで、人間の目を欺いていたのだろう。エクシアにも、同様の技術が組み込まれている。
もっとも、ガンダムの場合は、迷彩皮膜を被せているのだが。
「はあ~いっと!」
束の一声を引き金に、十二をワンセットとして、都合三十六発のミサイルが放たれた。
音でそれを認識すると、ブシドーはエネルギーを操作。
「行け!」
兜の角の間に集中させチャクラムを形成、打ち出す。
赤い円盤は空中を自在に飛び回り、ミサイルを両断していく。
数秒の後、立て続けに爆発が起きる。
巻き立つ爆風の中、黒き機体は悠然と佇んでいた。
「……やるな」
腕を組み、スサノオを見上げるラウラが、ぽつりと感想をこぼす。
代表候補生を二人まとめて相手するほどの腕前を持つラウラが、素直に賞賛するほどの操縦技術。
かの者の力量たるや、並大抵のものではない。第四世代の新型を担うに相応しい器量か。
59 = 17 :
調子にのっちゃうブシドー
61 = 3 :
「いいねいいねえ、うふ、ふふふふふふふ!」
けたけたと人目をはばからずに笑う束は、心底楽しんでいる様子だ。
その様を、千冬は怪訝な目で見ていた。
◆
「たっ、大変です! 織斑先生!」
そこに、真耶の声が立ち入る。
息を弾ませながらも真耶は疾走、千冬の元へたどり着くと、手に持ったデバイスを手渡す。
「これを……!」
モニターに浮かぶ、警告色の文字――――緊急事態発生、の一文。
千冬は真耶からもたらされた小型の機械を手に取り、中心のボタンをプッシュ。
新しく、黒いウインドウがポップした。
「特命任務レベルA……現時刻より対策を始められたし……
テスト稼動は中止だ!」
千冬が、一行を見やる。
「お前達に、やってもらいたいことがある」
◆
62 :
ブシドーと聞いて
63 :
リボンズが福音の代わりかな
ここの世界だと乙女座は女の子なのね・・・・うはwwww
64 :
あの博士こんなにコミュ力あったっけ
66 = 3 :
>>63
男性を越え女性を超越し乙女座となりました
>>64
正直キャラが掴めてない
刹那たちが通されたのは、旅館の一室だった。
部屋中には、これでもかとばかりにモニターやプロジェクターが鎮座している。
大方、遠方にあっても学園と情報を共有できるようにと備え付けたのだろう。
いかんせん畳や障子とはそぐわないが、景観を損なうだの何だのと言っていられる状況でもなさそうだ。
「二時間前、ハワイ沖で試験稼動にあった、アメリカ・イスラエル共同開発の第三世代のIS、
銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)……通称福音が、制御下を離れて暴走。
監視空域より離脱したとの連絡があった」
銀の福音。
耳慣れぬ単語である。ISの名称にしては、やや特異的であった。
おそらくは、個別に名づけられたのだろう。しかし、特別な名称を授けられる兵器は、得てして強力なものである。
加えて、暴走と言うその状態。
いかに高度な技術が用いられていても、ISは基本的にヒトが動かすもの。
言い回しからして、パイロットが錯乱したと言うわけでもなさそうだ。
ならば、特殊なシステムが搭載されているのだろうが――――
68 = 3 :
「情報によれば、‘無人のIS’と言うことだ」
千冬の言は、案の定であり、案に相違したものだった。
無人。
その条件は、クラス対抗戦の際、介入を行ってきた襲撃者と同等である。
クアンタムバーストに反応しなかったこと、また、解体した際に発覚した独自の構造から、あれも無人だったことが証明された。
きな臭いものを、感じずにはいられない。
それは、千冬も含めて皆同様だ。一様に口を閉ざしているが、表情は強張っている。
「その後、衛星による追跡の結果、福音はここから二キロ先の空域を通過することがわかった。……時間にして五十分後。
学園上層部からの通達により、我々がこの事態に対処することになった。
教員は学園の訓練機を使用して、空域、及び海域の封鎖を行う。
よって本作戦の要は、専用機持ちに担当してもらう」
「……お言葉ですが」
ブシドーが、口を開いた。
「どうした。降りるか」
「いかに専用機と言えど……未熟なパイロットに務まる任であるとお考えですか?」
「…………それが、命令だ。専用機持ちに迎撃させろ、とな」
「……断固辞退する、と言いたいところですが」
「興が乗らんのは私も同じだ」
千冬の顔には、いくらかの苛立ちが浮かんでいた。彼女の本意ではないのだ。
……命令。
専用機の戦闘能力は、一般的なISを容易く凌駕する。が、しかし、それを操るのは腕の青い学生だ。
このような、命が危険に晒されかねない案件に放り込むべきではないのは確実である。
69 = 3 :
(……だとするならば)
≪試されているのか……それとも、目標の機体に何かが仕掛けられているのか≫
未知の個体である刹那に、
そして刹那の干渉によって生まれた二機の太陽炉搭載型ISに、
何らかの接触を図ろうと言うのだろうか。
上層部とやらは、何を企んでいる?
「……それでは作戦会議を始める。意見がある者は挙手するように」
「はいっ」
セシリアが、右手を挙げた。
千冬が、視線を向ける。
「目標ISの、詳細なスペックデータを要求します」
「……ああ。だが、決して口外するな。
情報が漏洩した場合、諸君には、査問委員会による裁判と、最低でも二年の監視が付けられる」
「……了解しました」
機密事項か。ならばなおさら、一端の学生が触れさせないのがベターだろう。
ブシドーの眉間に、小さくしわが寄った。
床に投影されたスクリーンに、いくつかの窓が開く。
浮かぶ、文字の羅列。
71 = 3 :
広域殲滅を目的とした、特殊射撃型。
ISとしては、そのように分類されるらしい。
「……私(わたくし)のISと同じ、オールレンジ攻撃を行えるようですわね」
ブルー・ティアーズと同じ、ファングのような自立兵装が、福音には積み込まれているようだ。
「攻撃と機動の、両方に特化した機体ね……厄介だわ」
「この特殊武装が曲者って感じはするね……連続しての防御は、難しい気がするよ」
「……このデータでは、格闘性能が未知数だ」
各々が、思い思いの所感をこぼす。者によっては、初の実戦――――命の取り合いになるだろう。
軍事施設の出身であるラウラはともかく、鈴音とシャルには、経験がないかもしれない。
彼女たちは聡明であるから、危険であると理解はしているだろうが。
「偵察は、行えないのですか?」
「……それは、無理だな。この機体は、現在も超音速飛行を続けている。
アプローチは、一回が限界だ」
「超音速……殺人的な加速だな」
「一回きりのチャンス……ってことは、一撃で仕留めるしかない、か」
鈴音の呟きに、しんと静まる。
機会は一度。失敗は許されない。
一撃必殺。求められるのは、高火力。そして、敵機に追いつく機動力。
72 = 63 :
アニメISが終わってもやるのか?
なんか秀吉みたいな扱いだな乙女座
73 = 3 :
「俺が出る。足回りでは、ガンダムに分があるはずだ」
その一点においてなら、ダブルオーライザーは充分及第点だ。
更に、
「我がスサノオは、最高のスピードと、最強の剣……そして、隠し玉を備えている。
新型を相手取り、斬り合うも一興」
天才である束の設計した第四世代型ならば、ガンダムに匹敵するポテンシャルを発揮できる。
本人の言う'隠し玉’もある以上、採用に値するだろう。
「……なら、本命はあんたたち二人ね。しっかり落とすのよ」
「それしか、ありませんわね」
方針は、定まった。後は、ただ全力で当たるのみ。
刹那の隣に座っているブシドーが、小さく口元を歪めた。
「よもや、君と肩を並べて戦う時が来るとはな。乙女座の私は、センチメンタリズムな運命を感じずにはいられない」
「……戦果を期待する」
「期待には応えよう」
◆
74 = 9 :
ほ
75 = 3 :
青い空に、白と黒のISが舞う。
一方は、刹那の擬似専用機、ダブルオーライザー。
一方は、ブシドーの専用機、スサノオ。
ゆっくりと、浮上する。
テスト飛行として、上昇と下降を何度か繰り返した後、中空で停滞。
『二人とも、聞こえるか?』
「ああ」
「ええ、よく聞こえます」
通信機越しに響く千冬の声に、彼らは返答した。
最終確認とばかりに、指示が飛ばされる。
『今回の作戦の要は、一撃必殺だ。短時間での決着を心がけろ。
討つべきは……銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)。以降、福音と呼称する』
「了解」
「熟知している」
『……決して、無理はするな。敵機は新型だ。何が飛び出してくるかわからん』
念押しに頷き、それぞれGNドライヴを稼動。
赤と緑のGN粒子が、空気中に散布される。
『……ミッション、スタート!』
「ミッションプランを確認……フェイズ1に移行。ダブルオーライザー、目標に向け飛翔する!」
「オーバーフラッグス! フォーメーションEで、ミッションを開始する!」
天を、二つの流星が駆けた。
76 = 3 :
◆
≪暫時衛星リンク確立、情報照合完了……目標の現在位置を確認。各機に転送するぞ≫
「確認した」
『この分ならば、あと数分とかかるまい。
……あえて言おう。死ぬなよ』
「ああ……俺は、生きる。生きて明日を掴む。ここで朽ち果てるわけにはいかない」
『それでこそだ、少年』
通信越しにブシドーの笑みを受けて、刹那は気を引き締める。
そうだ、これは、訓練でも模擬戦でもない。
命を賭けて鎬を削りあう、争いだ。油断は、死を招く。
≪……目標を捕捉。接触まで、10セコンドを切った。刹那≫
ティエリアからのメッセージに、二人が武器を構える。
レーダーも、既に敵機を捉えていた。
早い。なるほど、超音速と言うだけはある。
だが、ここで臆してなるものか。
GNドライヴの稼働率を上げて、戦闘態勢に移行する。
77 = 3 :
その内、視認が可能になった。
――――白い。銀の色に相応しい、穢れの無い純白。
空の青さすらも拒むように浮き出る、強く気高き白銀の色。
機体後部には、翼の様な大型のスラスターを装備している。
まるで、天使か何か、神々しいもののようにすら移る。
だとしても、決断を緩めることはしない。
GNソードⅡをライフルモードに変更し、銃口を向ける。
今のところ、敵手は真っ直ぐに飛行しているだけだ。軸が合っている今ならば、後方からの射撃が命中するはず。
「俺が牽制する。その隙に奴を駆逐しろ……いけるな?」
『望むところだと言わせてもらおう』
応えながら、スサノオは二対の剣にエネルギーを疾走させる。
シールドをまとい、刀身が赤熱に染め上げられた。
それを見届けて、刹那は両手のGNソードⅡを銀の福音に向ける。
「狙い撃つ!」
先端から、粒子ビームが射出された。
大型砲の数倍を誇る殲滅力をもって、巨大な弾丸が福音へ迫る。
79 = 3 :
背を向けたまま、福音は上方へ進路変更。
慣性をねじ伏せ、九十度に等しい角度で、天空へ向け突き進んでいく。
――――早い。装甲やパイロットへの負担を丸きり無視した動きだ。
最新鋭機と言うだけはある。その軌道は、ISはおろかモビルスーツにも追えるものではないだろう。
だが。こちらも、第四世代のガンダム。ツインドライヴを擁する、高スペック機なのだ。
たったこれだけで、諦めてやる道理はない。
頭上を取った福音を目で追い、体全体を向ける。
GNソードⅡから、再び粒子ビーム。
しかし、今度は一発ではない。
複数だ。小粒のビームが、扇状に広がっていく。
拡散ビームの攻撃に、福音は右方への回避を選択。
大きく、東方へと退避する。
それを、刹那は予測していた。
GNソードⅡからGNソードⅢへと換装、ツインドライヴの圧倒的な馬力でもって移動し、福音とぶつかるような進路を取る。
右腕の巨大な刃が、太陽光を反射してきらめいた。
刹那を相手に接近戦は不味いと踏んだのだろう、福音は方向転換、下方へと撤退する。
80 = 3 :
「隙あり!」
そこへ、スサノオが攻め込む。
この好機を、待っていたのだ。準備は、万全である。
「御命、頂く!」
シラヌイとウンリュウを水平に保ち、体全体を回転。
独楽のように、高速で福音に迫る。
不意打ちの一撃にすら、福音は反応してみせた。
即座にバックブースト、後方へと下がりながら、翼を広げる。
青の光弾が、ブシドーの視界を埋め尽くした。
迎撃をくらい、ブシドーが取ったのは防御。
剣を交差させ、前方にエネルギーフィールドを展開。
あまたの弾丸を、全て受けきる。
その時には、既に距離を離されていた。
福音の影は、もう三分の一程度の大きさである。
81 :
おー、待ってたぜ支援
82 :
千載一遇の好機と見た! 支援させていただく!!
83 = 3 :
刹那と合流したブシドーが、口惜しげに声を漏らす。
「やってくれる……!」
「押されている……何とか、反撃の糸口を……!」
「ええい、フォーメーションをCに変更する! 挟撃に持ち込むぞ!」
「了解!」
ダブルオーライザーは右から、スサノオは左から。
太陽炉によるハイスピードで、左右から突進する。
翼からビーム弾をバラ撒きながら、福音は逃げの一手を打つ。
最低限の挙動で敵弾をいなし、両者は福音に接近。
スサノオから、ビームチャクラムが発射される。
弾速・誘導に優れるその武装をかわしきるのは、難しいはずだ。
事実、福音も対応に手を焼いているらしい。
大きな動きで、執拗に襲い来るチャクラムから逃れる。
そればかりに気を取られいた福音は、刹那の剣を防ぎきれない。
GNソードⅢの、一閃。翼部の装甲に、一文字が刻み込まれる。
84 = 17 :
前スレとかのまとめないんすか自分ミジンコなんでdatいただいても展開できないんでオナシャス(´・ω・`)
85 = 3 :
迎え撃つべく、福音は刹那へと向き直った。
そこに、スサノオからの強襲。
背後から、刀で滅多切り。ダメ押しとばかりに、右の蹴りを叩き込む。
大きく吹き飛ばされ、福音が制御を失う。
今こそ、最大のチャンス。
刹那が、ブシドーが、大技を放つ予備動作に入る。
「ティエリア!」
≪圧縮粒子、開放!≫
「我がスサノオの奥義、とくと見るがいい!」
赤の色を、孕む。
86 :
待っていたぞガンダム!
87 = 3 :
福音の、装甲が。
空中に投げ出されていた福音は、しかし瞬きの間に操作を取り戻し、体勢を整えていた。
直後、刹那の腹部が、ブシドーの右腕が、爆ぜる。
「何とっ!?」
「くっ……!? あれは……!」
早い。明らかに、素早くなっている。
そして、火力も向上しているのだろう。
今の一撃は、先のそれよりもずっと重く、痛い。
だが、何よりも。
あの、福音の周囲に舞う、きらめく粒子は。
「トランザム……!?」
「馬鹿な、技術が漏洩したとでも言うのか……!?」
福音のブースターが、開放されている。
かつて翼だった部位から覗くのは、二基の擬似太陽炉。
89 = 3 :
一体、どう言うことだ。
この世界で擬似太陽炉を開発したのは束だと聞いているが、まさか、技術提供をしたとでも言うのか?
混乱に支配される刹那の頭に、ティエリアの声音が響く。
≪刹那! 熱源接近……遠距離砲撃だ!≫
歓迎できない現実を否定する間もなく、刹那はダブルオーライザーを動かしていた。
海面ぎりぎりまで、降下させる。スサノオも、同様に撤退を開始。
直後、閃く。
超高出力の、粒子ビーム。
雲を切り裂き、天空を染め上げる。
それが、なぎ払うように、曲がった。
刹那たちを、狙っているのだ。
舌打ちをこぼし、両機は反対方向へ散開。
高度をずらし、一網打尽にされないよう距離を取る。
91 = 3 :
長距離狙撃をやり過ごしたその時には、もう、福音の姿は無かった。
粒子ビームに紛れ、逃げ去ったのだろう。
「今の砲撃……」
≪データの照合は終了している。……間違いない。あれは、僕達の世界の技術……≫
IS相応にダウンサイジングすることで少なからず劣化しているとは言え、
ダブルオーライザーのレーダーで捉えられない程の距離から、射撃してきたのだ。
加えて、あの粒子ビーム。
黄と紫色のそれは、この地球においても普及していない。
「……やはり」
≪ああ。GNZ-003……ガデッサの、GNメガランチャーだ≫
ガデッサ。
リボンズ・アルマークの一派が使用した、モビルスーツだった。
◆
92 :
乙女座のセリフが日笠と中村で再生されてえらいことに
93 = 3 :
旅館、先の一室。
「……停止していますね」
真耶の力ない声が、室内に浮かんだ。
モニターを眺める千冬の表情は、険しい。
デスクのパソコンの操作を中断し、真耶は椅子に腰掛けたまま、問いかける。
「本部はまだ、私たちに作戦の継続を?」
「……解除命令が出ていない以上、継続だ」
「ですが、セイエイ君たちが持ってきてくれた映像記録から見るに、敵は福音だけではありません。
これから、どのような手を――――」
言いかけて、真耶は口をつぐんだ。
千冬にだって、わからない。
わかるわけがないのだ。彼女もまた、下っ端の一人に過ぎないのだから。
◆
94 = 3 :
刹那は、黙々と思案にふけっていた。
旅館の自室で、壁に背を預け、座り込む。
(……あの粒子ビームは、俺たちの知る世界のもの)
先の、砲撃。
データと、寸分違わぬものであった。
(加えて、福音の状態変化……あれは間違いなく、トランザムだった)
ISを一人で作成するほどの天賦の才を持つ束が、擬似GNドライヴを作るのはまだ理解できる。
だが。何故、それがアメリカ・イスラエルで共同開発されたISに採用されている?
束が協力を行ったのか。それが、最も濃厚な可能性だろう。
しかし。
刹那の脳裏に、ある者の存在が過ぎる。
世界の歪みを、体現したような。
因縁の、相手が。
◆
95 :
会いたかった……会いたかったぞ、ガンダム!!
96 = 63 :
イノベ達が何人出るかによってはgdgdになりそうだな
97 = 3 :
~次回予告~
新型機を受領してもなお、任務を失敗するとは。
私は、専用機持ち失格だな。
……いや、ここで挫けてはいられない。
すまない、ハワード、ダリル。
私としたことが、己を見失っていたようだ。
さて、諸君。私は、司令部より独自行動の免許を与えられている。
つまりはワンマンアーミー……たった一人の軍隊なのだよ。
そうである以上、命令違反など知ったことか! 私は、自らの手で福音との決着を着ける!
我がスサノオは、未だ真価を発揮していない。今度こそ、真剣なる勝負を!
……おや、そこに見えるは少年か。
フラッグファイターには意地がある。止めてくれるなよ。
……む、そうか。すまない、無粋だったな。
行くぞ、少年。意地があるだろう、男にはな!
次回、『変革の刃』。裏に潜む世界の歪みを、破壊しろ、ガンダム!
98 = 82 :
ガンダァーム!!
おつ
99 :
乙
流石は乙女座といった所か
100 = 3 :
まさかこんな早く終わるとは思わなかった
37KBも書き溜めあるし二日ぐらいいけるかと思ってた
それはともかく、
ブシドーが箒の代役を勤めることになりましたが、これは正直アリですか? ナシですか?
否定的な意見が多いようだったらまた内容を練り直します
あとスレが余っちゃったのでおまけを投下します
内容はISとは全く関係ない、00×まどかです
刹那「魔法少女?」まどか「ガンダム?」でスレを立てようかとも考えましたが
半分ぐらい悪ふざけなので、せっかくだしここでやります
みんなの評価 : ★
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