元スレ翔一「転校生の仮面ライダーアギトです!」巴マミ「あ、アギ……?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
101 :
メガテンかと思った
102 :
書きためしてないのか?
上手いのにもったいない
103 = 49 :
書きため?
104 :
再び静まり返る場。
だが、数秒経過したところで、結界の内部から外にいるマミたちからも視覚出来るほどの光が溢れ出した。
――やがて、結界は陽炎のようにゆらゆらと揺れながら徐々に消え去っていった。
結界が消え去ると、そこには二つの足で立ち、右手を前に伸ばし、左手を腰のあたりに添えながら静止している黄金の怪人――アギトの姿があった。
アギト「…………」
結界が完全に消滅したのを確認すると、アギトは構えを解き、先日の時のようにその場を歩き去ろうとする。
キュゥべえ「待て、アギト!」
――だが、今回はそんなアギトの前にキュゥべえが立ちはだかり、強引に引き止めようとする。
アギト「…………」
しかし、アギトの方はそんなキュゥべえに一瞥することもなく、彼(?)の横を素通りして何処かへと歩き去っていった。
マミ「…………」
目の前の出来事に完全に呆けてしまっていたマミが正気を取り戻したのは、アギトが完全にその場を立ち去り、少しばかり時計の秒針が進んだ頃だった。
105 = 104 :
マミ「キュゥべえ……一体、何が起きたの? 結界は? 魔女は? グリーフシードは……?」
キュゥべえ「……マミ、今から僕の言う事をよく聞いて欲しい」
マミ「……何?」
キュゥべえ「グリーフシードはアギトがあの結界に飛び込んだ瞬間、間違いなく孵化したと思う。だけど……」
マミ「だけど……?」
キュゥべえ「アギトは……『結界ごと』その魔女を破壊したんだ。まだ作られて間もない、生まれたての魔女が作った結界だからこそできたことだろうけど……」
マミ「――――」
106 = 104 :
キュゥべえから語られたその言語をマミは最初理解することができなかった。
魔女は常に自身の巣である結界の奥に隠れ潜み、絶望という名の『呪い』を結界の外にいる人間たちに撒き散らす。
そのため、キュゥべえと契約した魔法少女たちは、魔女を討滅する場合はその結界の中に乗り込み、魔女のいる最深部へと向かう必要がある。
だが、最深部までには魔女を護る下僕たちや一種の迷宮である結界そのものが立ちふさがり、侵入者である魔法少女に襲い掛かるのだ。
魔法少女の中には、最深部に辿り着く前に結界内で力尽き、果てていった者も少なくない。
だが、先程のアギトが行ったのは、まるで魔法少女たちのそういった行為そのものを嘲笑うかのような、正直言って出鱈目な手法だった。
――『魔女を討つために、魔女が隠れ潜んでいる結界そのものを破壊する』。
例えるなら、それは一匹の女王蜂を討つために、殺虫剤で巣にいる蜂を一匹一匹殺していくのに対して、蜂の巣そのものにナパーム弾をぶち込んで巣ごと焼き殺すようなものである。
当然、例えの場合、魔法少女は当然前者だ。
いくらなんでも滅茶苦茶である。
107 :
QBは女王蜂だもんなそりゃあアギトは恐いわ
108 :
上手いSSは大好物だぜぇ!
支援
109 = 104 :
マミ「……じゃあ、グリーフシードも……」
キュゥべえ「当然手に入るわけないよ。結界の内部にあったものは、みんな結界と一緒に消え去ってしまっただろうからね」
マミ「…………」
キュゥべえ「まぁ、僕らが結界の中に入る前にアギトが現れてくれたのが唯一の救いだね。正直、運が良かったとしか言い様がないよ」
マミ「……教えて……」
キュゥべえ「ん?」
マミ「教えて。あいつは何者なの? キュゥべえはあいつのことをどれくらい知っているの?」
キュゥべえ「……僕の口から説明できることも限られているよ?」
マミ「構わないわ」
キュゥべえ「――『アギト』は、この世界を生み出した神から強力な力を授けられた存在だ。その力は人間はおろか、神の眷属にも勝るとも言われている」
マミ「この世界を生み出した……神様……」
110 = 104 :
テオスは、生み出した幾多の光のうちのひとつに、自らを象って人間を作り、自らの分身であるマラークたちを象り獣を作った。
やがて、人間たちはマラークの子である獣たちを家畜とし、その肉を喰らうようになった。
マラークたちはこれを人間の驕り高ぶりとして怒り、テオスに血で汚れた人間たちの断罪を訴えるが、テオスはこれを取り合わなかった。
――テオスは分身である自分たちよりも、自らの姿に近い人の子を愛しているのか?
やがて、マラークは怒りと嫉妬心から、人間たちと争うようになった。
戦いはテオスの分身たるマラークの一方的な優勢であったことは言うまでもない――
これに同情した7人のマラーク・エルロードの1人、火のプロメスは、マラークたちを裏切り、人間の娘と交わった。
そして、人間の娘に孕ませた自身の子・ネフィリムを人間たちの力とした。
マミ「……『アギト』、あなたは私たちの味方なの? それとも……」
111 = 104 :
とりあえず、一旦ここで休憩します
ある程度書きためたらまた続き投下する
あと、保守や支援してくれている方々㌧クス
一応本作はまどっちの方の世界観がベースだからアギト色はやや薄めだけど、
アギトスキーの方もよかったら最後まで付き合ってくだされ
112 :
乙待ってる
113 :
敏樹ライダーの裏設定の濃さは異常
114 :
とりあえずアンノウンvs魔法少女を楽しみにしてる
115 :
超期待してる
頑張って
116 :
乙
仮面ライダークロスとか俺得すぎる。超期待して待ってるわ。
117 :
アギトとか楽しみすぎる
118 = 115 :
ほ
119 = 104 :
マミ「大丈夫!? しっかりして!」
???「あ……。うぁ……」
その日、キュゥべえと契約した魔法少女・巴マミは1人の少年を助けていた――
魔女の呪いによって引き起こされた交通事故。それに、目の前にいる少年は巻き込まれた。
――いや、正確に言うと巻き込まれたのは、彼とその家族だった。
マミが魔女の気配を察知し、現場へ駆けつけた頃にはすでに手遅れであった。
だから、マミは目の前にいる少年だけでも――助けられるものだけでも助けたかった。
すでに事故現場には多くの野次馬が集まってきていた。
そのため、さすがのマミでもこんな所で堂々と魔法を使うことはできない。
――周囲の人目を気にしながら、周りにいる者達から気付かれぬよう少年に――本当に微々たるものだが――治療魔法を施す。
すでに時が夜で辺りも暗かったため、マミの魔法少女としての姿及び彼女が少年に施している魔法に野次馬たちが誰1人気がつなかったことが幸いだった。
120 = 104 :
マミ「お願い……! 死なないで……!」
???「……と……とも、え……」
マミ「!?」
突然、目の前にいる少年の口から自身の名が出たため、思わず一瞬手を止めてしまうマミ。
そして、その瞬間になって、やっと彼女は今自身が助けようとしている少年の顔を確認することができた。
マミ「ま、まさか……」
???「お、俺……死に、たく……ない……!」
マミ「……葦川……くん……?」
マミ「…………」
マミ「……」
マミ「夢……?」
マミ「…………」
翔一「巴さん、おはようございます!」
121 = 104 :
マミ「…………」
翔一「……アレ? 巴さん?」
マミ「……あっ!? お、おはよう、沢野くん」
翔一「なんか今日も調子悪そうですね……。今日は一体どうしたんですか? 寝不足ですか?」
マミ「ううん。違うの……。今朝のことなんだけど、今から一月程前のことを夢に見てね……」
翔一「夢……ですか?」
マミ「えぇ……。今沢野くんが座っている席に本来座っていた子――葦川涼くんっていうんだけどね……」
翔一「葦川さん……ですか?」
マミ「彼、今から一月程前に、ご両親と信号待ちをしていたところで自動車同士の正面衝突事故に巻き込まれたの……」
翔一「…………」
マミ「私は事故が起きた後にそこに居合わせたんだけど……。私が来た時には、すでに彼のご両親は亡くなってたわ……」
翔一「…………」
122 = 104 :
マミ「葦川くんは何とか一命は取り留めたけど、水泳部の最後の夏の大会にも結局出場できなくなって……」
翔一「わかりました! それじゃあ、今日の放課後、俺と巴さんでその葦川さんのお見舞いにいきましょう!」
マミ「えっ?」
翔一「巴さんの話から察するに、葦川さんは今、病院に入院しているってことですよね?」
マミ「え、えぇ……」
翔一「それなら、なおさらお見舞いに行ってあげましょう! 葦川さん、きっとご両親が亡くなって毎日1人寂しい思いをしているに違いありません!」
マミ「あ……」
翔一「? どうしました?」
マミ「…………」
翔一「? 巴さん?」
マミ「……そ、そうね……。あまり大勢で行くと、かえって迷惑になっちゃうでしょうから、2人で行きましょうか」
翔一「はい!」
マミ「…………」
123 :
ギルス来たか
124 :
歩く死亡フラグ・男版園崎冴子こと、芦原さんキター!
125 = 104 :
スイマセン。睡魔が襲ってきたので一度寝ます
朝起きたら続き投下しますので、よろしければそれまでの間保守お願いします
126 = 116 :
乙!
俺は保守する!スレの為に、アギトの為に!
129 :
芦原は歩く死生産機
魔女より怖い
131 :
実は知ってるのアギトだけで
ここまで読んで巴の読み方すら分からないけど楽しめてる、不思議!
132 :
俺のヒーローギルスキター
大好きすぎて同じ車種のバイク買っちまったぜ
134 :
>>131
まどかマギカは仮面ライダー龍騎みたいで面白いよ
135 = 104 :
???「葦川先輩」
涼「ん? あぁ、上條か。お前もこれからリハビリか?」
上條「はい。先輩は今終わったところですか?」
涼「あぁ。……そういえば上條、今日もあの女の子は見舞いに来てくれたのか? あの幼なじみの……」
上條「さやかですか? いえ、残念ながら今日は……」
涼「そうか……」
上條「……先輩、近いうちに退院できるかもしれないって聞きましたけど、本当ですか?」
涼「あぁ。ただ、退院できたとしても、当分水泳をはじめとして運動はまだ出来ないだろうけどな」
136 = 104 :
上條「……正直、僕は先輩が羨ましいです」
涼「上條?」
上條「先輩は復帰すればまた水泳を続けられますけど、僕の左腕は……」
涼「…………」
上條「……あ。ごめんなさい。辛気臭いこと言ってしまって……」
涼「俺は……むしろ上條の方が羨ましいと思うよ……」
上條「えっ!?」
涼「上條にはまだ心配してくれる家族や、見舞いに来てくれる奴がいる。それに比べて俺には……」
上條「先輩……」
涼「……あ。スマン、俺の方こそ辛気臭いこと言っちまったな。忘れてくれ」
上條「い、いえ! 元はといえば、先にあんなこと言った僕が悪かったんです」
涼「じゃあ……おあいこってことで、いいか?」
上條「はい」
涼「……おっと、いつまでもこんな所で長話も何だな。それじゃあ上條、お前も頑張れよ」
上條「はい。先輩も」
137 = 104 :
涼「……ん?」
???「それじゃあ、沢野くん。花瓶にお水よろしくね」
???「ハイ! 任せてください!」
涼「……誰か来ているのか?」
(ガラッ……!)
翔一「あ……!」
涼「ん……?」
マミ「……葦川くん……!」
涼「!? 巴……」
139 = 104 :
涼「そうか、転校生か。俺が休んでいる間もクラスではいろいろとあったみたいだな」
マミ「えぇ。クラスの皆も、葦川くんがまた元気な姿を見せてくれる日を待っているわ」
涼「クラスの皆……か……」
マミ「葦川くん?」
涼「巴、これ覚えてるか?」
マミ「これって……葦川くんが入院した次の日にクラスの皆で書いた寄せ書き……」
涼「そこに書かれている内容に一度ひと通り目を通してもらえるか?」
マミ「…………これって」
涼「そう……。どいつもこいつも『早く良くなってください』とか『また一緒に勉強しましょう』とか綺麗事のように同じ内容の文章ばっか並べてる……」
マミ「葦川くん……」
140 = 104 :
涼「最初、先生が見舞いも兼ねてそれを持って来てくれた時は嬉しかったよ。だけど、日が経つにつれて逆に虚しく感じるようになった……」
マミ「…………」
涼「結局は俺の存在なんてそんなもんだったってことさ。現に今までクラスの奴は誰1人として見舞いになんて来てくれなかった……!」
マミ「……ごめんなさい」
涼「あ……。いや、別に攻めているわけじゃないんだ。誤解させてしまったみたいで、スマン」
マミ「いえ……」
涼「……むしろ巴には感謝しているくらいなんだ」
マミ「えっ?」
涼「俺の勘違いかもしれないけど……。あの時、巴が俺を助けてくれていなかったら、今頃俺は死んでいたかもしれないって思うんだ」
マミ「…………」
141 = 104 :
涼の言っていることもあながち間違いではなかった。
事故当時、彼の身体は本当に酷い有様であった。
大量に出血し、手や足は見るからにあらぬ方向へとひん曲がり、まさに「瀕死」「死に体」などという言葉どおりの状況だった。
マミですら最初は無意識下で「こんな状態でよく生きていられるものだ」とすら思ってしまったほどである。
微々たるものとはいえ、マミが治癒魔法を施していなければ、涼の言うとおり今頃は彼もすでにこの世に存在していなかったかもしれない。
マミ「……そんなことないわ。葦川くんが今こうして生きているのは、葦川くんの生きたいって思いが誰よりも強かったからよ」
涼「……そうかな?」
マミ「うん」
涼「……巴が言うならそうなのかもな……」
翔一「は~い! 花瓶にお水入れて来ました~!」
マミ「あっ。ご苦労様」
142 = 104 :
翔一「いや~、この病院、想像以上に中も広いんですね。迷いそうになっちゃいましたよ。花瓶は窓のあたりに置いておけばいいですかね?」
涼「あ、あぁ……」
翔一「わかりました! ……あ、そうだ。葦川さんってリンゴはお好きですか?」
涼「は? い、いや、別に嫌いじゃないが……」
翔一「そうですか! 実は来る途中に買ってきたんです! 今皮を剥いて食べやすいサイズに切りますから待っていてください!」
涼「……元気な奴だな」
マミ「え、えぇ。むしろ元気というより純粋って言ったほうがいいのかしら……?」
143 = 104 :
翔一「やっぱり、お見舞いでリンゴといえばウサギさんの形に切ったやつですよね~」
―――キィン! キィィィン!
翔一「!?」
キィン! キィン! キィィィン!
涼「!?」
マミ「? 沢野くん、どうし……」
涼「ぐ……がぁあああああ!!」
マミ「!? 葦川くん!?」
翔一「だ、大丈夫ですか?」
涼「う、ぐあああああ……!!」
突然、苦しみ始めベッドの上でのたうち回る涼。
その時、マミはふと自身の左手中指にはめられていた指輪――正確には指輪に形が変わっている彼女のソウルジェム――に目がいった。
144 :
しえん
145 = 104 :
マミ(強い魔力の反応!? まさか近くに魔女が……!?)
マミは再び涼の方へと眼を向ける。
見た限り、彼の身体には魔女の呪いを受けている証である『魔女の口づけ』と呼ばれるタトゥーのような紋章は見られない。
マミ(魔女の呪いによるものじゃない? どういうこと……? いや、今はそれよりも……)
翔一「巴さん、俺先生や看護師さん呼びますね!」
マミ「えぇ、お願い!」
そう言い残すと、マミは病室の外へ出る。
マミ「間違いない……。近くに魔女がいる……!」
指輪から本来の形へと姿を変えたソウルジェムを手にマミは病院の廊下を駆け出した。
146 :
おお、まるできれいな敏樹だな
147 :
ふむ
ええやん
148 :
俺のG3に出番は無さそうだな
149 = 104 :
マミ「……見つけた!」
マミが病院の外に出ると、人目の付きにくい物陰に空間の歪みのような現象が発生していた。
魔女の結界が侵食している証である。
マミ「――!」
周囲に人目がないことを確認すると、マミはソウルジェムをかざす。
そして、そこから発せられた黄色い光に包まれると、次の瞬間には彼女の服装は制服から魔法少女の装束へと変わる。
空間の歪みに若干のブレが生まれる。
おそらく、結界内の魔女がマミの魔力を感じ取ったのだろう。
大抵の魔女は、この後、結界ごとその場から逃走を図るが――
150 :
伊達「一億円稼ぐ」
鴻上社長「それが君の願い(欲望)だね?」
みんなの評価 : ★★
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