元スレ刹那「インフィニット・ストラトス?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×4
501 = 443 :
――――彼女は極めて有能な教官だった。
織斑千冬は、希望であった。
――――私はIS専門となった部隊の中で、再び最強の座に君臨した。
織斑千冬は、戦士であった。
「どうして、そこまで強いのですか? ……どうすれば、強くなれますか」
「……私は強くない。私では、敵わなかった者がいる」
(……違う。
……どうして、そんな弱気な顔をするのですか。
私が憧れる貴方は、強く、凛々しく、堂々としているのに……)
「……ガンダムと言う言葉を、知っているか?」
「…………いえ」
「そいつさ。私では、勝てなかった。……それで、このザマだ」
――――ガンダム。
(……許せない。
教官にそんな運命を強要した者を……
ガンダムを、私は認めない……!)
――――刹那・F・セイエイ。
――――ガンダムエクシアの、パイロット!
503 = 436 :
馬鹿な、ガンダムだと!?
504 :
どういうことなんだ…一体!?
505 = 405 :
なんか設定が変になってるけど支援
506 = 443 :
(力が欲しい……!)
「君は、より強い力が欲しいんだね?」
頭の中に、男の声が反響する。
高くもない。低くもない。くせもない。
――――感情は、あった。
ほくそ笑んでいる。その嘲り、不愉快だ。しかし、構わない。例え無様であっても、力を手に入れる。
(……寄越せ、力を)
「……そうかい。素直なのは、嫌いじゃないよ」
(比類なき、最強を!)
◆
507 = 459 :
>>505 設定が変なんじゃない、これもすべてアムロのせいだ。
508 = 408 :
ボンズリか?
509 = 497 :
どう考えてもアイツにしか思えない
510 = 405 :
>>507
ISの世界とは別世界の産物だし最初ガンダムをでかいISって言ってたから変になったって書いただけ
千冬姉は宇宙に行ってアムロと戦ったってことか!?
511 = 412 :
あーなるほどそういやボンちゃんいたね
512 = 405 :
アムロってリボンズか
うわ恥ずかしい
513 = 443 :
ラウラの叫びが、会場に木霊する。
雷の様な放電現象が、シュヴァルツェア・レーゲンの着地点を中心に広がりだした。
その衝撃で、砂塵が晴れる。
姿を現したラウラは、しかし、予想と風貌を違えていた。
ISが、溶けているのだ。
粘土をこねているかのように、ぐねぐねと奇怪な動きを繰り返し、ラウラ・ボーデヴィッヒを取り込もうとしている。
「何……!?」
その光景の異常性に、シャルルが声を漏らした。
(……ティエリア)
≪ああ、急ごう。……あれは、危険だ≫
刹那も、シャルルと同じく、何かを感じていた。
しかし、それは感覚的なものではない。
形を持った、いやな予感。不安。
――――この世界に来てから一度として感知しなかった強い脳量子波を、ラウラが放っているのだ。
514 = 443 :
ラウラの顔は、恐怖に引きつっているように見えた。
初めて見せる、弱い表情。では、あれはラウラの意思とは無関係だとでも言うのだろうか。
その様を見守るしかない二人をよそに、ISだった黒い固形が、ラウラの全てを包み込んだ。
彼女の白い肌も、銀色の髪も、黒どろどろとしたそれに覆われている。
そのうち、ISだったそれは、ヒトガタを作り始めた。
未だバランスの狂った異形だが、しかし周囲の人間に嫌悪感を抱かせるには充分にグロテスクだ。
学園側も予想外の出来事だったのか、サイレンが鳴り始め、焦った様子のアナウンスが入る。
『非常事態発令! トーナメントの全試合は中止!
状況はレベルDと認定、鎮圧のため、統治部隊を送り込む。
来賓、生徒はすぐに避難してください』
観覧席のシェルターが閉まり、来賓席の人間が慌てて逃げ去っていく。
それをものともせず、黒い粘着質のそれは、ついに成形を終えた。
黒い、甲冑。
シュヴァルツェア・レーゲンの剛健さは見る影もなく、ぬらりと光る体表が、言い知れぬおぞましさを感じさせた。
その体長は、ISの二倍……先の襲撃者を彷彿とさせる外見だ。
しかし、その造形は、どこか人間を――――それも、女性をイメージさせる。
515 = 405 :
さるよけ
516 :
>>506
一瞬QBかと思った
517 = 436 :
人呼んで、グラハム支援スペシャル!
518 = 443 :
あれは、本当にラウラ・ボーデヴィッヒなのか?
刹那は、そう疑わずにはいられなかった。
事態を収拾すべく、教員がISを装備してやって来る。
……黒いISは、動かない。
警戒のためか、教員がライフルを構えた。
そして、吹き飛ばされる。
アリーナの壁へ、緑色のISが叩きつけられた。
突然の攻撃に、教員らは反射的に武器を構える。
黒いISが装備しているのは、一振りの日本刀だけだ。
距離を取れば、一方的になぶれるはず。
そこへ、
『待て、銃を捨てろ!』
通信機越しに、千冬の指示が下される。
教員らは、素直にそれに従った。敵の前で警戒態勢を解くなど自殺行為だが、
千冬がそんなことをさせるわけがないと、信頼しているのだ。
皆が銃を地面に置いた途端、黒い巨人の動きが止まる。
519 = 436 :
支援すると言った!
520 = 443 :
(あの動き……敵対者にのみ反応しているのか?)
刹那のそれはあくまで当て推量だが、そう推理することも出来た。
しかし、真相は分からない。あの黒いISが、人語に対して応答するかどうかもわからないのだ。
(……ダブルオーライザーを出す)
≪了解……形態移行に移るぞ≫
そこで刹那が取った選択肢は、トランザムバーストによる意思の伝達だった。
あの中にラウラが残っているのなら、GN粒子を介して対話が行えるはずだ。
刹那のISが発光、エクシアの装甲が、変形していく。
白を中心としたカラーリングが、青を基調とした色彩へ。
二つのGNドライヴが、肩へと配置される。
セブンソードは、GNソードⅡとⅢへ形を変えた。
光が収まり、刹那は早速トランザムのために操作を開始する。
521 = 443 :
「刹那、そのIS……」
「説明は後だ。今は、あの機体と対話を試みる」
「対話……?」
事情を知らないシャルルや教員は面食らっているようだが、構っている暇は無い。
二つのGNドライヴが、共鳴を開始した。
≪ツインドライヴ、同調……やれ、刹那!≫
「トランザム、バースト!」
GN粒子と、ダブルオーライザーの機体が、赤く染まる。
刹那を中心に、高濃度の粒子空間が形成された。
◆
522 = 405 :
さるよけ
523 :
クアンタじゃないんだな
524 :
未来への水先案内人はこのグラハム・エーカーが引き受けた!
支援
作者はどこまで書くんだい?
525 = 443 :
>>523
ダブルオーライザーを出したかったので
>>524
少なくとも放送分(9話)まではやります
(私……私は……)
ラウラの意識は、曖昧だった。
それに合わせ、体もぼけっとしている。
宇宙空間を漂っているような心地だった。
何故、こんなことになっているのだろう。
そう思ったが、ラウラはその疑問を放り投げてしまいそうになる。
何だか、ものが考えられない。思考より、眠気が勝っているような状態だ。
けれど、彼女は思う。何故? 何故だろう。
やがて、ラウラは結論にたどり着いた。
――――感情だ。嫌だったから。
……感情。どんな感情だろうか。
いや、感情?
彼女の中の感情は、全て外に出て行ってしまったような気もするし、全部奥にしまいこんだような気もする。
526 :
ISの詰まらない戦闘シーンも刹那がいるだけでかなり面白くなるな
528 = 443 :
それはいい。とにかく嫌だったのだ。
嫌。嫌だった。何が嫌だった?
教官が、あんな顔をするのが嫌だった。嫌だ。それは嫌だろう。
何故、そうなる? 教官を沈ませて、心に傷跡を残したのは誰だ?
段々と筋道が立ってきたラウラの思考。
そして浮かんだのは、一人の男の顔。
「刹那・F・セイエイ……!」
「……ラウラ・ボーデヴィッヒ」
忽然と、この不思議な空間に出現した刹那へ向け、ラウラは敵意を露にする。
教官に嫌な思いをさせるこいつが嫌いだったし、何より、ラウラは負けた。だから、余計に腹が立つ。
「……やはり、このISの中にいたのか」
「貴様、何を……!」
「ラウラ・ボーデヴィッヒ。お前と対話するために、俺はここへ来た」
「対話だと……!」
「ああ」
「私と教官の敵である貴様に、話すことなど……!」
「教官……織斑千冬か」
何故、と言いかけて、ラウラは口をつぐむ。
この場所は、どこか変だ。そんなつもりはないのに、自分の気持ちを、打ち明けてしまう。
531 = 432 :
これって例の裸空間だよな?
532 = 443 :
>>531
IS基準(ラウラだけ裸)か00基準(みんな全裸)かはご想像にお任せします
「教えてくれ、ラウラ・ボーデヴィッヒ。
織斑千冬と俺の間に、一体何があった」
「貴様……! 白を切るつもりか!
大会の前日、教官を襲ったお前が……!」
「大会……?」
「第二回IS世界大会だ……!
教官は決勝まで勝ち残ったが、試合前日に何者かの襲撃を受けて重症を負い、不戦敗に終わった……!」
「…………」
そんな事情があったのか。刹那は、今始めて千冬の過去を知った。
千冬は、あまり自分のことを話したがらない。
ましてや、汚点になりかねないそんな話、語りたくはないだろう。
「その襲撃者の名を、私は知っている……!
ガンダム……! 貴様と同じISを装着した男が、教官の不意を打った!」
「ガンダム……!?」
刹那がこの地球を訪れたのは、つい先日のことである。
時間跳躍の技術は、西暦2364年現在、未だ開発されていない。
534 = 443 :
「そのガンダムは、俺ではない」
「何を……!」
「ガンダムは、紛争を根絶するためにある。
そのような世界を歪める行為を、ソレスタルビーイングは良しとしない」
「知ったことか!」
「お前は知らなければいけない。
その怒りは、矛先を違えている。
そのままでは憎しみが歪みとなり、やがて争いを生む……!」
「そうさせたのはお前だ! ガンダムと言う存在だ!」
「違う。俺たちは、未来を切り開くために戦っている」
「…………」
刹那の低い声に、ラウラは押し黙った。
彼が嘘をついているわけではないと、直感的にわかったからだ。
誰に説明されたわけではないが、ラウラはそう思った。この場所は、きっと、己の思いを伝えるためにある。
「……お前は戦いに執着しすぎている。悪意による戦いは、世界を歪めるだけでしかない……何が、お前をそうさせた」
「……私は」
ラウラは、それだけ言って、黙った。
しかし、刹那にはわかる。高濃度のGN粒子が散布されていれば、自然とわかるのだ。
535 = 443 :
「お前は……超兵なのか」
「……似ている。貴様の考えている、それとな」
超兵と言う言葉の意味を、ラウラは知らない。
だが、刹那の意思を通して、理解できる。
それと同じ原理で、刹那もラウラの生まれを把握したのだ。
「戦うだけの人生……俺もそうだ」
「…………」
「だが今は、そうでない自分がいる」
刹那の目は、まっすぐだ。
その瞳を、ラウラはじっと見つめた。自分と同じ、金色の虹彩。
「お前は変われ。
お前なら、破壊するだけではなく、分かり合うことが出来るはずだ」
「……私には」
「出来る。お前は変わるんだ。
未来と向き合うために、自分自身を変革させろ」
「……私は、強くない。
教官を失い、矜持すら砕かれて……何を頼りに生きればいいんだ」
「ならば、生きるために戦え。
自分自身のために、未来を切り開け。その先に、必ず何かがある。
お前はまだ生きている。……生きているんだ。命がある限り、人は変わっていける」
刹那自身が、そうしたように。
ラウラも、きっと変われるはずなのだ。
536 = 408 :
ここ1stのハムとの戦いを彷彿させられるな、胸熱支援
538 = 424 :
箒いなくても問題なく話が進む件
539 = 443 :
「……お前は、何故強くあろうとする。どうして、強い」
「俺は、託された……仲間の希望を、変革の意思を。だから、歩みは止めない。
そのために俺は戦う。破壊するためではない、守るための戦いを成す」
「……守るための、戦い」
――――それはまるで、あの人のようだ。
「……オーバーロード……!?
トランザムの限界時間か……」
「そうか……もう、終わるのだな」
「ああ。だが忘れるな、ラウラ・ボーデヴィッヒ。
お前は変われる……未来のために、変わるんだ」
◆
540 :
いいねいいね!!!!
541 :
続ききた!
俺が支援だ
542 = 443 :
「私は……」
覚醒したラウラ・ボーデヴィッヒは、ベッドに体を横たえていた。
節々が、痛む。鍛えられているこの体が、こうまで疲労するとは。
「……何が、起きたのですか」
ベッドのそばで椅子に腰掛ける千冬に、ラウラは問いかけた。
表情を崩さないまま、千冬は答える。
「……一応重要案件である上に、機密事項なのだが……VTシステムを知っているな?」
「ヴァルキリー・トレース・システム……」
「そう。IS条約で、その研究はおろか、開発、使用、全てが禁止されている。
……それが、お前のISに積まれていた。
精神状態、蓄積ダメージ、そして何より、操縦者の意思。
……いや、願望か。それらが揃うと、発動するようになっていたらしい」
「……私が……望んだからですね……」
ラウラは、ぎゅっとシーツを握った。
543 = 540 :
支援が足りないのか…
544 = 433 :
>>436
ありがとう
545 = 443 :
弱ったその心を再び持ち直させるように、千冬は声を張る。
「ラウラ・ボーデヴィッヒ」
「はっ……はいっ」
「お前は誰だ」
「私は……」
質問の意図を探りかねて、ラウラは口をつぐんだ。
それが狙いだったのだろう、千冬は構わず続ける。
「誰でもないなら丁度いい。
お前はこれから、ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
「えっ……」
「それから……お前は、私になれないぞ」
そう言い残して、千冬は保健室から出て行く。
扉が閉まる音がして、ラウラは力なく天井を見つめ。
それから、笑った。腹の底から、笑っていた。
◆
546 :
>>544
http://iwatam-server.sakura.ne.jp/column/marysue/test.html
549 = 443 :
騒動が収拾して、しばらく。
シャルルと食卓を囲みながら、刹那は学園側からの通知に目を通していた。
「結局、トーナメントは中止だって。でも個人データを取りたいから、一回戦は全部やるそうだよ」
「中止……」
「ちょっと残念?」
シャルルの問いに、首を横へ振る。
進んで戦いたくはないが、一応学園側への売り込みは必要だ。
複雑な事情が絡み合っていたが、ここは一応否定の意を示しておいた。
そこへ、明るい声が介入してくる。
「セイエイ君、デュノア君、朗報ですよ!」
姿を現したのは、クラス副担任の真耶だった。
「今日は大変でしたね~。でも、二人の労をねぎらう素晴らしい場所が、今日から解禁になったのです!」
「場所……?」
シャルルが聞き返すと、真耶は待ってましたとばかりに大げさな動きをとり、言った。
「男子の、大浴場なんです!」
◆
550 = 436 :
大欲情か……
みんなの評価 : ★★★×4
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